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エリア1・始まりの町
出立前
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翌朝。
メンテナンスを終え、博士との定期通信を終えた佐藤は窓の外に日が上り始めてるのを確認して部屋を出た。
メイド服を着替えようとしたのだが……何故だが解除できなかった。衣装にロックが掛かってる。
ニコニコと柔和な笑みを浮かべる食えない男の顔を思い浮かべながらも、溜息をついた佐藤は気にせずロビーへと降りた。機能性はやや落ちるが、支障というほどの支障でもない。
今日くらいは因幡への褒美としてこのままでいてやってもいいか、という気持ちになったのは自分でもよくわからない。
ロビーに降りると、普段ならばいつも遅れて起きてくる三十三が朝食を取っていた。
「おはようございます、三十三さん。珍しいですね、こんな時間に起きてるなんて」
「あ……おはようござ………………」
います、という三十三の言葉は続かなかった。
眠たげな目を佐藤の方へと向けたまま静止する。
……そして。
「……夢?まだ俺、寝て……?」
「夢ではありませんよ。ここは現実の電脳世界です」
「…………なんでそんなに可愛い格好してるんですか?」
「可愛いかどうかは知りませんが、因幡さんに着てほしいと頼まれて仕方なく」
義務的に答える佐藤に、三十三は「ふぅん」と目を細める。そのままごく自然な動作でフリルのスカートを捲ろうとする三十三の手に気付き、佐藤は三十三から離れる。
「下、やっぱり履いてないんですか?」
「スカートの中までアバターの設定してませんので確認できません」
「……不便ですね、アンドロイドって」
やや残念そうにする三十三の反応が気になったが、それもほんの一瞬のこと。
三十三は近くの椅子を引き、「どうぞ」と佐藤に目を向ける。
「他の皆ならもう少しかかると思いますよ。……ゆっくりしてたらどうですか」
「……はい、そうさせていただきます」
「…………」
こうして三十三と二人きりになる機会はあまりないかもしれない。
いつも伯万と一緒にいるかふらっとどこか一人で行ってる三十三だが、別に他人といることが嫌というわけでも人見知りが激しいというわけでもなさそうだ。
言葉に甘えて椅子に腰を掛ける。
三十三が食べてるプレートはサラダにパン、スープ付きの一番安いが回復量はそれなりにいいというコスパがいいものだ。好物だから選んでるというわけでもなさそうだ。
それにしても、とても美味しくなさそうにものを食べる男だと思った。
「昨日のこのエリアのボスって、一応倒したって扱いになってるんでしたっけ」
「はい、イレギュラーでありますがどうやらシステム的にはそのようになってますね」
「じゃあ、今日は次のエリアに行くんですか?」
「一応はその予定になってます。他の方が揃ったら説明するつもりでしたが、一度移動すれば前のエリアには戻れないようになってますので何かやり残したことがあれば出発前に用を済ませることをおすすめします」
とはいえ、序盤のエリアはあくまでもわかりやすく世界観とルールを掴んでもらうための言わばチュートリアルのようなものだ。やれることも早々限られてるだろう。
わかってるのかわかっていないのかよくわからない顔のまま、ハンバーガーにかぶりついた三十三はそれをもしゃもしゃと咀嚼しながら「ふぁい」と答えた。
そんなやり取りをしてると、階段を降りてくる足音が聞こえてくる。
「なんだ、もう起きて……ってゲッ!」
「おはようございます、頸城さん」
「アンタ……まだんな格好してたのかよ……いい加減に着替えろよ、目のやり場に困るんだよ!」
珍しく朝から元気な頸城に突っ込まれ、佐藤は改めて自身の服装に目を向ける。
似合っていないのは重々承知の上だし、一部を除いて生徒の士気を芳しく下げる可能性も考慮していたが……ロックされてしまえば佐藤がどう思ったところでどうしようもない。
「それは……申し訳ございません」
「ん?……まさか、脱げないのか、それ」
「次のメンテナンス時にはロックを解除してもらいます」
「……ハッ、大変だなアンタも」
皮肉のこもったその一言に佐藤は何も返せなかった。
頸城はカウンターで注文し、現れたカップを手にするとそのまま佐藤と三十三から離れたテーブルに腰を掛ける。
昨夜も頸城にこの格好を見られているお陰で良からぬ勘繰りをされてしまいそうだったが、今更それを気にするのも変な気がして佐藤は思考を振り払った。
それから、暫くもしない内に寝癖をつけた因幡が降りてくる。
「おはよー。……って、あれ、健太君今日も随分可愛いと思えばそんな格好しちゃって……気に入ったんだ?」
シャツのボタンを止めながらやってくる因幡から距離を取り、「いえ、これは……」と言葉を探ったとき。
「誰かさんにロックされて脱げないだとよ。……随分悪趣味な真似しやがって……いい迷惑なんだよ」
そう横槍をいれてきたのは頸城だ。
事情を大方知ってる頸城の因幡を見る目は冷たい。
けれど、因幡はそんな頸城の態度よりもその言葉の内容に引っかかったようだ。
「ロック?……そんな機能が君にあったんだ」
「しらばっくれやがって」
「弱ったな、そんなつもりはないんだけどな……」
そうへらりと笑い、それから因幡は珍しく難しい顔をしてこちらを見てくる。
ロックしたのは博士だ、因幡もそれを否定すればいいものの肯定も否定もしないものだから先程から頸城のこちらを見る目が痛い。
そしていつものように最後に起きてきたのは寝坊の常習犯、伯万玄竜だ。
「ふぁ……クッソー……頭冴えて全然寝れなかった」
大きなアクビをしながら、それを隠すわけでもなく階段を降りてくるその問題児に、三人の視線が集まった。
「そう言う割には君が最後に起きてきたみたいだけどね」
「うるせ、こっちにも色々あるんだよ」
言いながら、苛ついたように足でバーカウンターの椅子を引いた伯万はそのまま安っぽいカウンターチェアにどかりと腰を降ろした。
そして、眠たげな目のまま朝食を注文し、現れたドリンクを手にしてぐいっと一口流し込んだ時。
「……っておわっ!なんつー格好してんだお前朝っぱらから……」
傍に立っていた佐藤の姿にようやく気付いたらしい。チェアから転げ落ちそうになるのをカウンターにしがみつきなんとか踏み留まる伯万に、頸城は呆れたように笑う。
「今更かよ、その眼鏡曇ってんじゃねーのか」
「うるせえ。つーか捲れねーし……本当ポンコツだな!」
「というか断りもなく捲ろうとする貴方のその神経を疑いますけどね」
「んだと?どう見ても誘ってんだろその格好はよぉ!」
言いながら腰を抱かれそうになり、佐藤は「触らないでください」とその腕を掴み返して撚る。
「いでででで!手加減しろバカアンドロイドッ!!」
「貴方の辞書に手加減という単語があること自体驚きですね。アップデートしておきましょう」
「こ、この……ッ」
「随分と仲良くなりましたね、伯万さん」
「今の見てそう言えるお前も大概だな?」
クッソー……と不満そうな顔をしてこちらを睨んでくる伯万だったが、目の前に注文していた朝食が現れるとフンッと拗ねたように佐藤から手を引いた。
しかし、伯万ではないが三十三のいう仲良くの意味がよくわからない。
少なくとも、こうして伯万が自分に興味持ってくれているということは良好なのだろうか。
考えるが答えの見えない問題だ。現在時刻を確認し、佐藤は早速切り替えた。
「ともあれ、皆さん揃いましたね。食事しながらでも良いのでこれからのことについて俺から説明させていただきます」
宿屋のカウンター前。
全員が全員バラバラの位置に腰を降ろしてるせいでどこが注目されやすいか考え、そこに移動する。
四人はそれぞれの朝食を口にしながらも渋々、仕方無しに佐藤に目を向けた。
「無事ボスを退かせたことにより次のエリアへ続くゲートが開放されています。先程三十三さんには説明した通り、次のエリアへと移動した場合このエリアに戻ってくることはできません」
「それは消滅するってことかい?」
「あくまでもゲートが閉じられるという表現が正しいでしょう。次の補習生が来たその時までゲートは閉じられます」
質問した当人である因幡は、ホットコーヒーが入ったグラスを流し込みながら「ふーん」と口にする。
納得したのかよくわからない反応だ。
「そんなこと聞いてどうすんだよ」
「少し気になってね」
「流石、特待生様は目の付け所がちげーな」
皮肉混じりに野次を飛ばす伯万に、因幡は「ちょっと、面倒臭い絡み方はやめてくれないかな」と困ったように笑った。
因幡が人一倍知的好奇心が旺盛なことは身を持って知っているつもりだったが、なんとなく因幡の反応が、その目が気になった。
しかし、因幡に気を取られてる場合ではない。
「話は逸れてしまいましたが……このエリアでやり残したことがある方は挙手してください。なければ今日中に第2エリアに続くゲートに向かうことになりますが」
「やり残したこと……」
「って言われてもなぁ」
佐藤の言葉に、補習生たちはそれぞれ別の反応を見せる。
考え込む因幡に相変わらず何を考えてるかわからない三十三、それからどうでもいいという顔を隠そうともしない伯万。
それから……。
「なあ……午後から出発でも大丈夫か」
そう、手を挙げたのは意外なことに頸城万里だった。
「それはいいですけど……別に明日出発でも構いませんよ」
「いや、いい、それほど時間は掛からない」
「なんだぁ?気に入った女でもいたのか?」
「お前の頭はそれしかないのかこの下半身野郎」
「あぁ?!誰が脳味噌精子パックメガネだコラ!」
「そこまで言ってねえよ!!」
やいのやいのと喧嘩始める頸城と伯万。
結局いつもの流れになり、結局午後にまたこの宿屋に集合してそのときに次のゲートへ向かうという約束だけ残してその場はお開きとなった。
メンテナンスを終え、博士との定期通信を終えた佐藤は窓の外に日が上り始めてるのを確認して部屋を出た。
メイド服を着替えようとしたのだが……何故だが解除できなかった。衣装にロックが掛かってる。
ニコニコと柔和な笑みを浮かべる食えない男の顔を思い浮かべながらも、溜息をついた佐藤は気にせずロビーへと降りた。機能性はやや落ちるが、支障というほどの支障でもない。
今日くらいは因幡への褒美としてこのままでいてやってもいいか、という気持ちになったのは自分でもよくわからない。
ロビーに降りると、普段ならばいつも遅れて起きてくる三十三が朝食を取っていた。
「おはようございます、三十三さん。珍しいですね、こんな時間に起きてるなんて」
「あ……おはようござ………………」
います、という三十三の言葉は続かなかった。
眠たげな目を佐藤の方へと向けたまま静止する。
……そして。
「……夢?まだ俺、寝て……?」
「夢ではありませんよ。ここは現実の電脳世界です」
「…………なんでそんなに可愛い格好してるんですか?」
「可愛いかどうかは知りませんが、因幡さんに着てほしいと頼まれて仕方なく」
義務的に答える佐藤に、三十三は「ふぅん」と目を細める。そのままごく自然な動作でフリルのスカートを捲ろうとする三十三の手に気付き、佐藤は三十三から離れる。
「下、やっぱり履いてないんですか?」
「スカートの中までアバターの設定してませんので確認できません」
「……不便ですね、アンドロイドって」
やや残念そうにする三十三の反応が気になったが、それもほんの一瞬のこと。
三十三は近くの椅子を引き、「どうぞ」と佐藤に目を向ける。
「他の皆ならもう少しかかると思いますよ。……ゆっくりしてたらどうですか」
「……はい、そうさせていただきます」
「…………」
こうして三十三と二人きりになる機会はあまりないかもしれない。
いつも伯万と一緒にいるかふらっとどこか一人で行ってる三十三だが、別に他人といることが嫌というわけでも人見知りが激しいというわけでもなさそうだ。
