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第32話
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どうしよう……
いくら返事はいつでも良いって言ったからって一ヶ月は待たせすぎだよね。
しかもウィリアム男爵に至っては一ヶ月半くらい待たせてるし……
でも、そもそも告白なんて受けた事ないのに、どう返事を言えばいいのか分からない……!
そうレイラは思考をグルグルさせながら、久しぶりにアンドリューのいる路地へとやって来た。
「お、逃げなかったな」
「まあ、逃げないって言ったから」
心臓がドキドキする。
「じゃあさ、話しなんだけどよ」
「う、うん……」
そう言うと、アンドリューはトランクわ私に差し出した。
「この500万返すわ」
「え?」
私はトランクを受け取り目が点になる。
「え、呼び出したのって」
「ん?その事だけど」
こ、告白の返事じゃなかったー!
「ていうか、これ私が貴方にあげたのに使ってなかったの!?」
「ああ、というか最初から強盗紛いの事する気も無かったしな。
本当は良い格好してあんたが歩いてたから、この街は物騒だって注意したかっただけだし」
「注意の仕方分かりづらいわね」
「すいませんねー、分かりづらくて。
途中から成り行きで金貰ったけど、最初から使う気も無かったし、いつ返そうかと思っててな」
私はアンドリューと昔みたいに話せた事にホッとした。
「何だ、別にあげたものだから返さなくてもいいのにー」
「いや、好きな女から金貰うとか最低じゃん」
「!」
ドクンと心臓が跳ねる。
不意打ちで好きな女とかサラッと言われてびっくりした。
顔も段々赤くなってくる。
「あと、お前は何か遠慮してる見たいだけど、たまには顔出せよ、友達として」
友達、として。
その言葉を聞いて今度は心臓がズキズキと痛む。
友達になれたのは嬉しいはずなのに。
何故かそれに納得がいかない。
そっか、私は。
「……き」
「あ?何か言ったか?」
私は手を差し出した。
「私も、アンドリューの事が好き」
「は!?」
アンドリューは見る見ると顔を赤くした。
そして、私の手を掴み、私はそのまま引き寄せられて抱きしめられた。
「気付くのおせーよ」
「うん、待たせてごめん」
「謝んなくていいから
いつまでも待つ覚悟出来てたし」
こうして私達は晴れて付き合う事になった。
「そういえば、良くあのタイミングでお店に来たよね?」
私はふと疑問に思って尋ねる。
「あ?ああ、たまたま言い合ってる声が聞こえてな」
本当は何処で働いてるかメイドから聞いてチェックして、何事もないか見張ってた、なんて気持ち悪すぎて言えない。
そう思うアンドリューなのであった。
いくら返事はいつでも良いって言ったからって一ヶ月は待たせすぎだよね。
しかもウィリアム男爵に至っては一ヶ月半くらい待たせてるし……
でも、そもそも告白なんて受けた事ないのに、どう返事を言えばいいのか分からない……!
そうレイラは思考をグルグルさせながら、久しぶりにアンドリューのいる路地へとやって来た。
「お、逃げなかったな」
「まあ、逃げないって言ったから」
心臓がドキドキする。
「じゃあさ、話しなんだけどよ」
「う、うん……」
そう言うと、アンドリューはトランクわ私に差し出した。
「この500万返すわ」
「え?」
私はトランクを受け取り目が点になる。
「え、呼び出したのって」
「ん?その事だけど」
こ、告白の返事じゃなかったー!
「ていうか、これ私が貴方にあげたのに使ってなかったの!?」
「ああ、というか最初から強盗紛いの事する気も無かったしな。
本当は良い格好してあんたが歩いてたから、この街は物騒だって注意したかっただけだし」
「注意の仕方分かりづらいわね」
「すいませんねー、分かりづらくて。
途中から成り行きで金貰ったけど、最初から使う気も無かったし、いつ返そうかと思っててな」
私はアンドリューと昔みたいに話せた事にホッとした。
「何だ、別にあげたものだから返さなくてもいいのにー」
「いや、好きな女から金貰うとか最低じゃん」
「!」
ドクンと心臓が跳ねる。
不意打ちで好きな女とかサラッと言われてびっくりした。
顔も段々赤くなってくる。
「あと、お前は何か遠慮してる見たいだけど、たまには顔出せよ、友達として」
友達、として。
その言葉を聞いて今度は心臓がズキズキと痛む。
友達になれたのは嬉しいはずなのに。
何故かそれに納得がいかない。
そっか、私は。
「……き」
「あ?何か言ったか?」
私は手を差し出した。
「私も、アンドリューの事が好き」
「は!?」
アンドリューは見る見ると顔を赤くした。
そして、私の手を掴み、私はそのまま引き寄せられて抱きしめられた。
「気付くのおせーよ」
「うん、待たせてごめん」
「謝んなくていいから
いつまでも待つ覚悟出来てたし」
こうして私達は晴れて付き合う事になった。
「そういえば、良くあのタイミングでお店に来たよね?」
私はふと疑問に思って尋ねる。
「あ?ああ、たまたま言い合ってる声が聞こえてな」
本当は何処で働いてるかメイドから聞いてチェックして、何事もないか見張ってた、なんて気持ち悪すぎて言えない。
そう思うアンドリューなのであった。
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