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エリア1・始まりの町
優等生のお戯れ②※
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一方その頃。
リラックスをした様子でベッドに腰を掛けた因幡樂は扉の外から聞こえてくる仲間の声にくすくすと笑う。
「ああ、どうやら二人が戻ってきたみたいだね」
「っふ、ぅ……っ」
そして、床の上に座り込み因幡の股座に顔を埋めて性器を愛撫している佐藤の髪をかき混ぜるように優しく撫でれば、頬をいっぱいに膨らませ根本まで性器を咥えていた佐藤は恨めしそうに因幡を睨む。
息苦しさのせいかその顔は赤く、因幡を見上げる黒い眼には涙が滲んでいた。
部屋の外の他人の存在を感じ、なんだか落ち着かないようすどもじりと膝を擦り合わせる佐藤の頭を撫でたまま因幡は「ほら、集中して」と小さく呟き、ぐっとその後頭部を抑え喉奥まで挿入させる。
息苦しさに佐藤が喘いだが、無視。
「どうしよっか健太くん、どうやら二人は君を探してるみたいだよ。きっと君に騙されたことにようやく気付いたんだろうね」
「こんな姿の君を見たら二人はどうするんだろ?」と、そう意地の悪い笑みを浮かべる因幡は佐藤の後頭部から手を離し、目元にかかった佐藤の前髪を掻き上げてやる。
つられるように咥えていた性器から口を離した佐藤はなにか言いたげに因幡を見上げた。
「二人の頭が冷めるまでもう少し時間稼いでみる?」
「あなたは、なんの細工を……」
「やだな、細工だなんて。僕の部屋を頸城くんの部屋と摩り替えただけだよ。空間転移ぐらい誰でも出来るでしょ?」
空間転移。
またの名をテレポーテーション、瞬間移動。
転移したいものを対象に空間を切り取りそこにあるものと対象を入れ換えるという基礎的な魔術の一つだ。
しかし、対象となる質量や物質によって多大な魔力と高度な魔術を必要とされると聞いていたが、そんな魔術をなぜ因幡が使えるのか、それが佐藤にとって不思議でならなかった。
因幡の言っていることが事実なら、この部屋丸ごと切り取っていることになる。
生身の人間が対象だというだけでも難儀だというのに、それも部屋ごと。
因幡が人工魔術科の特待生という話は聞いていたが、やはりこの男、不思議でならない。
「……」
「その目、今すぐ部屋戻して欲しいのかな」
「……結構です」
「今はあなたの相手をするので手一杯なのであの二人にまで騒がれたら俺の身が持ちませんし」そう、目の前の勃起した性器から視線をはずしこちらを見下ろす因幡を見上げる佐藤は淡々と毒づく。
そんな佐藤に対し、因幡の反応はどこか愉しそうなもので。
「あは、嬉しいねえ。君みたいな義務的な子が僕を優先してくれるなんて」
「一度命じられた任務は死んでも遂行。そういう風に出来てますので」
「任務ね。君みたいな無機質的な色気がない子、僕は好きだよ。まっさらなデータを塗り替えて上書き保存したくなる」
「誉められてる気がしませんね」
あまり気持ちのよくないその因幡の言葉に仏頂面のまま吐き捨てる佐藤に対し因幡は「誉めてるよ、誉めてる」とへらへらと笑う。
そして細めた目をわずかに開き、ゆっくりと薄い唇のその口角を持ち上げた。
「だからほら、その可愛いお尻をこっちに向けてくれないかな」
三日月の形につり上がった形のいい唇から赤い舌がちろりと覗いた。
リラックスをした様子でベッドに腰を掛けた因幡樂は扉の外から聞こえてくる仲間の声にくすくすと笑う。
「ああ、どうやら二人が戻ってきたみたいだね」
「っふ、ぅ……っ」
そして、床の上に座り込み因幡の股座に顔を埋めて性器を愛撫している佐藤の髪をかき混ぜるように優しく撫でれば、頬をいっぱいに膨らませ根本まで性器を咥えていた佐藤は恨めしそうに因幡を睨む。
息苦しさのせいかその顔は赤く、因幡を見上げる黒い眼には涙が滲んでいた。
部屋の外の他人の存在を感じ、なんだか落ち着かないようすどもじりと膝を擦り合わせる佐藤の頭を撫でたまま因幡は「ほら、集中して」と小さく呟き、ぐっとその後頭部を抑え喉奥まで挿入させる。
息苦しさに佐藤が喘いだが、無視。
「どうしよっか健太くん、どうやら二人は君を探してるみたいだよ。きっと君に騙されたことにようやく気付いたんだろうね」
「こんな姿の君を見たら二人はどうするんだろ?」と、そう意地の悪い笑みを浮かべる因幡は佐藤の後頭部から手を離し、目元にかかった佐藤の前髪を掻き上げてやる。
つられるように咥えていた性器から口を離した佐藤はなにか言いたげに因幡を見上げた。
「二人の頭が冷めるまでもう少し時間稼いでみる?」
「あなたは、なんの細工を……」
「やだな、細工だなんて。僕の部屋を頸城くんの部屋と摩り替えただけだよ。空間転移ぐらい誰でも出来るでしょ?」
空間転移。
またの名をテレポーテーション、瞬間移動。
転移したいものを対象に空間を切り取りそこにあるものと対象を入れ換えるという基礎的な魔術の一つだ。
しかし、対象となる質量や物質によって多大な魔力と高度な魔術を必要とされると聞いていたが、そんな魔術をなぜ因幡が使えるのか、それが佐藤にとって不思議でならなかった。
因幡の言っていることが事実なら、この部屋丸ごと切り取っていることになる。
生身の人間が対象だというだけでも難儀だというのに、それも部屋ごと。
因幡が人工魔術科の特待生という話は聞いていたが、やはりこの男、不思議でならない。
「……」
「その目、今すぐ部屋戻して欲しいのかな」
「……結構です」
「今はあなたの相手をするので手一杯なのであの二人にまで騒がれたら俺の身が持ちませんし」そう、目の前の勃起した性器から視線をはずしこちらを見下ろす因幡を見上げる佐藤は淡々と毒づく。
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「誉められてる気がしませんね」
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そして細めた目をわずかに開き、ゆっくりと薄い唇のその口角を持ち上げた。
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