言葉に甘えて椅子に腰を掛ける。
三十三が食べてるプレートはサラダにパン、スープ付きの一番安いが回復量はそれなりにいいというコスパがいいものだ。好物だから選んでるというわけでもなさそうだ。
それにしても、とても美味しくなさそうにものを食べる男だと思った。
「昨日のこのエリアのボスって、一応倒したって扱いになってるんでしたっけ」
「はい、イレギュラーでありますがどうやらシステム的にはそのようになってますね」
「じゃあ、今日は次のエリアに行くんですか?」
「一応はその予定になってます。他の方が揃ったら説明するつもりでしたが、一度移動すれば前のエリアには戻れないようになってますので何かやり残したことがあれば出発前に用を済ませることをおすすめします」
とはいえ、序盤のエリアはあくまでもわかりやすく世界観とルールを掴んでもらうための言わばチュートリアルのようなものだ。やれることも早々限られてるだろう。
わかってるのかわかっていないのかよくわからない顔のまま、ハンバーガーにかぶりついた三十三はそれをもしゃもしゃと咀嚼しながら「ふぁい」と答えた。
そんなやり取りをしてると、階段を降りてくる足音が聞こえてくる。
「なんだ、もう起きて……ってゲッ!」
「おはようございます、頸城さん」
「アンタ……まだんな格好してたのかよ……いい加減に着替えろよ、目のやり場に困るんだよ!」
珍しく朝から元気な頸城に突っ込まれ、佐藤は改めて自身の服装に目を向ける。
似合っていないのは重々承知の上だし、一部を除いて生徒の士気を芳しく下げる可能性も考慮していたが……ロックされてしまえば佐藤がどう思ったところでどうしようもない。
「それは……申し訳ございません」
「ん?……まさか、脱げないのか、それ」
「次のメンテナンス時にはロックを解除してもらいます」
「……ハッ、大変だなアンタも」
皮肉のこもったその一言に佐藤は何も返せなかった。
頸城はカウンターで注文し、現れたカップを手にするとそのまま佐藤と三十三から離れたテーブルに腰を掛ける。
昨夜も頸城にこの格好を見られているお陰で良からぬ勘繰りをされてしまいそうだったが、今更それを気にするのも変な気がして佐藤は思考を振り払った。
それから、暫くもしない内に寝癖をつけた因幡が降りてくる。
「おはよー。……って、あれ、健太君今日も随分可愛いと思えばそんな格好しちゃって……気に入ったんだ?」
シャツのボタンを止めながらやってくる因幡から距離を取り、「いえ、これは……」と言葉を探ったとき。
「誰かさんにロックされて脱げないだとよ。……随分悪趣味な真似しやがって……いい迷惑なんだよ」
そう横槍をいれてきたのは頸城だ。
事情を大方知ってる頸城の因幡を見る目は冷たい。
けれど、因幡はそんな頸城の態度よりもその言葉の内容に引っかかったようだ。
「ロック?……そんな機能が君にあったんだ」
「しらばっくれやがって」
「弱ったな、そんなつもりはないんだけどな……」
そうへらりと笑い、それから因幡は珍しく難しい顔をしてこちらを見てくる。
ロックしたのは博士だ、因幡もそれを否定すればいいものの肯定も否定もしないものだから先程から頸城のこちらを見る目が痛い。
そしていつものように最後に起きてきたのは寝坊の常習犯、伯万玄竜だ。
「ふぁ……クッソー……頭冴えて全然寝れなかった」
大きなアクビをしながら、それを隠すわけでもなく階段を降りてくるその問題児に、三人の視線が集まった。
「そう言う割には君が最後に起きてきたみたいだけどね」
「うるせ、こっちにも色々あるんだよ」
言いながら、苛ついたように足でバーカウンターの椅子を引いた伯万はそのまま安っぽいカウンターチェアにどかりと腰を降ろした。
そして、眠たげな目のまま朝食を注文し、現れたドリンクを手にしてぐいっと一口流し込んだ時。
「……っておわっ!なんつー格好してんだお前朝っぱらから……」
