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6.二人が結ばれしまった夜

やるじゃない、チンアナゴ ※

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 それから数時間後。
 鳥のさえずりが鳴り始めた、日の出直前のオレンジ色の空が広がる中、エドヴィン王子の部屋の前に二人、招かれざる客がやってきた。

「さ、さすがにもう終わってますよね……」
「あのチンアナゴのスタミナを考えると、2時間前には終わってるはずだわ」

 自信満々に、自らの分析を披露するアレクサンドラとは対照的に、ニーナはリーゼの新品メガネをそっと手に持ったまま、はあっとため息をついた。

「そうですよね」
「あら隊長、何を心配しているの?」
「心配というより、気持ちの問題なのですが、さすがに主人の最中の声を聞くと言うのは、躊躇われるので」

 自らの不労所得計画のためにエドヴィン王子を焚き付けたとは言え、毎日呆れながらもしっかりとリーゼのお世話をし続けたニーナだった。
 変態的な行動と言動さえなければ、可憐な少女なのがリーゼだ。
 裸は世話の過程で飽きるほど見てもいるが、やっと大人になり始めたあの体が、男の下で淫らな声をあげている様子を実際に見聞きするのは、やっぱり複雑な気持ちになってしまったニーナだった。

「隊長って、意外と繊細ですのね」
「……アレクサンドラ様は何とも思わないんですか?殿下のエッチな声を聞くとか」
「あなたにもそんな気概があったのね、と褒めてあげるわ」
「それでこそアレクサンドラ様ですね」
「ふふふ。さてさて、疲れ切って眠りこけてるチンアナゴでも、拝んであげましょうかね」

 アレクサンドラがニヤけながらエドヴィン王子の部屋の扉をそっと開けた時だった。

「あっ!」
「「!!???」」

 リーゼの高い声が聞こえた瞬間、アレクサンドラは扉をぱたりと閉めた。

「…………聞こえた?」
「聞こえました」
「あれ、やっぱりそう?」
「…………認めるのは非常に嫌ですけど」
「念の為にもう1回……」

 アレクサンドラはもう一度扉を開けてみる。

「あっ……そこ……」
「ここが気持ちいいの?」
「はい!やぁ……」

 アレクサンドラは、もう一度そっと扉を閉じてからこうつぶやいた。

「…………まだしてるわね、やるじゃない、チンアナゴ」

 ニーナは、目を閉じ、耳をしっかり手で塞いでいた。
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