96 / 104
新しいメモ帳
しおりを挟む
「私にはわからないかも。」
ちつさんはそう言って、音楽が流れる機械を取り出しつけた。
「ちょっと眠くなったから寝るねー。」
「うん、おやすみなさい。」
僕はメモ帳を取り出す。
いつもこれと一緒にあった。
そしてもう一つ。
シソウが最後に残したメモ帳。
あのときは結構省いたが、後々読み返したんだ。
シソウはこれを大事にしていた‥。
少し思い出してみよう‥。
創作の中に自らを知恵ある人と称し、詭弁をいう人達が居たらしい。
悪役として書かれることの多いそれらだが、シソウは理想の姿をいくつか持っているものだったと言ってる。
問題としてあったのは、一つの考えを真実としなければならないこと、そのためには必ず否定がある。
否定は創作学に於いては望ましくないこと。
もし、相手の考えも肯定できたら。
もし、その時、水、火、原子などすべての考えが万物の根源であると皆が平等に思えたのなら‥
きっと、平和な世界がそこにあったと思うんだ。
ある意味で、理想に近い存在であったと言えると思う。
ただ、物語の続きでは、そこに一人の人物が現れたという。
自分は知らないことを知っていると言ったそうだ。
その考えは彼らと対角にあった。
シソウの話によると、一般的に、その知らないことを知っているとの考えは重要らしい。
僕はその時、読みすすめてふと思った。
正解に対してよく使われるそうだが、逆に間違いにも言えることなんじゃないか‥。
そして、次のページを開いたとき、シソウも同じことを考えていた。
長く一緒に居るが、考えが外れることが多かったのでそれを見たとき少し嬉しかった。
ところで、メモ帳の中にはこの世の真実を知ったというものもある。
もちろん、これは、創作学がすべての考えを同時に許すという前提があり、違うものでもあっていい。
シソウの考えで言うとそうだ。
しかし、シソウはとてもそのことを、真実のように考えていたようだった。
僕はシソウのメモ帳に書いてあったことを、そのままふりかえって考えていた
────────
ちつさんはそう言って、音楽が流れる機械を取り出しつけた。
「ちょっと眠くなったから寝るねー。」
「うん、おやすみなさい。」
僕はメモ帳を取り出す。
いつもこれと一緒にあった。
そしてもう一つ。
シソウが最後に残したメモ帳。
あのときは結構省いたが、後々読み返したんだ。
シソウはこれを大事にしていた‥。
少し思い出してみよう‥。
創作の中に自らを知恵ある人と称し、詭弁をいう人達が居たらしい。
悪役として書かれることの多いそれらだが、シソウは理想の姿をいくつか持っているものだったと言ってる。
問題としてあったのは、一つの考えを真実としなければならないこと、そのためには必ず否定がある。
否定は創作学に於いては望ましくないこと。
もし、相手の考えも肯定できたら。
もし、その時、水、火、原子などすべての考えが万物の根源であると皆が平等に思えたのなら‥
きっと、平和な世界がそこにあったと思うんだ。
ある意味で、理想に近い存在であったと言えると思う。
ただ、物語の続きでは、そこに一人の人物が現れたという。
自分は知らないことを知っていると言ったそうだ。
その考えは彼らと対角にあった。
シソウの話によると、一般的に、その知らないことを知っているとの考えは重要らしい。
僕はその時、読みすすめてふと思った。
正解に対してよく使われるそうだが、逆に間違いにも言えることなんじゃないか‥。
そして、次のページを開いたとき、シソウも同じことを考えていた。
長く一緒に居るが、考えが外れることが多かったのでそれを見たとき少し嬉しかった。
ところで、メモ帳の中にはこの世の真実を知ったというものもある。
もちろん、これは、創作学がすべての考えを同時に許すという前提があり、違うものでもあっていい。
シソウの考えで言うとそうだ。
しかし、シソウはとてもそのことを、真実のように考えていたようだった。
僕はシソウのメモ帳に書いてあったことを、そのままふりかえって考えていた
────────
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
(完)愛人を作るのは当たり前でしょう?僕は家庭を壊したいわけじゃない。
青空一夏
恋愛
私は、デラックス公爵の次男だ。隣国の王家の血筋もこの国の王家の血筋も、入ったサラブレッドだ。
今は豪商の娘と結婚し、とても大事にされていた。
妻がめでたく懐妊したので、私は妻に言った。
「夜伽女を3人でいいから、用意してくれ!」妻は驚いて言った。「離婚したいのですね・・・・・・わかりました・・・」
え? なぜ、そうなる? そんな重い話じゃないよね?
【アルファポリスで稼ぐ】新社会人が1年間で会社を辞めるために収益UPを目指してみた。
紫蘭
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリスでの収益報告、どうやったら収益を上げられるのかの試行錯誤を日々アップします。
アルファポリスのインセンティブの仕組み。
ど素人がどの程度のポイントを貰えるのか。
どの新人賞に応募すればいいのか、各新人賞の詳細と傾向。
実際に新人賞に応募していくまでの過程。
春から新社会人。それなりに希望を持って入社式に向かったはずなのに、そうそうに向いてないことを自覚しました。学生時代から書くことが好きだったこともあり、いつでも仕事を辞められるように、まずはインセンティブのあるアルファポリスで小説とエッセイの投稿を始めて見ました。(そんなに甘いわけが無い)
モノ作りに没頭していたら、いつの間にかトッププレイヤーになっていた件
こばやん2号
ファンタジー
高校一年生の夏休み、既に宿題を終えた山田彰(やまだあきら)は、美人で巨乳な幼馴染の森杉保奈美(もりすぎほなみ)にとあるゲームを一緒にやらないかと誘われる。
だが、あるトラウマから彼女と一緒にゲームをすることを断った彰だったが、そのゲームが自分の好きなクラフト系のゲームであることに気付いた。
好きなジャンルのゲームという誘惑に勝てず、保奈美には内緒でゲームを始めてみると、あれよあれよという間にトッププレイヤーとして認知されてしまっていた。
これは、ずっと一人でプレイしてきたクラフト系ゲーマーが、多人数参加型のオンラインゲームに参加した結果どうなるのかと描いた無自覚系やらかしVRMMO物語である。
※更新頻度は不定期ですが、よければどうぞ
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
三男のVRMMO記
七草
ファンタジー
自由な世界が謳い文句のVRMMOがあった。
その名も、【Seek Freedom Online】
これは、武道家の三男でありながら武道および戦闘のセンスが欠けらも無い主人公が、テイムモンスターやプレイヤー、果てにはNPCにまで守られながら、なんとなく自由にゲームを楽しむ物語である。
※主人公は俺TUEEEEではありませんが、生産面で見ると比較的チートです。
※腐向けにはしませんが、主人公は基本愛されです。なお、作者がなんでもいける人間なので、それっぽい表現は混ざるかもしれません。
※基本はほのぼの系でのんびり系ですが、時々シリアス混じります。
※VRMMOの知識はほかの作品様やネットよりの物です。いつかやってみたい。
※お察しの通りご都合主義で進みます。
※世界チャット→SFO掲示板に名前を変えました。
この前コメントを下された方、返信内容と違うことしてすみません<(_ _)>
変えた理由は「スレ」のほかの言い方が見つからなかったからです。
内容に変更はないので、そのまま読んで頂いて大丈夫です。
俺の旅の連れは美人奴隷~俺だって異世界に来たのならハーレムを作ってみたい~
藤
ファンタジー
「やめてください」「積極的に行こうよ」「ご主人様ってそういう人だったんだ」様々な女の子とイチャイチャしながら異世界を旅して人生を楽しんでいこう。
ダンジョン配信 【人と関わるより1人でダンジョン探索してる方が好きなんです】ダンジョン生活10年目にして配信者になることになった男の話
天野 星屑
ファンタジー
突如地上に出現したダンジョン。中では現代兵器が使用できず、ダンジョンに踏み込んだ人々は、ダンジョンに初めて入ることで発現する魔法などのスキルと、剣や弓といった原始的な武器で、ダンジョンの環境とモンスターに立ち向かい、その奥底を目指すことになった。
その出現からはや10年。ダンジョン探索者という職業が出現し、ダンジョンは身近な異世界となり。ダンジョン内の様子を外に配信する配信者達によってダンジョンへの過度なおそれも減った現在。
ダンジョン内で生活し、10年間一度も地上に帰っていなかった男が、とある事件から配信者達と関わり、己もダンジョン内の様子を配信することを決意する。
10年間のダンジョン生活。世界の誰よりも豊富な知識と。世界の誰よりも長けた戦闘技術によってダンジョンの様子を明らかにする男は、配信を通して、やがて、世界に大きな動きを生み出していくのだった。
*本作は、ダンジョン籠もりによって強くなった男が、配信を通して地上の人たちや他の配信者達と関わっていくことと、ダンジョン内での世界の描写を主としています
*配信とは言いますが、序盤はいわゆるキャンプ配信とかブッシュクラフト、旅動画みたいな感じが多いです。のちのち他の配信者と本格的に関わっていくときに、一般的なコラボ配信などをします
*主人公と他の探索者(配信者含む)の差は、後者が1~4まで到達しているのに対して、前者は100を越えていることから推察ください。
*主人公はダンジョン引きこもりガチ勢なので、あまり地上に出たがっていません
引退した元生産職のトッププレイヤーが、また生産を始めるようです
こばやん2号
ファンタジー
とあるVRMMOで生産職最高峰の称号であるグランドマスター【神匠】を手に入れた七五三俊介(なごみしゅんすけ)は、やることはすべてやりつくしたと満足しそのまま引退する。
大学を卒業後、内定をもらっている会社から呼び出しがあり行ってみると「我が社で配信予定のVRMMOを、プレイヤー兼チェック係としてプレイしてくれないか?」と言われた。
生産職のトップまで上り詰めた男が、再び生産職でトップを目指す!
更新頻度は不定期です。
思いついた内容を書き殴っているだけの垂れ流しですのでその点をご理解ご了承いただければ幸いです。
※この小説は【アルファポリス】及び【小説家になろう】の同時配信で投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる