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1章
タコ 2
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別にあんなにされに来たわけじゃないのに、タバにいろいろなところを
もういいという位案内され、やっと大陸の中心部を貫く黄色い
光のあるところに来た。中心部と言うだけあって、
どこから来たのかも分からないたくさんの宇宙人で込み合っている。
いったいどこの異世界だよ!と自分に問いかかるが、返ってくる答えは
「現実世界」、これだけである。確かに、宇宙人の存在を信じていない
人からしてみればここは全くの異世界かもしれない。しかし、
ここは現実。不思議な感情が湧きながらタバとともについに黄色い光を
発しているところに来た。
「これは‥」
つい驚きの声が出てしまう。人間からする一番分かりやすい例で示すなら‥
駅。光に包まれながらたくさんの生き物がそこから出てきている。
もちろん、そこから消えていく生き物だっている。どこかに転送されているのだろう。
「凄いでしょ?いや、あんまり驚きませんでしたか?実はカンダルで
見慣れていたりして‥」
「いや、初めて見ました。凄い‥」
「私もここを使って月に1度帰省しますよ。月だけに」
「・・・・・ハハハ・・」
このタコに向かってどういう反応を示せばいいのかで迷って、結局
この一言しか出なかった。次からはもっとギャグに敏感になろう。
そう心の中に誓った。タバはすこし落ち込んだ様子だったが、
その陽気さゆえにあまり引きずらず、次を案内しようと言いだす。
「俺がここに来た目的は、ここが何なのかを知ること。
だからもう‥案内は十分というか‥今からでも日本に戻らないと」
「ああ、そうでしたか。戻られる際は、くれぐれもここのことを人間に
話さないようにお願いします。それとここ、転送ゲートを通るときには
世界共通パスポートをお持ちでないと入れません。
次来るときにでも作られたらどうでしょうか」
そう言うとタバは自分の持っているパスポートを俺に見せる。
第78宇宙なんとかかんとか‥天の川‥いろいろと書かれいる。
確かに全世界共通のようだ。しかし今のところ他の星に用はない。
まあ、暇な時にでも作ろう。
「‥ところで‥どうやって帰られる予定ですか?人間には見えない
フローターも用意してありますが」
「‥いや、俺は飛べるから大丈夫」
タバは少し驚いた表情をする。
「‥そうでしたね。それならば、透明スーツを差し上げましょうか?」
透明スーツ‥確かアメリカのキノ博士のところにもらいに行く予定だったが、
今もらっておこう。機能はどうせこっちの方がいいだろうし、
面倒にアメリカまで取りに行く手間も省ける。
「ええ、お願いします」
タバは混雑する駅の中に消えていき、1分後にまたあらわれる。
何も持ってなくね?いや、透明だから見えないのか。
「どうぞ」
差し出された物は‥いや、物か?見えねえよ!どうやって着るんだよ!
「あの‥お手伝いしましょうか?」
俺が着るのに苦戦していると、タバが声をかけてくれた。
「いや‥自分でする」
あの手触にだけは触られたくない。
そして5分後やっと着ることができた。
「もう、お帰りになられますか?次来るときにはもうムータワーには
転送はされません。だからあなたと会えるのはこれが最後に
なる可能性もあります」
タバがどこか悲しそうな顔をする。
「いや、案内してほしくなったら飛んでビルの屋上に行くさ」
「あ‥そうでしたね‥飛べるんでしたね」
「それじゃ‥」
ドフ!キイイイイイン‥
なかなかいい感じだ。ここを人間に教えてはいけないことは分かった。
カラには悪い報告だが、まあ俺としてはたくさんの収穫があった。
そのころ‥タバのところでは大勢の人が驚きの声をあげていた。
「あんな飛べる種族いたっけ?」
「知らね」
「いや、カンダル人なら飛べるって聞いたことあるぞ」
「え?まじか?俺達そんなにやばいことしたっけ?」
「いや、してない‥はず」
その中で一人つぶやくタバ。
「これは‥カンダル人飛行専用エリアを設けた方がよさそうですね‥」
その顔の中にはどこか清々しい微笑みがあった。
今日は‥一回ブラジルに帰るか。もう今から日本に行っても
着くのは今頃夜の10時くらいだろう。そうして俺は
ブラジルまで帰った。今日は特に飛行機とかにぶつかりそうには
ならなかった。ちょっと打ち上げ中のロケットの先端部分に触れただけ。
「お父さん」
家に帰ると父は川の近くで洗濯物を干していた。
「おう、何だ?かわいい息子よ」
「いや、この星に宇宙貿易開発ビルセンター地球支部があるの知っているか
聞きたくて‥」
「‥それは‥ウソじゃないよな?」
「ああ、今日行ってきたよ。というかあくまでも調査だけど‥」
父の顔が一瞬にして明るくなる。
「じゃあ、明日俺が行ってくる。聖宇宙中央政府に俺たちが
ここに7年かけて無事にたどり着いたことを知らせるために行ってくる」
「え?聖宇宙中央政府?」
父は手に持っている洗濯物を全て干し竿にかけ終えると、俺の方を向く。
「‥そうか‥コパーレとセラにはこの地球に来た理由を説明できてなかったな‥」
