223 / 328
ノアの憂鬱
しおりを挟む
「……さま、オ……嬢様。
オリヴィアお嬢様」
「う、ん……?」
誰かに声を掛けられて私は目を覚ました。
「オリヴィアお嬢様、夕食の時間なのですが、大丈夫ですか?
エマお嬢様から体調が悪いとお伺いしましたが」
すると、目の前に白髪の長い髪を後ろでまとめた赤い瞳のメイド服の女性が立っていた。
「あ、ソフィア、体調は大丈夫よ。
ありがとう」
私は侍女のソフィアに礼を告げてベッドから上半身を起き上がらせて伸びをする。
「んー、何だか変な時間に寝ちゃったから頭がぼうっとするわね」
それから私は目を擦りベッドから起き上がった。
寝巻きにも着替えずにドレスのまま眠ってしまったので、ドレスには少し皺がついてしまっている。
「そう言えばルーカスの誕生会の最中だったわよね?
まだお客はいるのかしら?」
「そうですねぇ、まだちらほら残っていますが、もう大半は帰られましたねぇ。
まぁもう少し経てば全員帰られると思いますよ?」
「うーん、それならこのドレスから普段のシンプルな奴に変えても問題ないかしら」
「オリヴィア様がそちらの方が楽なら問題ないですよ」
ソフィアの了承を得て私はいつもの部屋着のドレスへと着替える。
「夕食はお部屋で食べられますか?
それとも広間へ行けそうですか?」
ソフィアにそう問われて私は悩む。
広間に行けばノアと鉢合わせて気まずいし、かと言って部屋で食べたら他の人達からも心配されそうだし……。
「そうね……広間に行くわ」
考えた末、今日一日ノアを避けた所で一緒に住んでる限りどうしても顔を合わせる事になるのだし、私が遠慮して避ける必要もないだろうと広間へと行くことにした。
それから私が広間へ着くと、先に来ていたエマが心配そうにこちらに近付いてきた。
「オリヴィアちゃん!
もう体調は大丈夫なの!?」
エマのその質問に、側にいたルーカスも反応する。
「え!? オリヴィア様、体調が悪かったのか!?
途中から見かけないなと心配はしてたんだが」
「大丈夫よ、ただの寝不足みたいなもんだから、少し寝たらスッキリしたし」
私は心配そうにしているエマとルーカスにそう告げる。
すると、2人ともホッとした様に胸を撫で下ろしていた。
「あ、もしかしてオリヴィア様、俺の誕生日が楽しみで寝不足に」
「それはないわね」
私はルーカスの問いにセリフを被せる勢いで否定した。
一方、後から来たノアは少し後ろで私達の会話を聞いていた。
「ノア?
どうかしたか?」
そんなノアを訝しむ様にルーカスは声を掛ける。
「え? いや、何でもないですよ」
それにノアはにこりといつもの笑顔で答えた。
それからは、何事も起こる事なく夕食を食べ終えて、各自部屋へと戻っていった。
「はぁ、結局ノアは相変わらずいつもの調子だったわね……」
部屋に戻ってオリヴィアは夕食中のノアの様子を思い返してはそう呟いた。
恐らく、また何事もなかったかの様にするのだろう。
先程の悲痛な叫びを思い出してそう考える。
結局私は、また傷付ける事しか出来なかった。
いつもいつも、恋愛が絡むと相手を傷付けてばかりだ。
だから、色恋沙汰は苦手なのだ。
でも、本当にこのままで良いのだろうか……?
なんて、私が考えた所でどうせノア自身がこれでいいと思っている限り、きっとどうしようもないのだろう。
考えても良い解決策なんて思い浮かばないし。
本当は私がノアの気持ちに応えられさえすれば良いのかもしれないけど、そういう訳にもいかないし……。
なら、もうこのままなのだろう。
まあ考えようによっては別に無視されたり変に遠慮されたりしてる訳でもないし、表面上は何もないのだからこんなに気にする必要もないのかもしれない。
そもそも仲直りとは言ったけど喧嘩した訳でもないし……。
「いくら考えてもどうしようもないものはどうしようもないわよね。
よし、本でも読もう」
どうせ寝ようにも先程数時間も寝てしまったせいで眠気も来ないので、私は読書をして夜を過ごす事にした。
一方ノアは部屋で勉強をしていた。
そんな中、コンコンと扉がノックされる。
「……入っていいですよ」
「失礼します」
ノアが返事をすると、ガチャリと扉が開いてメアリーが入って来た。
「ノア様、こちら明日のお召し物置いておきますね。
おや、勉強中でしたか。珍しいですね」
メアリーは勉強してるノアを見て少しびっくりする。
「寝る前に勉強したら、早く眠気が来るかなと思いまして」
ノアはそう笑顔で答えた。
「眠くなる為に勉強される方なんて初めて見ましたよ。
私はてっきりオリヴィアお嬢様と何かあってそれの気を紛らわせる為に勉強してるのかと思いましたけど」
ニコニコと笑顔でそう言うメアリーに、ノアは苦笑いで溜め息を吐いた。
「……流石メアリーですね」
「そりゃあ乳飲み子の頃から見ていますから。
今でもノア様が産まれた時の事はよぉく憶えていますよ。
3人の中でノア様が1番夜泣きが酷くてそれはそれは大変でしたねぇ。
夜中に何度起こされた事か……」
「今その話いらなくないですか!?」
赤ちゃんの頃の話をされてノアは顔を赤らめながらたまらずツッコんだ。
「それから上のお2人を見て育ったせいか割と要領が良いけど、案外不器用だったり」
「え? これ僕がディスられる流れなんですか?」
「好きな女の子に素直に謝れないくらい不器用ですしね」
「……結局そこですか」
メアリーにそう言われてノアは渋々返事をした。
「オリヴィアお嬢様も口にこそ出しませんがノア様の事を気にされてますよ?」
「分かってますよ、オリヴィア姉様は優しいですからね」
「本当に分かっているのならいいんですけどね」
メアリーはその後失礼しましたとノアの部屋を去って行った。
「……分かってますよ。このままじゃいけない事くらい」
ノアは目の前の教本を睨みながらそう呟いた。
そしてノアの部屋を去ったメアリーはノアの様子を思い出しては小さく溜め息を吐いた。
「あれは何かありましたね……全く、ノア様もオリヴィアお嬢様も素直じゃないですからね。
ノア様はどうする事やら。
まあ、でもなる様にしかなりませんか」
そう呟いてメアリーは仕事へと戻っていった。
オリヴィアお嬢様」
「う、ん……?」
誰かに声を掛けられて私は目を覚ました。
「オリヴィアお嬢様、夕食の時間なのですが、大丈夫ですか?
エマお嬢様から体調が悪いとお伺いしましたが」
すると、目の前に白髪の長い髪を後ろでまとめた赤い瞳のメイド服の女性が立っていた。
「あ、ソフィア、体調は大丈夫よ。
ありがとう」
私は侍女のソフィアに礼を告げてベッドから上半身を起き上がらせて伸びをする。
「んー、何だか変な時間に寝ちゃったから頭がぼうっとするわね」
それから私は目を擦りベッドから起き上がった。
寝巻きにも着替えずにドレスのまま眠ってしまったので、ドレスには少し皺がついてしまっている。
「そう言えばルーカスの誕生会の最中だったわよね?
まだお客はいるのかしら?」
「そうですねぇ、まだちらほら残っていますが、もう大半は帰られましたねぇ。
まぁもう少し経てば全員帰られると思いますよ?」
「うーん、それならこのドレスから普段のシンプルな奴に変えても問題ないかしら」
「オリヴィア様がそちらの方が楽なら問題ないですよ」
ソフィアの了承を得て私はいつもの部屋着のドレスへと着替える。
「夕食はお部屋で食べられますか?
それとも広間へ行けそうですか?」
ソフィアにそう問われて私は悩む。
広間に行けばノアと鉢合わせて気まずいし、かと言って部屋で食べたら他の人達からも心配されそうだし……。
「そうね……広間に行くわ」
考えた末、今日一日ノアを避けた所で一緒に住んでる限りどうしても顔を合わせる事になるのだし、私が遠慮して避ける必要もないだろうと広間へと行くことにした。
それから私が広間へ着くと、先に来ていたエマが心配そうにこちらに近付いてきた。
「オリヴィアちゃん!
もう体調は大丈夫なの!?」
エマのその質問に、側にいたルーカスも反応する。
「え!? オリヴィア様、体調が悪かったのか!?
途中から見かけないなと心配はしてたんだが」
「大丈夫よ、ただの寝不足みたいなもんだから、少し寝たらスッキリしたし」
私は心配そうにしているエマとルーカスにそう告げる。
すると、2人ともホッとした様に胸を撫で下ろしていた。
「あ、もしかしてオリヴィア様、俺の誕生日が楽しみで寝不足に」
「それはないわね」
私はルーカスの問いにセリフを被せる勢いで否定した。
一方、後から来たノアは少し後ろで私達の会話を聞いていた。
「ノア?
