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Last Fight 君の犠牲の上での成果なんて、何の意味もない
5.元カノとかいたんだろうな
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<LINEメッセージ>
加藤
「声は出さないで。さっきの件」
高井
「わかってます」
加藤
「会議室取れる?会社戻ったらすぐにこの件話し合うから」
高井
「わかりました」
加藤
「…………あのさ」
高井
「なんですか」
加藤
「もうちょっと、可愛げがあるLINEとかできないの?」
高井
「どういうことでしょうか」
加藤
「例えば、こんなスタンプを押してみたらどうなの」
加藤スタンプ
パンダが「承知しましたっ」と言っている。
高井
「上司にスタンプ押せるわけないじゃないですか」
加藤スタンプ
猫が「おねがいにゃん」と言っている。
高井
「しません」
加藤スタンプ
うさぎが「どうして?」と言っている
高井
「上司ですから」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
……なんだ?これは。
最寄駅に着くまで、無言でぽちぽち、地味~に行われたLINEの応酬。
まさか誰も、隣同士に座った、スマホを凝視している人間達が、LINE上でくだらない言い合いをしているなんて、夢にも思わないだろう。
加藤さんは、日本語を打つのがめんどくさくなったのか、どんどんスタンプを連打してきたし……。
しかも。
そのスタンプのラインナップと言えば……一体誰の趣味なんだよ……と聞きたくなる程、可愛すぎるゆるキャラばかり。
スマホや、他の小物は、黒や寒色系の色を基調とした、いかにもデキるビジネスパーソンが持つようなものだと言うのに。
あ。
「あの……加藤さん」
「何?」
駅からオフィスまで歩きながら、私は聞いてみた。
「何で加藤さん、あんな可愛いスタンプ持ってるんですか」
「……悪い?」
「いえ、悪いわけじゃないですけど……」
「じゃあ何でそんなこと聞くの?」
何だろう。
また、機嫌が悪い。
もう、この人が機嫌が悪くなるトリガーが分からない……!
それに……あのゆるキャラスタンプは、今20代女子に絶大な 人気を誇るインスタ発のもの。
しかも見たところ、企業とのコラボスタンプではなくて、ちゃんと自分で買って手に入れているもの……。
……あーそうか。
きっと……女の子を喜ばせようとして買ったのかな~。
元カノ、とか……いたんだろうなー……。
いないはず、ないよなぁ。
やっぱり、何かモヤモヤしてきた……!
こんなこと、考えるんじゃなかった……。
私はしまったばかりのプライベートスマホを取り出し、加藤さん宛に1個スタンプだけ送りつけた。
それは、きっと加藤さんのような、リア充は決して使わないようなやつ。
その名も「リア充爆発しろ」スタンプ。
加藤
「声は出さないで。さっきの件」
高井
「わかってます」
加藤
「会議室取れる?会社戻ったらすぐにこの件話し合うから」
高井
「わかりました」
加藤
「…………あのさ」
高井
「なんですか」
加藤
「もうちょっと、可愛げがあるLINEとかできないの?」
高井
「どういうことでしょうか」
加藤
「例えば、こんなスタンプを押してみたらどうなの」
加藤スタンプ
パンダが「承知しましたっ」と言っている。
高井
「上司にスタンプ押せるわけないじゃないですか」
加藤スタンプ
猫が「おねがいにゃん」と言っている。
高井
「しません」
加藤スタンプ
うさぎが「どうして?」と言っている
高井
「上司ですから」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
……なんだ?これは。
最寄駅に着くまで、無言でぽちぽち、地味~に行われたLINEの応酬。
まさか誰も、隣同士に座った、スマホを凝視している人間達が、LINE上でくだらない言い合いをしているなんて、夢にも思わないだろう。
加藤さんは、日本語を打つのがめんどくさくなったのか、どんどんスタンプを連打してきたし……。
しかも。
そのスタンプのラインナップと言えば……一体誰の趣味なんだよ……と聞きたくなる程、可愛すぎるゆるキャラばかり。
スマホや、他の小物は、黒や寒色系の色を基調とした、いかにもデキるビジネスパーソンが持つようなものだと言うのに。
あ。
「あの……加藤さん」
「何?」
駅からオフィスまで歩きながら、私は聞いてみた。
「何で加藤さん、あんな可愛いスタンプ持ってるんですか」
「……悪い?」
「いえ、悪いわけじゃないですけど……」
「じゃあ何でそんなこと聞くの?」
何だろう。
また、機嫌が悪い。
もう、この人が機嫌が悪くなるトリガーが分からない……!
それに……あのゆるキャラスタンプは、今20代女子に絶大な 人気を誇るインスタ発のもの。
しかも見たところ、企業とのコラボスタンプではなくて、ちゃんと自分で買って手に入れているもの……。
……あーそうか。
きっと……女の子を喜ばせようとして買ったのかな~。
元カノ、とか……いたんだろうなー……。
いないはず、ないよなぁ。
やっぱり、何かモヤモヤしてきた……!
こんなこと、考えるんじゃなかった……。
私はしまったばかりのプライベートスマホを取り出し、加藤さん宛に1個スタンプだけ送りつけた。
それは、きっと加藤さんのような、リア充は決して使わないようなやつ。
その名も「リア充爆発しろ」スタンプ。
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