BLACK Tier【黒い怪物】

愛優

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二章  狼

古き友人

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屋敷につき客人用の部屋に通された。私はこの屋敷の主と組長がどんな関係なのか全く知らない。それどころか外に繋がりがあることすら知らなかった。
「アンさん大丈夫かな…」
そう呟いたマチのほうを見て黙った。アンは組長が行かないことを知り向こうに残った。秋斗の命令か、アンさん自身の決断か。それは私たちには分からないがアンさんは向こうに残った。もしかしたら殺されるかもしれないと分かっていながらも彼女は残る決断をした。そんなことを考えていると扉が開き一人の男性が入ってきた。右手にはパソコンを持ちこちらを全く見ることなく席に着くとパソコンの画面を見たまま喋り始めた。
「この屋敷は基本誰も出入りしない。使用人もこの隣の離れで寝泊まりしているから一階と二階は自由に使ってくれていい。私は三階にいるから余り来ないでくれ。それ以外、地下、屋上、庭などは自由にしてくれて構わない。君たちが何をしようと口を出すつもりは全くないから安心してくれ」
そこまで喋るとパソコンを見ていた目がこちらを見て気が付いたかのように
「申し遅れた、市川 梓いちかわ あずまという」
とだけ言い残してパソコンを持って出て行ってしまった。
「チッ」
リヤが舌打ちをしたのが聞こえた。どうも気に入らなかったらしくムスっとした表情で田原さんについていく。元々身長が低くて銀髪の人形みたいな見た目の彼女がそんな表情をすると余計幼く見えてしまう。本人に言うと怒られるから言わないが…。
「二階には使っていない部屋がありますのでお好きな部屋を使ってくださって結構です。一階は広いお部屋がありますので共同でお使いください」
さっそくゼラとマチは説明も聞かずに屋敷の中を見にどっかに行ってしまった。説明が終わるとそれぞれ持ってきたものの整理をしながらご飯となった。材料などは使用人さんなどが買ってきてくれているため食糧庫にたくさん入っていた。料理はあまり得意でない私は整理のほうに回された。料理は黒と白がするらしく正直私もそちらがよかった。
「一旦それだけ地下持っていちゃって」
そう秋斗にいわれ武器類は地下へと運び込む。何かあったときに地下でも暮らせるようになっているらしく地下も相当な広さがあった。
パァン
遠くの方で銃声が聞こえ走っていくと螺旋階段状の地下への階段の裏に防音室があり快気の姿があった。
「サボりかな?」
防音強化ガラスをたたくと快気は気づいてドアを開ける。
「すごいよ。全然響かないししっかりした的だしめっっちゃいい~」
嬉しそうにいう快気にため息をつきながら武器を渡す。
「秋斗に怒られるよ。早く手伝いに来て」
「これ倉庫?もしかして俺がやるん?」
「うん」
そう返して階段へ戻る。
「快気がいたんだ。楽しんでた?」
「うん」
見ていたかのように秋斗はいってリビングを出て行った。廊下を挟んだ向こうには大きな食堂スペースになっているらしいが今は荷物がまとめられていた。そのためキッチンからリビングへとご飯を運ばないといけないらしく見事雑用を申し付けられたのだ。
「わぁ、いい匂い」
「炒飯だよ。その本見ながら作ったんだよぉ」
「味見します?」
黒がスプーンにのしてくれた一口分の炒飯をたべる。
「なにこれ、美味しい!」
本部のご飯しか食べて来なった私たちには初めて食べる暖かいごはんだった。
「まあ、田原さんに手伝ってもらいながらだけどねぇ」
白のその言葉に田原さんは「美味しいならよかったです」と言っている。本部のご飯は味より栄養や筋力つけるのが優先だったため美味しいと思うことがなかったしそれが普通だった。どうなるかなんてこれからしっかり考えていかないとだけどとりあえず出れてよかった。そんなことを思いながら食事を運んでいく。
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