8 / 8
第8話
しおりを挟む
私はそれからゆっくりと目を覚ました。
やはり2度目なだけあって、今度はすぐに意識が回復する。
「あ、起きたか、どうだった?」
そう旦那に尋ねられ、私はそうね、と答える。
「残念だけれど、まだ貴志が見つからないの」
「そうか……」
そう旦那も少し残念そうな顔をする。
「田中さん、お身体の方は大丈夫ですか?」
「ええ、特に問題はないと思うわ」
私は看護師に訊かれてそう答える。
「田中さん、はやる気持ちは分かりますが、くれぐれも無理はしない様にして下さいね」
そう医師に忠告される。
「はい、気をつけます。
あ、ところで先生、貴志の意識の世界なんですけれど、あの世界にいる時、もしゲームオーバーなんてなったらどうなるんでしょうか?
後、向こうの物を口にしたりするのは、大丈夫なのでしょうか?」
私がそう尋ねると、医師はそうですね、と口を開いた。
「まず、ゲームオーバーという概念ですが、これまでも何人かの被験者が遭遇した事があります。
その場合、大体は最初の所に戻されてしまいます」
「最初の所……
つまり、もう一度やり直さなきゃいけないと言う事ですか?」
それは結構面倒だなと思う。
「後は稀に強制終了されてこちらの世界に戻ってくる事もあります。
どちらにしろ人体に影響は今のところ確認されていないので、そこだけは安心して下さい」
人体に影響が無いと聞いて一先ず安心する。
「本当にゲームみたいなんだな」
横で話を聞いている旦那が感心していた。
「後、向こうの物を口にしてもこちらの世界では影響されませんので、その点も安心して下さい」
「そうなの、良かったわ~」
私はホッと胸を撫で下ろした。
「2日連続でお疲れでしょうから、明日は充分休んでください」
「はい、分かりました」
こうして私と旦那は家へと帰った。
「しかしまあ、そんな事が現実にもあるなんてな」
そう旦那はまだ実感が持てない様な感じである。
「あなたも一緒に向こうの世界に行けたら心強かったんだけどね」
私はそう旦那に言うと、旦那は何かを閃いたらしい。
「そうだ!
貴志の意識だと言うのなら、貴志がこれまでにやっていたゲームをやればいいんじゃないのか?」
「貴志がやっていたゲーム?」
「ああ!
貴志の意識の世界なら、これまでに貴志が影響を受けた世界という事だろう?
本物のゲームを先にやっておけば、その後の展開も分かるし貴志が何処にいるかのヒントになるかもしれない!」
「成る程……?」
私は旦那の言い分を聞いて少し納得するが、果たして本当にそんな簡単にうまくいくのだろうか?
「それにお前はゲーム自体をあまり分かっていないだろ?
やっておいて損はないと思うぞ?」
「まあ、それは確かにそうね」
実質私はゲームなんて殆ど触った事がないから知識が乏しいのは事実である。
「そうと決まったら早速家に帰ってゲームをするか!」
「……あなたがやりたいだけな気がするのだけれど」
こうして美智子は旦那の貴利と共にゲームの攻略を特訓する事になった。
やはり2度目なだけあって、今度はすぐに意識が回復する。
「あ、起きたか、どうだった?」
そう旦那に尋ねられ、私はそうね、と答える。
「残念だけれど、まだ貴志が見つからないの」
「そうか……」
そう旦那も少し残念そうな顔をする。
「田中さん、お身体の方は大丈夫ですか?」
「ええ、特に問題はないと思うわ」
私は看護師に訊かれてそう答える。
「田中さん、はやる気持ちは分かりますが、くれぐれも無理はしない様にして下さいね」
そう医師に忠告される。
「はい、気をつけます。
あ、ところで先生、貴志の意識の世界なんですけれど、あの世界にいる時、もしゲームオーバーなんてなったらどうなるんでしょうか?
後、向こうの物を口にしたりするのは、大丈夫なのでしょうか?」
私がそう尋ねると、医師はそうですね、と口を開いた。
「まず、ゲームオーバーという概念ですが、これまでも何人かの被験者が遭遇した事があります。
その場合、大体は最初の所に戻されてしまいます」
「最初の所……
つまり、もう一度やり直さなきゃいけないと言う事ですか?」
それは結構面倒だなと思う。
「後は稀に強制終了されてこちらの世界に戻ってくる事もあります。
どちらにしろ人体に影響は今のところ確認されていないので、そこだけは安心して下さい」
人体に影響が無いと聞いて一先ず安心する。
「本当にゲームみたいなんだな」
横で話を聞いている旦那が感心していた。
「後、向こうの物を口にしてもこちらの世界では影響されませんので、その点も安心して下さい」
「そうなの、良かったわ~」
私はホッと胸を撫で下ろした。
「2日連続でお疲れでしょうから、明日は充分休んでください」
「はい、分かりました」
こうして私と旦那は家へと帰った。
「しかしまあ、そんな事が現実にもあるなんてな」
そう旦那はまだ実感が持てない様な感じである。
「あなたも一緒に向こうの世界に行けたら心強かったんだけどね」
私はそう旦那に言うと、旦那は何かを閃いたらしい。
「そうだ!
貴志の意識だと言うのなら、貴志がこれまでにやっていたゲームをやればいいんじゃないのか?」
「貴志がやっていたゲーム?」
「ああ!
貴志の意識の世界なら、これまでに貴志が影響を受けた世界という事だろう?
本物のゲームを先にやっておけば、その後の展開も分かるし貴志が何処にいるかのヒントになるかもしれない!」
「成る程……?」
私は旦那の言い分を聞いて少し納得するが、果たして本当にそんな簡単にうまくいくのだろうか?
「それにお前はゲーム自体をあまり分かっていないだろ?
やっておいて損はないと思うぞ?」
「まあ、それは確かにそうね」
実質私はゲームなんて殆ど触った事がないから知識が乏しいのは事実である。
「そうと決まったら早速家に帰ってゲームをするか!」
「……あなたがやりたいだけな気がするのだけれど」
こうして美智子は旦那の貴利と共にゲームの攻略を特訓する事になった。
0
お気に入りに追加
23
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

