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素晴らしき媚薬効果
03※
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「んだよ、鹿波今日テンション低くね?なんかあった?」
教室へ戻る途中、階段の側を通りがかったときだった。
下の階の踊り場からどっかで聞いたことがある名前が聞こえてきて、思わず立ち止まる。
うちの学校で鹿波という珍しい名前の生徒は一人しかいない。そっと立ち止まり、俺は下の階を見下ろす。
授業が数人の生徒が溜まっていて、その中には見覚えのある赤茶髪の生徒もいた。間違いない鹿波だ。
「……なんもねぇよ。元からだっての」
「そうだっけ?今日はなんか一段とあれだよな、しお……しお……」
「しおらしい」
「そう、それ。しおらしいんだよなー、お前。変なもの食った?」
「……別に」
大人しい鹿波に心配そうな顔をする不良仲間たち。
そして、連中に絡まれる鹿波の異変は一目瞭然だった。離れてる俺から見てもわかるほど、顔は赤い。恐らく息も上がってるのだろう。傍目に見りゃ体調不良にしか見えないだろうが、事情を知ってる俺からしてみれば『出来上がってる』。
「……俺、ちょっと便所」
「便所って、またかよ、どうした?下痢かー?」
そういって、ゲラゲラと笑う周りだが本人はまるで相手にしていない。そのまま背中を向け、階段を降りていく。
階段を降りていくときも不自然に腰を引いてる鹿波からして、勃起してるのだろう。そしてどうやら、そんな鹿波の異変に気付いたのは俺だけではなかったようだ。
鹿波の姿を見てにやにやと笑う一人の生徒は、隣にいた生徒になにかを耳打ちをする。
可笑しそうに笑いあった二人は、立ち上がる鹿波に続くようにして立ち上がった。
「鹿波くーん、便所にナニしにいくんだよ」
そう鹿波の下腹部に手を伸ばした一人の不良は、徐に鹿波の股間をスラックスの上から揉みしだく。
きっとちょっとからかうつもりだったのだろう。ただでさえ媚薬を過剰摂取している鹿波にとって、そのからかいは酷なものだった。
「んぁっ、あ、や……ッ!」
背後から抱きすくめるように強い力で股間を揉みしごかれた鹿波の口からはやけに生々しい喘ぎ声が漏れる。
ノリで鹿波のを揉んでいた不良は、まさかまじで感じられるとは思わなかったようだ。静まり返る踊り場の空気に、顔を真っ赤に鹿波は慌てて自分の口を塞ぐ。
「わ……悪ぃ」
釣られて真っ赤になる不良に、それとは比にならないほど鹿波の顔は赤くなった。
無理もない。赤の他人にやられて感じるのとはわけが違う。媚薬の効果に対する動揺と、友人の手で感じてしまった自己嫌悪。そのせいで凍り付いた空気に堪えられなくなった鹿波はおずおずと不良から離れる。
「わ、いや、その……気のせいだから。これは、まじで気のせいだからな」
そう鹿波はその場から逃げるように階段を降りていった。
その足取りでさえあまり早いとは言えない。恐らく、エロ漫画的に言うなれば何かしらに触れる全身至るところが疼いて仕方ないという状況だろう。
そんな鹿波を放置してるほど、俺も鬼ではない。なんともいえない空気だけが残った踊り場へと降り、俺は鹿波の後を追った。
最寄りの男子便所、先程の宣言通り、鹿波はそこにいた。
丁度閉まろうとしていた扉を見つけ、俺はそこに指を入れれば強引に扉を開く。予想通り、そこには鹿波がいた。
「……媚薬、すげー効き目だろ」
何食わぬ顔をして中へと入ってくる俺に、鹿波はなんでここにいるんだと言いたそうな口をパクパクさせる。
