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俺の彼女が魔法少女でした。前編

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高校一年生の春。

俺に、彼女が出来ました。

彼女の名前は春野 卯月はるの うづき

昔から家がご近所の幼馴染。

ロングのサラサラストレートヘアーにぱっちり二重、透き通るような肌の白さと容姿端麗、おまけに運動神経抜群(男より)で、少し抜けてるところも含めてみんなから好かれておりクラスの人気者的存在。

それに比べて俺は、クラスの端で本でも読んでる友達少ない陰気キャ野郎。

卯月がなんで俺なんかの告白にオッケーしてくれたのかは謎ではあるが、今の俺は浮かれに浮かれまくっているので問題ナシ!

「なあ、卯月!一緒に帰ろ…」
「ごっめん!今日も用事あるから、先帰ってて!」

あ、まただ。

卯月と付き合って早一週間。

未だに彼女と手を繋ぐどころか一緒に帰ることすら出来ていません。


「なぁ、草介そうすけくんや。」
「何だね、あおいくん。」

卯月に誘いを断られた次の日、俺は唯一の親友である、前の席に座っている加藤 草介かとう そうすけに相談することにした。

「…というわけで、未だに一緒に帰ることすら出来てねーんだよ、草介く~ん。」

「いい加減下の名前で呼ぶのやめろよ蒼くんや。」

そういうと加藤は人差し指で眼鏡をクイっと上げる。

因みに加藤はよく眼鏡を弄っているが、本人は無意識らしい。

「考えられるなら、やっぱアレだろ。」
「アレ…とは?」
「U⭐︎WA⭐︎KI⭐︎」
「何満面の笑みで言いやがるんだよテメー!」
俺は思わず加藤の胸ぐらを掴んだ。
加藤は慌ててズレた眼鏡を元の位置に戻す。

「まあ、冗談だよジョーダン。
まあでもなんか隠し事はしてそうだけど」
「やっぱりかー、しかし、か、彼氏にも言えない隠し事ってなんだ?」
「彼氏っていう時照れるのなんか腹立つな」
加藤が舌打ちしながらボヤいているが俺にはノーダメージだ。

「そういや、お前誕生日いつだ?」
「え?11月17日だけど、プレゼント早くくれるならいつでもいいぜ」
「いや、俺がお前にプレゼントをあげたいとかじゃなくて」

一呼吸おいて、加藤は続ける。

「てっきりお前の誕生日プレゼントのためにバイトしてお金貯めてる説がワンチャンあったが、流石にな」

ああ、成る程と俺は頷く。

「まあでも流石に早すぎ…」
「流石に半年以上も前から綿密にお金を稼ぐなんて、春野の奴、こいつに一体いくら貢ぐ気なんだ…!」

俺は心底相談する相手を間違えたと後悔した。

その後不毛な会話をいくつかやりとりした結果、彼女の跡をつければいいんじゃね?とごくごく当たり前の結論に至った。

「…なあ、卯月ー、今日こそ一緒に帰ろ…」
「ごめんなさーい!」

そう言って足早に逃げる彼女。

「…やっぱりな」
断られることはもう分かっていた。

これから俺は彼女の跡を追いかける。
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