婚約者は、今月もお茶会に来ないらしい。
白雪なこ
恋愛
婚約時に両家で決めた、毎月1回の婚約者同士の交流を深める為のお茶会。だけど、私の婚約者は「彼が認めるお茶会日和」にしかやってこない。そして、数ヶ月に一度、参加したかと思えば、無言。短時間で帰り、手紙を置いていく。そんな彼を……許せる?
*6/21続編公開。「幼馴染の王女殿下は私の元婚約者に激おこだったらしい。次期女王を舐めんなよ!ですって。」
*外部サイトにも掲載しています。(1日だけですが総合日間1位)

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。

魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました
紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。
国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です
更新は1週間に1度くらいのペースになります。
何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。
自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m

このやってられない世界で
みなせ
ファンタジー
筋肉馬鹿にビンタをくらって、前世を思い出した。
悪役令嬢・キーラになったらしいけど、
そのフラグは初っ端に折れてしまった。
主人公のヒロインをそっちのけの、
よく分からなくなった乙女ゲームの世界で、
王子様に捕まってしまったキーラは
楽しく生き残ることができるのか。

転生ヒロインは乙女ゲームを始めなかった。
よもぎ
ファンタジー
転生ヒロインがマトモな感性してる世界と、シナリオの強制力がある世界を混ぜたらどうなるの?という疑問への自分なりのアンサーです。転生ヒロインに近い視点でお話が進みます。激しい山場はございません。

聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたー腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります!
ふぃえま
ファンタジー
「勝手に呼び出して無茶振りしたくせに自分達に都合の悪い聖獣がでたら責任追及とか狡すぎません?
せめて裏で良いから謝罪の一言くらいあるはずですよね?」
不況の中、なんとか内定をもぎ取った会社にやっと慣れたと思ったら異世界召還されて勝手に聖女にされました、佐藤です。いや、元佐藤か。
実は今日、なんか国を守る聖獣を召還せよって言われたからやったらフェンリルが出ました。
あんまりこういうの詳しくないけど確か超強いやつですよね?
なのに周りの反応は正反対!
なんかめっちゃ裏切り者とか怒鳴られてロープグルグル巻きにされました。
勝手にこっちに連れて来たりただでさえ難しい聖獣召喚にケチつけたり……なんかもうこの人たち助けなくてもバチ当たりませんよね?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる