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最愛のお姫様
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「どういう事だ?」
俺はレイアンを睨みながら訊き返す。
「言葉の通りですよ。
国王は、貴方様とリーシェの婚約を快く思っていないのです」
薄い笑みを浮かべてレイアンは淡々と語った。
「婚約してもう3年経っているんだぞ?
何を今更」
「3年も付き合っていれば、リーシェのあの才能の事もご存知ですよね?」
あの才能とは、恐らく人並外れた記憶力と思考力だろう。
確かにあれは類稀なる才能に違いない。
「……まさか、国王がその才能を欲しているとでも?」
「そのまさかですよ」
俺の問いに、レイアンは静かに答える。
俺はそれを聞いて全てに合点がいった。
国王はここ最近、ずっとリーシェから助言を受けている。
お陰でオルトレアは以前の何十倍ものスピードで急成長していた。
恐らくこのままいけばあっという間に大国までのし上がるだろう。
しかし、リーシェがノルトギアに嫁いでしまえば、それも叶わない。
それどころか、今度はノルトギアが急成長するのを恐れている筈だ。
だから国王は、リーシェを手放したくなくなったという訳か。
「だが、この婚約を先に持ちかけてきたのは確かそちらだろう?
それをそちらから破棄するのは、いささか無礼すぎないか?」
本来、婚約を持ちかけた側から、正当な理由もなく婚約破棄する事は、暗黙の了解上よろしくないとされている。
「無礼ではありますが、しかし法律では特に決まっていませんよ?」
レイアンは抑揚なくそう言った。
確かにレイアンの言う通りだ。あくまで暗黙の了解となっているだけで、法律で禁止されている訳でもない。
「それでも、角が立ってしまうだろ」
「おや、この1年でオルトレアはノルトギアより国力が上なのは火を見るよりも明らかですよね?
そんな所の角が立った所で、痛くも痒くもないのですよ」
こいつ、中々言ってくれるじゃないか?
俺はキッと鋭くレイアンを睨みつけた。
「そんなに睨まないで下さいよ。
私は寧ろアデック王子の味方ですから」
「俺の味方?」
「ええ。私としては、邪魔なんですよねぇ、あの女が」
レイアンは笑いながらそう言うも、その瞳は笑ってなどいなかった。
あの女とは恐らくリーシェの事だろう。
「……つまり、レイアン王子はこのままリーシェが政治に関わるのは反対、という事か」
「そうですね。あの女に首を垂れて助言を聞いている国王の姿なんて、見たくもありませんから」
まあ確かに、自分より妹の方が優秀で、父親がそちらにばかり頼っていたら、嫌にもなるだろう。
「成る程。つまりレイアン王子はさっさとリーシェを追い出したいと」
「はい。アデック王子には是非ともあの女をこの王室から追い出して欲しいのです」
いちいちあの女呼びにイラッとくるが、しかしお互い利害は一致している。
「分かった。ただ、こちらとしてはいつでもリーシェを受け入れられるのだが、そっちの方が難しいんじゃないのか?」
「正直厳しいですね。こちらとしても一応国王やその周りに助言してはいるのですが、どうにも。
ただ、早ければ早い方が私としても助かるのですが」
レイアンは溜め息混じりにそう言う。
恐らく、本当にさっさと妹を追い出したいのだろう。
「まあ私からのお話は以上です。
それと、最後に一つだけ」
「まだ何かあるのか?」
もうそろそろ本気で早目に帰りたい気持ちをグッと抑えて訊き返す。
「貴方様が思っているよりも、ずっと世界は汚れているのかもしれませんよ?
どうかお気をつけて」
「?
……よく分からんが、忠告どうもありがとう」
何だか含みのある言い方だが、一体なんなのだろうか?