「……なんで、お前……っ」
すかさず個室の鍵を掛ける。
胸ぐらを掴んでくる鹿波だが、その拳にいつものような馬力はない。
「辛いだろうなぁって思って会いに来てやったんだよ。お友だち相手にあんあん言っちゃうくらいだもんな、辛かっただろ?」
「……てめぇ、仕組みやがったな」
睨みつけてくる鹿波に、「可愛かったぞ」と笑いかければ、鹿波は俺をキッと睨みつける。
「クソ……お前死ね……っ、最悪だ……、お前まじで……ッ」
……それを、熱で潤んだ瞳と、紅潮した顔で言われてもなんとも説得力がない。寧ろ、今の俺にとっては逆効果もいいところだ。
「いいのかよ、俺が死んだら……お前の熱収めてやるやついねーぞ」
「ふざけ……」
口で言ったところで耳を貸さないだろう。ならば、と鹿波の下腹部、その不自然な膨みに手を這わせれば、びくりと鹿波の体が揺れる。
「やっ、め……触るな……ッ!」
手の甲で、それもスラックスの上から撫で上げただけにも関わらず、鹿波の腰は面白いほど揺れる。引き腰になる鹿波を壁へと押し付ければ、その衝撃にすら仰け反り、声を漏らした。
「や、めろ……まじでぶっ殺すからな……!」
「こんなに勃起してるやつに言われても説得力ねーんだよなぁ……」
「っ、ぁ、や、ッ、離せ……ぇ……」
股の間に指を差し込み、やわやわと衣類越しにそこを揉みしだけば、先程までの威勢はどこにいったのやら、鹿波の体はビクビクと震える。
「……このまま仲間のところ戻るつもりかよ」
「また揉まれんぞ」と、浮かび上がったそこを上下に擦れば、「ぁ」と鹿波の口から甘い声が漏れる。それも束の間、真っ赤になった鹿波は「いい加減にしろ」と俺の胸を思いっきり叩く。が、まるで力の入ってないパンチは痛くも痒くもない。
「ぃッ、ぁ、や……ッ、やめろ……めろってば……ッ」
スラックスを緩め、下着をずり下ろせば、中から勃起した性器が頭を出す。その先端はカウパーで厭らしく濡れ、今にもはち切れんばかりに脈打つそれを握れば、鹿波が大人しくなる。
「っ、触んな……」
弱々しい声。そんな顔をされたところではいそうですかとやめるほど俺も善人ではない。
唾液を垂らし鈴口に指の腹を這わせる。そのまま穿るように指先を動かせば、鹿波の腰が揺れた。
「っ、や、ぁ、やめろ、馬鹿……ッ!変態眼鏡……!!」
「ここで止めても余計辛いだけだろ」
「っぁ、ひ……ッ!」
刺激すればするほど、どんどん溢れてくる先走りも混ざって手の中ではぐちゅぐちゅとなんとも品のない水音が響いた。壁に凭れ掛かり、腰を震わせる鹿波。相変わらず口は悪いが、その罵倒すら声が蕩けてるため迫力がない。
亀頭部分の窪みに親指を這わせたときだ、鹿波は背筋をぴんと伸ばし、大きく震えた。握ったそこが大きく脈打ち、その先端から勢いよく溢れる精液が溢れる。
「は……っぁ、……や……」
乱れた呼吸。力なくずるずると落ちていく鹿波の体を捕まえ、俺は再度性器を握り込んだ。
「も、やめろ」と、濡れた目の鹿波が訴えてくるが、2本分の媚薬を飲んだ鹿波の方が自分の体のことを分かってるだろう。
こんなもので収まるはずがない。現に、握り込んだそこはすぐに芯を持ち始めている。
「こんなんじゃ、全然足んねーだろ」
鹿波の恥態を見せつけられ、どうやら俺にもその熱に充てられたらしい。窮屈になる下腹部、ベルトを緩めれば、鹿波の視線が俺の下腹部に向かい、そして真っ赤になった。
「っ、ふざけ……んな……!やめ……んんッ!」
ろ、という前に、うるさい口を塞ぐ。舌を噛まれたのでディープなやつはやめておくが、唇を押し付け、その薄皮に舌を這わせれば、みるみるうちに鹿波の威勢がなくなっていく。そしてあのときの、目だ。細められる、蕩けたようなその目にゾクゾクと背筋が震える。
