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第一章【烏と踊る午前零時】
烏と踊る午前零時※
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どれくらいの時間が経ったのだろうか。夜も深くなった頃、物音が聞こえてきた。
今日は、一人ではない。黒羽がいる。そうわかっていただけに、すぐに反応することができた。
「く……」
黒羽さん。
そう、襖の向こうにいるはずの黒羽に呼びかけようとし、息を飲む。
「っ、は、っ……ぅぐ……」
苦しそうなくぐもった声。黒羽の声だ。
どうしたのだろうかと、不安になると同時に、熱が籠もったその声に思わず手が止まる。
軋む床、衣擦れ音。そして吐息。思春期真っ只中、夜中に聞こえてきたそれらとこのシチュエーションで何を想像するのか、それは一つだ。
いやでも、まさか黒羽に限ってそんなことは……。ない、ないはずなのに。はぁっ、と呼吸が聞こえてくる度に心臓ガ跳ね上がる。伸ばしかけた指先が震えた。
ど、どうしよう……何も聞かなかったことにして眠ろう。そう思うけど、なんだろうか。釣られて変な気分になってくる。
間違いない、昼間のせいだろう。体に残った黒羽の感触が蘇り熱く疼き出す。
「……っ」
……黒羽さん。
口の中でその名を呼ぶ。着物の裾、その隙間に手を伸ばす。……こんなこと、よくないと頭の隅を過ぎったが止まらなかった。下着の中、自分の性器にそっと触れる。すでに芯を持ち始めてるそこを下着の上からやんわりと揉めば、甘い刺激が走りぴくりと肩が震えた。
「……は、っ……」
唇を舐める。黒羽さんの手を思い出しながら下着の中から性器を取り出した。着物の中でごそごそと手を動かす。けれどやっぱり自分で触るのとでは全く違う。
黒羽の大きな手ではない。硬い皮膚、太い指、そして大事に大事に触れるようでいて、快感を逃さない愛撫。
……全然、気持ちよくない。おかしい、前までならこれで充分だったのに。
「っ、くろはさん……」
堪らずその名前を口にした矢先のことだった。
「お呼びですか、伊波様」
すぐ背後の襖が開き、手拭いを手にした黒羽がそこに立っていた。
「っ、え……」
まさか普通に開けられるとは思わず時間が止まる。
汗だくの黒羽は座り込んで股ぐらに手を突っ込んでいた俺を見て、制止した。そしてらすぐに襖を閉める。
『もっ、申し訳ございません! 眷属の分際で、無礼な真似を……』
「あ、や、いや、これは……その、違……って、あの……」
心臓がバクバクとうるさくなる。黒羽の様子からして何をしていたのか悟られたのだろう。襖の向こうで土下座しているのがわかったが、ちょっと待ってほしい。黒羽の反応からして、これはもしかして。
「く、黒羽さん……あの、こんな時間に何を……」
『……自分は夜の鍛錬をしておりました。……もしかしてそれで起こしてしまったのでしょうか』
「た、鍛錬………………?」
衣擦れ音。荒い息。軋む床。
汗だくになりながら人の部屋の片隅で逆立ちで腕立て伏せをしてる黒羽の姿が浮かぶ。
流石に、流石にそんなことはないとは思っていたが本当に俺の勘違いだとしたら、俺、とんだムッツリ童貞野郎じゃないか……。
顔から火が噴き出しそうだった。そうだ、普通に考えれば黒羽のような男が人が寝てる隣の部屋、それも主の部屋で自慰などをするわけがない。そんなことわかっていたはずなのに。
そこまで考えて、死にたさが勝った。み、見られたし……撤回したところで黒羽は深く突っ込まないでくれるだろうが、痛いやつに変わりない。
「ご、ごめん……なさい……」
『な、何故伊波様が謝るのですか!悪いのは自分で……』
「……っ、俺、勘違いして、黒羽さんがエッチなことしてるかと思って…………」
『……な……ッ』
「それで、ムラムラして……ごめん、本当、馬鹿でごめんなさい……」
『……っ、そ、それは……恥ずべきことではありません。男児として、その本能は大切だと思います……ですからそう気を落とさないで下さい』
……何故、黒羽に慰められてるのか。余計情けなさで死にたくなる。
『あの、伊波様が気になるのであれば伊波様が“よし”と言われるまで姿を隠しておきますが、いかがですか』
「……黒羽さんがいなくなるのは、嫌だ……」
『伊波様……』
「そこから、いなくならないでほしい……です」
自分でもなかなかなこと言ってる自覚はあったが、黒羽がいないと不安でそれどころではなくなるのだ。
寧ろ、一人ではする気にならないだろう。
と、そこまで考えて自分の思考が大分毒されてることに気付く。
『わかりました。貴方がそう言うのであれば、ここから一歩たりとも動きません』
重厚な声にぞくりと背筋が震えた。真っ直ぐで鉛のような芯の通った男だと思う。
襖に映る黒羽の広い背中、その陰影に触れる。
「……っありがとう、ございます、黒羽さん」
こんなのは俺ではない。そう思うのに、体が思うように動かないのだ。否、理性部分が機能していない。
下着から頭を出したそこに触れ、黒羽と会話しただけで糸を垂らすそこに指を這わせた。ぬちゃりと音が響く。
それを塗り込むように上下すれば、息が漏れた。
……黒羽さんに、触りたい。そう思うけど、襖の向こうに手を出せないのは、なけなしの人間としての頭が警報を鳴らすからだろう。おかしいと。こんなの、普通ではないと。
「っ、ぅ……ん……」
ぐちぐちと濡れた音が響く。黒羽にだってバレてしまう。こんな距離だ。それでも今更手をを止めることができなかった。
帯が緩むのも構わずに馬鹿みたいに扱いた。腰が震え、自然と体が前屈みになる。つま先に力が入ったとき、手のひらの中で性器が震えた。そして、受け止めきれなかった種はぼたぼたと畳の上に落ちる。
「っ、は、……ぁ……」
一回抜けば収まるだろう。そう思っていた。そう思っていたが、収まるどころか熱は増すばかりだった。勃起したままの性器に息を飲む。朦朧とした意識。この感覚には身に覚えがあった。リューグのまやかし――そして、黒羽のあの目を見たときだ。酷く喉が乾くのだ。
己の手では満たされない。
「……っ、ぅ、……んん……っ」
それでも踏み留める。襖の向こう。その黒羽に頼ることがどういう意味か頭で理解してしまっていた。だからそれだけはだめだ。そう思って、我武者羅に性器を扱いた。先走りと精子でぬるぬるになったそこは手のひらを滑り、上手くできない。それでも、さっきよりも気持ちよくなったのはすぐそばに黒羽がいるからか。にも関わらず心は満たされない。脈が加速する。
おかしい、よくない、いけない。頭の中で警報が鳴りっぱなしだった。息を整える余裕もなかった。二回目の射精は襖にかかった。垂れる白濁液に、頭がクラクラした。
触ってほしい。触ってほしい。黒羽さん。黒羽さん。黒羽さんの、手で――体で。
「……っ、黒羽さん……」
毒に浸かった体は呆気なく決壊する。襖を開いた瞬間、伸びてきた手に押し倒される。
暗転。視界に広がるのは高い天井と、そして。
「……く、ろは……」
さん、という言葉は、黒い瘴気に呑まれる。
陰が深くなる。それらは黒羽の体から滲んでるのだとすぐに分かった。
「……あれほど、いけないと言ったのに」
吐き出されるその声はゾッとするほど冷たかった。薄暗い部屋の中でも分かるほど怪しい色を放つその目に見つめられた瞬間、下腹部がズグンと疼き血液が溜まっていくのが分かる。
額に浮き出た血管、真っ赤に充血した目、尖った爪。先程までとは違う、そこにいるのは『物怪』の黒羽だった。
遠くで鐘の音が響く。
深夜零時、部屋の片隅に置いていた蝋燭の火が消えた。
「っ、く、ろは、さ……んん……ッ!」
爪が食い込む。首を掴むように引っ張られ、キスをされた。キスというよりも、まるで噛みちぎられるかのような激しいそれに息ができない。
太く長い舌が唇を割り開き、ずっと音を立てて咥内へと入ってくる。
「っン゛、ぅ、ふ、ぅぐ……ゥ!」
舌すらも絡め取られ、喉奥、口蓋垂を舌先で嬲られれば喉奥から唾液が滲んだ。絡み合う舌先に意識を持っていかれそうになったとき、もう片方の手に乱暴に和服を脱がされる。大きく開いた胸元、その下、既に自身の精液で濡れた下腹部に伸びてきた大きな手に全身が打ち震えた。
「ん゛、ぅ、ふッ」
人のものとは違う、硬質な皮膚が素肌に触れるだけでその箇所が爛れるように熱くなった。呼吸が浅くなる。下腹部に全身の血液が集まるようだった。
唾液を飲まされ、舌を引き抜かれる。飲み込めずに溢れ出すそれに噎せ、口から溢れた。滲む視界の中、腿を掴んだ黒羽に大きく足を開かされる。腰を持ち上げられ、勃起した自分の下半身が視界に入った。恥ずかしいとか言ってる場合ではない。
下腹部、その最奥。ヒクつくそこに伸びる黒羽の手に全身の筋肉が突っ張るように強張る。心臓が速鐘を打つ。
「待っ、て、くろ……」
黒羽さん、と呼びかけるよりも先に、窄まったそこに黒羽の指が触れた。尖った爪先の感触にサッと血の気が引く。
待ってください――そう声をあげるや否や、黒羽はそのまま構わず指を捩じ込んだのだ。
「――ひ、ィ……!!」
声が、空気が漏れる。俺の指よりも太いそれは受け止めるのだけでも精一杯で、それなのに俺の意思に関係なく黒羽の指を飲み込んでいくのだ。体内に擦れる度、焼けるように熱くなった内壁は過敏に反応する。
「ぁ、いぎッ、ひ、ぃ――ッ!!」
腰が揺れる。ぐちゃぐちゃに中を掻き混ぜられるだけで頭の中は真っ白になって、痛くて、苦しいはずなのに。それすらも、気持ちよく思えてしまうのだ。
求めていた脳味噌を直接掻き混ぜるほどの強い刺激に、喉の奥から声が漏れる。
黒羽の指の出し入れに合わせ、腰が揺れた。目の前が赤く点滅して、性器が痛いほど腫れ上がるのだ。
「ぁ、あ゛、ぁ、いや、くろは、さ、ぁ、あ゛ッ!」
「っ、は……年端もいかぬ小童のくせに……肉欲は一人前か……ッ」
黒羽の低い声すら気持ちよくて、中を押し広げるように筋肉を揉みしだかれれば腰がガクガクと揺れる。先走りがとろりと溢れ、腹部を濡らす。体がおかしい。深く挿入された性器に内側から作り直されるような錯覚に恐怖を覚えたが、それすらもすぐ快感に塗り替えられる。
「っ、ん、ぅ、ひ、ぃッ!」
黒羽の指で呆気なく射精する。少量の精液がぽたりと飛び散った。それを拭う余裕なんて俺にはなく、それをただ見つめることしかできない。
「ッは……ッ、はぁ……ッ」
赤く染まった黒羽の目に見つめられだけで、心臓が焼けるように疼くのだ。射精したのに、それも念願の黒羽の手でだ、それにも関わらずもっと強い刺激を、快感を欲してしまう。内壁に無数の虫が這いずるような疼きを覚えた。
もっと。もっと強い刺激を。
抉られるような、何も考えられなくなるほどの熱を。
「っ、くろは、さ……も、おれ……ッなんか、ヘン……ッお腹が、熱くて……ッイッたのに、全然たりない……ッ」
「……おれのからだ、へんだ……ッこんな、の、おかし……ッ」涙が溢れる。頭と体が噛み合わなくて混乱してる。こんな気持ちになったことなどなかった。
こんな真似したくないのに、体が勝手に動くのだ。自ら足を開き、黒羽の手にぎゅっと手を重ねれば、手の平の下、黒羽が反応するのが分かった。血走った目が細められる。唇が歪んだ笑みを浮かべた。
「本当に……どうしようもない方だ……ッ」
――黒羽が笑った。
獰猛な笑みに、心臓が握り潰されるようだった。そして目眩。
「く、ろ……」
黒羽さん、と呼びかけるよりも先に、目の前、帯を緩めた黒羽の下腹部から現れた性器に目が奪われる。
浮かび上がる無数の血管に、ガチガチに勃起したそれは下手すれば子供の腕、もしくはそれ以上の太さと長さに、目を逸らすことなどできなかった。目の前聳り立つ人間離れしたそれは先走りで嫌らしく濡れ、反り返っていた。
鼻腔いっぱいに広がる雄の匂いに息を飲む。これを入れられると思ったら恐怖でどうにかなりそうだった。反面、この太い性器で内臓をぐちゃぐちゃに掻き混ぜられたらと思うと体が熱くなる。
なけなしの理性がぶっ飛んだ瞬間だ。
「……っ、は……ッ」
目が離せなかった。黒羽の手に足を開かれ、既に一本の指を飲み込んでいたそこを大きく拡げられる。押し当てられる亀頭は握り拳ほどの大きさだ。太いとは言えど先程の指とは比較にならない。
ぐっと押し当てられる亀頭に息を飲む。開いた毛穴から汗が滲む。明らかに俺の体はそれを受け入れられるように作られていないとわかったのに、それでもいいから早く入れてくれ。そんな風に思ってしまうのだ。
「ぅ、ッ、く、ろ……ッは、さん……ッ」
名前を呼ぶ。無意識に腰が震えた。黒羽と視線が絡み合い、そして、黒羽は俺の腰を抱き締めた。大きな手ががっしりと俺を掴まえたときだった。
「ぃ、ぎ――ッ!!」
脳天まで裂けるような激痛が走る。
無理矢理抉じ開けられる痛みに、涙が溢れた。目を見開く。息を吐いても吸うことができなかった。みちみちと、黒羽が腰を動かす度にどんどん肛門は広がっていく。まだほんの数ミリだ。それなのに痛みは最高潮に達していた。血管の下を熱が駆け巡る。視界が歪み、黒羽の手を掴む指に力が入った。
「ッ、ぁ゛ッ、ひ、ィ……ぎ……ッ」
まだ、カリの部分が来る。さらに肛門を大きく押し広げられると思うと腰が引けてしまいそうだった。掴む黒羽の手は離れない。それどころか。
「……ッ、い、なみ様……ッ」
獰猛な目。その瞳が一瞬揺れたような気がする。理性、というものが残っていたのかもしれない、黒羽にも。
その目に躊躇いの色が滲んだのを見て、俺は堪らず黒羽の手をぎゅっと握り締めた。大丈夫です、と、口が動く。
瞬間。黒羽は俺の腰を大きく持ち上げ、体を抱き寄せた黒羽はそのまま一気に奥まで腰を打ち付ける。奥まで性器に器官を捩じ込まれたその瞬間、目の前が真っ赤に染まる。ぐりんと視界が大きく動き、天井が写った。
「ぁあ゛あ゛あ゛ァアッ!!」
響くその絶叫が自分のものだと気付くのに時間がかかった。血が溢れてるような気がした。わからない。本当に股が裂けたのかも知れない。それほどの痛みに、喉の奥からは空気と悲鳴と胃液唾液が溢れる。濡れる口元。下半身が焼けるように熱い。恐ろしくて、確認することができなかった。
けれど、
「いっ、ひッ、しぬ、し、んじゃうッ、しぬ、裂ける……ッ! 血、ち、っ、が、血が……!」
どろりと溢れる熱。なにかが垂れ、股が濡れる感触がしたが、見ることはできなかった。頭がおかしくなりそうだった。それでも黒羽は構わず、腰を動かすのだ。一気に奥まで押し広げられたそこは黒羽が少し動いただけでも引っ張られ、内蔵ごと掻き乱すような痛みが遅いかかる。
「ぁ゛、あ、い、ひ……ッ」
ひりつく喉からは声も出なかった。息がとまる。不自然に膨らんだ腹部を見て、頭がどうにかなりそうだった。
愕然とする俺に、黒羽は、無骨な手で俺の額を撫でる。
「ッ……安心しろ、死にはしない。……痛いのは最初だけだ」
「なに、ひ、っへ……ッ」
視界が陰ったと思えば唇を塞がれた。二度目のキス。それだけなのに下腹部にずぐんと衝撃が走る。性器のその奥、あるはずもない子宮が疼くような、温かい熱が広がった。
黒羽の先走りが内部を濡らしていく。先程よりも少しは滑りやすくなったのか、潰れた肉のような音を立てゆっくりと引き抜かれれば、内臓ごと引っ張られるような快感に脳髄が溶ける。
「っ、ぉ、ほ……ッ」
自分の体に異変が起きている。それはすぐに分かった。先程まではあんなに痛くて苦しかったはずなのに、今は中を擦られただけで頭の中が暖かくなってどろどろに溶けそうになるのだ。痛くて苦しいのに、それ以上に気持ちいい。ちゅ、ちゅ、と顔にキスをされるだけで性器や乳首、至るところが過敏に反応してしまう。愛しさが込み上げてくる。
「……ぁ、っ、く、ろは、しゃ……ッ」
「……効いてきたか」
なにを、とは聞けなかった。指先で唇を触れられ、脊髄反射で舌を絡める。黒羽の指をしゃぶり返せば、黒羽は唇を舐め、そして、俺の口の中へと太い指を挿入した。
「んッ、ぷ、ぅぶッ、んんッ!」
舌を弄ばれ、唇を揉まれる。同時に腰をゆっくり引き抜かれ、そしてストロークされるだけで喉奥からは自分のものとは思えないような声が漏れた。何も考えられなくなる。腰が大きく痙攣し、宙へ引っ張られた性器からは半透明の液体がピュッと溢れるだけだった。
「んッ、ほ、ぉ、ッお、ぁ……ッ!」
休む暇もなく黒羽に足を掴まれ、奥深くまで挿入された亀頭をゴリゴリと中へと押し付けれれば、意識が飛びそうになった。内臓を潰される。これ以上は本当に内臓が潰れてしまう。限界地点、本来ならば辿り着くはずがないそこを抉られるだけでみっともない声が溢れて、反応するように性器からは透明の液体がとろりと溢れ出すのだ。ぐちゃぐちゃに汚れた下腹部、執拗に奥を擦られる。
「ぁ゛ーッ、はッ、ひ、あ゛……ッ」
呼吸が浅くなり、頭の中が真っ白になった。別の生き物のように痙攣したそこからは精液は出ない。勃起した性器からはカウパーが溢れるばかりで、持続的に与えられる快感の波に、思考が、呂律が、麻痺してくる。四肢の力も最早入らなかった。ぐったりとした体をそれでも黒羽は手放さない。俺の体を抱き上げ、胡座を掻いたその上へと座らせられる。瞬間、腰を押さえつけられ、体重の重みと下から突き上げられる刺激に、喉億から声にならない悲鳴が漏れた。
「ぁ゛ッ、くろは、しゃ、おッ、ぉ、く、ごりごり、ゆって、おくっ、や、ッくろ、は、だめ、ぉッ、おく、あた、て……ッ!!」
呂律が回らない。何も考えられない。腰を抱きしめられ、何度も奥を亀頭で潰されるだけで、内臓が溢れそうになって、気持ちよくて、なんにも考えられなくて、俺は、ただひたすら黒羽にしがみついていた。痙攣しっぱなしの下腹部からはどろりと血が混じった液体が結合部を濡らす。気持ちいい、気持ちよくて、しんでしまいそうだ。
「ぁ、や、あッ、あ、いくっ、でちゃ、やッ、くろはひゃ、ぁ、あッ! いくッ! でひゃ、う……ッ!」
