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第三章【注文の多い魔物たち】
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「ヴァイス……っ」
テミッドを連れ戻してくれ、と訴えかけるがやつはどこ吹く風で。逃げようとしても細く生白い手にガッチリと掴まれた腕はびくともしない。それどころか。
「そう暴れない方が良い。君は僕から逃れることはできない。無駄な労力を費やすのは賢いとは言えないだろう」
「……っそんなの……」
「ロヴェーレ君のことがそんなに気に入っているのか」
「き……気に入ってるとかじゃなくて、テミッドは俺の友達だ!」
「ふうん、友達ね。……悪いがこういったことには興味ないんだ」
部屋を出て、どんどんと進んでいくヴァイス。階段を上がる音が響く。立ち止まって抵抗しようとするが、無駄だ。この細い腕のどこに力が入ってるのか気になるほどだ。
そしてやってきた地上。迷いもせず真っ直ぐにある部屋へとやってきたヴァイスはようやく俺から手を離してくれた。そこは倉庫のようだ。立ち並ぶ棚からなにかを取り出したヴァイスは、そのまま俺の着ていた制服を脱がそうとしてくる。
「ちょっ、待っ、なに……」
「何って、着替えないといけないだろう」
「……へ」
「フロアを回すと言っただろう。君を一人にしておくとネズミに嗅ぎ付けられそうだしね」
ネズミ、というのは巳亦のことか。それとも。
言いながらも人を脱がす手を止めないヴァイスに困惑する。やめろ、と抵抗しようとする暇もなかった。やけに慣れた手付きで俺を脱がしたヴァイスは先程用意していたらしいウエイターの制服を俺の体に押し当てた。すると、あっという間にその制服は俺の体に絡み付くように身に着けられるのだ。
「う、お……っ!」
「君ウエイターの経験は?」
「あ、る……けど」
「……あぁ、そうか。確か刑天閣で手伝いしてたんだっけ?」
「知ってるのか……?」
「ああ、勿論。商売敵のことは知っておかないと行けないからね」
商売敵、というにはあまりにも毛色が違う気もするが飲食店というものはそうなのか。なんとなくヴァイスのその反応が気になった。
「ここ最近は客足が遠のいていたようだけど、人の子……君を使うなんて奴らも考えたよね。お陰で、君まで僕の手中に落ちてきたのだけれど」
「……っ」
「それにしても……いい首輪だ。死神しか扱えない冥魂具か」
いい趣味をしているね、と曝された首元に巻かれた外れない首輪を指でなぞられ、ぶるりと悪寒が走る。慌ててヴァイスの手から逃げるように体を仰け反らせれば、ヴァイスは少しだけ目を細めた。
「っ、さわ、るな……」
「そう嫌わないでくれ。……僕は君と親しくしたいと思っているよ。それなりにはね」
もう、この男が何を言っても信用できない。胡散臭さを体現化したような目の前の魔法使いは、そんな俺に気付いてるはずだ。それでもさして傷付いた様子もなく、最後に俺のエプロンを腰紐を締めてくれるのだ。
「君は僕の側に立っているだけでいい。それと、逃げようだなんて考えないことだ」
「……」
「ああそれと、君の心臓に魔法をかけた。僕から1メートル離れたらその心臓が爆発する魔法だよ」
「え……ッ!」
「聞こえてこないかい?その心臓の音が」なんて、涼しい顔してとんでもないことを言い出すヴァイスに血の気が引いた。いつの間にかに、ノーモーションだったよな。言われてみれば心臓の音が先程よりも大きい……気がする。
「かっ、解除……しろよ……っ! 早く……っ」
「そうしたら意味がないだろう。それに君が僕から離れなければいい話だ」
「……っ」
この男、人でなしだ。従いたくない、こんなことしてる場合ではないと思うのに、1メートル離れたときのことを考えると従わざる得なかった。渋々その側によれば、そこでヴァイスはようやく笑ったのだ。「ああ、それでいい」と、犬か何かを褒めるように俺の頭を撫でる。俺は咄嗟にその手を振り払った。
「俺の体が……バラバラになってもいいのか……っ?」
「死霊魔法なら任せてくれ。体と魂さえあればまた君を蘇生させることもできる。それに僕は君の体が欲しいとは言ったが、最悪死体でもいい。それでも材料は生きたままに越したことはないがな」
話せば話すほど理解できない。俺のことを一人の人として見ていないことがわかった。恐らく、この男にしてみれば命なんて些細なものなのだろう。よくて貴重なモルモットとしか思っていないのがわかってしまい、改めてゾッとする。
「……っ、お……お前だって、元々……人間だったんだろ? なんで……そんな酷いこと……!」
「人間……確かに魔力もない人間だった頃もあったかもしれない。とはいえ、僕と君は決定的に違う。君はまだこの魔界のことを知らない。だからそう生きることに固執するのだろうな」
「次期に君も慣れるだろう」そう続けるヴァイスの声はどこまでも冷たかった。
「さあ、そろそろ行くか。1メートルだからな」
「っ、ま、待って……」
「手を握るかい?」
「にぎ……らない……っ」
伸ばされた手を拒否すれば、ヴァイスは「そうか、これは失敬」と微笑んだ。柔和なのは物腰だけだ、演技臭い笑い方も、最初の戯けたような話し方も全部演技なのだろう。絶対にこの男の思い通りにならない。テミッドも、黒羽さんも助ける。そう決意した俺は、一先ずヴァイスから1メートル離れないようにその後を追いかけた。
何故、こんなことになっているのか。
ヴァイスに連れられ、制服に着替えさせられた俺は様々な客で賑わうホールへと来ていた。
ヴァイスは溜まっていた注文をどんどん消化し、また新たに入った注文に取り掛かる。
正直、俺はこの男のことを許すつもりもないが、それでも同情してしまいそうなほどの忙しさだった。
というか……。
「魔法、使わないのか?」
「え?」
「アンタ、凄い魔法使いなんだろ。魔法使ってこう……ばーって終わらせたらいいんじゃないのか?そんなに一つ一つやるのって効率悪いんじゃ……」
ヴァイスは「ああ、そういうことか」と控えめに微笑んだ。
「確かに君の言う通りだ。けどそれをしないのには訳があるんだ」
なんとなく、学校の先生にでも諭されるような口調が気になったが、それよりもだ。
ヴァイスが客の前で魔法を使わない理由。
考えればすぐに分りそうなものだが……。
「君にわかるだろうか」当てたら褒めてあげようと何処までも上からなこの男にムッとしそうになる。ちょっと待て、考えろ。もしかしたらそれがやつの弱点になる可能性もある。
この建物自体にはすでにヴァイスによる魔法陣がかけられている。
それに、地下でもヴァイスは俺の目の前で魔法を使って見せた。ならば、魔法に制限がかかっている可能性は低そうだ。
なら環境が影響しているのか。
――例えば、何らかの理由で人前で魔法が使えないとか……。
いや違う、この男は俺たちの前で使って見せた。じゃあ、残る理由はただ一つだ。
この男は人前で魔法が使えないのではない、使わないのだ。
思えば、ヴァイスは妙な男だった。俺やテミッドのこと、いや、此処にいる客のことを実験の材料としか見ていないくせに、客の前ではそんな素振りなど一切見せずにへこへこ低姿勢で接客に勤しむのだ。そういえば店内と俺たちに見せる態度はまるで違うし……。
「魔法使いだってこと、隠してる……とか?」
恐る恐る指摘すれば、ヴァイスは「ふむ」と少し意外そうな顔をした。
「いい線をいっているね」
「……本当に?」
「僕はお世辞は言わないようにしているんだ」
「だとしても、そんなこと俺に言っていいのか? ……何か理由があるんじゃないのか?」
「仮にもし君に知られたとしても、僕にとっては細事ということだ。痛くも痒くもない、人間にできることなどたかが知れているしね」
「な……っ」
「君が余計なことを口走ろうとした瞬間その生命活動を終えさせることは僕にとって容易いことだ。……そういうわけだから、君は僕のことよりも自分のこと案ずるべきだろうね」
……少しでもこの男のことを考えた俺が馬鹿だった。
元人間なんて関係ない、この男に人の心など持ち合わせてるわけがなかった。そんなの最初から分かっていたことなのに。
「……と、そろそろかな」
不意にどこからともなく鐘の音が響く。
ここに来た時に比べて魔物たちも入れ替わっているようだ。
人目も気にせずいちゃついている妖怪から目を逸らすので精一杯だった俺だったが、急にヴァイスに「曜君」と肩を掴まれぎょっとする。
「なに……」
「これから先は僕の後ろで大人しくするんだよ」
言われなくても、離れないようにするので精一杯だった俺はヴァイスの邪魔など、況してや暴れた記憶もない。
なんで、と聞くよりも先にヴァイスは答えてくれた。
「これから面倒な客が来るからね」
面倒な客?と聞き返すよりも先に、店内が一気に静まり返った。そして、聞こえてくるのは一つの足音だ。カツリカツリと、静かな足音にも関わらず妙な威圧感を覚える。そして、その足音の主は着実にこちらへと近づいてくるのだ。
ヴァイスの肩越し、その足音のする方へと視線を向けた俺は息を呑んだ。
「その面倒な客っていうのは、まさか俺のことじゃあないだろうな」