しかし、レイアンはどうにも笑顔を貼り付けていて嘘くさく感じてしまう。
なるべくなら関わりたくないタイプだ。
まあ、今までもそこまで接点がある訳でもない上に、リーシェが嫁いできたらもっと接点が減るし、あまり気にしなくても良いだろう。
それよりも、仕事ほっぽり出して急いで来た為早く帰らなくてはまずい。
また執事にどやされてしまう。
俺はさっさとノルトギアへと戻る事にした。
その後、俺は何度か父親とオルトレアの国王にリーシェを早目にノルトギアへと連れていきたいと伝えるも、やはりオルトレアの国王が頑なにそれを拒んだ。
一応表向きな理由としては、大事な一人娘を結婚前に他所の家に住まわせたくないという、確かに納得出来る理由ではあった。
「口ではそう言ってるけど、実際娘を大事にしてない癖によく言うよ」
「あら、一応大事にはされているわよ?
最近私と良くお話する様になったし」
俺の心配を他所に、リーシェはニコニコと話す。
「それは、単にお前の知恵を聞いてるだけだろ?」
「それでも頼ってくれるのは娘として嬉しいわ……あっ」
リーシェは喋っている途中少しよろけた。
「おい、大丈夫か?」
「平気よ、ただの寝不足だと思うわ」
「何で寝不足なんだ?」
「だって、最近アデック様が夜私を求めてくるから……いた」
俺は無言でデコピンした。
「お前が家に泊まってる時に、寝不足になるほど俺はお前の睡眠時間を削った覚えはないが?」
「いやねぇ、私の睡眠時間を奪っているのは確かにアデック様よ?」
「だから削ってないって」
「だって、寝る前についついアデック様のカッコいいお姿を思い出すと、中々眠りにつけなくて」
あっけらかんとリーシェはそんな事を言う。
そんな事言われたら、俺の方が恥ずかしい。
「そんなもん思い出すな。
忘れてしまえ」
「いやだわアデック様、私忘れる事なんて出来ませんもの♡」
そうだった、こいつ確か記憶力が良いんだった。
「厄介な能力だな、本当」
「うふふ♡」
しかしまあ、最初会った時と比べて大分リーシェは変わったと思う。
ただ、疑問に思う事がある。
「お前って、何で俺の事を好きになったんだ?」
正直、そこがよく分からない。
こいつは、俺の知っている限りでは、好き嫌いなんて概念すらそもそも知らないんじゃないかと思うくらいに周りに無関心だ。
割と何でも良い、どうでもいいと考えている部分が多い。
だから、何故俺に執着するのか、理由が分からない。
「……駄目かしら?」
リーシェはふいに、少し真剣な表情で尋ねてくる。
「何がだ?」
「理由がないと、好きになっちゃ駄目かしら?」
「……理由は特はないって事か?」
それだとますます何で好きになったのか分からない。
「理由なら、出そうと思えばいくらでも出せるわ。
カッコいいとか、優しいとか、真面目とか。
でも、そういう表面上の言葉に出来てしまう程度の誰にでも言えちゃう様な事じゃなくて、もっと奥底の、きっと誰にも理解出来ない部分で私はアデック様の事が好きなのよ。
好きだとか、愛してるだとかよりも、もっと深い根底で、私はアデック様の事を想っているの」
……つまり、それは。
「お前、そんなに重い女だったっけ?」
「体重は38kgよ」
「いや、物理の話じゃなくて」
「冗談よ。
びっくりした?」
クスリと猫の様にリーシェは笑いながら問い掛けてくる。
「正直驚いたよ、お前にそんなに想われていたなんてな」
「それはアデック様が、中々私の愛を信じてくれないからよ」
「お前が分かり辛すぎるんだ」
リーシェは、少し不安そうに笑いながら、更に尋ねてきた。
「ねえ、嫌だった?
こんな重い女で」
「びっくりはしたけど、嫌ではないよ。
寧ろ、嬉しい、と思う……」
俺は何とか赤面を堪えようとするも、やはりどうしても照れてしまう。
しかし、本当にそこまで想われている自覚も自信もなかったから、凄く嬉しいのは事実だ。
「うふふ、それは良かったわ♡」
リーシェは満面の笑みで喜んでいた。
ずっと、こうして、2人でいられたらなと、俺は心の底から願った。
俺はレイアンを睨みながら訊き返す。
「言葉の通りですよ。
国王は、貴方様とリーシェの婚約を快く思っていないのです」
薄い笑みを浮かべてレイアンは淡々と語った。
「婚約してもう3年経っているんだぞ?
何を今更」
「3年も付き合っていれば、リーシェのあの才能の事もご存知ですよね?」
あの才能とは、恐らく人並外れた記憶力と思考力だろう。
確かにあれは類稀なる才能に違いない。
「……まさか、国王がその才能を欲しているとでも?」
「そのまさかですよ」
俺の問いに、レイアンは静かに答える。
俺はそれを聞いて全てに合点がいった。
国王はここ最近、ずっとリーシェから助言を受けている。
お陰でオルトレアは以前の何十倍ものスピードで急成長していた。
恐らくこのままいけばあっという間に大国までのし上がるだろう。
しかし、リーシェがノルトギアに嫁いでしまえば、それも叶わない。
それどころか、今度はノルトギアが急成長するのを恐れている筈だ。
だから国王は、リーシェを手放したくなくなったという訳か。
「だが、この婚約を先に持ちかけてきたのは確かそちらだろう?
それをそちらから破棄するのは、いささか無礼すぎないか?」
本来、婚約を持ちかけた側から、正当な理由もなく婚約破棄する事は、暗黙の了解上よろしくないとされている。
「無礼ではありますが、しかし法律では特に決まっていませんよ?」
レイアンは抑揚なくそう言った。
確かにレイアンの言う通りだ。あくまで暗黙の了解となっているだけで、法律で禁止されている訳でもない。
「それでも、角が立ってしまうだろ」
「おや、この1年でオルトレアはノルトギアより国力が上なのは火を見るよりも明らかですよね?
そんな所の角が立った所で、痛くも痒くもないのですよ」
こいつ、中々言ってくれるじゃないか?
俺はキッと鋭くレイアンを睨みつけた。
「そんなに睨まないで下さいよ。
私は寧ろアデック王子の味方ですから」
「俺の味方?」
「ええ。私としては、邪魔なんですよねぇ、あの女が」
レイアンは笑いながらそう言うも、その瞳は笑ってなどいなかった。
あの女とは恐らくリーシェの事だろう。
「……つまり、レイアン王子はこのままリーシェが政治に関わるのは反対、という事か」
「そうですね。あの女に首を垂れて助言を聞いている国王の姿なんて、見たくもありませんから」
まあ確かに、自分より妹の方が優秀で、父親がそちらにばかり頼っていたら、嫌にもなるだろう。
「成る程。つまりレイアン王子はさっさとリーシェを追い出したいと」
「はい。アデック王子には是非ともあの女をこの王室から追い出して欲しいのです」
いちいちあの女呼びにイラッとくるが、しかしお互い利害は一致している。
「分かった。ただ、こちらとしてはいつでもリーシェを受け入れられるのだが、そっちの方が難しいんじゃないのか?」
「正直厳しいですね。こちらとしても一応国王やその周りに助言してはいるのですが、どうにも。
ただ、早ければ早い方が私としても助かるのですが」
レイアンは溜め息混じりにそう言う。
恐らく、本当にさっさと妹を追い出したいのだろう。
「まあ私からのお話は以上です。
それと、最後に一つだけ」
「まだ何かあるのか?」
もうそろそろ本気で早目に帰りたい気持ちをグッと抑えて訊き返す。
「貴方様が思っているよりも、ずっと世界は汚れているのかもしれませんよ?
どうかお気をつけて」
「?
……よく分からんが、忠告どうもありがとう」
何だか含みのある言い方だが、一体なんなのだろうか?