「……っ、どうぞ、好きなだけイッて下さい。満足できるまで、付き合いますッ、伊波様……ッ」
「あッ、ぁっ、く、ろ゛っ、ぁ、あぁ……ッ!」
何度も摩擦され、中を、奥を突き上げられる。浮かせるにも腰が抜けてしまっている今、立ち上がることもできずに黒羽に抱き締められては執拗に中を犯された。熱い、熱くて、溶けてしまいそうだ。下半身の痛覚は最早なかった。何度かのピストンの末、ガクガクと痙攣する腰を深く落とされた瞬間だった。
「んぎぃ゛ッ!!」
太い腕に、腰を掴まえられる。
体の奥深く、膨張した黒羽の性器からは熱した鉛のような大量の精液が溢れ、直腸へと流し込まれる。がっちりと拘束された下腹部は動かない。腹の中へどんどん溜まっていくその熱を感じながら、俺は、意識が遠退いていくのを覚えた。
太いパイプに内臓をグッチャグチャに掻き乱されるような感覚は一晩中続いた。時間の感覚すらない。気を失ってるのか目を覚ましてるのかも判別付かず、ひたすら体を揺さぶられ、文字通り全身を犯された。
俺の下半身はちゃんとついてるのだろうか、そう思いたくなるほどの負荷に感覚は麻痺し、仕舞いには何が何なんのかすら分からないほどの快楽に呑まれ、完全に意識が戻ったのは午前六時を知らせる鐘の音が響いてからだ。
ハッと意識が覚醒する。気がつけば、俺は、いつの間にかに布団に寝かされていた。
寝間着もちゃんと着ていた。けれど、手足にべっとりと張り付いた手の型や爪跡、神経が繋がってるのか疑わしいほどの痺れた下腹部など、確かに昨夜の行為が色濃く残っていた。
昨日、あれから……。
そこまで考えて、顔面に血が集まる。俺は、なんてことを、黒羽さんに、迫るようなことをして、それで……それで……。
全身の倦怠感の次にやってきたのは自己嫌悪の波だ。
そうだ、黒羽さんは……。
そう、起き上がろうとするが指先一つ動かすのも儘ならず、結局目を動かして探したとき、部屋の隅で動かない大きな影を見つけてしまう。
「……」
「く……黒羽さん……」
そう名前を口にした声は酷く枯れていて、自分でも驚く。喉が痛む。声を出しすぎたせいなのはわかっていたが、恥ずかしい。
「……い……っ伊波様、水を……!」
「あ……ありがとう……ございます」
予め目を覚ましたときのために用意してくれていたのか、差し出された湯呑を受け取る。丁度いい温度の白湯は乾いた喉を潤してくれる。
「……申し訳、ございませんでした……伊波様が人の体だということも考えずに、このように無理をさせてしまうなどと……」
「あ、あの……そのことなんですけど……元はといえば俺が黒羽さんにその、誘っ……たのが原因なんで、気にしないでください」
言葉にすると上擦ってしまう。恥ずかしいが、こうはっきりと言わなければ黒羽はずっと引きずってしまうだろう。
そうだ、確かに死にかけたのも事実だけど、ずっと俺は黒羽に忠告されていたはずだ。それを破ったのも俺だし、正直、気持ちよかった、などと言ったらそれこそ黒羽に軽蔑され兼ねない。
けれど、実際にダルさもあったが、肩の荷が降りたような清々しさもあった。悪いものを全部抜かれたような、そんな気分だった。
「分かりました、……伊波様がそういうのなら」
本当にいいのか、という顔だったが俺の言うことは絶対なのだろう。首を縦に振る黒羽にほっとする。
こういった人付き合いで、あまりくよくよ悩んだりするのは得意ではない。それに、嫌でも黒羽とは長い付き合いになるはずだ。……逆にこれ以上後ろめたいことや恥ずかしいこともないだろう。そんな安心感すら覚えるのだ。
……多分、それはおかしいと言われるだろうけど。
「あの、伊波様……薬屋で薬を調合してもらいました。……人の体のどんな不調にもよく効く万能薬と呼ばれてます。これを飲んだら恐らく、大分楽になるかと」
「ありがとうございます。……粉薬なんですね」
「貴方にはこの形が飲みやすいかと思って粉状のものを用意させました」
続けて渡された薬紙を受け取る。
……正直昨夜の黒羽は怖かったが、目の前にいるのはいつもの黒羽だ。やっぱり、昨夜のあれは時間帯も大きく関係してるのか。だとすると俺が血迷ったのも時間のせいというのもあるのだろうか……。気を付けなければならない。
思いながら、俺は早速それを飲もうと白湯を口に含み、粉を流し込む。
瞬間、口いっぱいに苦味のような臭みのような得体のしれない味が広がり、目の前が歪む。
「ぅ゛ぶッ!」
「い、伊波様……苦いかもしれませんが我慢して飲み干してください、そうすれば体が楽になりますので……!」
「ん……ぉご……ッ!」
正直吐きたい、今すぐ吐き出したい衝動に駆られる。
が、良薬口に苦しとは言ったもので、息を止めながら俺は必死に喉奥へと流し込む。ヘドロのような味が口に残っていた。
これで効かなかったら苦しみ損だぞ、と思ったが、効果はすぐに現れた。
「……ん、あれ……?」
まずは、喉だ。先程までガラガラだった声が元に戻る。それだけではない。目を冷ましたときは指先一つ動かすのも大変だったのに、指どころか全身が紙のように軽くなり、俺はすくりと立ち上がる。
「す……すっげー……流石魔界の万能薬……!」
「飲んだ直後は筋力強化に身体能力増長の効果も現れるみたいです。……午後にはいつも通りに戻ると思いますので、いくら調子が良くなったとは言えどあまり無理はなさらないで下さい」
「ありがとう、黒羽さん!」
「……いえ、私は当然のことを……」
魔界なんて、と思っていたが思っていたよりも悪くないかもしれない。こういう漫画でしか見なかったような代物を口にでき、それを味わうことができるなんて思わなかった。
……まあ、半分死んでるんだけどな。
だからだろう、俺は色々忘れていた。万能薬の効果に浮かれ、まるで選ばれし主人公のように調子に乗って(まあ選ばれたのだけれど)、喜んでいた。男、それも人間ですらない物の怪にケツをガン掘りされて射精しまくったことも、ゴリゴリ突かれて中出しされたことも、まあ体痛くないからいいかなと思っていた。
黒羽と一緒にいるとお腹の奥がぽかぽかするのも、あんだけ無茶したせいで体に負担残って微熱状態が続いてるものだと思っていたのだ。
けれど、そうではないと気付いたときには時既に遅し。強靭な肉体を手に入れるという一時の夢物語もすぐに幕を閉じることになる。
続く
今日は、一人ではない。黒羽がいる。そうわかっていただけに、すぐに反応することができた。
「く……」
黒羽さん。
そう、襖の向こうにいるはずの黒羽に呼びかけようとし、息を飲む。
「っ、は、っ……ぅぐ……」
苦しそうなくぐもった声。黒羽の声だ。
どうしたのだろうかと、不安になると同時に、熱が籠もったその声に思わず手が止まる。
軋む床、衣擦れ音。そして吐息。思春期真っ只中、夜中に聞こえてきたそれらとこのシチュエーションで何を想像するのか、それは一つだ。
いやでも、まさか黒羽に限ってそんなことは……。ない、ないはずなのに。はぁっ、と呼吸が聞こえてくる度に心臓ガ跳ね上がる。伸ばしかけた指先が震えた。
ど、どうしよう……何も聞かなかったことにして眠ろう。そう思うけど、なんだろうか。釣られて変な気分になってくる。
間違いない、昼間のせいだろう。体に残った黒羽の感触が蘇り熱く疼き出す。
「……っ」
……黒羽さん。
口の中でその名を呼ぶ。着物の裾、その隙間に手を伸ばす。……こんなこと、よくないと頭の隅を過ぎったが止まらなかった。下着の中、自分の性器にそっと触れる。すでに芯を持ち始めてるそこを下着の上からやんわりと揉めば、甘い刺激が走りぴくりと肩が震えた。
「……は、っ……」
唇を舐める。黒羽さんの手を思い出しながら下着の中から性器を取り出した。着物の中でごそごそと手を動かす。けれどやっぱり自分で触るのとでは全く違う。
黒羽の大きな手ではない。硬い皮膚、太い指、そして大事に大事に触れるようでいて、快感を逃さない愛撫。
……全然、気持ちよくない。おかしい、前までならこれで充分だったのに。
「っ、くろはさん……」
堪らずその名前を口にした矢先のことだった。
「お呼びですか、伊波様」
すぐ背後の襖が開き、手拭いを手にした黒羽がそこに立っていた。
「っ、え……」
まさか普通に開けられるとは思わず時間が止まる。
汗だくの黒羽は座り込んで股ぐらに手を突っ込んでいた俺を見て、制止した。そしてらすぐに襖を閉める。
『もっ、申し訳ございません! 眷属の分際で、無礼な真似を……』
「あ、や、いや、これは……その、違……って、あの……」
心臓がバクバクとうるさくなる。黒羽の様子からして何をしていたのか悟られたのだろう。襖の向こうで土下座しているのがわかったが、ちょっと待ってほしい。黒羽の反応からして、これはもしかして。
「く、黒羽さん……あの、こんな時間に何を……」
『……自分は夜の鍛錬をしておりました。……もしかしてそれで起こしてしまったのでしょうか』
「た、鍛錬………………?」
衣擦れ音。荒い息。軋む床。
汗だくになりながら人の部屋の片隅で逆立ちで腕立て伏せをしてる黒羽の姿が浮かぶ。
流石に、流石にそんなことはないとは思っていたが本当に俺の勘違いだとしたら、俺、とんだムッツリ童貞野郎じゃないか……。
顔から火が噴き出しそうだった。そうだ、普通に考えれば黒羽のような男が人が寝てる隣の部屋、それも主の部屋で自慰などをするわけがない。そんなことわかっていたはずなのに。
そこまで考えて、死にたさが勝った。み、見られたし……撤回したところで黒羽は深く突っ込まないでくれるだろうが、痛いやつに変わりない。
「ご、ごめん……なさい……」
『な、何故伊波様が謝るのですか!悪いのは自分で……』
「……っ、俺、勘違いして、黒羽さんがエッチなことしてるかと思って…………」
『……な……ッ』
「それで、ムラムラして……ごめん、本当、馬鹿でごめんなさい……」
『……っ、そ、それは……恥ずべきことではありません。男児として、その本能は大切だと思います……ですからそう気を落とさないで下さい』
……何故、黒羽に慰められてるのか。余計情けなさで死にたくなる。
『あの、伊波様が気になるのであれば伊波様が“よし”と言われるまで姿を隠しておきますが、いかがですか』
「……黒羽さんがいなくなるのは、嫌だ……」
『伊波様……』
「そこから、いなくならないでほしい……です」
自分でもなかなかなこと言ってる自覚はあったが、黒羽がいないと不安でそれどころではなくなるのだ。
寧ろ、一人ではする気にならないだろう。
と、そこまで考えて自分の思考が大分毒されてることに気付く。
『わかりました。貴方がそう言うのであれば、ここから一歩たりとも動きません』
重厚な声にぞくりと背筋が震えた。真っ直ぐで鉛のような芯の通った男だと思う。
襖に映る黒羽の広い背中、その陰影に触れる。
「……っありがとう、ございます、黒羽さん」
こんなのは俺ではない。そう思うのに、体が思うように動かないのだ。否、理性部分が機能していない。
下着から頭を出したそこに触れ、黒羽と会話しただけで糸を垂らすそこに指を這わせた。ぬちゃりと音が響く。
それを塗り込むように上下すれば、息が漏れた。
……黒羽さんに、触りたい。そう思うけど、襖の向こうに手を出せないのは、なけなしの人間としての頭が警報を鳴らすからだろう。おかしいと。こんなの、普通ではないと。
「っ、ぅ……ん……」
ぐちぐちと濡れた音が響く。黒羽にだってバレてしまう。こんな距離だ。それでも今更手をを止めることができなかった。
帯が緩むのも構わずに馬鹿みたいに扱いた。腰が震え、自然と体が前屈みになる。つま先に力が入ったとき、手のひらの中で性器が震えた。そして、受け止めきれなかった種はぼたぼたと畳の上に落ちる。
「っ、は、……ぁ……」
一回抜けば収まるだろう。そう思っていた。そう思っていたが、収まるどころか熱は増すばかりだった。勃起したままの性器に息を飲む。朦朧とした意識。この感覚には身に覚えがあった。リューグのまやかし――そして、黒羽のあの目を見たときだ。酷く喉が乾くのだ。
己の手では満たされない。