大人しくなってる隙に、鹿波の腰を抱き寄せ、そのケツを思いっきり掴んだ。
「っ、ふ、ぅ、んん……ッ、んむ……」
最初はびくっと反応していたが、角度を変え、何度も深く口付ければ、次第に俺の体へともたれ掛かってくる鹿波。くたりとし、肩で呼吸をする鹿波は正直、認めたくはないが、まあ、可愛くないでもない。
いつもならここで腹を蹴られるなり唇に噛み付かれるなりしていたのだが、流石媚薬というわけだろう。無防備な鹿波に、堪らず俺はその臀部を揉みしだいていた。
「っ、ん……ッや、め……っ、んん……」
鹿波の体のどこもかしこが焼けるように熱い。
割れ目を押し開き、人差し指で最奥の窄みをくすぐれば、鹿波の唇がきゅっと締まる。
まだ意地を張るつもりか、一回イってるくせに、本当強情なやつだな。高座様、早くそのチンポを突っ込んでくださいくらい言ってくれりゃあ可愛いのに。
そっちがそのつもりなら、と、肛門から指を離す。そのまま、引き締まった尻たぶを揉めば、鹿波がこちらを見た。なんで、という色を滲ませた目に、思わず笑ってしまいそうになる。
こいつ、本当……。
「……っ、……」
どくり、と心臓が脈打つ。変な汗が一気に溢れ出した。やけに、熱い。ああ、もしかして、今頃俺にも効いてきたのか。口に含んだ分の媚薬が。
焦らして焦らして挿入してくださいって泣かせるまで焦らそうと思ったのに、これではまるで、計画もクソもない。
鹿波のシャツをまくり上げる。現れた腰は、外で遊んでる運動部よりかはよっぽど白い。それが余計厭らしくも思えるのだ。
「っ、た、かく……ら……?」
ひくひくと微かに開閉するそこに、取り出した性器を押し付ければ、鹿波は顔色を変えた。
「待っ、待て、いきなり、それは、む……」
震えた声すら誘っているようにしか思えない。考えるよりも先に、体が動いていた。逃げる鹿波の体を押さえつけ、指で無理矢理開いたそこに、亀頭をねじ込む。
「――ッ、ひィ……ッ!!」
声にならない、鹿波の声が腰に響く。相変わらずキツイ、狭いそこは俺を受け入れないようにとするが、絡みつくようにうねる内壁が余計気持ちよくて、腰が止まらなかった。
「っ、あ゛っ、や、め、抜け……ッ抜けぇ……ッ!!」
鹿波の目に滲む涙。けれど、その悲鳴すら甘いのだから、救いようがない。チンポに吸い付くような肉の感触は正直、油断すればすぐに持ってかれそうなほどだった。
中を擦る度に色気のない声が漏れる、足をばたつかせていた鹿波だったが、根本まで一気に腰を打ち付ければ、声にならない声をあげ、二度目の精液を飛ばした。やつが、自分の腹部にかかる精液を拭う暇すら与えるつもりはなかった。
カリ部分まで腰を引いたあと、一気に腰を打ち付ける。それを繰り返すと、面白いほど鹿波は大人しくなっていた。紅潮した頬、浅い息。言葉を交わす余裕なんて今の俺に残されていなくて、とにかく、こいつの体をしゃぶり尽くしたい。そんな欲が芽生えてしまうのだ。我ながら、獣じみていると思う。それも媚薬のせいだというのだから恐ろしいものだ。
「ぁ……っ、は……ッ、ひ、ぁ……」
小刻みに痙攣する鹿波の体を抱き抱えるように挿入を繰り返す。やつの体を壁に押し付け、下から突き上げるように腰を動かす度にビクビクと震えた。やつの勃起した性器から透明の液体が溢れる。それを亀頭に塗り込むように触れれば、「嫌だ」と鹿波は首を振った。それに構わず全体へと裏スジまでしっかり塗り込めば、俺のを咥え込んだ内部が恐ろしいほどぎゅっと締め付けてくるのだ。本当に、油断したらもってかれそうだ。魂ごと。
