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どうしてこうなった
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「そうなんですか?」
そうオリヴィアはアデックに聞いた。
「ああ、どうやら最近は女の子とも全然会ってないらしい。
一部では女遊びのし過ぎで相手にされなくなったんじゃとか言われてるけど、ルイス本人にまだ言い寄ってくる女の子は一定数いるらしいし、それも全部断ってるってさ」
「へぇ」
しかし、私は特に他に感想が出てこなかった。
私の事が好きで女遊びをやめたからとて、別に私としてはどうでもいいと思えてしまう。
「大分興味無さそうだな」
そうアデックに言われてドキッとする。
「いや、まあ私自身最近ルイス様の噂を知ったので、にわかに信じられなかったというか、何というか……」
私はしどろもどろに答える。
「まあ、この間まで下町で生きてきたんだし仕方ないだろうけどな」
アデックもそう大して気にしてなさそうだった。
「まあ、俺としてはルイスも頑張ってるよって事を伝えたかっただけ。
君はノアと付き合ってるって嘘吐いてるらしいけど」
「えっ!?」
そう言われたオリヴィアはびっくりする。
「う、嘘じゃないですよ!?」
アデックにバレたらルイスやシーラにもバラされるかもしれない!
そう思い私は咄嗟に否定する。
「まあまあオリヴィア安心しろよ。全然俺が言っても安心出来ないだろうけど、ルイスやシーラにバラす気はないからさ」
そうアデックはサラッとオリヴィアに言う。
「すみません、信用出来ません」
そうオリヴィアはアデックを見ながら言った。
「まあ、そうだろうな。うん。
でも俺としてはルイスとくっついて欲しいって思うのは、俺から見てルイスは良いやつだし、幸せになって欲しいと思ってるからだ。
かと言ってオリヴィアの意思もあるし、君がもしルーカスなりノアなり他の第三者なりを好きになったんだとしたらそれはそれで仕方ない」
そうアデックは冷静に話す。
「えっと、アデック王子はルイス様の味方ではないのですか?」
そうオリヴィアは確認する。
「味方ではあるけど、俺がルイスとくっつけって命令した所で、それは君もルイスも望んでないだろ?
俺はあくまで応援してるだけで、暗躍するつもりはない」
「でも、私がノアと付き合ってないって事をルイス様に伝えるのは応援では?」
そうオリヴィアは尋ねる。
「まあバラして欲しいならバラしてもいいけど」
「いや、やめて下さい!」
そうアデックが面白そうに少し脅すと、オリヴィアはすぐ様懇願した。
「俺がバラしたところで、あいつ何勝手なことしてるんだって怒るだろうし、そういうのは第三者の俺が勝手にバラしたらフェアじゃないし。
そもそも付き合ってるフリって時点でフェアも何もないとは思うけどな」
どうやらアデックは本気でバラすつもりはないらしい。
一先ずオリヴィアは安心する。
「まあ、俺が聞きたいことは大体聞けたから今日はもういいぞ。
もし気になることがあったらまた呼び出して尋問するから」
何とも物騒なワードが聞こえてきてオリヴィアは戦慄する。
「どうせなら猫と遊んで行ってもいいぞ?」
「え? いや、でも……」
とオリヴィアは葛藤する。
さっさとここから帰りたい気持ちと、猫と遊びたい気持ちがせめぎ合う。
「好きなんだろ? 猫」
「あ、いやそこまででもないですけどならお言葉に甘えて少し遊んで行こうかなと思います」
そうオリヴィアは席を立った。
続け様にアデックも席を立って歩こうとすると、丁度足を踏み出した位置に猫が走ってきた。
「うお!」
そうアデックは少し体勢を崩してオリヴィアの方へと倒れそうになる。
「へ?」
どすん! とオリヴィアは後ろのベッドに倒れ込んだ。
後ろがベッドで助かったなーと思う。
そして目の前にはアデックが覆い被さる様な構図になっている。
「あっぶねー、大丈……」
そうアデックがオリヴィアを見ると、びっくりした為か真顔でオリヴィアが固まっていた。
「おい、大丈夫か?」
「え?
あ、はい」
声をかけるとオリヴィアは何とも気の抜けた様な返事をする。
さて、どうしてこうなったものか。
しかし、案外オリヴィアは平気そうだなとアデックは感心する。
こんな状態で頬もろくに赤らめないとは。
この歳で男慣れしてるのか?
それに抵抗もしてこないってどういうことなのだろう?
流れに任せてってことで良いのだろうか?
やばいな、歳下のガキに興味ないって言ったけど、こんな展開は想定していなかった。
でも据え膳食わぬは男の恥とも言うし、ぶっちゃけちょっと欲求不満が溜まっていないと言えば嘘になる。
取り敢えずアデックはオリヴィアに顔を近づけると、オリヴィアは両手でアデックの胸板をグッと押しやった。
アデックはそのまま流れに任せて押し返される。
「あ! えと、これはアデック王子が嫌いと言うわけではないですよ!
不可抗力というか何というか……」
そうベッドから立ち上がったオリヴィアは俺が気分を害さない様に弁明する。
正直、ここで抵抗してくれて良かったと内心アデックは感謝する。
危うく理性が飛んで流れでルイスの想い人に手を出すところだった。
危ない危ない。
俺はふぅ、とベッドに腰掛けた。
「座ったら?」
そう俺が横に来る様促すと、オリヴィアは素直に俺の隣に来てベッドに腰掛ける。
「ねえ、もしかしてオリヴィアいつもそんな感じなの?」
「はい? 何がですか?」
オリヴィアは何のことだかさっぱり分からないと言った感じで答える。
「いや、確かに今回は俺が悪い。
これは事故だった。
だけどさ、今押し倒したすぐ後で俺の横ですぐベッドの上に腰掛けられる度胸が凄い」
そう俺が言うと不思議そうな表情をする。
「いや、だってアデック王子が座ったら? って言うから座ったんですけど」
「そっかそっか、確かに俺こんなんでも王子だったなそう言えば。
じゃあ仮にこれが俺じゃなくて他の男性だったら?」
「他の男性だったら、ですか?」
「そう、例えばルイスとか、ルーカスとかノアとか」
そうアデックは何人か例を出す。
するとオリヴィアはうーんと悩んだ末答える。
「押し倒したのが故意なら逃げますけど、事故だったら仕方ないですし、座れって言われればまあ座りますかね?」
オリヴィアはさも当然かの様に答える。
その答えを聞いてアデックは溜め息を吐いた。
「あのさオリヴィア、一応確認するけど、それは決して他意はないんだよな?」
「他意はないとは?」
「あー、つまり特別な想いとかはないんだよな?」
そうアデックは分かりやすい様に言い換える。
「はい、特に何も」
そうオリヴィアは当たり前の様に返した。
「そっか、成る程な。
オリヴィア、先にこれだけは伝えておく」
そうアデックはオリヴィアの目を真っ直ぐ見つめて言う。
「男っていうのはすっごく単純に出来てるんだ。
だからちょっとでも隙を見せたら、あっという間にやられるかもしれない」
オリヴィアは不思議そうに聞いている。
恐らく意味を分かってはいないのだろう。
「多分お前今までも恋愛事で勝手に色々巻き込まれたりしたんじゃないのか?
好きでもない相手に好かれたりっていうトラブルとか」
それを聞いてオリヴィアの表情が少し暗くなる。
恐らく図星なのだろう。
「それをお前は、勝手に好かれては困るって思ってただろうけど、男からすると、そう隙を見せる女の子は自分に脈があるんじゃないかって勘違いしてしまう。
そうなったら相手の男性もそしてオリヴィア、お前自身も報われない」
「じゃあ、どうしたら……?」
オリヴィアはそう尋ねてきた。
「まあ、それがあんたの良いところでもあり悪いところでもあるし、全部直せとは言わないけど、少なくとも男の前では警戒しろ。
じゃないと俺みたいなろくでもない奴に襲われるかもしれないし」
俺はそこまで言ってオリヴィアを見やる。
オリヴィアは少し暗い表情をしていた。
言っといて何だが、少し言い方がきつかったかなと少し反省する。
こんなんだから俺は女の子と長続きしないんだろうなと無駄な自己分析をし出す。
するとオリヴィアは口を開いた。
「あの、ありがとうございます。
私、今まで周りのせいにしていました。
これからは気をつけようと思います」
そうオリヴィアはニコリと笑ってみせた。
その笑顔に、アデックの心臓がドキンと跳ねる。
そうオリヴィアはアデックに聞いた。
「ああ、どうやら最近は女の子とも全然会ってないらしい。
一部では女遊びのし過ぎで相手にされなくなったんじゃとか言われてるけど、ルイス本人にまだ言い寄ってくる女の子は一定数いるらしいし、それも全部断ってるってさ」
「へぇ」
しかし、私は特に他に感想が出てこなかった。
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「大分興味無さそうだな」
そうアデックに言われてドキッとする。
「いや、まあ私自身最近ルイス様の噂を知ったので、にわかに信じられなかったというか、何というか……」
私はしどろもどろに答える。
「まあ、この間まで下町で生きてきたんだし仕方ないだろうけどな」
アデックもそう大して気にしてなさそうだった。
「まあ、俺としてはルイスも頑張ってるよって事を伝えたかっただけ。
君はノアと付き合ってるって嘘吐いてるらしいけど」
「えっ!?」
そう言われたオリヴィアはびっくりする。
「う、嘘じゃないですよ!?」
アデックにバレたらルイスやシーラにもバラされるかもしれない!
そう思い私は咄嗟に否定する。
「まあまあオリヴィア安心しろよ。全然俺が言っても安心出来ないだろうけど、ルイスやシーラにバラす気はないからさ」
そうアデックはサラッとオリヴィアに言う。
「すみません、信用出来ません」
そうオリヴィアはアデックを見ながら言った。
「まあ、そうだろうな。うん。
でも俺としてはルイスとくっついて欲しいって思うのは、俺から見てルイスは良いやつだし、幸せになって欲しいと思ってるからだ。
かと言ってオリヴィアの意思もあるし、君がもしルーカスなりノアなり他の第三者なりを好きになったんだとしたらそれはそれで仕方ない」
そうアデックは冷静に話す。
「えっと、アデック王子はルイス様の味方ではないのですか?」
そうオリヴィアは確認する。
「味方ではあるけど、俺がルイスとくっつけって命令した所で、それは君もルイスも望んでないだろ?
俺はあくまで応援してるだけで、暗躍するつもりはない」
「でも、私がノアと付き合ってないって事をルイス様に伝えるのは応援では?」
そうオリヴィアは尋ねる。
「まあバラして欲しいならバラしてもいいけど」
「いや、やめて下さい!」
そうアデックが面白そうに少し脅すと、オリヴィアはすぐ様懇願した。
「俺がバラしたところで、あいつ何勝手なことしてるんだって怒るだろうし、そういうのは第三者の俺が勝手にバラしたらフェアじゃないし。
そもそも付き合ってるフリって時点でフェアも何もないとは思うけどな」
どうやらアデックは本気でバラすつもりはないらしい。
一先ずオリヴィアは安心する。
「まあ、俺が聞きたいことは大体聞けたから今日はもういいぞ。
もし気になることがあったらまた呼び出して尋問するから」
何とも物騒なワードが聞こえてきてオリヴィアは戦慄する。
「どうせなら猫と遊んで行ってもいいぞ?」
「え? いや、でも……」
とオリヴィアは葛藤する。
さっさとここから帰りたい気持ちと、猫と遊びたい気持ちがせめぎ合う。
「好きなんだろ? 猫」
「あ、いやそこまででもないですけどならお言葉に甘えて少し遊んで行こうかなと思います」
そうオリヴィアは席を立った。
続け様にアデックも席を立って歩こうとすると、丁度足を踏み出した位置に猫が走ってきた。
「うお!」
そうアデックは少し体勢を崩してオリヴィアの方へと倒れそうになる。
「へ?」
どすん! とオリヴィアは後ろのベッドに倒れ込んだ。
後ろがベッドで助かったなーと思う。
そして目の前にはアデックが覆い被さる様な構図になっている。
「あっぶねー、大丈……」
そうアデックがオリヴィアを見ると、びっくりした為か真顔でオリヴィアが固まっていた。
「おい、大丈夫か?」
「え?
あ、はい」
声をかけるとオリヴィアは何とも気の抜けた様な返事をする。
さて、どうしてこうなったものか。
しかし、案外オリヴィアは平気そうだなとアデックは感心する。
こんな状態で頬もろくに赤らめないとは。
この歳で男慣れしてるのか?
それに抵抗もしてこないってどういうことなのだろう?
流れに任せてってことで良いのだろうか?
やばいな、歳下のガキに興味ないって言ったけど、こんな展開は想定していなかった。
でも据え膳食わぬは男の恥とも言うし、ぶっちゃけちょっと欲求不満が溜まっていないと言えば嘘になる。
取り敢えずアデックはオリヴィアに顔を近づけると、オリヴィアは両手でアデックの胸板をグッと押しやった。
アデックはそのまま流れに任せて押し返される。
「あ! えと、これはアデック王子が嫌いと言うわけではないですよ!
不可抗力というか何というか……」
そうベッドから立ち上がったオリヴィアは俺が気分を害さない様に弁明する。
正直、ここで抵抗してくれて良かったと内心アデックは感謝する。
危うく理性が飛んで流れでルイスの想い人に手を出すところだった。
危ない危ない。
俺はふぅ、とベッドに腰掛けた。
「座ったら?」
そう俺が横に来る様促すと、オリヴィアは素直に俺の隣に来てベッドに腰掛ける。
「ねえ、もしかしてオリヴィアいつもそんな感じなの?」
「はい? 何がですか?」
オリヴィアは何のことだかさっぱり分からないと言った感じで答える。
「いや、確かに今回は俺が悪い。
これは事故だった。
だけどさ、今押し倒したすぐ後で俺の横ですぐベッドの上に腰掛けられる度胸が凄い」
そう俺が言うと不思議そうな表情をする。
「いや、だってアデック王子が座ったら? って言うから座ったんですけど」
「そっかそっか、確かに俺こんなんでも王子だったなそう言えば。
じゃあ仮にこれが俺じゃなくて他の男性だったら?」
「他の男性だったら、ですか?」
「そう、例えばルイスとか、ルーカスとかノアとか」
そうアデックは何人か例を出す。
するとオリヴィアはうーんと悩んだ末答える。
「押し倒したのが故意なら逃げますけど、事故だったら仕方ないですし、座れって言われればまあ座りますかね?」
オリヴィアはさも当然かの様に答える。
その答えを聞いてアデックは溜め息を吐いた。
「あのさオリヴィア、一応確認するけど、それは決して他意はないんだよな?」
「他意はないとは?」
「あー、つまり特別な想いとかはないんだよな?」
そうアデックは分かりやすい様に言い換える。
「はい、特に何も」
そうオリヴィアは当たり前の様に返した。
「そっか、成る程な。
オリヴィア、先にこれだけは伝えておく」
そうアデックはオリヴィアの目を真っ直ぐ見つめて言う。
「男っていうのはすっごく単純に出来てるんだ。
だからちょっとでも隙を見せたら、あっという間にやられるかもしれない」
オリヴィアは不思議そうに聞いている。
恐らく意味を分かってはいないのだろう。
「多分お前今までも恋愛事で勝手に色々巻き込まれたりしたんじゃないのか?
好きでもない相手に好かれたりっていうトラブルとか」
それを聞いてオリヴィアの表情が少し暗くなる。
恐らく図星なのだろう。
「それをお前は、勝手に好かれては困るって思ってただろうけど、男からすると、そう隙を見せる女の子は自分に脈があるんじゃないかって勘違いしてしまう。
そうなったら相手の男性もそしてオリヴィア、お前自身も報われない」
「じゃあ、どうしたら……?」
オリヴィアはそう尋ねてきた。
「まあ、それがあんたの良いところでもあり悪いところでもあるし、全部直せとは言わないけど、少なくとも男の前では警戒しろ。
じゃないと俺みたいなろくでもない奴に襲われるかもしれないし」
俺はそこまで言ってオリヴィアを見やる。
オリヴィアは少し暗い表情をしていた。
言っといて何だが、少し言い方がきつかったかなと少し反省する。
こんなんだから俺は女の子と長続きしないんだろうなと無駄な自己分析をし出す。
するとオリヴィアは口を開いた。
「あの、ありがとうございます。
私、今まで周りのせいにしていました。
これからは気をつけようと思います」
そうオリヴィアはニコリと笑ってみせた。
その笑顔に、アデックの心臓がドキンと跳ねる。
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