「……っ、ぅ、……んん……っ」
それでも踏み留める。襖の向こう。その黒羽に頼ることがどういう意味か頭で理解してしまっていた。だからそれだけはだめだ。そう思って、我武者羅に性器を扱いた。先走りと精子でぬるぬるになったそこは手のひらを滑り、上手くできない。それでも、さっきよりも気持ちよくなったのはすぐそばに黒羽がいるからか。にも関わらず心は満たされない。脈が加速する。
おかしい、よくない、いけない。頭の中で警報が鳴りっぱなしだった。息を整える余裕もなかった。二回目の射精は襖にかかった。垂れる白濁液に、頭がクラクラした。
触ってほしい。触ってほしい。黒羽さん。黒羽さん。黒羽さんの、手で――体で。
「……っ、黒羽さん……」
毒に浸かった体は呆気なく決壊する。襖を開いた瞬間、伸びてきた手に押し倒される。
暗転。視界に広がるのは高い天井と、そして。
「……く、ろは……」
さん、という言葉は、黒い瘴気に呑まれる。
陰が深くなる。それらは黒羽の体から滲んでるのだとすぐに分かった。
「……あれほど、いけないと言ったのに」
吐き出されるその声はゾッとするほど冷たかった。薄暗い部屋の中でも分かるほど怪しい色を放つその目に見つめられた瞬間、下腹部がズグンと疼き血液が溜まっていくのが分かる。
額に浮き出た血管、真っ赤に充血した目、尖った爪。先程までとは違う、そこにいるのは『物怪』の黒羽だった。
遠くで鐘の音が響く。
深夜零時、部屋の片隅に置いていた蝋燭の火が消えた。
「っ、く、ろは、さ……んん……ッ!」
爪が食い込む。首を掴むように引っ張られ、キスをされた。キスというよりも、まるで噛みちぎられるかのような激しいそれに息ができない。
太く長い舌が唇を割り開き、ずっと音を立てて咥内へと入ってくる。
「っン゛、ぅ、ふ、ぅぐ……ゥ!」
舌すらも絡め取られ、喉奥、口蓋垂を舌先で嬲られれば喉奥から唾液が滲んだ。絡み合う舌先に意識を持っていかれそうになったとき、もう片方の手に乱暴に和服を脱がされる。大きく開いた胸元、その下、既に自身の精液で濡れた下腹部に伸びてきた大きな手に全身が打ち震えた。
「ん゛、ぅ、ふッ」
人のものとは違う、硬質な皮膚が素肌に触れるだけでその箇所が爛れるように熱くなった。呼吸が浅くなる。下腹部に全身の血液が集まるようだった。
唾液を飲まされ、舌を引き抜かれる。飲み込めずに溢れ出すそれに噎せ、口から溢れた。滲む視界の中、腿を掴んだ黒羽に大きく足を開かされる。腰を持ち上げられ、勃起した自分の下半身が視界に入った。恥ずかしいとか言ってる場合ではない。
下腹部、その最奥。ヒクつくそこに伸びる黒羽の手に全身の筋肉が突っ張るように強張る。心臓が速鐘を打つ。
「待っ、て、くろ……」
黒羽さん、と呼びかけるよりも先に、窄まったそこに黒羽の指が触れた。尖った爪先の感触にサッと血の気が引く。
待ってください――そう声をあげるや否や、黒羽はそのまま構わず指を捩じ込んだのだ。
「――ひ、ィ……!!」
声が、空気が漏れる。俺の指よりも太いそれは受け止めるのだけでも精一杯で、それなのに俺の意思に関係なく黒羽の指を飲み込んでいくのだ。体内に擦れる度、焼けるように熱くなった内壁は過敏に反応する。
「ぁ、いぎッ、ひ、ぃ――ッ!!」
腰が揺れる。ぐちゃぐちゃに中を掻き混ぜられるだけで頭の中は真っ白になって、痛くて、苦しいはずなのに。それすらも、気持ちよく思えてしまうのだ。
求めていた脳味噌を直接掻き混ぜるほどの強い刺激に、喉の奥から声が漏れる。
黒羽の指の出し入れに合わせ、腰が揺れた。目の前が赤く点滅して、性器が痛いほど腫れ上がるのだ。
「ぁ、あ゛、ぁ、いや、くろは、さ、ぁ、あ゛ッ!」
「っ、は……年端もいかぬ小童のくせに……肉欲は一人前か……ッ」
黒羽の低い声すら気持ちよくて、中を押し広げるように筋肉を揉みしだかれれば腰がガクガクと揺れる。先走りがとろりと溢れ、腹部を濡らす。体がおかしい。深く挿入された性器に内側から作り直されるような錯覚に恐怖を覚えたが、それすらもすぐ快感に塗り替えられる。
「っ、ん、ぅ、ひ、ぃッ!」
黒羽の指で呆気なく射精する。少量の精液がぽたりと飛び散った。それを拭う余裕なんて俺にはなく、それをただ見つめることしかできない。
「ッは……ッ、はぁ……ッ」
赤く染まった黒羽の目に見つめられだけで、心臓が焼けるように疼くのだ。射精したのに、それも念願の黒羽の手でだ、それにも関わらずもっと強い刺激を、快感を欲してしまう。内壁に無数の虫が這いずるような疼きを覚えた。
もっと。もっと強い刺激を。
抉られるような、何も考えられなくなるほどの熱を。
「っ、くろは、さ……も、おれ……ッなんか、ヘン……ッお腹が、熱くて……ッイッたのに、全然たりない……ッ」
「……おれのからだ、へんだ……ッこんな、の、おかし……ッ」涙が溢れる。頭と体が噛み合わなくて混乱してる。こんな気持ちになったことなどなかった。
こんな真似したくないのに、体が勝手に動くのだ。自ら足を開き、黒羽の手にぎゅっと手を重ねれば、手の平の下、黒羽が反応するのが分かった。血走った目が細められる。唇が歪んだ笑みを浮かべた。
「本当に……どうしようもない方だ……ッ」
――黒羽が笑った。
獰猛な笑みに、心臓が握り潰されるようだった。そして目眩。
「く、ろ……」
黒羽さん、と呼びかけるよりも先に、目の前、帯を緩めた黒羽の下腹部から現れた性器に目が奪われる。
浮かび上がる無数の血管に、ガチガチに勃起したそれは下手すれば子供の腕、もしくはそれ以上の太さと長さに、目を逸らすことなどできなかった。目の前聳り立つ人間離れしたそれは先走りで嫌らしく濡れ、反り返っていた。
鼻腔いっぱいに広がる雄の匂いに息を飲む。これを入れられると思ったら恐怖でどうにかなりそうだった。反面、この太い性器で内臓をぐちゃぐちゃに掻き混ぜられたらと思うと体が熱くなる。
なけなしの理性がぶっ飛んだ瞬間だ。
「……っ、は……ッ」