「じゃあ、今日の夕食の時に話してやる。楽しみにしとけよ」
「はあ‥」
もういいという位案内され、やっと大陸の中心部を貫く黄色い
光のあるところに来た。中心部と言うだけあって、
どこから来たのかも分からないたくさんの宇宙人で込み合っている。
いったいどこの異世界だよ!と自分に問いかかるが、返ってくる答えは
「現実世界」、これだけである。確かに、宇宙人の存在を信じていない
人からしてみればここは全くの異世界かもしれない。しかし、
ここは現実。不思議な感情が湧きながらタバとともについに黄色い光を
発しているところに来た。
「これは‥」
つい驚きの声が出てしまう。人間からする一番分かりやすい例で示すなら‥
駅。光に包まれながらたくさんの生き物がそこから出てきている。
もちろん、そこから消えていく生き物だっている。どこかに転送されているのだろう。
「凄いでしょ?いや、あんまり驚きませんでしたか?実はカンダルで
見慣れていたりして‥」
「いや、初めて見ました。凄い‥」
「私もここを使って月に1度帰省しますよ。月だけに」
「・・・・・ハハハ・・」
このタコに向かってどういう反応を示せばいいのかで迷って、結局
この一言しか出なかった。次からはもっとギャグに敏感になろう。
そう心の中に誓った。タバはすこし落ち込んだ様子だったが、
その陽気さゆえにあまり引きずらず、次を案内しようと言いだす。
「俺がここに来た目的は、ここが何なのかを知ること。
だからもう‥案内は十分というか‥今からでも日本に戻らないと」
「ああ、そうでしたか。戻られる際は、くれぐれもここのことを人間に
話さないようにお願いします。それとここ、転送ゲートを通るときには
世界共通パスポートをお持ちでないと入れません。
次来るときにでも作られたらどうでしょうか」
そう言うとタバは自分の持っているパスポートを俺に見せる。
第78宇宙なんとかかんとか‥天の川‥いろいろと書かれいる。
確かに全世界共通のようだ。しかし今のところ他の星に用はない。
まあ、暇な時にでも作ろう。
「‥ところで‥どうやって帰られる予定ですか?人間には見えない
フローターも用意してありますが」
「‥いや、俺は飛べるから大丈夫」
タバは少し驚いた表情をする。
「‥そうでしたね。それならば、透明スーツを差し上げましょうか?」
透明スーツ‥確かアメリカのキノ博士のところにもらいに行く予定だったが、
今もらっておこう。機能はどうせこっちの方がいいだろうし、
面倒にアメリカまで取りに行く手間も省ける。
「ええ、お願いします」
タバは混雑する駅の中に消えていき、1分後にまたあらわれる。
何も持ってなくね?いや、透明だから見えないのか。
「どうぞ」
差し出された物は‥いや、物か?見えねえよ!どうやって着るんだよ!
「あの‥お手伝いしましょうか?」
俺が着るのに苦戦していると、タバが声をかけてくれた。
「いや‥自分でする」
あの手触にだけは触られたくない。
そして5分後やっと着ることができた。
「もう、お帰りになられますか?次来るときにはもうムータワーには
転送はされません。だからあなたと会えるのはこれが最後に
なる可能性もあります」
タバがどこか悲しそうな顔をする。
「いや、案内してほしくなったら飛んでビルの屋上に行くさ」
「あ‥そうでしたね‥飛べるんでしたね」
「それじゃ‥」
ドフ!キイイイイイン‥
なかなかいい感じだ。ここを人間に教えてはいけないことは分かった。
カラには悪い報告だが、まあ俺としてはたくさんの収穫があった。
そのころ‥タバのところでは大勢の人が驚きの声をあげていた。
「あんな飛べる種族いたっけ?」
「知らね」
「いや、カンダル人なら飛べるって聞いたことあるぞ」
「え?まじか?俺達そんなにやばいことしたっけ?」
「いや、してない‥はず」
その中で一人つぶやくタバ。
「これは‥カンダル人飛行専用エリアを設けた方がよさそうですね‥」
その顔の中にはどこか清々しい微笑みがあった。
今日は‥一回ブラジルに帰るか。もう今から日本に行っても
着くのは今頃夜の10時くらいだろう。そうして俺は
ブラジルまで帰った。今日は特に飛行機とかにぶつかりそうには
ならなかった。ちょっと打ち上げ中のロケットの先端部分に触れただけ。
「お父さん」
家に帰ると父は川の近くで洗濯物を干していた。
「おう、何だ?かわいい息子よ」
「いや、この星に宇宙貿易開発ビルセンター地球支部があるの知っているか
聞きたくて‥」
「‥それは‥ウソじゃないよな?」
「ああ、今日行ってきたよ。というかあくまでも調査だけど‥」
父の顔が一瞬にして明るくなる。
「じゃあ、明日俺が行ってくる。聖宇宙中央政府に俺たちが
ここに7年かけて無事にたどり着いたことを知らせるために行ってくる」
「え?聖宇宙中央政府?」
父は手に持っている洗濯物を全て干し竿にかけ終えると、俺の方を向く。
「‥そうか‥コパーレとセラにはこの地球に来た理由を説明できてなかったな‥」
「じゃあ、今日の夕食の時に話してやる。楽しみにしとけよ」
「はあ‥」
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