40 / 98
第三章【注文の多い魔物たち】
02
しおりを挟む
ウエイターとして働く時間は決まってる。
あまり夜が耽ると酒飲みの妖怪が増えてくるという理由から戌の刻……二十時には上がる規則になっていた。
というわけでやってきた従業員と入れ替わるようにチャイナ服から制服へと着替えた俺とテミッド、そして早上がりのホアンエレベーターから一階へと降りる。
受付前には二つの見知った影があった。
「お疲れさん、坊主ども。今日もやってくれたみてーだな」
そう、強面のバーテン服の男は俺たちの姿を見るなりニッと笑う。そこから覗く無数の尖った牙は人間のそれではない。最初はぎょっとしたが、そろそろ見慣れてきた。
トゥオというこの男はまんま化けワニの妖怪というらしい。初対面時にワニの頭のままのトゥオに会わされた俺からしてみればまだ人間時の姿の方が接しやすい。
「トゥオさん」
「……」
「へへっ、ま、お前が帰ったらこれからまたすっからかんになるだろうけどな」
「アンタはまたそんなことばかり言って……すまないね曜、テミッド。こんな昼間から酒飲んで遊んでばっかの男の言うこと聞いちゃいけないよ」
そしてそんなトゥオの隣にいるのは黒い毛の塊……ではなく、毛倡妓の玉香玉香だ。
床につくほどの長い髪のせいでどっちが前なのかどころか顔も見えないが、真っ赤なチャイナドレスが似合う姐さんだ。彼女もまたトゥオと同じ夜勤の従業員である。俺にはまだわからないが、芸妓としては人気な人らしい。確かに雰囲気がある人だった。
「さぁ、子供たちはそろそろ帰りな。これから先は大人の時間だからね」
「お、大人の時間……?」
「そうだよ、アンタみたいな可愛い坊やが彷徨いていたらトゥオみたいな悪い大人にぺろりと食われちゃうよ」
「そ……そんなこと、させません……っ」
「おやおや、そうだったね! 曜、アンタには可愛いナイトがついてるんだったか!」
哈哈哈と笑う玉香に、テミッドは顔を真っ赤にして俯く。やっぱり女の人は苦手らしい。かくいう俺も玉香に絡まれる度にドキドキしてしまうのだけど。
そんななか、全く動じる気配のない男が一人。
「んー……子供たち……それってもしかして阿拉のことも言ってるアル?」
「アンタも似たようなもんだよ」
「ハッ! 確かになぁ! 精神年齢的にはどっこいどっこいだろうな!」
「「あんたが言うな(アル)」」
「そ、そこでハモるなよ……」
ホアンと玉香は楽しげに笑い合う。
刑天閣の従業員は中国人ならぬ中国妖怪が多く所属してるが中でも古株のこの三人は仲良く感じた。
入れない空気感というか、良くしてくれるのだけどやはり俺が人間だからか、見えない壁を感じるときもある。
そんななか、テミッドにくいくいと制服の裾を引っ張られる。
「……伊波様、かえろ……?」
「ああ。……それじゃ、先に失礼します」
「気をつけて帰んなよ」
そう玉香たちに頭を下げる。ホアンとも別れ、刑天閣の外へと出たとき。
自動ドアならぬ自動蝶番扉を潜り抜け、相変わらず暗い路地裏へと出ようとしたとき、目の前から現れた人影にぶつかった。
「っわ」
「おおっと、大丈夫?」
よろめきそうになったとき、テミッドに支えられるよりも先に伸びてきた手に体を抱き寄せられた。
びっくりして顔を上げれば、そこには茶髪の男がいた。
ぴょんと跳ねた黒い髪に猫のような大きな目。そして、口から覗くのは白い牙。咄嗟に全身がこわばり、慌てて俺は男から離れた。
学生服……ということは、この男も学生……なのだろう。
「あ、すみません……」
「ン~にゃオレは大丈夫。それにしても刑天閣、いつの間にこんなカワイー子雇ったんだろ」
「……へ?」
「ん? なんでもないよ。独り言」
「それじゃ、じゃーねボク」と、一言。 俺の背中をそっと叩いたその男は器用にウインクをし、そのまま鼻歌交じりに刑天閣へと入っていく。
ひょこひょことした軽快な足取りに猫背、なんとなく猫のような男だなと思いつつも立ち直したとき、男に触られた箇所をテミッドに撫でられる。否、まるでホコリを払うようなそれだった。
そして、
「……あの男……妙な匂いがする」
ぽつりと呟くテミッドに思わず「えっ?」と声をあげた。
刑天閣を睨むように振り返っていたテミッドはすぐに前を向いた。
「……す、みません、行きましょう……黒羽様が……待ってます」
「お、おお……」
そう促すテミッドに先程のことを詳しく聞くこともできないまま、帰りを待っていた黒羽と合流した。
それからはいつものように寮へと戻る。そのときにはもう早く休みたいという疲れでいっぱいになってた。
さっさと風呂に入って寝よう。
そう制服脱ぐため、胸のエンブレムを外そうとしたときだった。いつもあるはずの感触がないことに気付き、「ん?」と手を動かす。けれど、ない。これはおかしいと恐る恐る胸に視線を落とした俺は、そこにあるはずのものがないことに気付いた。
「……あれ?!」
「いかがなされた、伊波様!」
「おわっ! 黒羽さんいたの?! ……じゃなくてっ、そうだ、エンブレムがないんだ……!」
霧とともに現れた黒羽にそう告げれば、「なに?!」と目を見開く黒羽。やばい、怒られる。萎縮する俺に気づいたのか、すぐに黒羽は俺から顔を逸した。
「う、ご……ごめんなさい……もしかしたらどこかで落としたかも……」
「……あれは魔王様から直々に受け渡された貴重なもの。誰かに拾われて悪用されたとなればどうなることか……」
「ご、ごめんなさい……」
そうだ、あれは学園のどの教室にも入れるものだ。
フリーパスというのは語弊があるが、黒羽の言う通りもし悪事に使われたらと思うとぞっとしない。
「伊波様が落ち込むことではない。……自分のものを使ってくだされ。……しかし、このままにしとくわけにもいかないか」
「……黒羽さん、でもそれじゃあ黒羽さんが……」
「自分は大丈夫だ。……それよりも、どこまでエンブレムを持っていたか覚えてるか」
「学園から出たときは……刑天閣で制服に着替える前まではあった気がする……」
「刑天閣……あそこか」
そう重々しげに口を開いた黒羽。
そのまま部屋を出ようとする黒羽に、俺は慌ててその太い腕を掴んで引き止めた。
「黒羽さん、どこに」
「探して参ります。……伊波様はここで眠っていてください」
「そんな、俺も行くっ」
「……しかし、なにかあれば……」
「でも、刑天閣の人たちなら俺が言ったほうがすぐに話通るだろ」
「それはそうかもしれんが……むう」
唸る黒羽は真剣に悩んでるのだろう。俺を危険な目に遭わせたくないという黒羽の気持ちもわかるが、元はと言えば俺の責任でもある。
やがて、俺が黒羽を離そうとしないことに折れたようだ。
「……分かりました。確かに貴方をこの寮で一人にしておくのも忍びない。その代わり、無茶はしないでくださいね」
「……っ!!ありがとう黒羽さん!」
やっぱりどこか心配そうな黒羽だったが、お礼を言えば黒羽は少しだけ表情を和らげてみせた。
「さて……零時になる前に済ませましょう」
というわけで、俺は保護者とともに眠らない塔、刑天閣へ向かうことになった。
普段まだ早い時間帯の外しか見たことなかった俺は初めての夜のバザール通りを拝めることに少しだけワクワクしてた……なんて言ったら本気で俺の身を案じてくれてる黒羽は怒るだろうからこの気持ちは黙っておこう。
あまり夜が耽ると酒飲みの妖怪が増えてくるという理由から戌の刻……二十時には上がる規則になっていた。
というわけでやってきた従業員と入れ替わるようにチャイナ服から制服へと着替えた俺とテミッド、そして早上がりのホアンエレベーターから一階へと降りる。
受付前には二つの見知った影があった。
「お疲れさん、坊主ども。今日もやってくれたみてーだな」
そう、強面のバーテン服の男は俺たちの姿を見るなりニッと笑う。そこから覗く無数の尖った牙は人間のそれではない。最初はぎょっとしたが、そろそろ見慣れてきた。
トゥオというこの男はまんま化けワニの妖怪というらしい。初対面時にワニの頭のままのトゥオに会わされた俺からしてみればまだ人間時の姿の方が接しやすい。
「トゥオさん」
「……」
「へへっ、ま、お前が帰ったらこれからまたすっからかんになるだろうけどな」
「アンタはまたそんなことばかり言って……すまないね曜、テミッド。こんな昼間から酒飲んで遊んでばっかの男の言うこと聞いちゃいけないよ」
そしてそんなトゥオの隣にいるのは黒い毛の塊……ではなく、毛倡妓の玉香玉香だ。
