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第1章 転生
第3話 転生
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目の前には火の海が広がっていた。
時刻は午前7時半。
やたらと人だかりもできているらしく、消防士も来ているらしい。
が。
私は今、身動きのできない状況に陥っていた。
私の周り全てが燃えている。
これはもう逃げることができない。
消防士の方もなかなか私のことが視界に入らないみたいで、水を別の場所にかけていた。
私は思いっきり助けを呼ぼうとしたのだが…
「たぁ……す…け……て……っ!!!」
うまく呼吸ができないため、声が出ない。
しばらく引きこもっていたせいか体力もない。
だんだんと意識も朦朧として来たので、私はもうこの先がないことを悟った。
「仕事を探してまたやり直そうと思っていたのに…こんな人生悲しすぎるよ…。せめて結婚したかったな…理想の男性と結婚して幸せな家庭も作れたら…どんなに良かったか…」
今になって悔しくなってきた。
あぁ、なんだか走馬灯まで見えてくるなぁ。
まだ死にたくないな…
考えてみるとまだまだやり残したことが私にはあったようだ。
けど、さすがにもう遅い。
息をすることも困難になり、体が言うことをきかなくなってきた。
こりゃ、もうおしまいだな。
私はそう思い、ゆっくりと瞼を閉じたのであった。
しばらくして。
「大丈夫ですか!?生きていますか!?」
消防士がきてくれたみたいだが、私はかなり意識がなかったので、その後のことは覚えていない。
………
さぁぁ。
私は爽やかな風に起こされて目を開けた。
とても青い世界。
あれ?確か私は火事によって倒れていたはず…
もしかして死んでしまったのかな…
最後の最後に消防士が来てくれたような気がするのだけれど…
助けてもらえなかったのかもしれない。
なんだかあっけなくて動きが起きないな…
しかし、なんかやけに体が鉛みたいに重いなあ…
なんか私の体じゃないみたいな…
私は自分の思い通りに動かない体をゆっくりと起こした。
そこには、辺り一面に草原が広がっている。
空には青い空と白い雲。
秋晴れのような清々しさがあり、とても気分はいいのだが…
やはり何かがおかしい。
「や、やっぱりなんで私ここにいるのっ?」
ようやく、状況が追いついてきた。
現状把握してみるとここは知らない場所なんだが、先ほどの声は誰の声だろうか。
聞き覚えのない声が私の近くから聞こえた気がするけどだれなんなのか。
ん?あれあれ。
もしかして、聞き覚えがないというか、なんというか。
私の声ってこんなに低くてしゃがれていたっけかな…
そして私は私の体の異変を目の当たりにしたのであった…
時刻は午前7時半。
やたらと人だかりもできているらしく、消防士も来ているらしい。
が。
私は今、身動きのできない状況に陥っていた。
私の周り全てが燃えている。
これはもう逃げることができない。
消防士の方もなかなか私のことが視界に入らないみたいで、水を別の場所にかけていた。
私は思いっきり助けを呼ぼうとしたのだが…
「たぁ……す…け……て……っ!!!」
うまく呼吸ができないため、声が出ない。
しばらく引きこもっていたせいか体力もない。
だんだんと意識も朦朧として来たので、私はもうこの先がないことを悟った。
「仕事を探してまたやり直そうと思っていたのに…こんな人生悲しすぎるよ…。せめて結婚したかったな…理想の男性と結婚して幸せな家庭も作れたら…どんなに良かったか…」
今になって悔しくなってきた。
あぁ、なんだか走馬灯まで見えてくるなぁ。
まだ死にたくないな…
考えてみるとまだまだやり残したことが私にはあったようだ。
けど、さすがにもう遅い。
息をすることも困難になり、体が言うことをきかなくなってきた。
こりゃ、もうおしまいだな。
私はそう思い、ゆっくりと瞼を閉じたのであった。
しばらくして。
「大丈夫ですか!?生きていますか!?」
消防士がきてくれたみたいだが、私はかなり意識がなかったので、その後のことは覚えていない。
………
さぁぁ。
私は爽やかな風に起こされて目を開けた。
とても青い世界。
あれ?確か私は火事によって倒れていたはず…
もしかして死んでしまったのかな…
最後の最後に消防士が来てくれたような気がするのだけれど…
助けてもらえなかったのかもしれない。
なんだかあっけなくて動きが起きないな…
しかし、なんかやけに体が鉛みたいに重いなあ…
なんか私の体じゃないみたいな…
私は自分の思い通りに動かない体をゆっくりと起こした。
そこには、辺り一面に草原が広がっている。
空には青い空と白い雲。
秋晴れのような清々しさがあり、とても気分はいいのだが…
やはり何かがおかしい。
「や、やっぱりなんで私ここにいるのっ?」
ようやく、状況が追いついてきた。
現状把握してみるとここは知らない場所なんだが、先ほどの声は誰の声だろうか。
聞き覚えのない声が私の近くから聞こえた気がするけどだれなんなのか。
ん?あれあれ。
もしかして、聞き覚えがないというか、なんというか。
私の声ってこんなに低くてしゃがれていたっけかな…
そして私は私の体の異変を目の当たりにしたのであった…
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