94 / 99
私を見て、ちゃんと見て
13.もう嫌なんです……!
しおりを挟む
「私……社長が私のことを必要としてくれないことが嫌でした」
「違う。違うよ雨音。僕はね……君が僕を必要としなくなることが怖かったんだ」
「嘘……」
「嘘じゃない。僕はだらしがない人間で、いつも君に迷惑かけてばかりだ。だからいつか、君が、僕を捨てる日がくるんじゃないかって、考えてた」
「そんなことない!絶対ない!社長、どうして私のことを信じてくれないの!?」
「君を信じていないんじゃないよ。僕が僕を信じられなかったんだ。……君に愛してもらえる男だと……」
「そんなこと言わないでください……私ちゃんと、社長のことが大好きで……仕方がないんです」
「どうして?どうして君はそこまで、僕のことを好きでいてくれるの?」
「そんなの知りませんよ!」
雨音は、僕の胸を拳骨で叩き出した。
「整理整頓は下手だし、給料振り込み忘れるし、私いっつも迷惑かけられっぱなしだったのに……」
「ご、ごめん……」
「でも、たまにかけてくれる言葉が嬉しくて、必要とされることが、嬉しくて……社長の側で、私がすることで社長が笑顔になってくれることが、とても嬉しくて……だから……」
雨音がそこまで言うと、もう1度僕に抱きついてこう言った。
「私、また……社長を助けたい……!社長のために何もできない私なんて、もう嫌なんです……!」
「違う。違うよ雨音。僕はね……君が僕を必要としなくなることが怖かったんだ」
「嘘……」
「嘘じゃない。僕はだらしがない人間で、いつも君に迷惑かけてばかりだ。だからいつか、君が、僕を捨てる日がくるんじゃないかって、考えてた」
「そんなことない!絶対ない!社長、どうして私のことを信じてくれないの!?」
「君を信じていないんじゃないよ。僕が僕を信じられなかったんだ。……君に愛してもらえる男だと……」
「そんなこと言わないでください……私ちゃんと、社長のことが大好きで……仕方がないんです」
「どうして?どうして君はそこまで、僕のことを好きでいてくれるの?」
「そんなの知りませんよ!」
雨音は、僕の胸を拳骨で叩き出した。
「整理整頓は下手だし、給料振り込み忘れるし、私いっつも迷惑かけられっぱなしだったのに……」
「ご、ごめん……」
「でも、たまにかけてくれる言葉が嬉しくて、必要とされることが、嬉しくて……社長の側で、私がすることで社長が笑顔になってくれることが、とても嬉しくて……だから……」
雨音がそこまで言うと、もう1度僕に抱きついてこう言った。
「私、また……社長を助けたい……!社長のために何もできない私なんて、もう嫌なんです……!」
10
お気に入りに追加
80
あなたにおすすめの小説

秘密の恋
美希みなみ
恋愛
番外編更新はじめました(*ノωノ)
笠井瑞穂 25歳 東洋不動産 社長秘書
高倉由幸 31歳 東洋不動産 代表取締役社長
一途に由幸に思いをよせる、どこにでもいそうなOL瑞穂。
瑞穂は諦めるための最後の賭けに出た。
思いが届かなくても一度だけ…。
これで、あなたを諦めるから……。
短編ショートストーリーです。
番外編で由幸のお話を追加予定です。

あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます
おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」
そう書き残してエアリーはいなくなった……
緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。
そう思っていたのに。
エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて……
※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。

忙しい男
菅井群青
恋愛
付き合っていた彼氏に別れを告げた。忙しいという彼を信じていたけれど、私から別れを告げる前に……きっと私は半分捨てられていたんだ。
「私のことなんてもうなんとも思ってないくせに」
「お前は一体俺の何を見て言ってる──お前は、俺を知らな過ぎる」
すれ違う想いはどうしてこうも上手くいかないのか。いつだって思うことはただ一つ、愛おしいという気持ちだ。
※ハッピーエンドです
かなりやきもきさせてしまうと思います。
どうか温かい目でみてやってくださいね。
※本編完結しました(2019/07/15)
スピンオフ &番外編
【泣く背中】 菊田夫妻のストーリーを追加しました(2019/08/19)
改稿 (2020/01/01)
本編のみカクヨムさんでも公開しました。

友達の肩書き
菅井群青
恋愛
琢磨は友達の彼女や元カノや友達の好きな人には絶対に手を出さないと公言している。
私は……どんなに強く思っても友達だ。私はこの位置から動けない。
どうして、こんなにも好きなのに……恋愛のスタートラインに立てないの……。
「よかった、千紘が友達で本当に良かった──」
近くにいるはずなのに遠い背中を見つめることしか出来ない……。そんな二人の関係が変わる出来事が起こる。

Sランクの年下旦那様は如何でしょうか?
キミノ
恋愛
職場と自宅を往復するだけの枯れた生活を送っていた白石亜子(27)は、
帰宅途中に見知らぬイケメンの大谷匠に求婚される。
二日酔いで目覚めた亜子は、記憶の無いまま彼の妻になっていた。
彼は日本でもトップの大企業の御曹司で・・・。
無邪気に笑ったと思えば、大人の色気で翻弄してくる匠。戸惑いながらもお互いを知り、仲を深める日々を過ごしていた。
このまま、私は彼と生きていくんだ。
そう思っていた。
彼の心に住み付いて離れない存在を知るまでは。
「どうしようもなく好きだった人がいたんだ」
報われない想いを隠し切れない背中を見て、私はどうしたらいいの?
代わりでもいい。
それでも一緒にいられるなら。
そう思っていたけれど、そう思っていたかったけれど。
Sランクの年下旦那様に本気で愛されたいの。
―――――――――――――――
ページを捲ってみてください。
貴女の心にズンとくる重い愛を届けます。
【Sランクの男は如何でしょうか?】シリーズの匠編です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる