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第一章 吸血鬼編
第六話 朗々石
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ーーーー
シャルらは森の小さく開けた場所に簡易的なテントを立て、火を囲んでいた。
「すまないね。大した食料は持ち合わせていないのだよ。」
鍋のスープを混ぜながらマルガルは話す。
「…あぁ。ここまで来て大事な事を聞くのを忘れていた。君達の名前を私はまだ知らないね」
言われてみればそうだ。 俺らはまともに自己紹介すらしていない。
「私はシャル・ローズムーンです」
「僕はシード! 苗字はないね!」
「俺はディバイド。…あー…フルネームの方がいいのか?フルネームは"オネスト・ディバイド"。よろしくな」
シャルが自己紹介をすると畳み掛ける様にシードもディバイド自己紹介をした。
「シャル君、シード君、ディバイド君か 良い名前だね」
マルガルは当たり前ではあるが俺らの名前に特段反応する事はなかった。
鍋底からはみ出た炎が冷たいそよ風で揺らぐ。
3秒ほどの沈黙の後、ついにマルガルは"その"話を始めた。
「そろそろ話を始めよう……それは30年前の夏の話じゃ」
30年前?かなり遡るな。
シャルは相槌を打ちながら話を聞く。
「私はこの森にある小さな集落にずっと昔から住んでおる。この森自体には50年はもう住んでいるな。森の魔獣を狩り、木々の実で生活する。要は自給自足の生活をしていた訳じゃよ」
「僕もそんな暮らししてみたい」
シードがぼそっと呟く。
「はっはっ そんなに楽な訳でもないぞ?」
マルガルは少し笑った。マルガルの笑顔を見たのは今のが初めてだ。
「私はそんな生活をずっと続けていた訳だが……あの夏、奴が来やがった」
「奴?」
球に表情を変えたマルガルに驚きディバイドは聞き返す。
「そう、奴は……吸血鬼だった。」
「吸血鬼⁉︎」
俺はその発言に思わず立ち上がり声を発する。
「名前は……いまだに覚えておるよ。奴はわざわざ名乗ったからな。名は、『トレシア・マーレード』ピンクの髪をしておった」
ピンクの髪、吸血鬼。この時シャルはその吸血鬼が俺らを襲った"あの女"であると確信した。
トレシア・マーレード。もしかしたら俺の親を殺した吸血鬼。偶然にも俺らは初日してそのあの女の名前をつかめたかもしれないのだ。
「その吸血鬼はある夏の夜、この静かな森に現れた。100余りの大軍を連れて。正確に言うのであれば……ロストロの西の水瓶の森じゃ。先程も言ったが水瓶の森はロストロを囲うように生えておるからな」
ロストロの西か。ここはロストロの南の水瓶の森。ひとえに水瓶の森と言えど場所は広い。
「夜に現れたその吸血鬼は私らに森を開け渡すよう脅迫した。私は当時、西の水瓶の森に住んでおったからな。なんでも理由はこの地面には"朗々石"が混じっている事だった。」
朗々石を追っている……?俺を追う事と関係はあるのだろうか
「言わずもがな私達は拒否したよ。……しかし、奴は引き下がらなかった。」
マルガルは空中で人差し指をくるくると回しながら話す。
そして、次の瞬間、
「君達はあの女が何をしたと思うかね……?」
マルガルは静かに、冷たい水に手を入れるように問いかけた。
「……」
「……」
「……」
誰一人として答える者は居なかった。
「殺したんじゃよ」
そこに居た全員が目を見開いた。
「奴は吸血鬼じゃ……にも関わらず、奴は自らの手で…」
シャルは自らの唾を飲む音を聞き届けた。
「私の村の吸血鬼一家を惨殺した」
その言葉に余韻は無かった。
「……同族すらも手にかけるとは恐ろしいやつめ」
マルガルは指を絡めるとまた一層眉間の皺を深する。
「そのあまりの強さに恐れ慄いた私達はは南の森から東の森へ居住区を変更した。なんせ奴らは西の森一体をしばしの間占領したからな。民営ギルド、国営ギルドも歯が立たなかったんじゃ…もっとも…主体となったのは民営ギルドであったがな」
そこにいる誰もが沈黙を貫いた。第一にシャルもなんと言葉を掛ければ良いか検討がつかなかった。
「だから朗々石には良い思い出がないんじゃよ……。しかし西であろうと東であろうと朗々石は土に含まれておる。そしてその力を私は享受しておる」
マルガルはそう話すと彼の足元に置いていた矢筒に手をかけ矢を一本取り出した。
「この矢の先端、この鉄の矢尻には朗々石が混ぜられておる。朗々石は他の魔石に比べて魔力の吸収率が異様に高いんじゃ。普通は武器に魔力を込める事はできないのじゃが、この矢なら話は別だ」
なるほど。さっきの電撃は雷魔法を矢に付与していたのか。
「……。駄目だな。すまない。分かってはいたが雰囲気が重くなってしまった。好きな時に寝てくれ。私はしばらくは火の番をするよ。なにせ寝れないからね。年って事よ。ははは」
マルガルは無理に笑ったようにも見えた。
シャルはなにか言葉を掛けようとしたが、頭がうまく回らない。シャルは自身もかなり疲れている事に気づいた。今日一日の間に何キロも歩き、魔獣との戦闘すらこなしたのだから当然である。
「…そうですね。もう寝ます。。。」
シャルが寝袋に入り眠りに着くまでは決して遅くはなかった。
_______________________
黒い羽が風を切る。今夜、一人この広い夜空の風を切るのはトレシアだけである。周囲は見渡す限りの深緑が広がりその上には星々が輝いている。
「全く…1人たりとも誰もいないわね。まずいわ。直に日が明ける。」
その時、トレシアの首にかけてあった魔石がほのかな光を発し音を出した。その音は男の声、かすかな歪みを感じるような声である。
≪……トレシア、聞こえるか。バールだ。今どこにいる…?》
「…バール様。現在は森林上空を飛行中です」
トレシアは魔石に向かって話しかける。
≪森林上空?具体的にはどこだ?第一、任務は成功させたんだろうな?》
「……任務は失敗に終わりました。ローズムーンのガキ、空間移動魔法を使用しました。」
≪任務失敗だと?貴様ほどの者がか?生捕りが条件と言えど、まさか油断した訳じゃな……待て、空間移動魔法だと?≫
「えぇ。空間移動魔法、いわゆるワープ魔法です。」
≪……やはり奴の息子であるのに間違いはないだろう。ウィンスターの野郎の手には渡らせるな。これが最後のチャンスだ≫
「はい。今度こそは仕留めます。……そろそろ日が明けます。前方に都市が見えてきました。次の夜まではそこに滞在する予定です」
≪分かった。くれぐれも今度は油断するな。トレシア、お前だから生かしてやってる。普通、あれだけ重要な任務を失敗したならば即首が飛ぶぞ。解雇という意味ではない。≫
「当然です」
トレシアがそう言い終わると石が発していたほのかな光は消えた。
(ひとまず都市があってよかったわ。しかし見覚えがあるわね。どこかしら……)
東の空には赤い朝の陽光が山から覗き始めていた。夜明けはもう近い。
シャルらは森の小さく開けた場所に簡易的なテントを立て、火を囲んでいた。
「すまないね。大した食料は持ち合わせていないのだよ。」
鍋のスープを混ぜながらマルガルは話す。
「…あぁ。ここまで来て大事な事を聞くのを忘れていた。君達の名前を私はまだ知らないね」
言われてみればそうだ。 俺らはまともに自己紹介すらしていない。
「私はシャル・ローズムーンです」
「僕はシード! 苗字はないね!」
「俺はディバイド。…あー…フルネームの方がいいのか?フルネームは"オネスト・ディバイド"。よろしくな」
シャルが自己紹介をすると畳み掛ける様にシードもディバイド自己紹介をした。
「シャル君、シード君、ディバイド君か 良い名前だね」
マルガルは当たり前ではあるが俺らの名前に特段反応する事はなかった。
鍋底からはみ出た炎が冷たいそよ風で揺らぐ。
3秒ほどの沈黙の後、ついにマルガルは"その"話を始めた。
「そろそろ話を始めよう……それは30年前の夏の話じゃ」
30年前?かなり遡るな。
シャルは相槌を打ちながら話を聞く。
「私はこの森にある小さな集落にずっと昔から住んでおる。この森自体には50年はもう住んでいるな。森の魔獣を狩り、木々の実で生活する。要は自給自足の生活をしていた訳じゃよ」
「僕もそんな暮らししてみたい」
シードがぼそっと呟く。
「はっはっ そんなに楽な訳でもないぞ?」
マルガルは少し笑った。マルガルの笑顔を見たのは今のが初めてだ。
「私はそんな生活をずっと続けていた訳だが……あの夏、奴が来やがった」
「奴?」
球に表情を変えたマルガルに驚きディバイドは聞き返す。
「そう、奴は……吸血鬼だった。」
「吸血鬼⁉︎」
俺はその発言に思わず立ち上がり声を発する。
「名前は……いまだに覚えておるよ。奴はわざわざ名乗ったからな。名は、『トレシア・マーレード』ピンクの髪をしておった」
ピンクの髪、吸血鬼。この時シャルはその吸血鬼が俺らを襲った"あの女"であると確信した。
トレシア・マーレード。もしかしたら俺の親を殺した吸血鬼。偶然にも俺らは初日してそのあの女の名前をつかめたかもしれないのだ。
「その吸血鬼はある夏の夜、この静かな森に現れた。100余りの大軍を連れて。正確に言うのであれば……ロストロの西の水瓶の森じゃ。先程も言ったが水瓶の森はロストロを囲うように生えておるからな」
ロストロの西か。ここはロストロの南の水瓶の森。ひとえに水瓶の森と言えど場所は広い。
「夜に現れたその吸血鬼は私らに森を開け渡すよう脅迫した。私は当時、西の水瓶の森に住んでおったからな。なんでも理由はこの地面には"朗々石"が混じっている事だった。」
朗々石を追っている……?俺を追う事と関係はあるのだろうか
「言わずもがな私達は拒否したよ。……しかし、奴は引き下がらなかった。」
マルガルは空中で人差し指をくるくると回しながら話す。
そして、次の瞬間、
「君達はあの女が何をしたと思うかね……?」
マルガルは静かに、冷たい水に手を入れるように問いかけた。
「……」
「……」
「……」
誰一人として答える者は居なかった。
「殺したんじゃよ」
そこに居た全員が目を見開いた。
「奴は吸血鬼じゃ……にも関わらず、奴は自らの手で…」
シャルは自らの唾を飲む音を聞き届けた。
「私の村の吸血鬼一家を惨殺した」
その言葉に余韻は無かった。
「……同族すらも手にかけるとは恐ろしいやつめ」
マルガルは指を絡めるとまた一層眉間の皺を深する。
「そのあまりの強さに恐れ慄いた私達はは南の森から東の森へ居住区を変更した。なんせ奴らは西の森一体をしばしの間占領したからな。民営ギルド、国営ギルドも歯が立たなかったんじゃ…もっとも…主体となったのは民営ギルドであったがな」
そこにいる誰もが沈黙を貫いた。第一にシャルもなんと言葉を掛ければ良いか検討がつかなかった。
「だから朗々石には良い思い出がないんじゃよ……。しかし西であろうと東であろうと朗々石は土に含まれておる。そしてその力を私は享受しておる」
マルガルはそう話すと彼の足元に置いていた矢筒に手をかけ矢を一本取り出した。
「この矢の先端、この鉄の矢尻には朗々石が混ぜられておる。朗々石は他の魔石に比べて魔力の吸収率が異様に高いんじゃ。普通は武器に魔力を込める事はできないのじゃが、この矢なら話は別だ」
なるほど。さっきの電撃は雷魔法を矢に付与していたのか。
「……。駄目だな。すまない。分かってはいたが雰囲気が重くなってしまった。好きな時に寝てくれ。私はしばらくは火の番をするよ。なにせ寝れないからね。年って事よ。ははは」
マルガルは無理に笑ったようにも見えた。
シャルはなにか言葉を掛けようとしたが、頭がうまく回らない。シャルは自身もかなり疲れている事に気づいた。今日一日の間に何キロも歩き、魔獣との戦闘すらこなしたのだから当然である。
「…そうですね。もう寝ます。。。」
シャルが寝袋に入り眠りに着くまでは決して遅くはなかった。
_______________________
黒い羽が風を切る。今夜、一人この広い夜空の風を切るのはトレシアだけである。周囲は見渡す限りの深緑が広がりその上には星々が輝いている。
「全く…1人たりとも誰もいないわね。まずいわ。直に日が明ける。」
その時、トレシアの首にかけてあった魔石がほのかな光を発し音を出した。その音は男の声、かすかな歪みを感じるような声である。
≪……トレシア、聞こえるか。バールだ。今どこにいる…?》
「…バール様。現在は森林上空を飛行中です」
トレシアは魔石に向かって話しかける。
≪森林上空?具体的にはどこだ?第一、任務は成功させたんだろうな?》
「……任務は失敗に終わりました。ローズムーンのガキ、空間移動魔法を使用しました。」
≪任務失敗だと?貴様ほどの者がか?生捕りが条件と言えど、まさか油断した訳じゃな……待て、空間移動魔法だと?≫
「えぇ。空間移動魔法、いわゆるワープ魔法です。」
≪……やはり奴の息子であるのに間違いはないだろう。ウィンスターの野郎の手には渡らせるな。これが最後のチャンスだ≫
「はい。今度こそは仕留めます。……そろそろ日が明けます。前方に都市が見えてきました。次の夜まではそこに滞在する予定です」
≪分かった。くれぐれも今度は油断するな。トレシア、お前だから生かしてやってる。普通、あれだけ重要な任務を失敗したならば即首が飛ぶぞ。解雇という意味ではない。≫
「当然です」
トレシアがそう言い終わると石が発していたほのかな光は消えた。
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