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5.運命の舞踏会まであと少し
これを使わない手はないだろう
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ニーナには、そのままのエドヴィン王子の内面でも、もしかするとリーゼの心を掴めるかもしれないという、小さな希望も抱いていた。
見た目の華やかさに人は注目しがちだが、エドヴィン王子には「人の話を聞く」力が優れていることにニーナは気づいていた。
きっかけは、ニーナが語ったお茶トーク。
エドヴィン王子にはその自覚はないだろうが、自分の努力の成果を語りに語った時の相槌がうますぎるのだ。
本当であれば、ニーナはそこまでおしゃべりではない。義務で話さなければならない時(ツッコミ含む)以外は、心の中で悪態をつくくらいがせいぜい。
それなのに、エドヴィン王子は恐ろしいことに、ニーナの心の奥の奥に眠っていたであろう
「私の話を聞いて」
「私の頑張りを知って!」
「私の努力を誉めて!」
という、承認欲求を無理やり引き摺り出してしまい、その結果ニーナは普段話す量の3倍は、ぺらっぺらと話してしまった。
おかげで次の日、喉のコンディションは少し悪くなってしまったものの……主にリーゼによる「ニーナの仕事には無関心!(ただし無自覚)」によってニーナの心に巣を作っていた黒い奴らがすうっと消えていったのには驚いた。
それに加えて、リーゼの今の状況。
エドヴィン王子がの「聞く力」が何か良い風に作用した結果、リーゼの鉄壁の心が動いたに違いなかった。
(これを使わない手はないだろう)
そう考えたニーナは
「お待ちください」
と、エドヴィン王子の学びを止めた。
見た目の華やかさに人は注目しがちだが、エドヴィン王子には「人の話を聞く」力が優れていることにニーナは気づいていた。
きっかけは、ニーナが語ったお茶トーク。
エドヴィン王子にはその自覚はないだろうが、自分の努力の成果を語りに語った時の相槌がうますぎるのだ。
本当であれば、ニーナはそこまでおしゃべりではない。義務で話さなければならない時(ツッコミ含む)以外は、心の中で悪態をつくくらいがせいぜい。
それなのに、エドヴィン王子は恐ろしいことに、ニーナの心の奥の奥に眠っていたであろう
「私の話を聞いて」
「私の頑張りを知って!」
「私の努力を誉めて!」
という、承認欲求を無理やり引き摺り出してしまい、その結果ニーナは普段話す量の3倍は、ぺらっぺらと話してしまった。
おかげで次の日、喉のコンディションは少し悪くなってしまったものの……主にリーゼによる「ニーナの仕事には無関心!(ただし無自覚)」によってニーナの心に巣を作っていた黒い奴らがすうっと消えていったのには驚いた。
それに加えて、リーゼの今の状況。
エドヴィン王子がの「聞く力」が何か良い風に作用した結果、リーゼの鉄壁の心が動いたに違いなかった。
(これを使わない手はないだろう)
そう考えたニーナは
「お待ちください」
と、エドヴィン王子の学びを止めた。
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