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挑発しないで

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俺はごくりと息を飲んだ。

メイと目が合う。

やばい、凄くキスしてみたい。

夢だからいいのかな?大丈夫か?

そもそも夢だからそんな感触なんて無いよな?

ん?でも抱きしめてる感触はあるしな?

天国だからその辺もリアルなのか?

俺が悩んでいると、メイは不思議そうな顔をしていた。

「これは何処までが夢なんだろうか?」

「え?確かにイクリスと両想いなのは夢みたいだけど、ちゃんと現実だよ?」

成る程、現実なのか。

現実?

「え?ええっ?」

俺は思わずメイの肩に手を置いてぐいっと距離を置く。

「現実なのか?
俺は恥ずかしすぎて死んだのでは?」

メイはキョトンとした表情でイクリスを見る。

「イクリス、死んでないよ?」

「え?じゃあメイが俺を好きだと言ってるのは現実なのか?」

メイは少し恥ずかしそうに赤面しながら俺を見た。

「私はずっと前からイクリスのことが好きだったけど…。」

「そうなのか!?何故!?」

そう問われてメイは更に赤面する。

「何故って、それは、昔私が迷子になったのを助けてくれた後から意識する様になって…。
イクリスは優しいし、かっこいいし、ちょっと抜けてるところもまたいいなって…。」

それを聞いてイクリスまで顔が赤くなる。

「そうか、そうなのか…。」

これが現実だとはとても思えないけれど、本当に現実だと言うのなら。

「その、メイ。
俺と、結婚を前提に付き合ってくれないか?」

「はい、喜んで!」

メイはそう満面の笑みで答えた。

俺は頭が真っ白になった。

次の瞬間、体が勝手に動いた。

俺は、メイの唇に自分の唇を重ねた。

俺はパッと顔を上げて目を逸らす。

「ごめん、抑えきれなくて。」

「う、ううん、大丈夫。」

お互い顔が真っ赤になり、暫く沈黙が続いた。

それを影から、アイザックとメアリーは見守っていた。

「はぁ、やっと両想いになったと思ったら、兄貴手を出すの早いなー。
まあ何年も気持ちを溜め込んでたから爆発したんだろうな。」

アイザックは冷静に判断する。

「ねぇ、私たちもする?キス。」

少しいたずらっぽくメアリーはそう言ってきた。

アイザックは思わずドキッとしてしまう。

「何て冗談…。」
そうメアリーが言いかけるも、アイザックに口をキスで塞がれてしまった。

「挑発しないで。」
そう顔を真っ赤にしながらアイザックは答える。

「やっぱり兄弟だね。」

そう笑いながらメアリーは言った。
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