この恋の先にあるもの

愛優

文字の大きさ
上 下
11 / 15
美沢彩

3

しおりを挟む
部屋の明かりをつけながらさっきコンビニで買った食材を机に置く。後ろから着いてきた彼女を椅子に座らして適当に冷蔵庫に閉まっていく。その間一言も彼女は喋らずに手に握ったままになっている石を眺めていた。たまたま目に付いた石をあげただけでこれほどに大切にしてくれるなら今度もっといいものプレゼントしようと思いながらその様子を眺める。
「シャワー浴びてきちゃって」
クローゼットから大きめの服を探して洗面所まで連れていく。都心から離れた一軒家は私の服や台本などを置いてある、いわば倉庫みたいなところだ。ここでは台本を覚えたりたまに休みに来てたがここ一ヶ月は忙しくてこれてなかったため空気が悪い。入ったのを確認してから窓を開けて換気扇を付ける。タイミングを見計らったかのように来たマネージャーの電話を見る。
「もしもし」
「CMの案件が来たんだけどどうする?」
その声には忙しいから休んでもいいんだぞという意味が含まれていた。マネージャーには個人的にも恵まれたと思う。小さい会社を大きくした私は色んな人からの期待もあった。社長は特に私の成績を誇りに思っていたし特に期待してくれていた。無理して頑張ってる訳では無いのだがマネージャー曰くブラックらしい。
「受けます」
そう答えてお風呂の方を見る。これからどうしようかと考えながら電話を切った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

人形の中の人の憂鬱

ジャン・幸田
キャラ文芸
 等身大人形が動く時、中の人がいるはずだ! でも、いないとされる。いうだけ野暮であるから。そんな中の人に関するオムニバス物語である。 【アルバイト】昭和時代末期、それほど知られていなかった美少女着ぐるみヒロインショーをめぐる物語。 【少女人形店員】父親の思い付きで着ぐるみ美少女マスクを着けて営業させられる少女の運命は?

エロ・ファンタジー

フルーツパフェ
大衆娯楽
 物事は上手くいかない。  それは異世界でも同じこと。  夢と好奇心に溢れる異世界の少女達は、恥辱に塗れた現実を味わうことになる。

女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。

矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。 女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。 取って付けたようなバレンタインネタあり。 カクヨムでも同内容で公開しています。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

マンドラゴラの王様

ミドリ
キャラ文芸
覇気のない若者、秋野美空(23)は、人付き合いが苦手。 再婚した母が出ていった実家(ど田舎)でひとり暮らしをしていた。 そんなある日、裏山を散策中に見慣れぬ植物を踏んづけてしまい、葉をめくるとそこにあったのは人間の頭。驚いた美空だったが、どうやらそれが人間ではなく根っこで出来た植物だと気付き、観察日記をつけることに。 日々成長していく植物は、やがてエキゾチックな若い男性に育っていく。無垢な子供の様な彼を庇護しようと、日々奮闘する美空。 とうとう地面から解放された彼と共に暮らし始めた美空に、事件が次々と襲いかかる。 何故彼はこの場所に生えてきたのか。 何故美空はこの場所から離れたくないのか。 この地に古くから伝わる伝承と、海外から尋ねてきた怪しげな祈祷師ウドさんと関わることで、次第に全ての謎が解き明かされていく。 完結済作品です。 気弱だった美空が段々と成長していく姿を是非応援していただければと思います。

残党シャングリラ

タビヌコ
キャラ文芸
とある巨大な悪の組織に所属する三十路にして一般戦闘員の尾方巻彦であったが、ある日、何者かの手によって所属していた組織が壊滅してしまう。一人生き残った尾方は、塞ぎこみ、抜け殻のような生活を続けていた。ところがある日、所属していたボスの孫娘を名乗る少女が乗り込んできて、日常を引っ掻き回された後、一念発起。持ち前の病的なまでの諦めの悪さを取り戻した尾方は、組織の復興と復讐を目指してひた走る。

俺がママになるんだよ!!~母親のJK時代にタイムリープした少年の話~

美作美琴
キャラ文芸
高校生の早乙女有紀(さおとめゆき)は名前にコンプレックスのある高校生男子だ。 母親の真紀はシングルマザーで有紀を育て、彼は父親を知らないまま成長する。 しかし真紀は急逝し、葬儀が終わった晩に眠ってしまった有紀は目覚めるとそこは授業中の教室、しかも姿は真紀になり彼女の高校時代に来てしまった。 「あなたの父さんを探しなさい」という真紀の遺言を実行するため、有紀は母の親友の美沙と共に自分の父親捜しを始めるのだった。 果たして有紀は無事父親を探し出し元の身体に戻ることが出来るのだろうか?

処理中です...