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第14話
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こうして無事犯人は逮捕された。
罪状は不法侵入罪と窃盗罪、それに殺人未遂。
因みに犯人の作った遺書には、鍵屋の彼が捕まったショックにより自殺するという内容だったとか。
恐らく何処までも計画的に企てていたのだろう。
捕まった黒田幸雄の近辺の人は、インタビューに口を揃えてそんな人だと思わなかったと言っていた。
営業の成績も優秀だったとか。
しかし、その営業のおかげで、何処の家が何時まで留守かを常に把握していたらしい。
空き巣をするにはうってつけだったと言うわけだ。
そして、俺はお姉さんと共に事情聴取のため、休みの日曜日は潰れてしまった。
夕方家に帰ると母がびっくりした顔をしていた。
「あんた警察に行ってるから昼いらないって、何やったの!?」
何やら俺が悪い事をしたと勘違いされてる様なので弁明した。
「と言うことがあったんだよ!
凄くねっ!?」
俺が興奮気味に話すと母は呆れた顔をしていた。
「全くあんたは、危ないことはするんじゃないわよ!」
「でも、今回俺が言わなかったら、お姉さん殺されてたかもしれないじゃん!」
「それはまあ、そうだけど、でもね。そういうのは先に警察に言いなさい。
もしあんたがそのお姉さんに言いに行った時に犯人と会ってたらどうするのよ。」
それは、と言いかけて俺は口を閉じた。
かなたが先に見てくれたから、なんて言えない。
「それに、昨日犯人を見たって、あんた学校でしょ?どうやって見たのよ?」
「え?ああ、まあそれは、お昼ちょろっと抜け出して…?」
「あんた学校に行って何やってるの!」
結局怒られてしまった。
「俺、良いことしたはずなんだけどな…」
それを横目でかなたがははっと笑っているのがムカつく。
大体半分はお前のせいだろと言いたい気持ちを必死に我慢する。
「まあでも、よく頑張ったわね。」
と母に頭を撫でられた。
何年ぶりに撫でられたのだろう。
何だか照れ臭い。
「あ、兄ちゃん頭撫でられてるー!」
そう言いながら、妹の花音(小学5年生)がやってきた。
俺はパッと母の掌を避けてうるせー!と叫ぶ。
「おい花音、兄ちゃんは凄いことをしたんだぞ!」
そう言って花音にも自慢してやったが、花音は終始覚めていた。
「凄いね、流石自称推理オタク。」
「自称とか言うな。あだ名が名探偵の癖に。」
そう言うと花音は見る見ると顔を赤らめた。
「それはあの漫画のせいでしょ!
大体あの漫画の方が花音より後だっていうのに、そのお陰で弄られる気にもなってよ!」
花音は漫画の名探偵カノンのお陰で、昔からあだ名が名探偵と言われていることが気に食わないらしい。
因みに俺だったらむしろちょっと嬉しいくらいだが。
「何だよ、カッコいいじゃん、名探偵!」
「言うな!」
「こら!2人とも喧嘩しないの!」
こうして俺はすっかり平穏を取り戻した。
「俺も居るのを忘れるなよな!」
そうかなたがひょっこりと顔を出す。
「はあ、出来れば忘れたかったけど…
まあ、今回は楽しかったから良かったかな。」
そう俺がかなたに言うと、怪訝な顔で母と花音が見てきた。
「兄ちゃん独り言?やば…。」
「翔、そこに誰かいるの?」
何故か母だけ少しワクワクしている。
「いやいや、これは、違うって!」
俺が必死で母と花音に弁明してる際、かなたはずっとゲラゲラと笑っていた。
罪状は不法侵入罪と窃盗罪、それに殺人未遂。
因みに犯人の作った遺書には、鍵屋の彼が捕まったショックにより自殺するという内容だったとか。
恐らく何処までも計画的に企てていたのだろう。
捕まった黒田幸雄の近辺の人は、インタビューに口を揃えてそんな人だと思わなかったと言っていた。
営業の成績も優秀だったとか。
しかし、その営業のおかげで、何処の家が何時まで留守かを常に把握していたらしい。
空き巣をするにはうってつけだったと言うわけだ。
そして、俺はお姉さんと共に事情聴取のため、休みの日曜日は潰れてしまった。
夕方家に帰ると母がびっくりした顔をしていた。
「あんた警察に行ってるから昼いらないって、何やったの!?」
何やら俺が悪い事をしたと勘違いされてる様なので弁明した。
「と言うことがあったんだよ!
凄くねっ!?」
俺が興奮気味に話すと母は呆れた顔をしていた。
「全くあんたは、危ないことはするんじゃないわよ!」
「でも、今回俺が言わなかったら、お姉さん殺されてたかもしれないじゃん!」
「それはまあ、そうだけど、でもね。そういうのは先に警察に言いなさい。
もしあんたがそのお姉さんに言いに行った時に犯人と会ってたらどうするのよ。」
それは、と言いかけて俺は口を閉じた。
かなたが先に見てくれたから、なんて言えない。
「それに、昨日犯人を見たって、あんた学校でしょ?どうやって見たのよ?」
「え?ああ、まあそれは、お昼ちょろっと抜け出して…?」
「あんた学校に行って何やってるの!」
結局怒られてしまった。
「俺、良いことしたはずなんだけどな…」
それを横目でかなたがははっと笑っているのがムカつく。
大体半分はお前のせいだろと言いたい気持ちを必死に我慢する。
「まあでも、よく頑張ったわね。」
と母に頭を撫でられた。
何年ぶりに撫でられたのだろう。
何だか照れ臭い。
「あ、兄ちゃん頭撫でられてるー!」
そう言いながら、妹の花音(小学5年生)がやってきた。
俺はパッと母の掌を避けてうるせー!と叫ぶ。
「おい花音、兄ちゃんは凄いことをしたんだぞ!」
そう言って花音にも自慢してやったが、花音は終始覚めていた。
「凄いね、流石自称推理オタク。」
「自称とか言うな。あだ名が名探偵の癖に。」
そう言うと花音は見る見ると顔を赤らめた。
「それはあの漫画のせいでしょ!
大体あの漫画の方が花音より後だっていうのに、そのお陰で弄られる気にもなってよ!」
花音は漫画の名探偵カノンのお陰で、昔からあだ名が名探偵と言われていることが気に食わないらしい。
因みに俺だったらむしろちょっと嬉しいくらいだが。
「何だよ、カッコいいじゃん、名探偵!」
「言うな!」
「こら!2人とも喧嘩しないの!」
こうして俺はすっかり平穏を取り戻した。
「俺も居るのを忘れるなよな!」
そうかなたがひょっこりと顔を出す。
「はあ、出来れば忘れたかったけど…
まあ、今回は楽しかったから良かったかな。」
そう俺がかなたに言うと、怪訝な顔で母と花音が見てきた。
「兄ちゃん独り言?やば…。」
「翔、そこに誰かいるの?」
何故か母だけ少しワクワクしている。
「いやいや、これは、違うって!」
俺が必死で母と花音に弁明してる際、かなたはずっとゲラゲラと笑っていた。
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