過去からの手紙

ケーキ

文字の大きさ
上 下
34 / 104

昔の友達

しおりを挟む
帰る最中のこと。

「ベーアさん、巻き込んでごめん‥。」

「ううん。大丈夫‥。二人で話すって言ってたから‥その時、家で待ってるね‥。」

「わかった。ありがとう。」

「ううん。いいの。」

「ところで、ユヴェさんだけど‥。」

「うん‥。」

「昔のこと、教えて欲しいの‥。」

「分かった。」


セーデくんと出会って間もない頃を思い出した。

「今日は紹介したい友達が居るんだ。」

後ろから彼が出てくる。

「よろしく。」

「こちらこそ、よろしく。」

「彼はユヴェくん。そして、こっちがエビくんって言うんだ。」

「ユヴェくんは僕と同じで、創作学に興味があって。」

「付き合いも結構長いんだ。」

仲良くなれそう。僕は心の中で思った。

「セーデくんから、話を聞いてたよ。」

「創作学がとても好きなんだよね。」

「うん。」

「どんなところが好きなの?」

「なんだろう、考えの自由を許してくれるってところかな‥。ユヴェくんは?」

「言葉で言い表すのは難しいかもしれない。」

その時はそういう捉え方もあるんだろうな‥

そう思った。

ただ、仲良くなれそう‥そうは思っても、関わる時間が少なかった。

創作学の授業の時、彼が居たのは最初だけ。

ずっと顔を出さなかった。

ある日、気になった時があって、セーデくんに聞いた。

すると彼は言う。

「彼も色々あるんだと思う。」

ただ、それだけを言ってた。

たまにすれ違って話すことはあったが、それ以上深まることはなかった。


「そうなんだ‥。」

悲しい声でベーアさんは頷く。

「セーデくんに紹介してもらったんだね‥?」

「うん。彼とは仲が良かったみたいだから。」

「今、どうしてるんだろうね‥。」

「分からない‥。無事であることを願うしか‥。」

「そうだよね‥。」

「でも、エビ、教えてくれてありがとう。」

「ユヴェくんって創作学に興味があったんでしょ‥?
もしかしたら、味方になってもらえるかも‥。」

「そうだったらいいね。ベーアさんありがとう。」

そうして話してるうちに、家に到着した。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜 

八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。 第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。 大和型三隻は沈没した……、と思われた。 だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。 大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。 祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。 ※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています! 面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※ ※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

性癖の館

正妻キドリ
ファンタジー
高校生の姉『美桜』と、小学生の妹『沙羅』は性癖の館へと迷い込んだ。そこは、ありとあらゆる性癖を持った者達が集う、変態達の集会所であった。露出狂、SMの女王様と奴隷、ケモナー、ネクロフィリア、ヴォラレフィリア…。色々な変態達が襲ってくるこの館から、姉妹は無事脱出できるのか!?

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

タイムワープ艦隊2024

山本 双六
SF
太平洋を横断する日本機動部隊。この日本があるのは、大東亜(太平洋)戦争に勝利したことである。そんな日本が勝った理由は、ある機動部隊が来たことであるらしい。人呼んで「神の機動部隊」である。 この世界では、太平洋戦争で日本が勝った世界戦で書いています。(毎回、太平洋戦争系が日本ばかり勝っ世界線ですいません)逆ファイナルカウントダウンと考えてもらえればいいかと思います。只今、続編も同時並行で書いています!お楽しみに!

ドレスを着たら…

奈落
SF
TSFの短い話です

処理中です...