30 / 84
1.人生最後のデートだと思っていたのに
予期せぬ展開 1/何故……私はこんなところにいるのだろう?
しおりを挟む
まるで映画のような出来事が起きてから、約1時間後。
私は、先ほどまでいたタワマンからはそんなに離れていない場所にある、隠れ家のような喫茶店に来ている。
テレビや雑誌で特集されていたのを、見たことがある程、有名なところ。
オシャレな室内と、変わり種のかき氷が有名。
そして私の目の前には、とても大きくて、見たこともないようなかき氷が置かれる。
白い氷に、パステルカラーレインボー色のソースがかかっている。
さらにその上には、鞠のような丸いお菓子が散りばめられている。
(かっ……可愛い……!!)
まさに、SNS映えを意識している。
私はつい無意識にスマホで写真を撮ろうとしたが、はたと気が付く。
(そうだ、私今1人じゃないんだ……!)
ちらり、と顔をあげて目の前にいる人を見る。
氷室さんが、こちらをじっと見ていた。
そして、そんな氷室樹を、喫茶店にいる女性陣がチラチラと見ているのも、見えた。
(何故……私はこんなところにいるのだろう……?それも、こんなすごい人と……)
私がスプーンを咥えたまま、考え事をしていると
「溶けますよ」
「え!?」
急に氷室さんに話しかけられて、びっくりした私は、スプーンを飲み込みそうになった。
「かき氷、溶けてます」
「あ、はい、そうですね……!」
私は、急いでスプーンでかき氷をすくって、口に放り込む。
冷たさが、体に沁みる……。
甘さがとっても優しい……。
体が、生き返るようだ……と思いながら、頭が痛くならない程度に、どんどん氷を口の中に入れていく。
そうこうしている内に、私のかき氷はあっという間にほとんどが水分になり、代わりに氷室さんの席には彼が頼んだパンケーキが置かれた。
「あの……」
私は、スープを飲むようにかき氷だったものを飲みながら、恐る恐る氷室さんに尋ねた。
氷室さんは、パンケーキを切り分けながら私の方に視線を向ける。
「私……何で、こんなところに連れてこられたんでしょうか?」
私が氷室さんと2人で、都心のオシャレな喫茶店にいる理由。
それは、タワマンを出てすぐの、私と彼とのある会話がきっかけ。
私は、先ほどまでいたタワマンからはそんなに離れていない場所にある、隠れ家のような喫茶店に来ている。
テレビや雑誌で特集されていたのを、見たことがある程、有名なところ。
オシャレな室内と、変わり種のかき氷が有名。
そして私の目の前には、とても大きくて、見たこともないようなかき氷が置かれる。
白い氷に、パステルカラーレインボー色のソースがかかっている。
さらにその上には、鞠のような丸いお菓子が散りばめられている。
(かっ……可愛い……!!)
まさに、SNS映えを意識している。
私はつい無意識にスマホで写真を撮ろうとしたが、はたと気が付く。
(そうだ、私今1人じゃないんだ……!)
ちらり、と顔をあげて目の前にいる人を見る。
氷室さんが、こちらをじっと見ていた。
そして、そんな氷室樹を、喫茶店にいる女性陣がチラチラと見ているのも、見えた。
(何故……私はこんなところにいるのだろう……?それも、こんなすごい人と……)
私がスプーンを咥えたまま、考え事をしていると
「溶けますよ」
「え!?」
急に氷室さんに話しかけられて、びっくりした私は、スプーンを飲み込みそうになった。
「かき氷、溶けてます」
「あ、はい、そうですね……!」
私は、急いでスプーンでかき氷をすくって、口に放り込む。
冷たさが、体に沁みる……。
甘さがとっても優しい……。
体が、生き返るようだ……と思いながら、頭が痛くならない程度に、どんどん氷を口の中に入れていく。
そうこうしている内に、私のかき氷はあっという間にほとんどが水分になり、代わりに氷室さんの席には彼が頼んだパンケーキが置かれた。
「あの……」
私は、スープを飲むようにかき氷だったものを飲みながら、恐る恐る氷室さんに尋ねた。
氷室さんは、パンケーキを切り分けながら私の方に視線を向ける。
「私……何で、こんなところに連れてこられたんでしょうか?」
私が氷室さんと2人で、都心のオシャレな喫茶店にいる理由。
それは、タワマンを出てすぐの、私と彼とのある会話がきっかけ。
0
お気に入りに追加
49
あなたにおすすめの小説
離婚した彼女は死ぬことにした
まとば 蒼
恋愛
2日に1回更新(希望)です。
-----------------
事故で命を落とす瞬間、政略結婚で結ばれた夫のアルバートを愛していたことに気づいたエレノア。
もう一度彼との結婚生活をやり直したいと願うと、四年前に巻き戻っていた。
今度こそ彼に相応しい妻になりたいと、これまでの臆病な自分を脱ぎ捨て奮闘するエレノア。しかし、
「前にも言ったけど、君は妻としての役目を果たさなくていいんだよ」
返ってくるのは拒絶を含んだ鉄壁の笑みと、表面的で義務的な優しさ。
それでも夫に想いを捧げ続けていたある日のこと、アルバートの大事にしている弟妹が原因不明の体調不良に襲われた。
神官から、二人の体調不良はエレノアの体内に宿る瘴気が原因だと告げられる。
大切な人を守るために離婚して彼らから離れることをエレノアは決意するが──。
-----------------
とあるコンテストに応募するためにひっそり書いていた作品ですが、最近ダレてきたので公開してみることにしました。
まだまだ荒くて調整が必要な話ですが、どんなに些細な内容でも反応を頂けると大変励みになります。
書きながら色々修正していくので、読み返したら若干展開が変わってたりするかもしれません。
作風が好みじゃない場合は回れ右をして自衛をお願いいたします。

家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
じれったい夜の残像
ペコかな
恋愛
キャリアウーマンの美咲は、日々の忙しさに追われながらも、
ふとした瞬間に孤独を感じることが増えていた。
そんな彼女の前に、昔の恋人であり今は経営者として成功している涼介が突然現れる。
再会した涼介は、冷たく離れていったかつての面影とは違い、成熟しながらも情熱的な姿勢で美咲に接する。
再燃する恋心と、互いに抱える過去の傷が交錯する中で、
美咲は「じれったい」感情に翻弄される。

離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。
しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。
私たち夫婦には娘が1人。
愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。
だけど娘が選んだのは夫の方だった。
失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。
事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。
再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。

婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる