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ここは天国か?

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「えっと…?」
いきなり可愛いと言われたメイは顔を真っ赤にしていた。

まさかいきなりそう言われるなんて思いもしなかった。

メイは恥ずかしくて自分の手を顔に当てる。

その恥じらっている姿すら、イクリスの目には可愛くてしょうがなかった。

「メイ、お前は俺を殺す気か!?

大体、日を追うごとに可愛くなるなんて反則すぎる!メイのことを見てるだけで緊張してしまうし、目も合わせられなくなってしまう!それは俺のせいでもあるのだけれど!でもメイのことを考えたらいてもたってもいられないんだ!
可愛い、可愛すぎて辛い、出来れば他の男にお前の可愛いところなんて見せたくない!独り占めしたい!」

そこまで言い切ってふとイクリスは我に返る。

俺、心の声を全部口に出して言ってなかったか!?

やばい、俺の人生終わった。

絶対ドン引かれる。

だって気持ち悪いだろ、今の俺。

最悪だ、やばい、メイの方を怖くて見れない。

イクリスは黙って俯いていた。

すると、メイから小さく返事が来たのだ。

「えっと、今のはイクリスの本心…?」

うわー絶対引いてるよこれ。
内心絶対この人無いわーって思われてるよ。

穴があったら入りたい。
寧ろ今ここで穴を掘り出したい。

しかし、ここまで言って嘘でした!何て言える訳もない。

「あ、ああ。」

俺は先程の大声とは裏腹に大分小さく絞り出した声でそう呟いた。

「そ、そうなんだ…。」

今メイはどんな表情をしてるのだろうか?

気になるけれど怖くて見れない。

冷ややかな目で俺を見ているのだろうか?

それはそれでちょっと気になる。

イクリスはチラリと顔を上げてメイの方を見た。

すると、メイも顔が俯いており、表情が良く見えない。

やばい、ガチで困ってる!?

というか、もう俺と顔も合わせたくないくらい嫌がっている!?

しかし、もう言ってしまった後なのだから、弁明すら出来ない。

「う、嬉しい…!」

そう言って、メイは俺に抱きついてきた。

俺は思考がフリーズする。

今何が起きてる?

俺が暴走して変なことを沢山言って。

それからメイにドン引きされて、抱きつかれてる?

何故だ?

「????」

イクリスには訳が分からなかった。

しかも、その、メイの体温や香りなんかが直に感じるせいで、段々とこれが現実味を増していく。

やばい、メイがこんな近くにいる。

いい香りがする、なんか全体的に柔らかいし、腕とか細いな。

あれ、この状況まずくないか?
俺は耐えられるか?

これは試練か何かなのか?

「私、ずっとイクリスのことが好きだった!」

そう俺の胸の中でメイが言う。

成る程と俺はそこで分かった。

俺はきっとあの本心を全部言った時に死んだんだな。

そしてここは俺の都合のいい様に出来た天国という訳か。

だからメイがこんな事を言ってくれるんだな。

しかし神様とは本当に居るんだな。

死んだ後にこんなにリアルな夢を見させてくれるのだから。

そうしみじみと神へと感謝する。

しかし、夢ならもうちょっと堪能しても良いだろう。

俺はメイの背中に腕を回して、抱きしめ返した。

「!!」

メイは少し驚いた様だが、更にメイも強く抱きついてきた。

「好きだ、メイ、大好きだ。」
俺はそうメイに囁く。

「うん。私も、ずっとイクリスが大好きよ。」

それから、メイと目があう。

いくら夢とは言え、どこまで許されるのだろうか?
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