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最終章 最終決戦だヒャッハーな件
最終兵器☆邪神様
しおりを挟む「……何アレ、超キモイ」
顔を青くして新名が呟いた。俺も同感だ。格好良いとさえ思えたロボが、今では表面は赤黒いドロリとした粘液的なもので覆われたグロテスクな怪獣のようなバケモノになってしまったのだから。見かけ的に例えるならゴ○ラだろうか? この禍々しさ、俺の魔力がらみではないと信じたい。だって邪神だもの。
「魔力を過剰に取り込んでコアが変質してしまった結果がアレさ」
本来なら、ああならないように制限がかかっているんだけれどとリト。どうやら俺を救出する過程で制御部分がぶっ壊れた可能性が高いらしい。え、俺の……ひいてはコボルト君ちゃんさんのせいですか。
「ああなると周りの魔力も吸収しだすから、一撃で決めないと延々と戦う羽目になるかもねぇ……」
「あんなデカブツ一撃で倒せって、どんな無理ゲーだよ!?」
早乙女が破壊したヒザの分の高さが減っているとはいえ、それでもこいつは十分に大きい。
「神やんとこの森羅さんが、ビーム最大出力で打てば何とかなりそうだと思うけどなぁ」
通常出力でも地形を変える威力だし、と斉藤。まあそれなら確かに行けそうなんだが、一つ大きな問題がありましてー。
「それ、でかい方だろ? 無理無理、俺が自発的に出せるの小さい方だけだし」
「小さい森羅ちゃんは攻撃手段が乏しいですものね……」
シータの言うとおり小さい方はブレス撃てない。それに二回ほどでっかくなったのは確認しているが、何が原因だったのかよくわからないというか。共通してたのはどっちも苛ついてたって点だが……。
「苛つけばワンチャンあるかもしれん」
「そんな神をも恐れぬ所行――って。一応神様だったね、神やん」
神としての存在感が薄くて悪かったな。
「じゃあ、苛ついてみるわ――ってそんなん意識的にできるか! 先生の凄い魔術とかの方が確実だろ!?」
さっきのロボ足を溶かした炎の魔術とかめっちゃヤバかったし。と、先生に水を向けてみたのだが、その顔は不安に満ちあふれていた。
「えぇっとぉ……。あそこまでの大きさになると先生、自信ないわー」
えー、たぶん俺らの中では最大級の対広範囲殲滅戦力の先生がこの調子とか。他の奴らは狭範囲集中型だから再生しちまうのが目に見えてるし……。やはり森羅さんなのか。
『……ゅ……ぬ、ゆ………さぬ…ぞぉぉぉ』
「――と。なんかアイツ動き出したから、オレらで足止めしとく」
その間に何か手を打ってくれと早乙女たちが、怨嗟の声を上げるバケモノに向かって走り出した。じゃあ、作戦会議再開といこうか。と思ったのに水を差す奴がいた。
「自信が無いならやめておくのが無難かもしれない。アレは周囲の魔力も吸収していると言ったろう? 賢者殿の魔術に必要な魔力が不足する可能性も高い」
リトだ。こいつはこの手の事に詳しいみたいで、頼れるアドバイザーらしいのだが……。
「そんな事言ったら魔術無しで倒すしか手がなくなるぞ、リト。普通に考えて無理だろう?」「いや? 裏を返せば魔力が無くなればアレは動かなくなるよ。なにせ暴走しているとはいえ、動力源は魔力百割だからね」
「ちなみにこの世界に魔力の無い場所ってあるのか?」
「…………世界は魔力で満ちているよ?」
「疑問に疑問系で返すな! つーか詰んでるじゃねーか!!」
「要はアレを吹っ飛ばすに足る威力と魔力吸収を上回る魔力をぶつければ良いんだけれど」
と、何故か俺を見るリト。
「リュージ君、君たしか神様だったよね?」
「え、なにこの堂々巡り。……結局、森羅さんでどうにかするしかねーの?」
「神の魔力は人間のものと比べて濃密で吸収しづらいという研究結果がねー」
「ああ、もうわかったよ! 何が何でも森羅さんをでっかくすれば良いんだろ!?」
それが一番の最適解っていうんならやってやるよ!
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