目が離せなかった。黒羽の手に足を開かれ、既に一本の指を飲み込んでいたそこを大きく拡げられる。押し当てられる亀頭は握り拳ほどの大きさだ。太いとは言えど先程の指とは比較にならない。
ぐっと押し当てられる亀頭に息を飲む。開いた毛穴から汗が滲む。明らかに俺の体はそれを受け入れられるように作られていないとわかったのに、それでもいいから早く入れてくれ。そんな風に思ってしまうのだ。
「ぅ、ッ、く、ろ……ッは、さん……ッ」
名前を呼ぶ。無意識に腰が震えた。黒羽と視線が絡み合い、そして、黒羽は俺の腰を抱き締めた。大きな手ががっしりと俺を掴まえたときだった。
「ぃ、ぎ――ッ!!」
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「ッ、ぁ゛ッ、ひ、ィ……ぎ……ッ」
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「……ッ、い、なみ様……ッ」
獰猛な目。その瞳が一瞬揺れたような気がする。理性、というものが残っていたのかもしれない、黒羽にも。
その目に躊躇いの色が滲んだのを見て、俺は堪らず黒羽の手をぎゅっと握り締めた。大丈夫です、と、口が動く。
瞬間。黒羽は俺の腰を大きく持ち上げ、体を抱き寄せた黒羽はそのまま一気に奥まで腰を打ち付ける。奥まで性器に器官を捩じ込まれたその瞬間、目の前が真っ赤に染まる。ぐりんと視界が大きく動き、天井が写った。
「ぁあ゛あ゛あ゛ァアッ!!」
響くその絶叫が自分のものだと気付くのに時間がかかった。血が溢れてるような気がした。わからない。本当に股が裂けたのかも知れない。それほどの痛みに、喉の奥からは空気と悲鳴と胃液唾液が溢れる。濡れる口元。下半身が焼けるように熱い。恐ろしくて、確認することができなかった。
けれど、
「いっ、ひッ、しぬ、し、んじゃうッ、しぬ、裂ける……ッ! 血、ち、っ、が、血が……!」
どろりと溢れる熱。なにかが垂れ、股が濡れる感触がしたが、見ることはできなかった。頭がおかしくなりそうだった。それでも黒羽は構わず、腰を動かすのだ。一気に奥まで押し広げられたそこは黒羽が少し動いただけでも引っ張られ、内蔵ごと掻き乱すような痛みが遅いかかる。
「ぁ゛、あ、い、ひ……ッ」
ひりつく喉からは声も出なかった。息がとまる。不自然に膨らんだ腹部を見て、頭がどうにかなりそうだった。
愕然とする俺に、黒羽は、無骨な手で俺の額を撫でる。
「ッ……安心しろ、死にはしない。……痛いのは最初だけだ」
「なに、ひ、っへ……ッ」
視界が陰ったと思えば唇を塞がれた。二度目のキス。それだけなのに下腹部にずぐんと衝撃が走る。性器のその奥、あるはずもない子宮が疼くような、温かい熱が広がった。
黒羽の先走りが内部を濡らしていく。先程よりも少しは滑りやすくなったのか、潰れた肉のような音を立てゆっくりと引き抜かれれば、内臓ごと引っ張られるような快感に脳髄が溶ける。
「っ、ぉ、ほ……ッ」
自分の体に異変が起きている。それはすぐに分かった。先程まではあんなに痛くて苦しかったはずなのに、今は中を擦られただけで頭の中が暖かくなってどろどろに溶けそうになるのだ。痛くて苦しいのに、それ以上に気持ちいい。ちゅ、ちゅ、と顔にキスをされるだけで性器や乳首、至るところが過敏に反応してしまう。愛しさが込み上げてくる。
「……ぁ、っ、く、ろは、しゃ……ッ」
「……効いてきたか」
なにを、とは聞けなかった。指先で唇を触れられ、脊髄反射で舌を絡める。黒羽の指をしゃぶり返せば、黒羽は唇を舐め、そして、俺の口の中へと太い指を挿入した。
「んッ、ぷ、ぅぶッ、んんッ!」
舌を弄ばれ、唇を揉まれる。同時に腰をゆっくり引き抜かれ、そしてストロークされるだけで喉奥からは自分のものとは思えないような声が漏れた。何も考えられなくなる。腰が大きく痙攣し、宙へ引っ張られた性器からは半透明の液体がピュッと溢れるだけだった。
「んッ、ほ、ぉ、ッお、ぁ……ッ!」
休む暇もなく黒羽に足を掴まれ、奥深くまで挿入された亀頭をゴリゴリと中へと押し付けれれば、意識が飛びそうになった。内臓を潰される。これ以上は本当に内臓が潰れてしまう。限界地点、本来ならば辿り着くはずがないそこを抉られるだけでみっともない声が溢れて、反応するように性器からは透明の液体がとろりと溢れ出すのだ。ぐちゃぐちゃに汚れた下腹部、執拗に奥を擦られる。
「ぁ゛ーッ、はッ、ひ、あ゛……ッ」
呼吸が浅くなり、頭の中が真っ白になった。別の生き物のように痙攣したそこからは精液は出ない。勃起した性器からはカウパーが溢れるばかりで、持続的に与えられる快感の波に、思考が、呂律が、麻痺してくる。四肢の力も最早入らなかった。ぐったりとした体をそれでも黒羽は手放さない。俺の体を抱き上げ、胡座を掻いたその上へと座らせられる。瞬間、腰を押さえつけられ、体重の重みと下から突き上げられる刺激に、喉億から声にならない悲鳴が漏れた。
「ぁ゛ッ、くろは、しゃ、おッ、ぉ、く、ごりごり、ゆって、おくっ、や、ッくろ、は、だめ、ぉッ、おく、あた、て……ッ!!」
呂律が回らない。何も考えられない。腰を抱きしめられ、何度も奥を亀頭で潰されるだけで、内臓が溢れそうになって、気持ちよくて、なんにも考えられなくて、俺は、ただひたすら黒羽にしがみついていた。痙攣しっぱなしの下腹部からはどろりと血が混じった液体が結合部を濡らす。気持ちいい、気持ちよくて、しんでしまいそうだ。
「ぁ、や、あッ、あ、いくっ、でちゃ、やッ、くろはひゃ、ぁ、あッ! いくッ! でひゃ、う……ッ!」
「……っ、どうぞ、好きなだけイッて下さい。満足できるまで、付き合いますッ、伊波様……ッ」
「あッ、ぁっ、く、ろ゛っ、ぁ、あぁ……ッ!」
何度も摩擦され、中を、奥を突き上げられる。浮かせるにも腰が抜けてしまっている今、立ち上がることもできずに黒羽に抱き締められては執拗に中を犯された。熱い、熱くて、溶けてしまいそうだ。下半身の痛覚は最早なかった。何度かのピストンの末、ガクガクと痙攣する腰を深く落とされた瞬間だった。