「っ、や、めろ、無理、も、出な……」
「っ、嘘付け、まだ、ここパンパンになってんぞ」
「んんぅッ!」
軽く、引っ張られる玉を指先でつついたときだ。鹿波が大きく仰け反った。天を仰ぐ性器からは濁った精液が溢れ出す。つられて、中を締め付けられ、堪らず射精してしまう。
「っ、死ね……っ」
相変わらずの口の悪さだが、股から人の精液垂らしながら言われたところで興奮しかしない。
「うるせえな、俺が死ぬときは、お前も一緒だッ!」
「ん、ぎ、ぃ、待っ、動いちゃ、だめ、や 、ぁ、あぁあッ!!」
腰を進めれば、中で自分の精液が絡みついてくる。シラフなら気持ち悪くて仕方ないのだろうが、今は、何よりも嫌だやめてくれと涙目になる鹿波を犯したいという思考で一色だった。
「ぁっ、やっ、高座、たかく……ンんっ!」
舌を捩じ込み、窄まったやつの舌を根本から絡め取る。ぐちゅぐちゅと響く音が結合部からか口内からか最早判断つかなかったが、そんなことどうでもよかった。
「ん゛っ、ん、ぅん゛ッ!んんッ!」
腰が止まらない。縮こまる鹿波を抱き締め、抑え込み、ひたすら犯す。ガタガタと音が出てようが、トイレの外に人がいようが、今だけはどうでも良かった。目の前のこいつをやすやすと逃がすよりは、断然。
「っ、は、んぶ、ッ、ぅ、んん」
俺のピストンに合わせて、鹿波の腰が揺れる。舌先でやつの舌を擦れば、唾液が溢れ出すのだ。気持ちいい。気持ちいい。ぬるぬるして、熱くて、鹿波に触れてる箇所が全部溶けてしまいそうだ。
ずっとキスをしていたせいか、口元はどちらのものかもわからない唾液で濡れていた。息苦しさすら心地よくて、顔を逸らそうとする鹿波を捕まえて、また再度深く口をつける。奥を何度も突けば突くほど、鹿波は痙攣し、俺にしがみついてくるのだ。……まじですげーな媚薬。ちゅ、ちゅ、と、控えめながらもキスを返してくる鹿波に、俺は頭のどこかでなにかがブチ切れるのを感じながら、鹿波の中で二度目の射精した。
◆ ◆ ◆
「高座ー、媚薬どうだっ……うわ、どうしたの。その顔」
「まあ、色々あってな」
「あ、なんか大体わかったから言わなくていいよ」
「聞いてくれよ……」
「血生臭い話聞きたくないもん。んで、はい。プレゼント」
「またか。って、なにこれバイブ?」
「例の知り合いに会ってからさ、貰ったんだけど僕アナル開発する趣味もさせる相手もいないから高座にあげる」
「俺にケツ突っ込めっていうのか」
「いや、資料になるかなって思ったんだけど……そっか、高座そっちもイケたんだね……」
「例えばだろ、げんなりするのやめろ地味に傷つくわ」
「ふふ、まあ使い方は高座に任せるよ」
「おー、ありがとな」
「あっ、そういえば僕鹿波から高座と話すなって言われてたんだった。ってことで僕に話しかけないでね」
「え」
「冗談だよ、冗談」
「まじで言いそうなんだけど、あいつ」
「まあ九割まじだね」
「どっちだよ」
「冗談ってのが冗談」
「なんだよお前……」
「ってかさ、高座も鹿波と仲直りすればいいじゃん。ごめんなさいって」
「んなこと簡単に言うけどな、あいつ俺を見るたびに親の仇みたいに殴りかかってくるんだぞ。手に追えるかあんな凶暴なやつ」
「それは高座の態度が悪いからだと思うよ。誠意を持って謝ったら大丈夫!」
「誠意?」
「例えば……プレゼントとか?」
「……なるほど、プレゼントか。……ん?」
「そうそうプレゼント……って、ちょっと待って高座。それはダメだと思うよ、高座!待って高座!早まらないで!高座!高座ぁ!!」
END
教室へ戻る途中、階段の側を通りがかったときだった。
下の階の踊り場からどっかで聞いたことがある名前が聞こえてきて、思わず立ち止まる。
うちの学校で鹿波という珍しい名前の生徒は一人しかいない。そっと立ち止まり、俺は下の階を見下ろす。
授業が数人の生徒が溜まっていて、その中には見覚えのある赤茶髪の生徒もいた。間違いない鹿波だ。
「……なんもねぇよ。元からだっての」
「そうだっけ?今日はなんか一段とあれだよな、しお……しお……」
「しおらしい」
「そう、それ。しおらしいんだよなー、お前。変なもの食った?」
「……別に」
大人しい鹿波に心配そうな顔をする不良仲間たち。
そして、連中に絡まれる鹿波の異変は一目瞭然だった。離れてる俺から見てもわかるほど、顔は赤い。恐らく息も上がってるのだろう。傍目に見りゃ体調不良にしか見えないだろうが、事情を知ってる俺からしてみれば『出来上がってる』。
「……俺、ちょっと便所」
「便所って、またかよ、どうした?下痢かー?」
そういって、ゲラゲラと笑う周りだが本人はまるで相手にしていない。そのまま背中を向け、階段を降りていく。
階段を降りていくときも不自然に腰を引いてる鹿波からして、勃起してるのだろう。そしてどうやら、そんな鹿波の異変に気付いたのは俺だけではなかったようだ。
鹿波の姿を見てにやにやと笑う一人の生徒は、隣にいた生徒になにかを耳打ちをする。
可笑しそうに笑いあった二人は、立ち上がる鹿波に続くようにして立ち上がった。
「鹿波くーん、便所にナニしにいくんだよ」
そう鹿波の下腹部に手を伸ばした一人の不良は、徐に鹿波の股間をスラックスの上から揉みしだく。
きっとちょっとからかうつもりだったのだろう。ただでさえ媚薬を過剰摂取している鹿波にとって、そのからかいは酷なものだった。
「んぁっ、あ、や……ッ!」
背後から抱きすくめるように強い力で股間を揉みしごかれた鹿波の口からはやけに生々しい喘ぎ声が漏れる。
ノリで鹿波のを揉んでいた不良は、まさかまじで感じられるとは思わなかったようだ。静まり返る踊り場の空気に、顔を真っ赤に鹿波は慌てて自分の口を塞ぐ。
「わ……悪ぃ」
釣られて真っ赤になる不良に、それとは比にならないほど鹿波の顔は赤くなった。
無理もない。赤の他人にやられて感じるのとはわけが違う。媚薬の効果に対する動揺と、友人の手で感じてしまった自己嫌悪。そのせいで凍り付いた空気に堪えられなくなった鹿波はおずおずと不良から離れる。
「わ、いや、その……気のせいだから。これは、まじで気のせいだからな」
そう鹿波はその場から逃げるように階段を降りていった。
その足取りでさえあまり早いとは言えない。恐らく、エロ漫画的に言うなれば何かしらに触れる全身至るところが疼いて仕方ないという状況だろう。
そんな鹿波を放置してるほど、俺も鬼ではない。なんともいえない空気だけが残った踊り場へと降り、俺は鹿波の後を追った。
最寄りの男子便所、先程の宣言通り、鹿波はそこにいた。
丁度閉まろうとしていた扉を見つけ、俺はそこに指を入れれば強引に扉を開く。予想通り、そこには鹿波がいた。
「……媚薬、すげー効き目だろ」
何食わぬ顔をして中へと入ってくる俺に、鹿波はなんでここにいるんだと言いたそうな口をパクパクさせる。
「……なんで、お前……っ」
すかさず個室の鍵を掛ける。
胸ぐらを掴んでくる鹿波だが、その拳にいつものような馬力はない。
「辛いだろうなぁって思って会いに来てやったんだよ。お友だち相手にあんあん言っちゃうくらいだもんな、辛かっただろ?」
「……てめぇ、仕組みやがったな」