どうかしたか?」
そんなノアを訝しむ様にルーカスは声を掛ける。
「え? いや、何でもないですよ」
それにノアはにこりといつもの笑顔で答えた。
それからは、何事も起こる事なく夕食を食べ終えて、各自部屋へと戻っていった。
「はぁ、結局ノアは相変わらずいつもの調子だったわね……」
部屋に戻ってオリヴィアは夕食中のノアの様子を思い返してはそう呟いた。
恐らく、また何事もなかったかの様にするのだろう。
先程の悲痛な叫びを思い出してそう考える。
結局私は、また傷付ける事しか出来なかった。
いつもいつも、恋愛が絡むと相手を傷付けてばかりだ。
だから、色恋沙汰は苦手なのだ。
でも、本当にこのままで良いのだろうか……?
なんて、私が考えた所でどうせノア自身がこれでいいと思っている限り、きっとどうしようもないのだろう。
考えても良い解決策なんて思い浮かばないし。
本当は私がノアの気持ちに応えられさえすれば良いのかもしれないけど、そういう訳にもいかないし……。
なら、もうこのままなのだろう。
まあ考えようによっては別に無視されたり変に遠慮されたりしてる訳でもないし、表面上は何もないのだからこんなに気にする必要もないのかもしれない。
そもそも仲直りとは言ったけど喧嘩した訳でもないし……。
「いくら考えてもどうしようもないものはどうしようもないわよね。
よし、本でも読もう」
どうせ寝ようにも先程数時間も寝てしまったせいで眠気も来ないので、私は読書をして夜を過ごす事にした。
一方ノアは部屋で勉強をしていた。
そんな中、コンコンと扉がノックされる。
「……入っていいですよ」
「失礼します」
ノアが返事をすると、ガチャリと扉が開いてメアリーが入って来た。
「ノア様、こちら明日のお召し物置いておきますね。
おや、勉強中でしたか。珍しいですね」
メアリーは勉強してるノアを見て少しびっくりする。
「寝る前に勉強したら、早く眠気が来るかなと思いまして」
ノアはそう笑顔で答えた。
「眠くなる為に勉強される方なんて初めて見ましたよ。
私はてっきりオリヴィアお嬢様と何かあってそれの気を紛らわせる為に勉強してるのかと思いましたけど」
ニコニコと笑顔でそう言うメアリーに、ノアは苦笑いで溜め息を吐いた。
「……流石メアリーですね」
「そりゃあ乳飲み子の頃から見ていますから。
今でもノア様が産まれた時の事はよぉく憶えていますよ。
3人の中でノア様が1番夜泣きが酷くてそれはそれは大変でしたねぇ。
夜中に何度起こされた事か……」
「今その話いらなくないですか!?」
赤ちゃんの頃の話をされてノアは顔を赤らめながらたまらずツッコんだ。
「それから上のお2人を見て育ったせいか割と要領が良いけど、案外不器用だったり」
「え? これ僕がディスられる流れなんですか?」
「好きな女の子に素直に謝れないくらい不器用ですしね」
「……結局そこですか」
メアリーにそう言われてノアは渋々返事をした。
「オリヴィアお嬢様も口にこそ出しませんがノア様の事を気にされてますよ?」
「分かってますよ、オリヴィア姉様は優しいですからね」
「本当に分かっているのならいいんですけどね」
メアリーはその後失礼しましたとノアの部屋を去って行った。
「……分かってますよ。このままじゃいけない事くらい」
ノアは目の前の教本を睨みながらそう呟いた。
そしてノアの部屋を去ったメアリーはノアの様子を思い出しては小さく溜め息を吐いた。
「あれは何かありましたね……全く、ノア様もオリヴィアお嬢様も素直じゃないですからね。
ノア様はどうする事やら。
まあ、でもなる様にしかなりませんか」
そう呟いてメアリーは仕事へと戻っていった。
0
お気に入りに追加
529
あなたにおすすめの小説
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
悪女と呼ばれた王妃
アズやっこ
恋愛
私はこの国の王妃だった。悪女と呼ばれ処刑される。
処刑台へ向かうと先に処刑された私の幼馴染み、私の護衛騎士、私の従者達、胴体と頭が離れた状態で捨て置かれている。
まるで屑物のように足で蹴られぞんざいな扱いをされている。
私一人処刑すれば済む話なのに。
それでも仕方がないわね。私は心がない悪女、今までの行いの結果よね。
目の前には私の夫、この国の国王陛下が座っている。
私はただ、
貴方を愛して、貴方を護りたかっただけだったの。
貴方のこの国を、貴方の地位を、貴方の政務を…、
ただ護りたかっただけ…。
だから私は泣かない。悪女らしく最後は笑ってこの世を去るわ。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ ゆるい設定です。
❈ 処刑エンドなのでバットエンドです。
【完結】転生したので悪役令嬢かと思ったらヒロインの妹でした
果実果音
恋愛
まあ、ラノベとかでよくある話、転生ですね。
そういう類のものは結構読んでたから嬉しいなーと思ったけど、
あれあれ??私ってもしかしても物語にあまり関係の無いというか、全くないモブでは??だって、一度もこんな子出てこなかったもの。
じゃあ、気楽にいきますか。
*『小説家になろう』様でも公開を始めましたが、修正してから公開しているため、こちらよりも遅いです。また、こちらでも、『小説家になろう』様の方で完結しましたら修正していこうと考えています。
お金目的で王子様に近づいたら、いつの間にか外堀埋められて逃げられなくなっていた……
木野ダック
恋愛
いよいよ食卓が茹でジャガイモ一色で飾られることになった日の朝。貧乏伯爵令嬢ミラ・オーフェルは、決意する。
恋人を作ろう!と。
そして、お金を恵んでもらおう!と。
ターゲットは、おあつらえむきに中庭で読書を楽しむ王子様。
捨て身になった私は、無謀にも無縁の王子様に告白する。勿論、ダメ元。無理だろうなぁって思ったその返事は、まさかの快諾で……?