床につくほどの長い髪のせいでどっちが前なのかどころか顔も見えないが、真っ赤なチャイナドレスが似合う姐さんだ。彼女もまたトゥオと同じ夜勤の従業員である。俺にはまだわからないが、芸妓としては人気な人らしい。確かに雰囲気がある人だった。
「さぁ、子供たちはそろそろ帰りな。これから先は大人の時間だからね」
「お、大人の時間……?」
「そうだよ、アンタみたいな可愛い坊やが彷徨いていたらトゥオみたいな悪い大人にぺろりと食われちゃうよ」
「そ……そんなこと、させません……っ」
「おやおや、そうだったね! 曜、アンタには可愛いナイトがついてるんだったか!」
哈哈哈と笑う玉香に、テミッドは顔を真っ赤にして俯く。やっぱり女の人は苦手らしい。かくいう俺も玉香に絡まれる度にドキドキしてしまうのだけど。
そんななか、全く動じる気配のない男が一人。
「んー……子供たち……それってもしかして阿拉のことも言ってるアル?」
「アンタも似たようなもんだよ」
「ハッ! 確かになぁ! 精神年齢的にはどっこいどっこいだろうな!」
「「あんたが言うな(アル)」」
「そ、そこでハモるなよ……」
ホアンと玉香は楽しげに笑い合う。
刑天閣の従業員は中国人ならぬ中国妖怪が多く所属してるが中でも古株のこの三人は仲良く感じた。
入れない空気感というか、良くしてくれるのだけどやはり俺が人間だからか、見えない壁を感じるときもある。
そんななか、テミッドにくいくいと制服の裾を引っ張られる。
「……伊波様、かえろ……?」
「ああ。……それじゃ、先に失礼します」
「気をつけて帰んなよ」
そう玉香たちに頭を下げる。ホアンとも別れ、刑天閣の外へと出たとき。
自動ドアならぬ自動蝶番扉を潜り抜け、相変わらず暗い路地裏へと出ようとしたとき、目の前から現れた人影にぶつかった。
「っわ」
「おおっと、大丈夫?」
よろめきそうになったとき、テミッドに支えられるよりも先に伸びてきた手に体を抱き寄せられた。
びっくりして顔を上げれば、そこには茶髪の男がいた。
ぴょんと跳ねた黒い髪に猫のような大きな目。そして、口から覗くのは白い牙。咄嗟に全身がこわばり、慌てて俺は男から離れた。
学生服……ということは、この男も学生……なのだろう。
「あ、すみません……」
「ン~にゃオレは大丈夫。それにしても刑天閣、いつの間にこんなカワイー子雇ったんだろ」
「……へ?」
「ん? なんでもないよ。独り言」
「それじゃ、じゃーねボク」と、一言。 俺の背中をそっと叩いたその男は器用にウインクをし、そのまま鼻歌交じりに刑天閣へと入っていく。
ひょこひょことした軽快な足取りに猫背、なんとなく猫のような男だなと思いつつも立ち直したとき、男に触られた箇所をテミッドに撫でられる。否、まるでホコリを払うようなそれだった。
そして、
「……あの男……妙な匂いがする」
ぽつりと呟くテミッドに思わず「えっ?」と声をあげた。
刑天閣を睨むように振り返っていたテミッドはすぐに前を向いた。
「……す、みません、行きましょう……黒羽様が……待ってます」
「お、おお……」
そう促すテミッドに先程のことを詳しく聞くこともできないまま、帰りを待っていた黒羽と合流した。
それからはいつものように寮へと戻る。そのときにはもう早く休みたいという疲れでいっぱいになってた。
さっさと風呂に入って寝よう。
そう制服脱ぐため、胸のエンブレムを外そうとしたときだった。いつもあるはずの感触がないことに気付き、「ん?」と手を動かす。けれど、ない。これはおかしいと恐る恐る胸に視線を落とした俺は、そこにあるはずのものがないことに気付いた。
「……あれ?!」
「いかがなされた、伊波様!」
「おわっ! 黒羽さんいたの?! ……じゃなくてっ、そうだ、エンブレムがないんだ……!」
霧とともに現れた黒羽にそう告げれば、「なに?!」と目を見開く黒羽。やばい、怒られる。萎縮する俺に気づいたのか、すぐに黒羽は俺から顔を逸した。
「う、ご……ごめんなさい……もしかしたらどこかで落としたかも……」
「……あれは魔王様から直々に受け渡された貴重なもの。誰かに拾われて悪用されたとなればどうなることか……」
「ご、ごめんなさい……」