赤味かかった茶髪に派手な柄物のスーツ。その肩には水色の蝙蝠がちょこんと乗っている。突然現れたその長身の男に、周りの魔物たちは三者三様のリアクションを見せるのだ。女たちは情欲の混じったような恍惚の表情、そして男たちは怯えや畏れを滲ませる。
アヴィド・マーソン――リューグの腹違いのお兄さんで、吸血鬼の……。
テミッドを連れ戻してくれ、と訴えかけるがやつはどこ吹く風で。逃げようとしても細く生白い手にガッチリと掴まれた腕はびくともしない。それどころか。
「そう暴れない方が良い。君は僕から逃れることはできない。無駄な労力を費やすのは賢いとは言えないだろう」
「……っそんなの……」
「ロヴェーレ君のことがそんなに気に入っているのか」
「き……気に入ってるとかじゃなくて、テミッドは俺の友達だ!」
「ふうん、友達ね。……悪いがこういったことには興味ないんだ」
部屋を出て、どんどんと進んでいくヴァイス。階段を上がる音が響く。立ち止まって抵抗しようとするが、無駄だ。この細い腕のどこに力が入ってるのか気になるほどだ。
そしてやってきた地上。迷いもせず真っ直ぐにある部屋へとやってきたヴァイスはようやく俺から手を離してくれた。そこは倉庫のようだ。立ち並ぶ棚からなにかを取り出したヴァイスは、そのまま俺の着ていた制服を脱がそうとしてくる。
「ちょっ、待っ、なに……」
「何って、着替えないといけないだろう」
「……へ」
「フロアを回すと言っただろう。君を一人にしておくとネズミに嗅ぎ付けられそうだしね」
ネズミ、というのは巳亦のことか。それとも。
言いながらも人を脱がす手を止めないヴァイスに困惑する。やめろ、と抵抗しようとする暇もなかった。やけに慣れた手付きで俺を脱がしたヴァイスは先程用意していたらしいウエイターの制服を俺の体に押し当てた。すると、あっという間にその制服は俺の体に絡み付くように身に着けられるのだ。
「う、お……っ!」
「君ウエイターの経験は?」
「あ、る……けど」
「……あぁ、そうか。確か刑天閣で手伝いしてたんだっけ?」
「知ってるのか……?」
「ああ、勿論。商売敵のことは知っておかないと行けないからね」
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「……っ」
「それにしても……いい首輪だ。死神しか扱えない冥魂具か」
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「っ、さわ、るな……」
「そう嫌わないでくれ。……僕は君と親しくしたいと思っているよ。それなりにはね」
もう、この男が何を言っても信用できない。胡散臭さを体現化したような目の前の魔法使いは、そんな俺に気付いてるはずだ。それでもさして傷付いた様子もなく、最後に俺のエプロンを腰紐を締めてくれるのだ。
「君は僕の側に立っているだけでいい。それと、逃げようだなんて考えないことだ」
「……」
「ああそれと、君の心臓に魔法をかけた。僕から1メートル離れたらその心臓が爆発する魔法だよ」
「え……ッ!」
「聞こえてこないかい?その心臓の音が」なんて、涼しい顔してとんでもないことを言い出すヴァイスに血の気が引いた。いつの間にかに、ノーモーションだったよな。言われてみれば心臓の音が先程よりも大きい……気がする。
「かっ、解除……しろよ……っ! 早く……っ」
「そうしたら意味がないだろう。それに君が僕から離れなければいい話だ」
「……っ」
この男、人でなしだ。従いたくない、こんなことしてる場合ではないと思うのに、1メートル離れたときのことを考えると従わざる得なかった。渋々その側によれば、そこでヴァイスはようやく笑ったのだ。「ああ、それでいい」と、犬か何かを褒めるように俺の頭を撫でる。俺は咄嗟にその手を振り払った。
「俺の体が……バラバラになってもいいのか……っ?」
「死霊魔法なら任せてくれ。体と魂さえあればまた君を蘇生させることもできる。それに僕は君の体が欲しいとは言ったが、最悪死体でもいい。それでも材料は生きたままに越したことはないがな」
話せば話すほど理解できない。俺のことを一人の人として見ていないことがわかった。恐らく、この男にしてみれば命なんて些細なものなのだろう。よくて貴重なモルモットとしか思っていないのがわかってしまい、改めてゾッとする。
「……っ、お……お前だって、元々……人間だったんだろ? なんで……そんな酷いこと……!」
「人間……確かに魔力もない人間だった頃もあったかもしれない。とはいえ、僕と君は決定的に違う。君はまだこの魔界のことを知らない。だからそう生きることに固執するのだろうな」
「次期に君も慣れるだろう」そう続けるヴァイスの声はどこまでも冷たかった。
「さあ、そろそろ行くか。1メートルだからな」
「っ、ま、待って……」
「手を握るかい?」
「にぎ……らない……っ」
伸ばされた手を拒否すれば、ヴァイスは「そうか、これは失敬」と微笑んだ。柔和なのは物腰だけだ、演技臭い笑い方も、最初の戯けたような話し方も全部演技なのだろう。絶対にこの男の思い通りにならない。テミッドも、黒羽さんも助ける。そう決意した俺は、一先ずヴァイスから1メートル離れないようにその後を追いかけた。
何故、こんなことになっているのか。
ヴァイスに連れられ、制服に着替えさせられた俺は様々な客で賑わうホールへと来ていた。
ヴァイスは溜まっていた注文をどんどん消化し、また新たに入った注文に取り掛かる。
正直、俺はこの男のことを許すつもりもないが、それでも同情してしまいそうなほどの忙しさだった。
というか……。
「魔法、使わないのか?」
「え?」
「アンタ、凄い魔法使いなんだろ。魔法使ってこう……ばーって終わらせたらいいんじゃないのか?そんなに一つ一つやるのって効率悪いんじゃ……」
ヴァイスは「ああ、そういうことか」と控えめに微笑んだ。
「確かに君の言う通りだ。けどそれをしないのには訳があるんだ」
なんとなく、学校の先生にでも諭されるような口調が気になったが、それよりもだ。
ヴァイスが客の前で魔法を使わない理由。
考えればすぐに分りそうなものだが……。
「君にわかるだろうか」当てたら褒めてあげようと何処までも上からなこの男にムッとしそうになる。ちょっと待て、考えろ。もしかしたらそれがやつの弱点になる可能性もある。
この建物自体にはすでにヴァイスによる魔法陣がかけられている。
それに、地下でもヴァイスは俺の目の前で魔法を使って見せた。ならば、魔法に制限がかかっている可能性は低そうだ。
なら環境が影響しているのか。
――例えば、何らかの理由で人前で魔法が使えないとか……。
いや違う、この男は俺たちの前で使って見せた。じゃあ、残る理由はただ一つだ。
この男は人前で魔法が使えないのではない、使わないのだ。
思えば、ヴァイスは妙な男だった。俺やテミッドのこと、いや、此処にいる客のことを実験の材料としか見ていないくせに、客の前ではそんな素振りなど一切見せずにへこへこ低姿勢で接客に勤しむのだ。そういえば店内と俺たちに見せる態度はまるで違うし……。
「魔法使いだってこと、隠してる……とか?」
恐る恐る指摘すれば、ヴァイスは「ふむ」と少し意外そうな顔をした。
「いい線をいっているね」
「……本当に?」
「僕はお世辞は言わないようにしているんだ」
「だとしても、そんなこと俺に言っていいのか? ……何か理由があるんじゃないのか?」
「仮にもし君に知られたとしても、僕にとっては細事ということだ。痛くも痒くもない、人間にできることなどたかが知れているしね」
「な……っ」
「君が余計なことを口走ろうとした瞬間その生命活動を終えさせることは僕にとって容易いことだ。……そういうわけだから、君は僕のことよりも自分のこと案ずるべきだろうね」
……少しでもこの男のことを考えた俺が馬鹿だった。
元人間なんて関係ない、この男に人の心など持ち合わせてるわけがなかった。そんなの最初から分かっていたことなのに。
「……と、そろそろかな」
不意にどこからともなく鐘の音が響く。
ここに来た時に比べて魔物たちも入れ替わっているようだ。
人目も気にせずいちゃついている妖怪から目を逸らすので精一杯だった俺だったが、急にヴァイスに「曜君」と肩を掴まれぎょっとする。
「なに……」
「これから先は僕の後ろで大人しくするんだよ」
言われなくても、離れないようにするので精一杯だった俺はヴァイスの邪魔など、況してや暴れた記憶もない。
なんで、と聞くよりも先にヴァイスは答えてくれた。
「これから面倒な客が来るからね」
面倒な客?と聞き返すよりも先に、店内が一気に静まり返った。そして、聞こえてくるのは一つの足音だ。カツリカツリと、静かな足音にも関わらず妙な威圧感を覚える。そして、その足音の主は着実にこちらへと近づいてくるのだ。
ヴァイスの肩越し、その足音のする方へと視線を向けた俺は息を呑んだ。
「その面倒な客っていうのは、まさか俺のことじゃあないだろうな」
赤味かかった茶髪に派手な柄物のスーツ。その肩には水色の蝙蝠がちょこんと乗っている。突然現れたその長身の男に、周りの魔物たちは三者三様のリアクションを見せるのだ。女たちは情欲の混じったような恍惚の表情、そして男たちは怯えや畏れを滲ませる。
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