傍に立っていた佐藤の姿にようやく気付いたらしい。チェアから転げ落ちそうになるのをカウンターにしがみつきなんとか踏み留まる伯万に、頸城は呆れたように笑う。
「今更かよ、その眼鏡曇ってんじゃねーのか」
「うるせえ。つーか捲れねーし……本当ポンコツだな!」
「というか断りもなく捲ろうとする貴方のその神経を疑いますけどね」
「んだと?どう見ても誘ってんだろその格好はよぉ!」
言いながら腰を抱かれそうになり、佐藤は「触らないでください」とその腕を掴み返して撚る。
「いでででで!手加減しろバカアンドロイドッ!!」
「貴方の辞書に手加減という単語があること自体驚きですね。アップデートしておきましょう」
「こ、この……ッ」
「随分と仲良くなりましたね、伯万さん」
「今の見てそう言えるお前も大概だな?」
クッソー……と不満そうな顔をしてこちらを睨んでくる伯万だったが、目の前に注文していた朝食が現れるとフンッと拗ねたように佐藤から手を引いた。
しかし、伯万ではないが三十三のいう仲良くの意味がよくわからない。
少なくとも、こうして伯万が自分に興味持ってくれているということは良好なのだろうか。
考えるが答えの見えない問題だ。現在時刻を確認し、佐藤は早速切り替えた。
「ともあれ、皆さん揃いましたね。食事しながらでも良いのでこれからのことについて俺から説明させていただきます」
宿屋のカウンター前。
全員が全員バラバラの位置に腰を降ろしてるせいでどこが注目されやすいか考え、そこに移動する。
四人はそれぞれの朝食を口にしながらも渋々、仕方無しに佐藤に目を向けた。
「無事ボスを退かせたことにより次のエリアへ続くゲートが開放されています。先程三十三さんには説明した通り、次のエリアへと移動した場合このエリアに戻ってくることはできません」
「それは消滅するってことかい?」
「あくまでもゲートが閉じられるという表現が正しいでしょう。次の補習生が来たその時までゲートは閉じられます」
質問した当人である因幡は、ホットコーヒーが入ったグラスを流し込みながら「ふーん」と口にする。
納得したのかよくわからない反応だ。
「そんなこと聞いてどうすんだよ」
「少し気になってね」
「流石、特待生様は目の付け所がちげーな」
皮肉混じりに野次を飛ばす伯万に、因幡は「ちょっと、面倒臭い絡み方はやめてくれないかな」と困ったように笑った。
因幡が人一倍知的好奇心が旺盛なことは身を持って知っているつもりだったが、なんとなく因幡の反応が、その目が気になった。
しかし、因幡に気を取られてる場合ではない。
「話は逸れてしまいましたが……このエリアでやり残したことがある方は挙手してください。なければ今日中に第2エリアに続くゲートに向かうことになりますが」
「やり残したこと……」
「って言われてもなぁ」
佐藤の言葉に、補習生たちはそれぞれ別の反応を見せる。
考え込む因幡に相変わらず何を考えてるかわからない三十三、それからどうでもいいという顔を隠そうともしない伯万。
それから……。
「なあ……午後から出発でも大丈夫か」
そう、手を挙げたのは意外なことに頸城万里だった。
「それはいいですけど……別に明日出発でも構いませんよ」
「いや、いい、それほど時間は掛からない」
「なんだぁ?気に入った女でもいたのか?」
「お前の頭はそれしかないのかこの下半身野郎」
「あぁ?!誰が脳味噌精子パックメガネだコラ!」
「そこまで言ってねえよ!!」
やいのやいのと喧嘩始める頸城と伯万。
結局いつもの流れになり、結局午後にまたこの宿屋に集合してそのときに次のゲートへ向かうという約束だけ残してその場はお開きとなった。
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本作品はキルキのオリジナル小説です。
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