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三年生
試合Ⅰ②
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相手の部活の人同士で話していた。
「酢田くん大丈夫なの?」
「大丈夫だよ。順番でしょ。」
「でも…君…!」
「じゃあ、かわりに、味素くんが出る?僕はそれでもいいんだけど。」
「そういえば、前回も負けちゃったから、味素くんだけ出てないよね。」
「もし、酢田くんが出たいのなら…僕は君に譲るよ。」
「じゃあ、出たい訳じゃないけど出るよ。」
酢田という人がそういった事で、出るのはそのままになった。
「待たせて悪かったね。」
「ぼくは大丈夫。好きなだけ時間を使って欲しい。」
「そうかい。じゃあ、早速はじめよう。」
「うん、分かった!」
すすむくんは頷く。
それから、酢田さんが言った。
「僕の考えはすっぱいものが素晴らしいこと。人生も同じでね。」
「なるほど。」
「うん。次は君の考えを聞かせて欲しい。」
「僕は…。君の考えを肯定したい。」
「肯定する?」
「うん。とりあえず、すっぱいものについて説明して欲しい。その後話すから。」
「分かった。」
「すっぱいものって言うのは素晴らしい。」
そう酢田語っていく。しかし、頭の中に、昔の出来事が浮かんでいた。
そう、あれは去年の1回戦。
佐藤さんが休んで、6人目が5番目に加わり、僕は2番目に出ることになった。
最初に出た塩野くんは言う。
「強かった…。しょっぱい結果になったよ。」
「次は僕が頑張るから!」
そう言って、いつも通り、飲み物を飲んで準備万端で行った…
しかし…。
相手のとらという男。自分の考えに、強い自信を持っている。
僕は劣勢にたたされた。
このままじゃ、僕も負けと言うしかなくなる…。
そう思って最終手段、自分のすっぱいものへの愛を伝えることにした。
「僕はすっぱいものを愛している。」
「だから、水筒の中には、自分でレモンを絞ったものだけを使ったジュースが入ってる!」
「レモン?
君は酢が好きだったんじゃないのか。何故、レモンなんだ?」
その言葉に戦意喪失した。
「僕の負けです…。」
本当はレモンでなく、酢を水筒にいれて飲みたいと思ってる…。
だけど、親にとめられるんだ…。
そこから、僕は悲しい気持ちで過ごしてた。
今日、この日まで
すすむは言った
「君の考え、いいと思うよ。」
「?」
「僕の考えを言う。人の考えをできる限り肯定すること。」
「何故、そんなことを?」
「僕がしたいと思うからだよ。」
「君の考え、そのことについて深く思ってるんだって…少し伝わった気がするから…。
僕は君の考えを肯定したい」
「誰でもいいんでしょ。」
「そうかもしれない。だけど、君の考えを、肯定したいと思ったんだ。」
「じゃあ、すっぱいものが好きだから…レモンの飲み物を水筒にいれてるとかは?」
「いいと思うよ。それだけ自分の考えや、すっぱいものに対して気持ちがあるってことだと思うから。」
「酢じゃない…。大好きって言っておきながら、違うものを飲んでるんだ。」
「それでもいいじゃないか。」
彼は付和雷同なのか…?
心の中でそう思う。しかし、彼は僕の話をちゃんと聞いて、更に答えてくれた────────
「1回戦目勝った!」
僕はすすむくんをむかえる。
「そうだね。色々な考えの人が居て…やっぱりこういうのがあっていいなって思った」
「確かに、人がみる世界はそれぞれ違うんだって改めて思う。」
料悠高校では、酢田が暗くみんなの元へ戻った。
「ごめん。また負けちゃった。」
「しょっぱいこと言うなよ。俺も負けたんだ。」
「私も負けてしまいました…。」
瀬宇は言った。
「そんなに落ち込まないで…。私の水筒の醤油飲む?」
味素は驚く。
「凄いものいれてるね。」
「本当は麦茶だけど。」
「あはは。まぁ、色々あると思うけど、みんな頑張ったと思うんだ。」
「一緒に試合に出てくれてありがとう。みんなの考え、僕好きなんだ。」
「ありがとう。」
「君たちと出られて良かったと思ってる。」
───────
「次の試合、どことだろう?」
僕はトーナメント表をみた。
すると、次に当たりそうなのは、どちらも知らない学校。
また新しい考え方が知れるかもしれない。
心の中でそう思った。
そういえば、トーナメントでは、やっぱり去年と同じでリベシン高校とは決勝まであたらないようになってる。
彼らはどうしてるんだろう?
部長は言った。
「いいスタートをきれたな。」
「これなら、3-0で全部勝てるんじゃないですか?」
すいぞうは笑いながら言う。
「確かにここにいる全員、信頼してる。しかし、油断は禁物だ。」
そして、部長は元気の無さそうな副部長の顔を見る。
「大丈夫か?」
「あ…!はい!」
「ごめんなさい、順番後にして欲しいって言って…」
「いや、大丈夫だ。無理な時は仕方ない。」
「部長…優しいです。」
「ありがとう。」
そして、部長はみんなの方を向く。
「次の試合に行こう。」
───────
「酢田くん大丈夫なの?」
「大丈夫だよ。順番でしょ。」
「でも…君…!」
「じゃあ、かわりに、味素くんが出る?僕はそれでもいいんだけど。」
「そういえば、前回も負けちゃったから、味素くんだけ出てないよね。」
「もし、酢田くんが出たいのなら…僕は君に譲るよ。」
「じゃあ、出たい訳じゃないけど出るよ。」
酢田という人がそういった事で、出るのはそのままになった。
「待たせて悪かったね。」
「ぼくは大丈夫。好きなだけ時間を使って欲しい。」
「そうかい。じゃあ、早速はじめよう。」
「うん、分かった!」
すすむくんは頷く。
それから、酢田さんが言った。
「僕の考えはすっぱいものが素晴らしいこと。人生も同じでね。」
「なるほど。」
「うん。次は君の考えを聞かせて欲しい。」
「僕は…。君の考えを肯定したい。」
「肯定する?」
「うん。とりあえず、すっぱいものについて説明して欲しい。その後話すから。」
「分かった。」
「すっぱいものって言うのは素晴らしい。」
そう酢田語っていく。しかし、頭の中に、昔の出来事が浮かんでいた。
そう、あれは去年の1回戦。
佐藤さんが休んで、6人目が5番目に加わり、僕は2番目に出ることになった。
最初に出た塩野くんは言う。
「強かった…。しょっぱい結果になったよ。」
「次は僕が頑張るから!」
そう言って、いつも通り、飲み物を飲んで準備万端で行った…
しかし…。
相手のとらという男。自分の考えに、強い自信を持っている。
僕は劣勢にたたされた。
このままじゃ、僕も負けと言うしかなくなる…。
そう思って最終手段、自分のすっぱいものへの愛を伝えることにした。
「僕はすっぱいものを愛している。」
「だから、水筒の中には、自分でレモンを絞ったものだけを使ったジュースが入ってる!」
「レモン?
君は酢が好きだったんじゃないのか。何故、レモンなんだ?」
その言葉に戦意喪失した。
「僕の負けです…。」
本当はレモンでなく、酢を水筒にいれて飲みたいと思ってる…。
だけど、親にとめられるんだ…。
そこから、僕は悲しい気持ちで過ごしてた。
今日、この日まで
すすむは言った
「君の考え、いいと思うよ。」
「?」
「僕の考えを言う。人の考えをできる限り肯定すること。」
「何故、そんなことを?」
「僕がしたいと思うからだよ。」
「君の考え、そのことについて深く思ってるんだって…少し伝わった気がするから…。
僕は君の考えを肯定したい」
「誰でもいいんでしょ。」
「そうかもしれない。だけど、君の考えを、肯定したいと思ったんだ。」
「じゃあ、すっぱいものが好きだから…レモンの飲み物を水筒にいれてるとかは?」
「いいと思うよ。それだけ自分の考えや、すっぱいものに対して気持ちがあるってことだと思うから。」
「酢じゃない…。大好きって言っておきながら、違うものを飲んでるんだ。」
「それでもいいじゃないか。」
彼は付和雷同なのか…?
心の中でそう思う。しかし、彼は僕の話をちゃんと聞いて、更に答えてくれた────────
「1回戦目勝った!」
僕はすすむくんをむかえる。
「そうだね。色々な考えの人が居て…やっぱりこういうのがあっていいなって思った」
「確かに、人がみる世界はそれぞれ違うんだって改めて思う。」
料悠高校では、酢田が暗くみんなの元へ戻った。
「ごめん。また負けちゃった。」
「しょっぱいこと言うなよ。俺も負けたんだ。」
「私も負けてしまいました…。」
瀬宇は言った。
「そんなに落ち込まないで…。私の水筒の醤油飲む?」
味素は驚く。
「凄いものいれてるね。」
「本当は麦茶だけど。」
「あはは。まぁ、色々あると思うけど、みんな頑張ったと思うんだ。」
「一緒に試合に出てくれてありがとう。みんなの考え、僕好きなんだ。」
「ありがとう。」
「君たちと出られて良かったと思ってる。」
───────
「次の試合、どことだろう?」
僕はトーナメント表をみた。
すると、次に当たりそうなのは、どちらも知らない学校。
また新しい考え方が知れるかもしれない。
心の中でそう思った。
そういえば、トーナメントでは、やっぱり去年と同じでリベシン高校とは決勝まであたらないようになってる。
彼らはどうしてるんだろう?
部長は言った。
「いいスタートをきれたな。」
「これなら、3-0で全部勝てるんじゃないですか?」
すいぞうは笑いながら言う。
「確かにここにいる全員、信頼してる。しかし、油断は禁物だ。」
そして、部長は元気の無さそうな副部長の顔を見る。
「大丈夫か?」
「あ…!はい!」
「ごめんなさい、順番後にして欲しいって言って…」
「いや、大丈夫だ。無理な時は仕方ない。」
「部長…優しいです。」
「ありがとう。」
そして、部長はみんなの方を向く。
「次の試合に行こう。」
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