BLACK Tier【黒い怪物】

愛優

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二章  狼

亜連奪還

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蒼鳥についての情報は嫌というほどに出てきた。リヤがまとめてくれた蒼鳥についての資料を見ながら溜息をつく。蒼鳥はほかの代表的なマフィアグループとも仲は良好じゃないらしい。『西の虎』と『CHIROPTERAキロプテラ』はまだちゃんとしたボスがまとめていてまとまっている。だが、蒼鳥に関しては無法地帯なのだ。数年前に蒼鳥の手により潰された繫華街が今彼らの拠点になっているということだ。
「同じマフィアで仲が悪いのであればそこでぶつければいいんじゃないの?」
「うん。だからそうする」
マチの問いにリヤが頷いた。あくまでも今回の作戦は亜蓮の奪還であり蒼鳥との全面戦争ではないということか。で、あれば
「奪還した後どちらかのグループと手を組むか切り捨ててどちらかのグループの責任にするか?」
そういった私にリヤは首を振る。そこまでは分からないという意味だろう。普段から居ない快気を抜いたとしても今日は秋斗と白がいないのは何か関係があるのだろうか。
「ただいま」
帰ってきた秋斗がリビングを覗いて資料を見つけるとパラパラとめくりはじめた。
「やっぱり正面衝突は無理そう?」
「厳しいな。戦力ではなくて人数でごり押しされる」
「じゃあ、亜蓮だけもらってくる感じになるのかな?うん、それしかないね」
そんな二人の会話をよそに資料を見直す。暴力的で薬の密輸も多い。そのうえ売春や風俗なども多くい展開している。同じ女性としてはあまり笑えない案件か。
「亜蓮のみの奪還となれば二人数はいらないね。開花と快気、マチ運転で黒也で行けるね」
「了解」
そう返事をして資料を置く。監視類はこちらでリヤがどうにかしてくれるが医療のマチを入れるってことは多少の戦闘は覚悟しろってことなのかな。亜蓮についての情報はまだわからない事が多いし何しろ何故蒼鳥と行動を共にしているかについては分からないままで終わっている。
「明後日に作戦は実行としよう」
「え、それじゃあまだわからない点が…」
「やらないとわからない。もうこれ以上は、ね?」
そういうと秋斗はこちらをちらりと見て出て行ったしまった。また何も言わない。ため息とともに立ち上がりリヤを見るがリヤもこれ以上は無理といった感じにパソコンを閉じてしまっていた。
「先行き不安だね~」
いつの間にか帰ってきていた快気がソファーに座って笑っている。あんなこと言っている秋斗だが絶対に死ぬような危険なことはないと確信しているから今回は突っ込んでもいいと思っているのだろう。
「快気はどこに行ってのー?」
「秘密」
そんな会話を聞きながら私は明後日の準部に取り掛かった。

『きこえるかい?』
「えぇ。問題ないわ」
無線機がちゃんと稼働することを確認する。こちらの情報はすべてリヤのモニターへと写される。だから、もし万が一のことがあってもすぐに対処ができるわけだ。今回の目的はあくまでも亜連を貰うことにある。それは亜連が本部に来ても問題ないほどだと判断された腕前が戦力としてほしいからだ。だからそのために最終的に全面で殺しあうことになっても問題がないと判断されたのだろう。今日この時間に亜連は人身売買のオークションにて暗殺の仕事があるのがリヤの調べにて分かった。そこを狙って私たちは動くのだ。
「今、オークション会場入りました。動きます」 
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