5 / 84
1.人生最後のデートだと思っていたのに
怪しい誘い 3/私という人間のお話
しおりを挟む
そんな彼女は、私が派遣社員としてお世話になっているITシステムの会社で、SNSを担当する広報として、美貌を存分に発揮している。
一方の私はと言えば。
リモートワークなのを良いことに。
上半身はオフィスカジュアル用に買った、体型カバーが売りの、透け感がおしゃれなトップス。色は黒。
一目見て気に入るほど、可愛い服だと私は思ったのだが……その時はセールで5000円が1200円くらいになっていた。
……きっとサイズが一般的ではないから、売れないのかな。
(それは、ラッキーなんだ)
買った当時は、ポジティブに考えるように心がけた。
そして下半身。
ウエスト部分がゴムで作られたジャージを履いている。
「いかに体を楽にするか」を意識したチグハグなファッション。
それは、似合う似合わないより、他人の目を気にするより自分の気持ちを優先させていることが一目瞭然。
顔もどうせ……せいぜい画質が悪いWEBミーティングシステムを使ってビデオ通話するくらいでしか見られない。
だから、簡単にニキビが消えるBBクリームをさっと塗り、申し訳程度に100均で買ったリップを塗るくらいの3分メイキング。
さらに、最近のビデオ通話システムの発達は凄まじく、背景も自分で好きなものに変えられる。
私は、オプションですでに入っていた森っぽいの写真画像を使っている。
「森山さんだから森ね」
と、見た人をあっさりと納得させる無難なチョイス。
本当に好きなものを、自分の背景として設定する勇気はない。
そんなチグハグな私と、例え他人からなんて言われようとも、全身を作りこみ自分を売り込むことができる佐野さん。
もちろんそんな私と彼女が仲良くできるはずもなく。
それどころか……一方的に嫌われてるかも……と思えるような行動も数知れず。
仕事で、必要があれば意見を交わすくらいには、佐野さんも私も、社会人としてのスキルは身についている。
でもそれだけの関係。
そんな人が、急に私なんかに前触れもなく話しかけてくるなんて……。
一方の私はと言えば。
リモートワークなのを良いことに。
上半身はオフィスカジュアル用に買った、体型カバーが売りの、透け感がおしゃれなトップス。色は黒。
一目見て気に入るほど、可愛い服だと私は思ったのだが……その時はセールで5000円が1200円くらいになっていた。
……きっとサイズが一般的ではないから、売れないのかな。
(それは、ラッキーなんだ)
買った当時は、ポジティブに考えるように心がけた。
そして下半身。
ウエスト部分がゴムで作られたジャージを履いている。
「いかに体を楽にするか」を意識したチグハグなファッション。
それは、似合う似合わないより、他人の目を気にするより自分の気持ちを優先させていることが一目瞭然。
顔もどうせ……せいぜい画質が悪いWEBミーティングシステムを使ってビデオ通話するくらいでしか見られない。
だから、簡単にニキビが消えるBBクリームをさっと塗り、申し訳程度に100均で買ったリップを塗るくらいの3分メイキング。
さらに、最近のビデオ通話システムの発達は凄まじく、背景も自分で好きなものに変えられる。
私は、オプションですでに入っていた森っぽいの写真画像を使っている。
「森山さんだから森ね」
と、見た人をあっさりと納得させる無難なチョイス。
本当に好きなものを、自分の背景として設定する勇気はない。
そんなチグハグな私と、例え他人からなんて言われようとも、全身を作りこみ自分を売り込むことができる佐野さん。
もちろんそんな私と彼女が仲良くできるはずもなく。
それどころか……一方的に嫌われてるかも……と思えるような行動も数知れず。
仕事で、必要があれば意見を交わすくらいには、佐野さんも私も、社会人としてのスキルは身についている。
でもそれだけの関係。
そんな人が、急に私なんかに前触れもなく話しかけてくるなんて……。
0
お気に入りに追加
48
あなたにおすすめの小説
【ヤンデレ鬼ごっこ実況中】
階段
恋愛
ヤンデレ彼氏の鬼ごっこしながら、
屋敷(監禁場所)から脱出しようとする話
_________________________________
【登場人物】
・アオイ
昨日初彼氏ができた。
初デートの後、そのまま監禁される。
面食い。
・ヒナタ
アオイの彼氏。
お金持ちでイケメン。
アオイを自身の屋敷に監禁する。
・カイト
泥棒。
ヒナタの屋敷に盗みに入るが脱出できなくなる。
アオイに協力する。
_________________________________
【あらすじ】
彼氏との初デートを楽しんだアオイ。
彼氏に家まで送ってもらっていると急に眠気に襲われる。
目覚めると知らないベッドに横たわっており、手足を縛られていた。
色々あってヒタナに監禁された事を知り、隙を見て拘束を解いて部屋の外へ出ることに成功する。
だがそこは人里離れた大きな屋敷の最上階だった。
ヒタナから逃げ切るためには、まずこの屋敷から脱出しなければならない。
果たしてアオイはヤンデレから逃げ切ることができるのか!?
_________________________________
7話くらいで終わらせます。
短いです。
途中でR15くらいになるかもしれませんがわからないです。
イケメン御曹司、地味子へのストーカー始めました 〜マイナス余命1日〜
和泉杏咲
恋愛
表紙イラストは「帳カオル」様に描いていただきました……!眼福です(´ω`)
https://twitter.com/tobari_kaoru
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私は間も無く死ぬ。だから、彼に別れを告げたいのだ。それなのに……
なぜ、私だけがこんな目に遭うのか。
なぜ、私だけにこんなに執着するのか。
私は間も無く死んでしまう。
どうか、私のことは忘れて……。
だから私は、あえて言うの。
バイバイって。
死を覚悟した少女と、彼女を一途(?)に追いかけた少年の追いかけっこの終わりの始まりのお話。
<登場人物>
矢部雪穂:ガリ勉してエリート中学校に入学した努力少女。小説家志望
悠木 清:雪穂のクラスメイト。金持ち&ギフテッドと呼ばれるほどの天才奇人イケメン御曹司
山田:清に仕えるスーパー執事
危害を加えられたので予定よりも早く婚約を白紙撤回できました
しゃーりん
恋愛
階段から突き落とされて、目が覚めるといろんな記憶を失っていたアンジェリーナ。
自分のことも誰のことも覚えていない。
王太子殿下の婚約者であったことも忘れ、結婚式は来年なのに殿下には恋人がいるという。
聞くところによると、婚約は白紙撤回が前提だった。
なぜアンジェリーナが危害を加えられたのかはわからないが、それにより予定よりも早く婚約を白紙撤回することになったというお話です。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
五歳の時から、側にいた
田尾風香
恋愛
五歳。グレースは初めて国王の長男のグリフィンと出会った。
それからというもの、お互いにいがみ合いながらもグレースはグリフィンの側にいた。十六歳に婚約し、十九歳で結婚した。
グリフィンは、初めてグレースと会ってからずっとその姿を追い続けた。十九歳で結婚し、三十二歳で亡くして初めて、グリフィンはグレースへの想いに気付く。
前編グレース視点、後編グリフィン視点です。全二話。後編は来週木曜31日に投稿します。
女官になるはずだった妃
夜空 筒
恋愛
女官になる。
そう聞いていたはずなのに。
あれよあれよという間に、着飾られた私は自国の皇帝の妃の一人になっていた。
しかし、皇帝のお迎えもなく
「忙しいから、もう後宮に入っていいよ」
そんなノリの言葉を彼の側近から賜って後宮入りした私。
秘書省監のならびに本の虫である父を持つ、そんな私も無類の読書好き。
朝議が始まる早朝に、私は父が働く文徳楼に通っている。
そこで好きな著者の本を借りては、殿舎に籠る毎日。
皇帝のお渡りもないし、既に皇后に一番近い妃もいる。
縁付くには程遠い私が、ある日を境に平穏だった日常を壊される羽目になる。
誰とも褥を共にしない皇帝と、女官になるつもりで入ってきた本の虫妃の話。
更新はまばらですが、完結させたいとは思っています。
多分…
公爵様は幼馴染に夢中のようですので別れましょう
カミツドリ
恋愛
伯爵令嬢のレミーラは公爵閣下と婚約をしていた。
しかし、公爵閣下は幼馴染に夢中になっている……。
レミーラが注意をしても、公爵は幼馴染との関係性を見直す気はないようだ。
それならば婚約解消をしましょうと、レミーラは公爵閣下と別れることにする。
しかし、女々しい公爵はレミーラに縋りよって来る。
レミーラは王子殿下との新たな恋に忙しいので、邪魔しないでもらえますか? と元婚約者を冷たく突き放すのだった。覆水盆に返らず、ここに極まれり……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる