助けてください！エリート年下上司が、地味な私への溺愛を隠してくれません

Fight4 僕にはチャンス、くれないのか？

14.まだ何かあるの！？

部下に誘われるのを待つ上司って……どんだけ構ってちゃんなんだよ……。
というか。
常にランチ時や終業時間間際になると、どこから湧いて出てきたのか、数々の女性陣が我先にと、加藤さんを誘おうとしているのは見てきた。
そして……そんな女性陣の誘いを

「忙しい」

の一言で全部、綺麗に、バッサリ切り捨ててきているのも……。
ちなみに。
タイミング悪く、加藤さんが私に指導……する時にぶち当たった時は……視線がチクチクと痛くなる。
明らかに

「お前のせいで」

と言いたげなオーラが漂ってくるのだ。
……本当に、あれ、やめてほしい。
八つ当たりなんて、いい迷惑。
胃に穴が空きそうになったの、何回だったろう……。

「か、加藤さんなら、お誘いがいっぱいあるじゃないですか」
「……ちょっと何言ってるか分からないんだけど」
「はい！？」

あれをまさか、お誘いだと思っていなかったんですか！？
どこまで鈍いんだ、この人！？
もはや、同情してしまう。

「それに」

まだ何かあるの！？

「どうしていつも、河西といるんだ？」
「……河西君？」

河西君といつも一緒にって……。

「それは……同僚だし……」
「他にも同僚はいるだろう。君はいつも河西とばかりいるじゃないか」

いつもはいないと思うけど……。

「そりゃあ、河西君は同期だし……。同じ時期に入ったから研修は一緒だし」
「それにしては仲良すぎ。他の同僚とも話せば」

そんなこと言われましても！？
もともとあなたが絡んでくるせいで、河西君以外の人から話しかけられなくなったんですけど！？

「それから」

今度は何！？