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うまくいったかい?

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イクリスはまだこれが夢じゃないかと、自身の頬をつねる。

指で自身の頬を挟むとやはり痛い。ということは現実なのか。

そのイクリスの行動を、横でメイは見て笑っていた。

「イクリスってやっぱりちょっと天然よね。」

「む、いや、そんなことないぞ。」

そういえば、とイクリスはメイに尋ねた。

「あのジョージという男と仲が良さそうだったのだが、彼は一体?」

「あ、えーと、ジョージさんはアイザックが付き合ってるメアリーさんの幼馴染で、イクリスに嫉妬をさせようと仲良くしてるフリをしてただけで…。」

メイは答えながら、中々酷い事をしてるのでは、という罪悪感に駆られていた。

しかし、イクリスには腑に落ちない点があった。

「俺の居ない時でも仲良さそうに話していたのを見たんだが。」

「それは、多分ジョージさんと身の上話してて、メアリーさんのことを聞いたり、イクリスの事を喋ってたから、その時だと思うわ。」

まさかメイはジョージに俺の話をしていたとは。

その考えはなかったな。

まあ、メイは俺と違って社交的だから、誰とでも仲良くなれるだろう。

だからこそ余計に不安になるのだが。

「そういえば、ジョージさんに今日17時に相談があるって言われてたんだ。」
メイはふとその事を思い出す。

そして、イクリスも思い出した。
ジョージは今日メイに告白するつもりなのだ。

「メイ!その相談事は、多分メイに告白する気なんだ!」

しかし、それを聞いてメイはまさかとイクリスの言葉を否定する。

「私がイクリスの事を好きだと知ってて、告白はしてこないと思うけど。」

しかし、と心配になるイクリスの両手を、メイはギュッと握りしめる。

「それに、私が好きなのは後にも先にもイクリスだけだよ。
信じて。」

「…はい。」

メイに見つめられながらそう言われ、イクリスは返す言葉もなく頷いた。

そして、17時にメイはまた中庭へとやってきた。

イクリスが心配して俺も一緒に行くと言ってくれたが、私しか呼ばれていないのにイクリスまでいると相談事が出来なくなるだろうと何とか説得して一人でやってきた。

ベンチにもう先にやってきたジョージが座っていた。

「あ、すいませんお待たせしました。」

「いいよ、俺が先に着いただけだから。」

ジョージはベンチから立ち上がり質問してきた。

「イクリスさんとはうまくいったかい?」

「え?」
メイは何で知ってるんだろうと尋ねようとすると、先にジョージの方から口を開いた。

「その様子だとうまくいった様で良かった。」

「あ、私まだ何も言ってないのに。」

するとジョージは笑いながら答えた。

「朝と顔色が全然違うからね、良かった良かった。」

はははと笑うジョージに、今度こそメイは質問する。

「あの、何で知ってるんですか?」

「ん?ああ、イクリスさんと君が付き合ったことかい?
実は、俺がイクリスさんに今日君に告白するって宣言したんだよ。」

「え?」
メイは言われた内容にびっくりする。

「そう言ったらイクリスさんも、告白せざるを得なくなるだろ?」

そう明るくジョージは答えた。
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