「んぎぃ゛ッ!!」
太い腕に、腰を掴まえられる。
体の奥深く、膨張した黒羽の性器からは熱した鉛のような大量の精液が溢れ、直腸へと流し込まれる。がっちりと拘束された下腹部は動かない。腹の中へどんどん溜まっていくその熱を感じながら、俺は、意識が遠退いていくのを覚えた。
太いパイプに内臓をグッチャグチャに掻き乱されるような感覚は一晩中続いた。時間の感覚すらない。気を失ってるのか目を覚ましてるのかも判別付かず、ひたすら体を揺さぶられ、文字通り全身を犯された。
俺の下半身はちゃんとついてるのだろうか、そう思いたくなるほどの負荷に感覚は麻痺し、仕舞いには何が何なんのかすら分からないほどの快楽に呑まれ、完全に意識が戻ったのは午前六時を知らせる鐘の音が響いてからだ。
ハッと意識が覚醒する。気がつけば、俺は、いつの間にかに布団に寝かされていた。
寝間着もちゃんと着ていた。けれど、手足にべっとりと張り付いた手の型や爪跡、神経が繋がってるのか疑わしいほどの痺れた下腹部など、確かに昨夜の行為が色濃く残っていた。
昨日、あれから……。
そこまで考えて、顔面に血が集まる。俺は、なんてことを、黒羽さんに、迫るようなことをして、それで……それで……。
全身の倦怠感の次にやってきたのは自己嫌悪の波だ。
そうだ、黒羽さんは……。
そう、起き上がろうとするが指先一つ動かすのも儘ならず、結局目を動かして探したとき、部屋の隅で動かない大きな影を見つけてしまう。
「……」
「く……黒羽さん……」
そう名前を口にした声は酷く枯れていて、自分でも驚く。喉が痛む。声を出しすぎたせいなのはわかっていたが、恥ずかしい。
「……い……っ伊波様、水を……!」
「あ……ありがとう……ございます」
予め目を覚ましたときのために用意してくれていたのか、差し出された湯呑を受け取る。丁度いい温度の白湯は乾いた喉を潤してくれる。
「……申し訳、ございませんでした……伊波様が人の体だということも考えずに、このように無理をさせてしまうなどと……」
「あ、あの……そのことなんですけど……元はといえば俺が黒羽さんにその、誘っ……たのが原因なんで、気にしないでください」
言葉にすると上擦ってしまう。恥ずかしいが、こうはっきりと言わなければ黒羽はずっと引きずってしまうだろう。
そうだ、確かに死にかけたのも事実だけど、ずっと俺は黒羽に忠告されていたはずだ。それを破ったのも俺だし、正直、気持ちよかった、などと言ったらそれこそ黒羽に軽蔑され兼ねない。
けれど、実際にダルさもあったが、肩の荷が降りたような清々しさもあった。悪いものを全部抜かれたような、そんな気分だった。
「分かりました、……伊波様がそういうのなら」
本当にいいのか、という顔だったが俺の言うことは絶対なのだろう。首を縦に振る黒羽にほっとする。
こういった人付き合いで、あまりくよくよ悩んだりするのは得意ではない。それに、嫌でも黒羽とは長い付き合いになるはずだ。……逆にこれ以上後ろめたいことや恥ずかしいこともないだろう。そんな安心感すら覚えるのだ。
……多分、それはおかしいと言われるだろうけど。
「あの、伊波様……薬屋で薬を調合してもらいました。……人の体のどんな不調にもよく効く万能薬と呼ばれてます。これを飲んだら恐らく、大分楽になるかと」
「ありがとうございます。……粉薬なんですね」
「貴方にはこの形が飲みやすいかと思って粉状のものを用意させました」
続けて渡された薬紙を受け取る。
……正直昨夜の黒羽は怖かったが、目の前にいるのはいつもの黒羽だ。やっぱり、昨夜のあれは時間帯も大きく関係してるのか。だとすると俺が血迷ったのも時間のせいというのもあるのだろうか……。気を付けなければならない。
思いながら、俺は早速それを飲もうと白湯を口に含み、粉を流し込む。
瞬間、口いっぱいに苦味のような臭みのような得体のしれない味が広がり、目の前が歪む。
「ぅ゛ぶッ!」
「い、伊波様……苦いかもしれませんが我慢して飲み干してください、そうすれば体が楽になりますので……!」
「ん……ぉご……ッ!」
正直吐きたい、今すぐ吐き出したい衝動に駆られる。
が、良薬口に苦しとは言ったもので、息を止めながら俺は必死に喉奥へと流し込む。ヘドロのような味が口に残っていた。
これで効かなかったら苦しみ損だぞ、と思ったが、効果はすぐに現れた。
「……ん、あれ……?」
まずは、喉だ。先程までガラガラだった声が元に戻る。それだけではない。目を冷ましたときは指先一つ動かすのも大変だったのに、指どころか全身が紙のように軽くなり、俺はすくりと立ち上がる。
「す……すっげー……流石魔界の万能薬……!」
「飲んだ直後は筋力強化に身体能力増長の効果も現れるみたいです。……午後にはいつも通りに戻ると思いますので、いくら調子が良くなったとは言えどあまり無理はなさらないで下さい」
「ありがとう、黒羽さん!」
「……いえ、私は当然のことを……」
魔界なんて、と思っていたが思っていたよりも悪くないかもしれない。こういう漫画でしか見なかったような代物を口にでき、それを味わうことができるなんて思わなかった。
……まあ、半分死んでるんだけどな。
だからだろう、俺は色々忘れていた。万能薬の効果に浮かれ、まるで選ばれし主人公のように調子に乗って(まあ選ばれたのだけれど)、喜んでいた。男、それも人間ですらない物の怪にケツをガン掘りされて射精しまくったことも、ゴリゴリ突かれて中出しされたことも、まあ体痛くないからいいかなと思っていた。
黒羽と一緒にいるとお腹の奥がぽかぽかするのも、あんだけ無茶したせいで体に負担残って微熱状態が続いてるものだと思っていたのだ。
けれど、そうではないと気付いたときには時既に遅し。強靭な肉体を手に入れるという一時の夢物語もすぐに幕を閉じることになる。
続く
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