睨みつけてくる鹿波に、「可愛かったぞ」と笑いかければ、鹿波は俺をキッと睨みつける。
「クソ……お前死ね……っ、最悪だ……、お前まじで……ッ」
……それを、熱で潤んだ瞳と、紅潮した顔で言われてもなんとも説得力がない。寧ろ、今の俺にとっては逆効果もいいところだ。
「いいのかよ、俺が死んだら……お前の熱収めてやるやついねーぞ」
「ふざけ……」
口で言ったところで耳を貸さないだろう。ならば、と鹿波の下腹部、その不自然な膨みに手を這わせれば、びくりと鹿波の体が揺れる。
「やっ、め……触るな……ッ!」
手の甲で、それもスラックスの上から撫で上げただけにも関わらず、鹿波の腰は面白いほど揺れる。引き腰になる鹿波を壁へと押し付ければ、その衝撃にすら仰け反り、声を漏らした。
「や、めろ……まじでぶっ殺すからな……!」
「こんなに勃起してるやつに言われても説得力ねーんだよなぁ……」
「っ、ぁ、や、ッ、離せ……ぇ……」
股の間に指を差し込み、やわやわと衣類越しにそこを揉みしだけば、先程までの威勢はどこにいったのやら、鹿波の体はビクビクと震える。
「……このまま仲間のところ戻るつもりかよ」
「また揉まれんぞ」と、浮かび上がったそこを上下に擦れば、「ぁ」と鹿波の口から甘い声が漏れる。それも束の間、真っ赤になった鹿波は「いい加減にしろ」と俺の胸を思いっきり叩く。が、まるで力の入ってないパンチは痛くも痒くもない。
「ぃッ、ぁ、や……ッ、やめろ……めろってば……ッ」
スラックスを緩め、下着をずり下ろせば、中から勃起した性器が頭を出す。その先端はカウパーで厭らしく濡れ、今にもはち切れんばかりに脈打つそれを握れば、鹿波が大人しくなる。
「っ、触んな……」
弱々しい声。そんな顔をされたところではいそうですかとやめるほど俺も善人ではない。
唾液を垂らし鈴口に指の腹を這わせる。そのまま穿るように指先を動かせば、鹿波の腰が揺れた。
「っ、や、ぁ、やめろ、馬鹿……ッ!変態眼鏡……!!」
「ここで止めても余計辛いだけだろ」
「っぁ、ひ……ッ!」
刺激すればするほど、どんどん溢れてくる先走りも混ざって手の中ではぐちゅぐちゅとなんとも品のない水音が響いた。壁に凭れ掛かり、腰を震わせる鹿波。相変わらず口は悪いが、その罵倒すら声が蕩けてるため迫力がない。
亀頭部分の窪みに親指を這わせたときだ、鹿波は背筋をぴんと伸ばし、大きく震えた。握ったそこが大きく脈打ち、その先端から勢いよく溢れる精液が溢れる。
「は……っぁ、……や……」
乱れた呼吸。力なくずるずると落ちていく鹿波の体を捕まえ、俺は再度性器を握り込んだ。
「も、やめろ」と、濡れた目の鹿波が訴えてくるが、2本分の媚薬を飲んだ鹿波の方が自分の体のことを分かってるだろう。
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「こんなんじゃ、全然足んねーだろ」
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「っ、ふざけ……んな……!やめ……んんッ!」
ろ、という前に、うるさい口を塞ぐ。舌を噛まれたのでディープなやつはやめておくが、唇を押し付け、その薄皮に舌を這わせれば、みるみるうちに鹿波の威勢がなくなっていく。そしてあのときの、目だ。細められる、蕩けたようなその目にゾクゾクと背筋が震える。
大人しくなってる隙に、鹿波の腰を抱き寄せ、そのケツを思いっきり掴んだ。
「っ、ふ、ぅ、んん……ッ、んむ……」
最初はびくっと反応していたが、角度を変え、何度も深く口付ければ、次第に俺の体へともたれ掛かってくる鹿波。くたりとし、肩で呼吸をする鹿波は正直、認めたくはないが、まあ、可愛くないでもない。
いつもならここで腹を蹴られるなり唇に噛み付かれるなりしていたのだが、流石媚薬というわけだろう。無防備な鹿波に、堪らず俺はその臀部を揉みしだいていた。
「っ、ん……ッや、め……っ、んん……」
鹿波の体のどこもかしこが焼けるように熱い。
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まだ意地を張るつもりか、一回イってるくせに、本当強情なやつだな。高座様、早くそのチンポを突っ込んでくださいくらい言ってくれりゃあ可愛いのに。
そっちがそのつもりなら、と、肛門から指を離す。そのまま、引き締まった尻たぶを揉めば、鹿波がこちらを見た。なんで、という色を滲ませた目に、思わず笑ってしまいそうになる。
こいつ、本当……。
「……っ、……」
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焦らして焦らして挿入してくださいって泣かせるまで焦らそうと思ったのに、これではまるで、計画もクソもない。
鹿波のシャツをまくり上げる。現れた腰は、外で遊んでる運動部よりかはよっぽど白い。それが余計厭らしくも思えるのだ。
「っ、た、かく……ら……?」
ひくひくと微かに開閉するそこに、取り出した性器を押し付ければ、鹿波は顔色を変えた。
「待っ、待て、いきなり、それは、む……」
震えた声すら誘っているようにしか思えない。考えるよりも先に、体が動いていた。逃げる鹿波の体を押さえつけ、指で無理矢理開いたそこに、亀頭をねじ込む。
「――ッ、ひィ……ッ!!」
声にならない、鹿波の声が腰に響く。相変わらずキツイ、狭いそこは俺を受け入れないようにとするが、絡みつくようにうねる内壁が余計気持ちよくて、腰が止まらなかった。
「っ、あ゛っ、や、め、抜け……ッ抜けぇ……ッ!!」
鹿波の目に滲む涙。けれど、その悲鳴すら甘いのだから、救いようがない。チンポに吸い付くような肉の感触は正直、油断すればすぐに持ってかれそうなほどだった。
中を擦る度に色気のない声が漏れる、足をばたつかせていた鹿波だったが、根本まで一気に腰を打ち付ければ、声にならない声をあげ、二度目の精液を飛ばした。やつが、自分の腹部にかかる精液を拭う暇すら与えるつもりはなかった。
カリ部分まで腰を引いたあと、一気に腰を打ち付ける。それを繰り返すと、面白いほど鹿波は大人しくなっていた。紅潮した頬、浅い息。言葉を交わす余裕なんて今の俺に残されていなくて、とにかく、こいつの体をしゃぶり尽くしたい。そんな欲が芽生えてしまうのだ。我ながら、獣じみていると思う。それも媚薬のせいだというのだから恐ろしいものだ。
「ぁ……っ、は……ッ、ひ、ぁ……」
小刻みに痙攣する鹿波の体を抱き抱えるように挿入を繰り返す。やつの体を壁に押し付け、下から突き上げるように腰を動かす度にビクビクと震えた。やつの勃起した性器から透明の液体が溢れる。それを亀頭に塗り込むように触れれば、「嫌だ」と鹿波は首を振った。それに構わず全体へと裏スジまでしっかり塗り込めば、俺のを咥え込んだ内部が恐ろしいほどぎゅっと締め付けてくるのだ。本当に、油断したらもってかれそうだ。魂ごと。
「っ、や、めろ、無理、も、出な……」
「っ、嘘付け、まだ、ここパンパンになってんぞ」
「んんぅッ!」
軽く、引っ張られる玉を指先でつついたときだ。鹿波が大きく仰け反った。天を仰ぐ性器からは濁った精液が溢れ出す。つられて、中を締め付けられ、堪らず射精してしまう。