そうだ、あれは学園のどの教室にも入れるものだ。
フリーパスというのは語弊があるが、黒羽の言う通りもし悪事に使われたらと思うとぞっとしない。
「伊波様が落ち込むことではない。……自分のものを使ってくだされ。……しかし、このままにしとくわけにもいかないか」
「……黒羽さん、でもそれじゃあ黒羽さんが……」
「自分は大丈夫だ。……それよりも、どこまでエンブレムを持っていたか覚えてるか」
「学園から出たときは……刑天閣で制服に着替える前まではあった気がする……」
「刑天閣……あそこか」
そう重々しげに口を開いた黒羽。
そのまま部屋を出ようとする黒羽に、俺は慌ててその太い腕を掴んで引き止めた。
「黒羽さん、どこに」
「探して参ります。……伊波様はここで眠っていてください」
「そんな、俺も行くっ」
「……しかし、なにかあれば……」
「でも、刑天閣の人たちなら俺が言ったほうがすぐに話通るだろ」
「それはそうかもしれんが……むう」
唸る黒羽は真剣に悩んでるのだろう。俺を危険な目に遭わせたくないという黒羽の気持ちもわかるが、元はと言えば俺の責任でもある。
やがて、俺が黒羽を離そうとしないことに折れたようだ。
「……分かりました。確かに貴方をこの寮で一人にしておくのも忍びない。その代わり、無茶はしないでくださいね」
「……っ!!ありがとう黒羽さん!」
やっぱりどこか心配そうな黒羽だったが、お礼を言えば黒羽は少しだけ表情を和らげてみせた。
「さて……零時になる前に済ませましょう」
というわけで、俺は保護者とともに眠らない塔、刑天閣へ向かうことになった。
普段まだ早い時間帯の外しか見たことなかった俺は初めての夜のバザール通りを拝めることに少しだけワクワクしてた……なんて言ったら本気で俺の身を案じてくれてる黒羽は怒るだろうからこの気持ちは黙っておこう。
24
お気に入りに追加
424
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
中華マフィア若頭の寵愛が重すぎて頭を抱えています
橋本しら子
BL
あの時、あの場所に近づかなければ、変わらない日常の中にいることができたのかもしれない。居酒屋でアルバイトをしながら学費を稼ぐ苦学生の桃瀬朱兎(ももせあやと)は、バイト終わりに自宅近くの裏路地で怪我をしていた一人の男を助けた。その男こそ、朱龍会日本支部を取り仕切っている中華マフィアの若頭【鼬瓏(ゆうろん)】その人。彼に関わったことから事件に巻き込まれてしまい、気づけば闇オークションで人身売買に掛けられていた。偶然居合わせた鼬瓏に買われたことにより普通の日常から一変、非日常へ身を置くことになってしまったが……
想像していたような酷い扱いなどなく、ただ鼬瓏に甘やかされながら何時も通りの生活を送っていた。
※付きのお話は18指定になります。ご注意ください。
更新は不定期です。

飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

ヤンデレ化していた幼稚園ぶりの友人に食べられました
ミルク珈琲
BL
幼稚園の頃ずっと後ろを着いてきて、泣き虫だった男の子がいた。
「優ちゃんは絶対に僕のものにする♡」
ストーリーを分かりやすくするために少しだけ変更させて頂きましたm(_ _)m
・洸sideも投稿させて頂く予定です

目が覚めたら囲まれてました
るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。
燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。
そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。
チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。
不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で!
独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる