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本編
何でもするって言ったのに
しおりを挟む「俺は、好きなんだけどな」
「……へぇ!?」
思いもよらぬルイスの言葉に、俺は怒っていたことも忘れて彼を振り返った。
好き? 今、好きって言ったのか。
ルイスが俺を?
頭の中でルイスの言葉を反芻して、顔が熱くなる。
いやいや、早まるな俺。あのルイスだぞ。錬金術バカで、研究のことしか頭になくて、実験が絡むと倫理観吹っ飛んで、今までどんな美人に言い寄られようが1ミリも靡きもしなかった、ルイスなんだぞ。
そんなルイスが、よりにもよって俺なんかのことを好きなはずがない。
「えっと、それは助手として、っていう……?」
「いいや? がっつり恋愛感情で、だが」
何かの間違いだろうと恐る恐るルイスに確認してみたものの、即答だった。
「な、なんで……」
「ネロ、お前は信頼できる友人だし、助手としてもよくやってくれていると思う。だが先日、初めて媚薬の実験をした時、お前が想像以上にエロくて可愛かったから」
「そ、その話はするな!」
思い出したくもない“実験”の記憶が引き摺り出されかけて、俺は慌ててルイスの話を遮った。
あの時、俺はルイスの作った媚薬のせいで理性がなくなっていて、ルイスのことを襲ってしまい、そのまま……ああ、考えたくもない。羞恥で死にそうだ。あの時のルイスはどんな様子だったか、あまり思い出せない。ただひとつ言えることは、あのことが切っ掛けで、俺たちは表面上だけど『お付き合い』をすることになったってことだ。
「……まあ、有り体に言えば、お前に惚れた。だからお前のことは恋愛感情で好きだ」
眉ひとつ動かさずにとんでもないことを言ってのけたルイスに、俺は開いた口が塞がらなかった。
自分の顔が真っ赤になっているのが見なくてもわかる。それはそうだ、ルイスのような良い男に真正面から告白されて、嬉しくない奴なんかいないだろう。こいつはタチの悪いことに顔だけは極上なもんだから、俺は男でルイスも男なのだとわかってはいても心臓がドキドキしてしまう。
「そんなこと、急に言われても……」
ルイスの突然の告白に俺は混乱していた。
最初に身体を繋げてしまった時から、俺に惚れていたと。ルイスはそう言ったが、そんなことは初耳だった。俺はてっきり、ルイスは実験のためだったらあんなことも平気でするんだなって思っていたのに……。
ていうか、だとしたら告白するのが遅すぎじゃないか。最初にセックスして、キスして、付き合って、今になって告白されて……驚くほど順序が逆すぎて頭が痛くなってくる。恋愛下手か。いや、俺も人のことは言えたもんじゃないが。
「ていうか、そもそも俺、男だし……」
「知ってる」
「じゃあ、ゲイとか……そういう感じなわけ?」
「いや、俺は至ってヘテロだが。人を好きになるのに性別は関係ないと思わないか?」
そりゃ、そうなのかもしれないけど。
ルイスの言っていることが信じられない。ここ数日もそんな素振りは一切なかったし、本当に今までと何も変わらなかったのに。あの時に言われた『付き合ってくれ』という言葉も、そう言っておけば俺が便利な実験体で居続けるから、都合のいいことを言ったんだと思っていたくらいで。
「………」
「返事はいつでもいい。とにかく今日はこのまま休んでくれ。……できればでいいから、薬も飲んでくれたらと思う」
俺が何も言葉を返せないでいると、ルイスはさっさと会話を終わりにして部屋から出て行ってしまった。
くすり。薬ってなんだっけ。……ああ、さっき寄越した鎮静剤のことか。緩慢に視線を向けると、サイドテーブルに錠剤がひとつと水の入ったグラスがそのまま置いてあった。
とりあえず薬を飲んで、再びベッドに横になる。駄目だ、まだ頭の中が全然整理できていない。ルイスは俺を好き。本当に、本当なのか? 学生時代からずっと一緒にいて、今は錬金術師とその助手という関係で仕事もしていて……それなのに急に好きと言われても、まったく実感がないし信じられなかった。
あいつのことだから、決して冗談ではないんだろうとは思う。でも、俺なんかのどこにそんなに惚れ込んだのか。俺は地味で平凡で、能力もそれほど高くはなくて、魔力もなければ錬金術師の資格も持ってない。身体だって、肌は青白いし体格も身長に見合わないほど華奢で、不健康そうだとよく言われてきた。なんでルイスは俺のこと平気で抱けたんだろうって、自分でも疑問に思うくらい魅力がない。
それに比べて、ルイスは同じ男から見ても完璧だ。……性格以外は。性格はちょっとだけ難があるけど、ルックスは抜群にいいし、家柄にも才能にも恵まれていて錬金術師としての能力も非常に高い。それこそ相手なんて選びたい放題だろうに。
本当なんでだろうなぁ、とぼんやり考えていたら、身体から力が抜けてだんだんと眠たくなってきた。先程飲んだ鎮静剤が効き始めたみたいだ。俺はうとうとと微睡みながら、意識が落ちる瞬間までずっとルイスのことを考えていた。
ルイスは俺を好きだと言った。じゃあ、俺はどうなんだろう。
ルイスのことは、嫌いではない……と思う。彼の隣はなんだかんだで居心地がいいし、仕事でも世話になっているし、錬金術師として純粋に尊敬もしている。
俺はルイスの“特別”になってみたかった。確かにそうだ。でも、それは恋愛感情なんだろうか。ルイスのようにはっきりと「恋愛感情で好きだ」と言うには、俺のこの感情はまだ不鮮明であやふやなものだった。
俺は、恋愛なんてしたことがない。
誰かに好きだと言われるなんて、一生ないと思っていた。
だから自分の気持ちもわからないし、ルイスの気持ちも……どう受け取ればいいのか、やっぱりわからない。ちゃんと考えなきゃとは思うけど、麻酔が回った頭はうまく働いてくれなかった。
✦✦✦
あれから二週間ほど経ったが、俺はいまだルイスにあの日の返事ができないでいた。
それでもルイスは何事もなかったかのようにいつも通り接してくるものだから、俺ばかり意識してしまっているみたいで恥ずかしかった。とりあえず仕事はちゃんとやっているけど、頭の片隅には常にルイスの告白のことがあって、うまく集中できないでいる。
それと、もうひとつ。あの日以降ルイスは“実験”をしなくなった。
以前までは新しい薬が完成すると、有無を言わさず俺を使って“実験”していたのに。ここ二週間はそんなことは一切なく、実験が必要なときは生体実験用のラットに投与している。多分、俺が先日「嫌だ」と言ったからルイスはそれを汲んでくれているのだとは思うが、それをなんだか無性に寂しいと感じている自分がいることに気付いてしまった。
あんなに嫌だったのに、あれだけ拒否してきたのに、自分に出来ることが減るとそれはそれで寂しい。あいつの実験体でいるのが嫌でたまらなかったんじゃないのか、俺。結局どうしたいのか、もう自分で自分がわからなかった。
「……なあ、ルイ。俺、ちゃんと助手として役に立ててるか?」
「何を突然。当たり前だ、お前が無能な人間だったらそもそも雇っていない」
思い切ってルイスに聞いてみても、こんな感じだった。
そりゃあ、学生時代からルイスの傍でずっとその仕事ぶりを見てきたわけだから、まったくの無能というわけではないだろう。でも、今の俺はこいつの実験に付き合ってやれない。あんなんでも一応ルイスの役には立っていたわけだから、それができなくなった途端、俺の存在意義が少し揺らいでしまった気がした。
「ルイは、俺で“実験”しなくなったよな。この前俺が嫌って言ったからだと思うけど……でも、本当だったらそれも助手の仕事なんだろ?」
「お前は何も気にしなくていい」
「だけど、出来ることが減ったならその分給料も減らしたりとか、そういうのが必要だと……」
「もう一度言うが、何も気にしなくていい。そのあたりはちゃんと考えてる。考えた上で、こうしている」
何を言っても暖簾に腕押し状態で、俺はいわれもない焦燥感に駆られてしまった。告白の返事もまだできていないのに、仕事でも役に立てなくなったら、今度こそ俺はルイスにとってなんの価値もなくなってしまうんじゃないか。そんなのはまっぴら御免だ。
俺はルイスとは、少なくとも対等な関係でいたいと思っている。だから何かをしてもらうなら、その対価が必要だ。“実験”をしなくなったぶん、俺が代わりに出来ることはあるだろうか。
「わかった……じゃあ代わりに、お前の言うこと、なんでもひとつ聞いてやる!」
「は?」
俺は半ばヤケになって、ルイスに向かってそう言い放っていた。
案の定、ルイスは突然どうしたと言いたげな顔をする。
「これは仕事がどうとかじゃなくて、俺の個人的な要望だから。なんでも、なんでもだ! お前がしてほしいこと、一つだけやってやる。じゃないと俺の気が済まない」
ど、どうだ。嬉しいだろう。
俺からこんな申し出をするなんて、今までの付き合いの中で一度もなかったことだ。
自分で言うのもなんだが、わりと魅力的な条件だと思う。この条件だったら、身の回りの世話をさせようが文句言わないし、面倒な仕事を振ってもいいし、どんな薬だろうと好きなだけ人体実験してくれていい。この前みたいなエロいことも……まぁ、しても構わない。命令の仕方次第では、ルイスがやりたいように、どうとでもできるだろう。
「そう簡単に『何でも』なんて言っていいのか?」
「な、何でも……する。物理的に可能なことだったら……」
「ふむ、そうか。だったら……」
顎に手を当てて考え出したルイスを見て、俺は緊張のあまりドキドキしていた。ルイスはなんて言うだろう。やっぱり、実験だろうか。リスクの高い試作品の被験とか……これが一番有り得そうだ。それとも、この前の告白をOKしろとか、せ、セックスの相手をしろとか、そういうのかもしれない。心の準備ができているかと言われたら全くそんなことはないが、もうなんでも来いという気持ちだった。
「ネロ。今夜、時間空いてるか?」
俺の覚悟に反して、ルイスが発した言葉は意外にもシンプルだった。
「都合が悪ければ構わない」
「えっ……いや、別に大丈夫……だけど」
「では空けておいてくれ。連れて行きたい所がある」
今夜空いてるか、なんて聞くから、一瞬セックスの誘いなのかと思ったけど……そうではないみたいだった。どんな無茶を言われようが頷くつもりでいたので、拍子抜けしてしまう。
連れて行きたい所って、どこだろう。仕事の後にルイスとどこかに出かけるなんて、今までしたことがなかった。そういうのって、ちょっとデートみたいじゃないか……と思いつつ、ルイスのことだからまた碌でもないことを企んでいるかもしれない。期待するな、俺。
「わ、わかった……行く」
ルイスが何を考えているかはわからないが、とりあえず俺は了承の意を伝える。それから仕事の邪魔をして悪かった、とだけ言うと、そそくさと自分の作業に戻った。
以前のように好き放題“実験”しなくなったルイスに、ほんの詫びのつもりで言ったことだったけど……こんなお願いをされるとは思っていなかった。いや、どこに連れて行かれるかわかったもんじゃないが、でもドキドキしてしまう。ああ、そういえば俺、ルイスに好きって言われたんだった。じゃあ今夜行くところも、もしやそういう場所なんだろうか。色々と考えを巡らせてしまう。
結局、その後はあまり仕事が手につかず、実験があろうとなかろうとどのみち俺は役立たずなんじゃ……と余計に落ち込む羽目になった。
✦✦✦
その日の夜。
俺を連れてどこに行くのかと思いきや、ルイスが向かったのはやたらと雰囲気のいいレストランだった。
「ルイ! ちょっと待って」
「なんだ?」
「お、俺こんな格好だし、場違いだって……」
普段の俺では絶対に縁がない、ドレスコードなんかがありそうな立派なレストラン。それなのに今の俺の服装はというと、仕事の後だから当たり前だが、ごくごく普通のシャツにベスト、そしてスラックスだった。今は白衣ではなくジャケットを上に羽織っているが、これも大分年季が入っていて、俺、どう見てもみすぼらしい……。
対してルイスは、俺と同じような格好であるにも関わらず、この非日常な空間に対して全く違和感がなかった。着ているものの質が良いのもそうだが、やはりそれを着こなす完璧なルックスが大きな要因だろう。身長は俺とそれほど変わらないというのに、スタイルが良いし所作も洗練されているので何を着てもお洒落に見える。これもイケメンの力ゆえか、俺とルイスが並ぶとあまりにも落差が酷い。正直もう帰りたかった。
「ここは個室の店だから、気にしなくていい」
「で、でも俺、マナーとかもあんまり……」
「お前は俺の食事に付き合ってくれればそれでいい。何でもするって言っただろう?」
そう言われてしまうと何も言い返せなかった。
色々諦めてルイスに着いていくと、彼の言った通り、個室の席に通された。窓から見える夜景がとても綺麗だ。
とりあえず席に座ってメニューを見てはみるが、空腹よりも緊張が勝っていた。そして高級店だからだろうか、メニューに値段が書いていない。
「……俺、水だけでいい」
「食べないのか?」
「今日、あんまりお金持ってきてないし……こんな高そうな店、払えるかどうかわからないから」
俺が恥ずかしさのあまり俯きながらそう白状すると、ルイスは「なんだそんなことか」と苦笑した。
「値段は気にしなくていい。今日は俺が誘ったんだからな」
そう言うなりルイスはウェイターを呼んで、勝手に二人分の食事をあれこれと注文してしまった。この有無を言わさない感じ、まさにルイスだ……と思いつつも、今はその強引さがちょっとだけ有り難かった。
ほどなくして運ばれてきた料理は、どれも美味しそうだった。見た目もすごく綺麗で、眺めているだけでお腹一杯になってしまいそうなくらい。そして、こんな高級な料理は初めてなので、どうやって食べたらいいのかわからなかった。テーブルマナーは一応少しかじってはいるけれど、どのみち食べたところで緊張のあまり味がしなさそうだ。
「どうした? 冷める前に食べたほうがいいぞ」
そんな俺をよそに、ルイスは美しい所作でさっさと食事を始めている。俺は我に返ると、意を決してカトラリーを手に取った。ルイスの奢りなのだから、それこそちゃんと食べないと彼に悪いだろう。
俺はルイスの見様見真似でナイフとフォークを動かし、料理をひとくち、なんとか口に入れてみる。
「……おいしい」
食べた瞬間、思わずそう溢していた。
そして言った直後に、はっとして口元を押さえる。向かい側に座っているルイスがニヤニヤとこちらを見ているのに気付き、赤面してしまった。
「ご、ごめん。つい……」
「いいや? 口に合ったのなら何よりだ。お前は普段ろくなもの食べてなさそうだからなぁ。連れて来て正解だった」
「なっ……まぁそうだけど、お前にだけは食についてとやかく言われたくない!」
ルイスだって普段はしっちゃかめっちゃかな食生活をしているくせに。研究に没頭すると何日も平気で寝食忘却する奴の食事を、誰が管理していると思っているんだ。
まぁ、それでもきっとルイスなりに心配してくれているんだろう。気持ちは嬉しいが、そもそも俺は食にはあまりこだわりがない。普段から死なない程度には食えているし、それで充分だと思っている。そりゃ、今日みたいに美味しいものを食べられた時は、とても嬉しくなるけど……。
「俺ばかりじゃなくて、自分のことにも少しは気を配ったらどうだ。だからそんなに痩せてるんだ」
「悪かったな、貧相な身体してて……」
「ん? 抱き心地が……って話か? だったら今のままでも最高に良いから、不安になる必要はないぞ」
「ち、違う! こんなとこで何言ってんだ、変態!」
いきなりセクハラまがいのことを言われて、慌ててルイスを制止する。
ちょっと見直したと思った途端にこれだ。せっかく意識しないようにしていたのに……。もう本当に、こいつは何を考えているのかわからない。振り回されっぱなしだ。
「……なんで、ここに連れて来たんだ。今日」
「ん?」
「何でもするって言ったはずだ。俺のことまた抱く気があるんなら、そう言えば良かっただろ。俺は拒否しなかった」
何でもする、に対してのお願いがただの食事とは、ルイスらしくもない。こいつならもっと頭を働かせて、それこそ好きなだけセックスするとか、俺を一生こき使うようなこともできたはずなのに。
それに、ルイスと二人で食事に行くだなんて、助手になってから初めてのことだった。どういう風の吹き回しだろう、と思わない方がおかしいだろう。もっと言うなら、身体を気遣われたのも始めてだ。今まではルイスの世話さえちゃんとしていれば、俺自身がどうであろうと文句を言われることはなかったのに。
「それじゃあ意味がないと思ったからだ」
俺の質問に、ルイスは眼鏡の奥の翡翠色の瞳をまっすぐこちらに向けてそう答えた。
「今までは無理矢理でも良かった。でも今は、ネロが好きだから。命令ではなく、薬のせいでもなく、ちゃんとネロの言葉を聞いてから、抱きたいと思っている」
「え……」
「一応なぁ……このあいだ『嫌い』って言われたの、結構堪えたんだぞ。これでも」
「そ、それは、……ごめん」
ばつが悪そうに言ったルイスを見て、俺は純粋に驚いていた。ルイスがちゃんと反省している。明日雪降るんじゃないか……ていうのは流石に言い過ぎだが、それくらい珍しいことだった。
だって、今まではどれだけ嫌だと言っても無理矢理実験台にされていたし、媚薬の時だって、この前のことだって、俺の意思なんか丸無視で好き放題していたのに。そうか、これはルイスなりに反省していたのか。人って成長するものなんだな……。
「それに、『好きな人にアプローチするなら、食事に誘うのが良い』と、前に本で読んだことがあったからな」
「っ……好きな、ひと……」
好きな人。改めてはっきり言われると、変に実感してしまう。
ルイスは俺の顔を覗き込むように見てから、ふっと笑った。やけに嬉しそうだが、俺はどんな表情をしていたんだろう。
「俺なりにアプローチしてるつもりなんだが、どうだ? 俺的には、わりと脈アリじゃないかと思ってるんだが」
「どこから来るんだよ、その自信……」
「違うか?」
「……ルイみたいなかっこいい奴に迫られたら、誰だってドキドキするだろ」
俺がそう言うと、ルイスは鳩が豆鉄砲を食ったような顔になった。何が意外だったんだ。自分の容姿が良いという自覚があるから、自信があるんじゃなかったのか。
「……お前、俺のことかっこいいと思ってたのか」
少しの沈黙の後、ルイスは驚いた表情はそのままにそう呟いた。
「な、なんだよ急に。そりゃ、性格はちょっと……いやかなり癖が強いけど、お前は見てくれだけなら完璧だろうが」
そう言い返してから、そういえば俺はルイスに面と向かって容姿を称賛したことはなかったかもしれないな、ということに思い当たった。相変わらず美形だな、とはいつも思っていたけど、学生時代からずっと一緒にいたから見慣れてしまっていたし。それに、それこそルイスの容姿を褒める人なんて沢山いたから、わざわざ俺なんかが言う必要もないだろう……と、本人の前では口には出さずにいた。ルイスがかっこいいのは当たり前のことだし。
「何を今更。昔から散々言われてきたし、自覚あったんじゃないのか?」
「うん……あ、いや……何と言うべきか……」
俺がそう言っても、ルイスはなんだか歯切れが悪かった。片手で顔を隠したまま、なぜか窓の外を見ている。急に挙動不審になったルイスに首を傾げながらも、俺は素直に食事を楽しむことにした。
✦✦✦
「ご馳走様でした」
食事も終わり、会計を済ませて店を出る。俺はルイスにしっかりと礼を述べてから、美味しかった料理の数々に早くも思いを馳せていた。
「すごく美味しかった……」
「気に入ったなら、また連れて来てやる。お前と食事ができるなら、俺は毎日だって構わないが」
「そ、それは申し訳なさすぎるから、遠慮しとく」
そんな会話をしながら帰路を辿る。ルイスはアトリエが自宅なので来た道を戻るだけだし、俺も職場の近所に住んでいるので、道順はほとんど同じだ。
「今日はありがとう。また明日」
「……ネロ」
家の近くまで来たのでルイスに別れを告げて立ち去ろうとしたら、ルイスが俺の手首を掴んで呼び止めた。驚いて彼の顔を見ると、ルイスのどこか熱のこもった目と視線がぶつかる。
「お前の家、行っちゃ駄目か」
え、と無意識に声が出た。俺の家に行きたいって、それって……俺も子供ではないので、どういう意味かはなんとなくわかる。わかるけど、まだ心の準備ができていないっていうか、そもそも告白の返事すらまだできていないのに。あと俺の家はお世辞にも快適とは言い難いので、あまり人を呼びたくないというのが本音だったりする。
「あ、あの、俺……」
「嫌ならいい」
「違う、嫌ではない……けど、うち狭いし、壁薄いから、その」
俺がごにょごにょと小さな声で遠回しに伝えようとしていると、ルイスはふはっと吹き出すように笑ってから、俺の頭を乱暴に撫でた。ルイスの手が大きいから、あっという間に髪がぐしゃぐしゃになる。
「言っただろ、もうネロの意思を無視して襲ったりはしない。ただ、久しぶりにお前の家に行きたいだけだ。何もしないから安心しろ」
ルイスのその言葉を聞いて、かあっと一気に顔が熱くなった。俺、勝手に早とちりして、馬鹿みたいじゃないか。恥ずかしい。穴があったら今すぐにでも飛び込んでしまいたい。
真っ赤になって黙り込んでしまった俺を見て、ルイスはまた笑って頭を撫でてきた。くそ、何がそんなに面白いっていうんだ……。
「……で、行っていいのか?」
ルイスからの問いに、俺は赤面したままこくりと頷いた。
✦✦✦
「相変わらずウサギ小屋みたいな部屋だな。いや、今どきウサギのほうがもう少しマシな家に住んでるんじゃないのか?」
「……人の家に上がり込んでおいて、随分な言い草だな」
ルイスが『ウサギ小屋』と称した部屋は、しかし正真正銘俺の自宅である。
ルイスのアトリエからほど近い、築数十年は経っているであろう簡素なアパート。せいぜい5畳ほどの広さしかない部屋は、人ひとりが住むので精一杯といったところだ。
家具も必要最低限といった具合で、中古のシングルベッドと、テーブルに椅子、勉強用のデスク、それと本棚。あとは特に何もない、我ながらまったく面白味のない部屋である。
とりあえず備え付けのキッチンで湯を沸かして、ルイスにコーヒーを淹れてやる。夜にコーヒーを飲むと眠れなくなるかもしれないが、今は買い置きがこれ以外にないので致し方ない。せめてもと、ミルクを多めに入れてカフェオレにしてやった。
「悪い、飲み物これしかなくて……。砂糖は好きなだけ使っていいから」
「お構いなく」
ルイスは俺に礼をひとつ言うと、早速カフェオレに砂糖をわんさかと入れ始めた。いつも思うけど、よくもまあそんなに甘くして気分が悪くならないよな……。俺は甘い物が得意ではないので、ルイスの味覚は一向に理解できない。
「じゃあ俺、勉強するから……。眠くなったらベッドで寝てくれ。あんまり暴れるなよ、壊れるからな」
なんで成人男性に向かって「ベッドで暴れるな」なんて注意をしなければならないのか甚だ疑問ではあるが、実際ルイスはこういう時はしゃぐタイプなので、一応念を押しておいた。中古で買った安物のベッドだから、ルイスみたいなでかい男が暴れたら本気で壊れる。それだけは勘弁願いたい。
それからしばらくの間、俺はデスクにかじりついて勉強に集中していたので、ルイスが何をしていたかはよく見ていなかった。ただ、やけに静かだなとは思ったけれども。本棚を漁る気配があったので、何か読んでいたのかもしれない。意外だったが、それでもうるさいよりは静かなほうが有難いので、俺からは特に何を言うこともなかった。
そして夜も更けてきた頃、それまで黙っていたルイスが唐突に口を開いた。
「……いつもどのくらいまで勉強しているんだ?」
「だいたい2時くらいまで」
「毎日こうなのか? 本当に身体を壊すぞ。そろそろ休んだらどうだ」
俺はルイスに背を向けるようにしてデスクに座っているので、彼の表情はこちらから見えない。それでもその声音から、俺を心配してくれているのが伝わってきた。
「大丈夫。もう結構慣れてるし……もっと勉強しないと、来年の筆記試験も危ういかもしれないだろ」
国家錬金術師の資格取得のための、筆記試験。数ある資格の中でも最難関と言われるその受験は、公認錬金術師になるために避けては通れない道だ。ルイスは学生時代に既にその試験をパスしているが、俺はというとまだスタートラインにすら立てていない。
……仮に筆記試験に合格できたとしても、錬金術師は魔術を扱える者ではないとその資格を得ることができない。魔力を持たない俺には、どのみち最初から無理な話だった。無駄だと理解してはいる。それでも諦めきれないから、こうしてがむしゃらに勉強しているんだ。あと何度チャンスがあるのか、わかったものではないから。
「だとしても、こんな狭苦しい部屋じゃ勉強も捗らないだろう。前にも言ったが、部屋は余ってるんだから俺の家に来たらどうだと……」
「流石にそこまで世話になるわけにはいかない。それに、一人のほうが集中できるから」
勉強の手は止めずに、俺はルイスと会話を続ける。
ルイスは俺のことを気遣ってくれているのだと、ちゃんとわかっている。だけど何でもかんでも彼に甘えるというのは、俺の矜持が許さなかった。確かにルイスは俺より何もかもが優れている。だから俺を助けるだけの余裕もあるんだろう。でも、俺はルイスとは出来る限り対等でいたいから。だから一方的に助けてもらってばかりは嫌だった。ただの俺の我儘だ。
「……そもそも、こんな切り詰めた生活をしなければいけないほど、安い給料で雇っているつもりはないんだが?」
「給料は充分すぎるほど貰ってるよ。ただ節約してるだけ。貯金したいし、奨学金もできるだけ早く返したいし、実家に仕送りもしないとだし」
俺がそう言った途端、背中に感じるルイスの雰囲気が一気に険しいものになった。
「まだあんなろくでもない養父母に義理立てしているのか」
「………」
ルイスからの問いに、俺は何も答えることができない。
それでも何か返さなければと、少しの間の後に何とか言葉を絞り出す。
「……ルイには関係ないだろ」
「関係ある。お前が稼いだ金はお前が使うべきだ。それに……」
ルイスが話を続けようとするのを遮るかのように、カタン、と音を立てて俺は椅子から立ち上がった。そしてルイスのほうを振り返ると、彼に向かってにこりと微笑んでみせる。
「いいんだ。ルイが俺のこと考えて言ってくれてるのはわかるし、気持ちは嬉しいよ。けど……俺の家族のこと、あまり悪く言わないでほしい」
俺がそう言うと、ルイスは固い表情のままじっと黙り込んでしまった。
ルイスが黙ったので、また部屋の中に静寂が戻ってくる。俺はもうこれ以上勉強する気になれず、デスクの上を片付けてそのまま寝ることにした。とはいえ一つしかないベッドはルイスに貸しているから、自分は適当な場所で寝よう。このさい床でも構わない。ただそのまま寝転がるのは流石に憚られるので、毛布を一枚だけ拝借させてもらおうと、俺はルイスのいるベッドに近付いた。
そしてベッドの上の毛布に手を伸ばした瞬間、突然ルイスにぐっと強い力で腕を引かれた。バランスを崩して倒れそうになり、かと思えば視界がぐるんと回って、背中にどんと衝撃が走る。気が付けば俺は、ルイスによってベッドの上に押し倒されていた。
「……何もしないんじゃなかったのか」
「何もしないさ。ネロがいいと言わない限りは」
部屋の中はルイスが寝やすいようにと既に明かりを落とした後だったので、俺が勉強のためにつけていた間接照明だけが唯一の視界の助けだった。それでもこの距離にいれば、ルイスのその美しく整った面持ちがありありと見て取れる。
ああ、ルイはやっぱり綺麗だな。本当に、俺なんかとは大違いだ。
「自分でわからないのか? お前今、酷い顔をしているぞ」
「失礼な。俺はもともとこういう顔だ」
「そういう意味じゃない。それに、お前ほど綺麗な人間を俺は知らない」
急に何を言い出すかと思えば、ついに気でも触れたか。
俺は地味で冴えなくて、錬金術師にもなれないただの出来損ないだ。こんな俺を綺麗だなんて言う人間は、この目の前の男を除けば一人もいないだろう。
「黒曜石のような漆黒の髪も、アメジストのような瞳も、雪のように白い肌も……そしてその心も、すべてが美しい。だが、美しいお前が俺以外の人間に穢されているのは、許しがたいことだ」
「はは、美しいって……それ、口説いてるつもりなのか?」
ルイスの言っていることが可笑しくて、つい笑ってしまう。
というか別に俺、誰に汚された覚えもないけども。ルイスの言っていることがよくわからない。常々思うが、一体こいつの頭の中身はどうなっているんだろう。もしかしたら、天才が一周回って馬鹿なのかもしれない。
「いいよ」
……でも、そんなルイスに惹かれてしまっている俺も大概馬鹿だ。
「……ネロ」
「今日はなんだか、身を任せてみたい気分なんだ。ルイの好きにしてくれ」
自分でもなぜだかわからないが、今は無性に人肌が恋しかった。
ルイスの身体に腕を伸ばしてこちらに引き寄せると、一番最初に彼に抱かれた時の感覚が蘇ってきた。身体が触れ合って、ルイスの匂いを間近に感じて……たったそれだけで、心臓の奥のあたりが切なく疼いた気がした。
「ネロ……好きだ。愛してるよ」
ルイスはそう言ってから、優しくキスをしてくれる。
ああそういえば、告白の返事をまだしていなかったな。
本当は、心のどこかではちゃんとわかっていた。
だってそうだろう。いくら媚薬が効いていたからといって、俺は好きでも何でもない男に抱かれたいと思うような人間ではないのだから。
多分、ルイスだから。
ルイスにだったら抱かれてもいいって、そう思っていた。
✦✦✦
ふわふわ、ふわふわと心地良い気分の中、ゆっくりと意識が浮上してくる。
まだ幾分か微睡みながらもそっと目を開けてみれば、そこは見慣れた自分の部屋だった。昨日帰ってきてから、いつの間にか眠ってしまっていたらしい。
一瞬そう思ったものの、いつもの目覚めにしては妙に身体が気怠いことに気付き、すぐに違和感を覚えた。あれ、ちょっと待って。俺、昨日なにをしていたんだっけ……?
ええと確か、昨日は仕事して、ルイスと食事に行って、そのあとルイスが俺のうちに来て——
(……あ、そうだ。俺、ルイと……)
だんだんと思考が覚醒してきた。極めつけに自分の身体に散っている数え切れないほどの鬱血の痕を確認して、完全に思い出す。そうだった、昨日は結局あのまま、ルイスに抱かれたんだ。
俺が住んでいるアパートは壁が薄いから、音が漏れないよう声を抑えながらの行為だった気がする。このベッドも激しく動くと壊れてしまいそうだったので、緩やかに動きながら、じっくりと時間をかけるような……スローセックスっていうんだろうか、そんな感じのことをした。
媚薬なしでするのは初めてだったけど、ルイスが優しくしてくれたお陰で痛みや苦しさはなく、ただただ気持ちがよかった。まるで恋人同士のような甘いセックスはそのぶん余韻も長くて、今でさえ多幸感の名残が感じられる。……やばい、色々思い出すと一気に恥ずかしくなってきた。
それはそうと、今は何時だろうか。
昨日ルイスとあれこれ話していたのが深夜で、セックスが終わったのがおそらく明け方くらいだったと思うが、今は窓から差し込んでくる日の光で部屋の中はしっかり明るかった。
テーブルの上の置き時計を見ると、時刻は午前11時を少し回ったところ。
「って、仕事!……い゛ッ、う゛ぅ……」
今日が仕事の日だということを思い出して、俺は慌ててベッドから飛び起き……られなかった。腰が痛い。昨日あれだけ長時間致していたのだから、よく考えたら当たり前だった。
しかしそれはそれとして、今日は休日ではない。既に大遅刻ではあるが、今からでも仕事に行かないとルイスに迷惑がかかってしまう。俺は力の入らない足腰を叱咤し、なんとか這いずってベッドから出ようとした。
「ネロ、おはよう。……何してるんだ。無理をするんじゃない」
と、丁度そのタイミングでルイスが部屋に入ってきた。ベッドから半ば落ちるようにしながら床に降りようとしている俺の姿を見て、呆れ半分といった面持ちで俺を見下ろしてきた。
「ルイ……だって、今日、仕事で……」
「今日は休業だ。スケジュールも調整済みだから安心しろ。……まったく、こんな状態でも仕事のことか。真面目が過ぎるぞ」
ルイスはそう小言を言いながらも、俺を抱き上げてベッドに戻してくれる。なんか、前にもこんなことあったような……。世話になってばかりで面目ないし、ルイスに軽々と抱き上げられてしまう自分の貧弱っぷりも情けない。
「キッチンを借りさせてもらった。食事ができそうだったら、食べてくれ。というか、この家は本当に何もないな……。冷蔵庫を開けてびっくりしたぞ」
「ありがとう……でも、一言多い」
密かに落ち込んでいる俺をよそに、ルイスは簡単な朝食(といってももう昼だが)を出してくれた。空腹ではあったので、ありがたくいただくことにする。
食事をしながらちらりとルイスの顔を見やる。俺の視線に気付いたルイスは「どうした?」と言って微笑みかけてきた。
「あ、ええと……」
照れ臭くなって、つい目を逸らしてしまう。……いつも通りのようで、どうも落ち着かない。ルイスがやたら優しい気がするし、空気も甘い。これがいわゆる事後の雰囲気ってやつなんだろうか。ルイスと身体を重ねるのは3回目だったけど、最初の時も前回もこういうことはなかったから、慣れなくて無性にそわそわしてしまう。
「あの、ルイ。告白の返事なんだけど……」
気恥ずかしさは拭えないが、そういえばまだ伝えていなかったと思い話題を切り出す。
うやむやにしてはいけないから、ちゃんと言わなければ。そう思ったのに、ルイスはニヤリと人の悪い笑みを浮かべながら、とんでもないことを言った。
「ああ、あの事か。それだったら昨日、ベッドの上でたくさん言ってくれたからな」
「え、えぇ!?」
「覚えてないのか?」
まったく記憶にない。
確かに、後半のほうは気持ちよすぎて、自分でも何を言っていたのか曖昧だったりするけど……本当に、ルイスに言ったのか!? 俺をからかっているわけじゃなくて? だとしたら、口を滑らせて余計なことまで言ってないよな……?
「昨日のお前は本当に可愛かったなぁ。俺に必死に縋りつきながら、とろっとろになった顔で何度も……」
「あああやめろ!もう言うな!ほんっとに変態だなお前は!!」
ああもう、最低だ。たくさん甘やかしてもらって、ちょっとだけドキドキしていたのに……。なんで株を上げた途端に自ら下げにくるのだろうか、この男は。
昨日はなんだかんだで優しくしてもらったから、少しくらいは素直になってやってもいいかなって思ったけど、やっぱりなしだ。こいつ、すぐ調子に乗るから。……そんなところも、嫌いじゃないけれども。
すきだよ
……って、ルイスに面と向かって伝えられる日は、もう少しだけ先になりそうだ。
end.
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