聞けば、王子にも事情があるみたい!
それならWINWINな関係で丁度良いよね……って思ってたはずなのに!
まさかの狙いは私だった⁉︎
ちょっと浅薄な貧乏令嬢と、狂愛一途な完璧王子の追いかけっこ恋愛譚。
※王子がストーカー気質なので、苦手な方はご注意いただければ幸いです。
転生したらただの女子生徒Aでしたが、何故か攻略対象の王子様から溺愛されています
平山和人
恋愛
平凡なOLの私はある日、事故にあって死んでしまいました。目が覚めるとそこは知らない天井、どうやら私は転生したみたいです。
生前そういう小説を読みまくっていたので、悪役令嬢に転生したと思いましたが、実際はストーリーに関わらないただの女子生徒Aでした。
絶望した私は地味に生きることを決意しましたが、なぜか攻略対象の王子様や悪役令嬢、更にヒロインにまで溺愛される羽目に。
しかも、私が聖女であることも判明し、国を揺るがす一大事に。果たして、私はモブらしく地味に生きていけるのでしょうか!?
従姉の子を義母から守るために婚約しました。
しゃーりん
恋愛
ジェットには6歳年上の従姉チェルシーがいた。
しかし、彼女は事故で亡くなってしまった。まだ小さい娘を残して。
再婚した従姉の夫ウォルトは娘シャルロッテの立場が不安になり、娘をジェットの家に預けてきた。婚約者として。
シャルロッテが15歳になるまでは、婚約者でいる必要があるらしい。
ところが、シャルロッテが13歳の時、公爵家に帰ることになった。
当然、婚約は白紙に戻ると思っていたジェットだが、シャルロッテの気持ち次第となって…
歳の差13歳のジェットとシャルロッテのお話です。
【完結】転生地味悪役令嬢は婚約者と男好きヒロイン諸共無視しまくる。
なーさ
恋愛
アイドルオタクの地味女子 水上羽月はある日推しが轢かれそうになるのを助けて死んでしまう。そのことを不憫に思った女神が「あなた、可哀想だから転生!」「え?」なんの因果か異世界に転生してしまう!転生したのは地味な公爵令嬢レフカ・エミリーだった。目が覚めると私の周りを大人が囲っていた。婚約者の第一王子も男好きヒロインも無視します!今世はうーん小説にでも生きようかな〜と思ったらあれ?あの人は前世の推しでは!?地味令嬢のエミリーが知らず知らずのうちに戦ったり溺愛されたりするお話。
本当に駄文です。そんなものでも読んでお気に入り登録していただけたら嬉しいです!
【完結】烏公爵の後妻〜旦那様は亡き前妻を想い、一生喪に服すらしい〜
七瀬菜々
恋愛
------ウィンターソン公爵の元に嫁ぎなさい。
ある日突然、兄がそう言った。
魔力がなく魔術師にもなれなければ、女というだけで父と同じ医者にもなれないシャロンは『自分にできることは家のためになる結婚をすること』と、日々婚活を頑張っていた。
しかし、表情を作ることが苦手な彼女の婚活はそううまくいくはずも無く…。
そろそろ諦めて修道院にで入ろうかと思っていた矢先、突然にウィンターソン公爵との縁談が持ち上がる。
ウィンターソン公爵といえば、亡き妻エミリアのことが忘れられず、5年間ずっと喪に服したままで有名な男だ。
前妻を今でも愛している公爵は、シャロンに対して予め『自分に愛されないことを受け入れろ』という誓約書を書かせるほどに徹底していた。
これはそんなウィンターソン公爵の後妻シャロンの愛されないはずの結婚の物語である。
※基本的にちょっと残念な夫婦のお話です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる