16 / 84
1.人生最後のデートだと思っていたのに
必要とされたかった 11/それでも私は、嬉しかった
しおりを挟む
未経験歓迎のWEBデザイナーの仕事に就く。
まずはそれを目標に定めることにした。
もちろん、電話はなかなか来ることはなかったけれど、その間私は教えてもらったいくつかのスキルの習得に励んだ。
イラストソフトの使い方。
そしてコーディングの方法。
イラストソフトと教本は、なけなしの貯金で買った。
親には、もう少しだけ甘えさせて欲しいと、真剣にお願いした。
親は「好きにしなさい」とだけ言った。
それから私は、電話をただ待つだけではなくなった。
コツコツとソフトの使い方を覚え、自分でサイトのコーディングも始めた。
そうしていつしか、自分の成果です、と言えるような作品が1つ、2つと増えていった。
ただ待っている時とは違う、形が見える充実感が、私の心を慰めてくれた。
一通りソフトの使い方として、色加工、画像の切り取りなど、基本的な業務を難なくこなせるようになった頃、ようやく1社から話がきた。
未経験でも大丈夫。
ソフトが使えれば。
そんな条件。
私は、自分のスキルを証明するために作った、数多くの作品を提出した。
その結果、私はこの会社の派遣として採用され、すぐに業務が決まった。
自分の努力の成果が認められたことは、素直に嬉しかった。
例え、その会社での業務が作業しかなくて、裁量権が一切与えられないものだとしても。
周囲がどんなにその会社での待遇に不満を持ったとしても。
それでも私は、嬉しかった。
平穏な毎日を手に入れるためのコツを、ほんの少し掴んだ気がして。
20代半ば。
大学を卒業してからはだいぶ経った。
ようやく、友人達の結婚式に呼ばれたときに、ご祝儀を払うことに躊躇わなくなった。
唯一躊躇うとしたら、結婚式に参加する時の服装。
この時の私は、日々のストレスと夜更かしによってコンディションは最悪。
体重も、70キロ直前に迫っていたから。
まずはそれを目標に定めることにした。
もちろん、電話はなかなか来ることはなかったけれど、その間私は教えてもらったいくつかのスキルの習得に励んだ。
イラストソフトの使い方。
そしてコーディングの方法。
イラストソフトと教本は、なけなしの貯金で買った。
親には、もう少しだけ甘えさせて欲しいと、真剣にお願いした。
親は「好きにしなさい」とだけ言った。
それから私は、電話をただ待つだけではなくなった。
コツコツとソフトの使い方を覚え、自分でサイトのコーディングも始めた。
そうしていつしか、自分の成果です、と言えるような作品が1つ、2つと増えていった。
ただ待っている時とは違う、形が見える充実感が、私の心を慰めてくれた。
一通りソフトの使い方として、色加工、画像の切り取りなど、基本的な業務を難なくこなせるようになった頃、ようやく1社から話がきた。
未経験でも大丈夫。
ソフトが使えれば。
そんな条件。
私は、自分のスキルを証明するために作った、数多くの作品を提出した。
その結果、私はこの会社の派遣として採用され、すぐに業務が決まった。
自分の努力の成果が認められたことは、素直に嬉しかった。
例え、その会社での業務が作業しかなくて、裁量権が一切与えられないものだとしても。
周囲がどんなにその会社での待遇に不満を持ったとしても。
それでも私は、嬉しかった。
平穏な毎日を手に入れるためのコツを、ほんの少し掴んだ気がして。
20代半ば。
大学を卒業してからはだいぶ経った。
ようやく、友人達の結婚式に呼ばれたときに、ご祝儀を払うことに躊躇わなくなった。
唯一躊躇うとしたら、結婚式に参加する時の服装。
この時の私は、日々のストレスと夜更かしによってコンディションは最悪。
体重も、70キロ直前に迫っていたから。
0
お気に入りに追加
48
あなたにおすすめの小説
イケメン御曹司、地味子へのストーカー始めました 〜マイナス余命1日〜
和泉杏咲
恋愛
表紙イラストは「帳カオル」様に描いていただきました……!眼福です(´ω`)
https://twitter.com/tobari_kaoru
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私は間も無く死ぬ。だから、彼に別れを告げたいのだ。それなのに……
なぜ、私だけがこんな目に遭うのか。
なぜ、私だけにこんなに執着するのか。
私は間も無く死んでしまう。
どうか、私のことは忘れて……。
だから私は、あえて言うの。
バイバイって。
死を覚悟した少女と、彼女を一途(?)に追いかけた少年の追いかけっこの終わりの始まりのお話。
<登場人物>
矢部雪穂:ガリ勉してエリート中学校に入学した努力少女。小説家志望
悠木 清:雪穂のクラスメイト。金持ち&ギフテッドと呼ばれるほどの天才奇人イケメン御曹司
山田:清に仕えるスーパー執事
【ヤンデレ鬼ごっこ実況中】
階段
恋愛
ヤンデレ彼氏の鬼ごっこしながら、
屋敷(監禁場所)から脱出しようとする話
_________________________________
【登場人物】
・アオイ
昨日初彼氏ができた。
初デートの後、そのまま監禁される。
面食い。
・ヒナタ
アオイの彼氏。
お金持ちでイケメン。
アオイを自身の屋敷に監禁する。
・カイト
泥棒。
ヒナタの屋敷に盗みに入るが脱出できなくなる。
アオイに協力する。
_________________________________
【あらすじ】
彼氏との初デートを楽しんだアオイ。
彼氏に家まで送ってもらっていると急に眠気に襲われる。
目覚めると知らないベッドに横たわっており、手足を縛られていた。
色々あってヒタナに監禁された事を知り、隙を見て拘束を解いて部屋の外へ出ることに成功する。
だがそこは人里離れた大きな屋敷の最上階だった。
ヒタナから逃げ切るためには、まずこの屋敷から脱出しなければならない。
果たしてアオイはヤンデレから逃げ切ることができるのか!?
_________________________________
7話くらいで終わらせます。
短いです。
途中でR15くらいになるかもしれませんがわからないです。
「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
女官になるはずだった妃
夜空 筒
恋愛
女官になる。
そう聞いていたはずなのに。
あれよあれよという間に、着飾られた私は自国の皇帝の妃の一人になっていた。
しかし、皇帝のお迎えもなく
「忙しいから、もう後宮に入っていいよ」
そんなノリの言葉を彼の側近から賜って後宮入りした私。
秘書省監のならびに本の虫である父を持つ、そんな私も無類の読書好き。
朝議が始まる早朝に、私は父が働く文徳楼に通っている。
そこで好きな著者の本を借りては、殿舎に籠る毎日。
皇帝のお渡りもないし、既に皇后に一番近い妃もいる。
縁付くには程遠い私が、ある日を境に平穏だった日常を壊される羽目になる。
誰とも褥を共にしない皇帝と、女官になるつもりで入ってきた本の虫妃の話。
更新はまばらですが、完結させたいとは思っています。
多分…
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる