目に映った光景すべてを愛しく思えたのなら

大阪の下町で暮らす映子は小学四年生。
心を病んだ母と、どこか逃げてばかりいる父と三人で暮らしている。
そんな鬱屈とした日常のなか、映子は、子供たちの間でみどりばあさんと呼ばれ、妖怪か何かのように恐れられている老人と出会う。
怖いながらも怖いもの見たさにみどりばあさんに近づいた映子は、いつしか彼女と親しく言葉を交わすようになっていった―――。

けれどみどりばあさんには、映子に隠していることがあった――。
田んぼのはずれの小さな小屋で暮らすみどりばあさんの正体とは。

(第六回ライト文芸大賞奨励賞をいただきました)
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