「っ、死ね……っ」
相変わらずの口の悪さだが、股から人の精液垂らしながら言われたところで興奮しかしない。
「うるせえな、俺が死ぬときは、お前も一緒だッ!」
「ん、ぎ、ぃ、待っ、動いちゃ、だめ、や 、ぁ、あぁあッ!!」
腰を進めれば、中で自分の精液が絡みついてくる。シラフなら気持ち悪くて仕方ないのだろうが、今は、何よりも嫌だやめてくれと涙目になる鹿波を犯したいという思考で一色だった。
「ぁっ、やっ、高座、たかく……ンんっ!」
舌を捩じ込み、窄まったやつの舌を根本から絡め取る。ぐちゅぐちゅと響く音が結合部からか口内からか最早判断つかなかったが、そんなことどうでもよかった。
「ん゛っ、ん、ぅん゛ッ!んんッ!」
腰が止まらない。縮こまる鹿波を抱き締め、抑え込み、ひたすら犯す。ガタガタと音が出てようが、トイレの外に人がいようが、今だけはどうでも良かった。目の前のこいつをやすやすと逃がすよりは、断然。
「っ、は、んぶ、ッ、ぅ、んん」
俺のピストンに合わせて、鹿波の腰が揺れる。舌先でやつの舌を擦れば、唾液が溢れ出すのだ。気持ちいい。気持ちいい。ぬるぬるして、熱くて、鹿波に触れてる箇所が全部溶けてしまいそうだ。
ずっとキスをしていたせいか、口元はどちらのものかもわからない唾液で濡れていた。息苦しさすら心地よくて、顔を逸らそうとする鹿波を捕まえて、また再度深く口をつける。奥を何度も突けば突くほど、鹿波は痙攣し、俺にしがみついてくるのだ。……まじですげーな媚薬。ちゅ、ちゅ、と、控えめながらもキスを返してくる鹿波に、俺は頭のどこかでなにかがブチ切れるのを感じながら、鹿波の中で二度目の射精した。
◆ ◆ ◆
「高座ー、媚薬どうだっ……うわ、どうしたの。その顔」
「まあ、色々あってな」
「あ、なんか大体わかったから言わなくていいよ」
「聞いてくれよ……」
「血生臭い話聞きたくないもん。んで、はい。プレゼント」
「またか。って、なにこれバイブ?」
「例の知り合いに会ってからさ、貰ったんだけど僕アナル開発する趣味もさせる相手もいないから高座にあげる」
「俺にケツ突っ込めっていうのか」
「いや、資料になるかなって思ったんだけど……そっか、高座そっちもイケたんだね……」
「例えばだろ、げんなりするのやめろ地味に傷つくわ」
「ふふ、まあ使い方は高座に任せるよ」
「おー、ありがとな」
「あっ、そういえば僕鹿波から高座と話すなって言われてたんだった。ってことで僕に話しかけないでね」
「え」
「冗談だよ、冗談」
「まじで言いそうなんだけど、あいつ」
「まあ九割まじだね」
「どっちだよ」
「冗談ってのが冗談」
「なんだよお前……」
「ってかさ、高座も鹿波と仲直りすればいいじゃん。ごめんなさいって」
「んなこと簡単に言うけどな、あいつ俺を見るたびに親の仇みたいに殴りかかってくるんだぞ。手に追えるかあんな凶暴なやつ」
「それは高座の態度が悪いからだと思うよ。誠意を持って謝ったら大丈夫!」
「誠意?」
「例えば……プレゼントとか?」
「……なるほど、プレゼントか。……ん?」
「そうそうプレゼント……って、ちょっと待って高座。それはダメだと思うよ、高座!待って高座!早まらないで!高座!高座ぁ!!」
END
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どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
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