しかし、レイアンはどうにも笑顔を貼り付けていて嘘くさく感じてしまう。
なるべくなら関わりたくないタイプだ。
まあ、今までもそこまで接点がある訳でもない上に、リーシェが嫁いできたらもっと接点が減るし、あまり気にしなくても良いだろう。
それよりも、仕事ほっぽり出して急いで来た為早く帰らなくてはまずい。
また執事にどやされてしまう。
俺はさっさとノルトギアへと戻る事にした。
その後、俺は何度か父親とオルトレアの国王にリーシェを早目にノルトギアへと連れていきたいと伝えるも、やはりオルトレアの国王が頑なにそれを拒んだ。
一応表向きな理由としては、大事な一人娘を結婚前に他所の家に住まわせたくないという、確かに納得出来る理由ではあった。
「口ではそう言ってるけど、実際娘を大事にしてない癖によく言うよ」
「あら、一応大事にはされているわよ?
最近私と良くお話する様になったし」
俺の心配を他所に、リーシェはニコニコと話す。
「それは、単にお前の知恵を聞いてるだけだろ?」
「それでも頼ってくれるのは娘として嬉しいわ……あっ」
リーシェは喋っている途中少しよろけた。
「おい、大丈夫か?」
「平気よ、ただの寝不足だと思うわ」
「何で寝不足なんだ?」
「だって、最近アデック様が夜私を求めてくるから……いた」
俺は無言でデコピンした。
「お前が家に泊まってる時に、寝不足になるほど俺はお前の睡眠時間を削った覚えはないが?」
「いやねぇ、私の睡眠時間を奪っているのは確かにアデック様よ?」
「だから削ってないって」
「だって、寝る前についついアデック様のカッコいいお姿を思い出すと、中々眠りにつけなくて」
あっけらかんとリーシェはそんな事を言う。
そんな事言われたら、俺の方が恥ずかしい。
「そんなもん思い出すな。
忘れてしまえ」
「いやだわアデック様、私忘れる事なんて出来ませんもの♡」
そうだった、こいつ確か記憶力が良いんだった。
「厄介な能力だな、本当」
「うふふ♡」
しかしまあ、最初会った時と比べて大分リーシェは変わったと思う。
ただ、疑問に思う事がある。
「お前って、何で俺の事を好きになったんだ?」
正直、そこがよく分からない。
こいつは、俺の知っている限りでは、好き嫌いなんて概念すらそもそも知らないんじゃないかと思うくらいに周りに無関心だ。
割と何でも良い、どうでもいいと考えている部分が多い。
だから、何故俺に執着するのか、理由が分からない。
「……駄目かしら?」
リーシェはふいに、少し真剣な表情で尋ねてくる。
「何がだ?」
「理由がないと、好きになっちゃ駄目かしら?」
「……理由は特はないって事か?」
それだとますます何で好きになったのか分からない。
「理由なら、出そうと思えばいくらでも出せるわ。
カッコいいとか、優しいとか、真面目とか。
でも、そういう表面上の言葉に出来てしまう程度の誰にでも言えちゃう様な事じゃなくて、もっと奥底の、きっと誰にも理解出来ない部分で私はアデック様の事が好きなのよ。
好きだとか、愛してるだとかよりも、もっと深い根底で、私はアデック様の事を想っているの」
……つまり、それは。
「お前、そんなに重い女だったっけ?」
「体重は38kgよ」
「いや、物理の話じゃなくて」
「冗談よ。
びっくりした?」
クスリと猫の様にリーシェは笑いながら問い掛けてくる。
「正直驚いたよ、お前にそんなに想われていたなんてな」
「それはアデック様が、中々私の愛を信じてくれないからよ」
「お前が分かり辛すぎるんだ」
リーシェは、少し不安そうに笑いながら、更に尋ねてきた。
「ねえ、嫌だった?
こんな重い女で」
「びっくりはしたけど、嫌ではないよ。
寧ろ、嬉しい、と思う……」
俺は何とか赤面を堪えようとするも、やはりどうしても照れてしまう。
しかし、本当にそこまで想われている自覚も自信もなかったから、凄く嬉しいのは事実だ。
「うふふ、それは良かったわ♡」
リーシェは満面の笑みで喜んでいた。
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