思想学部

ケーキ

文字の大きさ
上 下
187 / 190
三年生

ノスタルジー‥?

しおりを挟む
私は寝ているときに考えた

何歳の頃だったろう‥。

私の住む近くの公園で、いつも決まった時間に、お話をきかせてくれる大人が居た。

沢山の子供達が集まって楽しそうに聞いてた。

通りすがった時、私は横目で見る。

毎日、飽きないよう、違う物語を話してる。

みんなより年齢高いからはいるのは恥ずかしいけど‥ちょっと気になるな。

私は毎日、そこを通りがかって、お話を少しみるのが日課になった。

でも、ある日、何故だかわからないけど、みんなと一緒にまじってた。

みんなは私を気にせず、お話がはじまるのを待ってる。

私もそこに集中してた。

そして、お話がはじまる。

─────────

むかしむかしあるところに、二人の女の子が居ました。

ここでは仮にヒユさんと、メニさんとおきましょう。

その二人はとても仲良しで、毎日のように、おはなしして暮らしていました。

だけど、走ったり、激しい運動をするような遊びはできませんでした。

なぜなら、ヒユさんは病気で、長くはないとお医者さんに言われていたからです。

だけど、その様子はみせず、いつもメニさんが話すとそれに笑顔で答えます。

メニさんはそれを見ると、とても胸が苦しくなりました。

そんなある日、ヒユさんがお話を聞かせてくれました。

「わたしたちの住むこの村にはね、伝説があるの。」

「どんなものなの?」

「普段、過ごしてたら、絶対に起こらないような不思議。それが何かはわからないんだけど‥。」

「そうなんだ。」

わたしには関係ないこと。メニさんはそう思ってすっかり忘れてしまいました。

またある日のこと、一人の男の子が村に住む人たちに何かを話していました。

「この村には伝説があるんだ。妖精や、色々な生き物が沢山住んでる。」

でも、誰にも相手にされません。

男の子は「本当なんだ。」と言いました。

「その不思議を全部体験した人は永遠に生きられる。」

メニさんはドキッとしました。

もしかしたら、ヒユちゃんも‥?

メニさんはそう思うと、次の日、ヒユさんを連れてでかけました。

「どこへ行くの?」

「不思議なところ。」

────────

私は真剣にその話を聞いてた。

話してる大人の人が真剣に話してたからかもしれない。

だけど、他にも何か‥

私の心の何処かで、そんな気がしてた。

───────

ヒユさんは目をさますと、周りにはメニさんは居ませんでした。

「分かっては居たけどね‥。だけど、また会えるよ。

今度は本当の永遠に。」

そうつぶやいたとき、誰かの声が聞こえてきます。

「誰だ!」

ヒユさんのもとに、その声の主の、男の子が近付いてきます。

「見ない顔。この辺の人じゃないね。」

男の子は不思議そうに、ヒユさんの顔を見ました。

「あなたも、伝説を?」

「うん、そうだよ。」

「じゃあ、二人で一緒に行こう。」

「うん。でも、他にも連れていきたいから、また違う時に行きたいな。」

「分かった。そうしよう。」

その時、ヒユさんは思ったのです。

ようやく‥二人の永遠がおとずれるって。

────────

ここまで話を聞いて、私は思った。

この話、何処かで聞いたことがある。

何処でだっけ‥?

思い出せない。

私は何か‥と、周りの、物語に集中して聞いてる子達を見た。

その中に、一人の女の子がいて、その子がとても気になった。

なんでだろう‥。他にも女の子は数人居る。

なんでこの子が気になるんだろう‥。

私は口が小さく開いてた。

そして、おもわず、「懐かしい‥。」とつぶやく。

それから、私はわれにかえって、物語にもう一度集中した。

────────

ようやくヒユさんはメニさんと会えた。

そして笑顔で言う。

「もう気にするものは何もないね。あの時みたいに、沢山お話しよう。」

「うん。」

そして、二人は永遠の時間を楽しく過ごしたのでした。

 
そこで話は終わった。

途中、違うことに集中して、話を全部聞けてない。

でも、なんでだろう‥?

この気持ち‥。

そんなときに、さっきの気になってた女の子が話しかけてくる。

「お姉ちゃん、お話の最中、私の方見てた?」

「うん‥。なんでだろう‥。あなたのこと、懐かしいって感じたの。」

「そうなんだ。」

女の子は微笑む。

「ところで、お姉ちゃん。」

「なに?」

「会いたい人って‥居る?」

「うん‥いるかも。」

「そう。絶対会えるよ!さっきの物語みたいに。」

丁度、その時、目覚ましがなった。

いつの間にか朝になってたらしい。

いつの間にか寝てしまったのか、昔起こってたことで、考えて寝てなかったのか‥。

ぼんやりとして分からなかった。

あの感覚は本当だったのか、それとも嘘だったのか‥。

分からなかった───────
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ドレスを着たら…

奈落
SF
TSFの短い話です

天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜 

八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。 第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。 大和型三隻は沈没した……、と思われた。 だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。 大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。 祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。 ※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています! 面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※ ※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※

[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件

森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。 学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。 そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊

北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。

エラーから始まる異世界生活

KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。 本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。 高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。 冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。 その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。 某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。 実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。 勇者として活躍するのかしないのか? 能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。 多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。 初めての作品にお付き合い下さい。

【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜

墨笑
ファンタジー
『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。 主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。 異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……? 召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。 明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。

タイムワープ艦隊2024

山本 双六
SF
太平洋を横断する日本機動部隊。この日本があるのは、大東亜(太平洋)戦争に勝利したことである。そんな日本が勝った理由は、ある機動部隊が来たことであるらしい。人呼んで「神の機動部隊」である。 この世界では、太平洋戦争で日本が勝った世界戦で書いています。(毎回、太平洋戦争系が日本ばかり勝っ世界線ですいません)逆ファイナルカウントダウンと考えてもらえればいいかと思います。只今、続編も同時並行で書いています!お楽しみに!

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

処理中です...