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最終章 最終決戦だヒャッハーな件
とある龍神様の場合
しおりを挟むあの最終決戦から早くも一月経った。
シータを臨時の君主として新生アルスター王国は再出発した。旧王派は最終決戦の時にあらかた倒してたので障害はほとんど無かったと言ってもいい。まじで総力戦だったんだな、アレ。しかも、ムダかと思われていた甲斐先生たちのトレハンが意外なお宝をもたらした! 反旧王派のマトモな家臣団の皆さんだ。まとめて地下牢に入れられてたらしい。
マトモなんだけど、俺に「国王になれ! だめなら王配でもいいから!」とウルサイのがたまにキズだ。シータとお付き合いしてんのは好きだからであって、王族になりたい訳じゃねーんですぅ!
一方、問題になりかけたのが旧王の指示で兵器開発にたずさわっていた魔術師たち。こちらには戦力全く振ってなかったから、まるまる残ってたという訳だな。彼らはリト率いる秘密結社『魔術師の友』が引き取る事で決着した。今後はロボの平和利用を目指すらしい……って、あのロボまだスペアあんの!? クラスの何人かが目を輝かせていたのが気がかりだ。魔改造とかすんなよ、ぜったいに! 後世の人が困るような改造、だめ絶対!
他の大部分のクラスメイトたちのといえば、相変わらず好き勝手に過ごしている。順応しすぎだろ、マジで。あとちょっと変わった事といえば、アルスターの王宮に『冒険者ギルド日本支部』が出来たことか。普通に高難易度依頼が跋扈(ばっこ)する魔境である。チーターどもめ。住み分けができてるので王都ギルドとの仲も良好だ。
送還術については未だ進展はない、と思いきや。意外なツテから情報がもたらされた。何徹もして召喚陣を解析してたリトはまじ涙目だった。正直、同情はする。
「キュルキュルー」
「ほうほう、まさかあのワケワカメ・ナンバーワンスキルな『陰陽の理』にそんな使い道があるとか……!」
「キュキュッキュゥー」
森羅さんによると、俺のレベルが九十九になったら『陰陽の理』で送還術が使えるようになるんだそうな。はっはっは……。
も っ と 早 く 言 え よ 。
俺の怒気に「ピギィ」と縮こまる森羅さん。
先にその情報あったら、わざわざ魔国くんだりまで旅しなくて良かったんじゃねーか! ……いや、まあ、魔王なルージオとかに会えたのは僥倖(ぎょうこう)だったけども!
「良かったじゃありませんの。生まれ故郷に帰れるのですから」
話を聞いたシータの表情はちょっと寂しそうだ。なんでだろう?
「シータはモチロン俺と一緒に来てくれるよな?」
「私は……」
言い淀む彼女の様子を見て、はたと気付いた。
「――ん。すまん、俺の言い方が悪かった」
……だよな、自分が一方的に呼ばれた身だからって、彼女にも押し付けるのは良くない。だとするなら、この場合は――
「――じゃあ、俺がこっちとあっちを行き来するよ! それなら俺もシータも故郷を捨てないで済む」
「……リュージ、良いんですの?」
「まあ、だから俺のレベルが九十九になるまで待っててくれると、助かる」
「そのくらいでしたらお安い御用ですわ!」
「よっしゃぁぁぁ! やる気出て来たぁぁ!!」
そのあと一部始終を見てたやつらに死ぬほどからかわれた。いつか絶対に仕返ししてやろうと思っている……。
そんな訳で、目下俺はクラスのみんなとレベル上げをする日々を送ることになるのだった。ちなみにレベルマックスまであと三十九。
…………道のり遠すぎやしませんかねぇ!?
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面白いし、ついつい、はまって、しまいました!続きがみたいよ。神様、😍💓💓
感想ありがとうございまっす!
完結まで毎日更新しますのでよろしくお願いします!