74 / 190
一年生
条件
しおりを挟む
冬休みがあけた。
とても自由だったあの時間もいつの間にか過ぎた。
だが、夏休みあけの頃のような苦しみや、悩みはもうない。
冬休みの頃、あることを考えたからだ。
宿題などの合間に、休んだり散歩しながら物語を浮かべていた。
とても楽しい世界。なんて自由で素晴らしいんだろう。
そう思っていた。しかし、未来のことを考えると不安だ。
いつボロが出てしまうか分からない。
これまで長い期間、抑え込んできたが、あともう少しのところで…となってしまうかもしれない。
そう思うと怖かった。
しかし、そういえば、自分はいつから物語を好きになったのだろう?
すると、おじいちゃんの姿が浮かんできた。
おじいちゃんはいつも色々な言葉を教えてくれたり、旅をして集めた創作を僕に見せてくれた。
あれからだ…。ハマったのは。色々な世界に飛びまわる。
小さい子供心にそれは、とても楽しい世界。
僕は新しいものを求め続けた。
そして、いつの間にか、自分でもうみだそうと思っていた。
そこから今に至る…。
作ってもまだ、創作は見続けていたが、禁止が出てから、燃やされたり、捨てるように言われたりでもう1年近く見ていない。
あるのは僕の頭の中にある創作だけ。
日記はつけていたが、そこに自分の考えてる創作を書けないことがもどかしい。
宿題にうつれば、この創作とはしばしの間、おさらばしなければいけない。
いつの間にか、忘れてしまってる創作もあった。
うまれた1つの物語なのに、少し考えられていただけで消えてしまうのは悲しいことだ…。
僕はそうして悲しい気持ちになる。
こんな風に、いつも勉強に取りかかるのが怖かった。
すると、ふと、昔みた創作が浮かんできた。
それは、ある国の物語。
そのせかいでは、様々な言語があって、色々な国がある。
多くの言語は少しの違いはあれど、変わらない規則を持っていた。
しかし、ある国では、それとは異なった規則で並ぶ。
他の言語を学ぶとなると、とても苦労する。
それについて、義務化するかの話も出ていた。
子供の頃から、慣れ親しんでいれば、違う結果にもなるかもしれない。
しかし、本当にそれでいいのか…?
強く思った。
その国の学問では、多くが今までをおざなりにし、他の国に頼りきっているようにしか思えなかったのだ。
しかし、過去に、こんなあやまちをおかしたという。
自分の国の言語を他の国に子供の頃から教えさせていたと。
創作の中では、こんな言葉がある。自業自得と。
悪いことは自分にかえってくる。そんな言葉らしい。
しかし、子供に罪はない。
無理して覚える必要はなく、できる人、やりたい人に任せればいいじゃないか。
みんなが同じことをしても、結局、覚える価値が無くなってしまうことだってあるんだ。
つまり、僕は、無理して創作を辞めようとしない。
向いてないことはしない。
僕は自分の気持ちに正直であろうと思う。
できないことをするよりも、自分を偽るよりも、順応してみせる。
───────
学校がはじまってある時のことだった。
先生が僕の前にやってくる。
「最近は言わなくなったようだが、ルールはルールだ。守らなくてはいけない。」
そう言って、僕に条件を出した。
「留学するらしいな。だが、それには条件がある。」
「条件?」
その言葉に驚いた。4月になれば行けると思っていたから。
「次のテストで全部80点以上とること。それができなければ、私がかわりに行く。」
僕のテストの点、それは平均点に近かったり、80点にはおよばない。
だが、不思議と落ち着いていた。
「分かりました」
僕は真剣な顔で、先生の目を見る。
その様子に戸惑いながらも「自由に見れるあの場所で、創作にうつつをぬかすとも分からないからな。」
「もし、その点数が取れたら認めよう。」と言った。
「ありがとうございます。」
僕のすることは変わらない。創作は僕にとってたいせつなもの。
その時、沢山創作に触れていたあの頃の純粋な自分の姿が頭の中に浮かんでいた──────
とても自由だったあの時間もいつの間にか過ぎた。
だが、夏休みあけの頃のような苦しみや、悩みはもうない。
冬休みの頃、あることを考えたからだ。
宿題などの合間に、休んだり散歩しながら物語を浮かべていた。
とても楽しい世界。なんて自由で素晴らしいんだろう。
そう思っていた。しかし、未来のことを考えると不安だ。
いつボロが出てしまうか分からない。
これまで長い期間、抑え込んできたが、あともう少しのところで…となってしまうかもしれない。
そう思うと怖かった。
しかし、そういえば、自分はいつから物語を好きになったのだろう?
すると、おじいちゃんの姿が浮かんできた。
おじいちゃんはいつも色々な言葉を教えてくれたり、旅をして集めた創作を僕に見せてくれた。
あれからだ…。ハマったのは。色々な世界に飛びまわる。
小さい子供心にそれは、とても楽しい世界。
僕は新しいものを求め続けた。
そして、いつの間にか、自分でもうみだそうと思っていた。
そこから今に至る…。
作ってもまだ、創作は見続けていたが、禁止が出てから、燃やされたり、捨てるように言われたりでもう1年近く見ていない。
あるのは僕の頭の中にある創作だけ。
日記はつけていたが、そこに自分の考えてる創作を書けないことがもどかしい。
宿題にうつれば、この創作とはしばしの間、おさらばしなければいけない。
いつの間にか、忘れてしまってる創作もあった。
うまれた1つの物語なのに、少し考えられていただけで消えてしまうのは悲しいことだ…。
僕はそうして悲しい気持ちになる。
こんな風に、いつも勉強に取りかかるのが怖かった。
すると、ふと、昔みた創作が浮かんできた。
それは、ある国の物語。
そのせかいでは、様々な言語があって、色々な国がある。
多くの言語は少しの違いはあれど、変わらない規則を持っていた。
しかし、ある国では、それとは異なった規則で並ぶ。
他の言語を学ぶとなると、とても苦労する。
それについて、義務化するかの話も出ていた。
子供の頃から、慣れ親しんでいれば、違う結果にもなるかもしれない。
しかし、本当にそれでいいのか…?
強く思った。
その国の学問では、多くが今までをおざなりにし、他の国に頼りきっているようにしか思えなかったのだ。
しかし、過去に、こんなあやまちをおかしたという。
自分の国の言語を他の国に子供の頃から教えさせていたと。
創作の中では、こんな言葉がある。自業自得と。
悪いことは自分にかえってくる。そんな言葉らしい。
しかし、子供に罪はない。
無理して覚える必要はなく、できる人、やりたい人に任せればいいじゃないか。
みんなが同じことをしても、結局、覚える価値が無くなってしまうことだってあるんだ。
つまり、僕は、無理して創作を辞めようとしない。
向いてないことはしない。
僕は自分の気持ちに正直であろうと思う。
できないことをするよりも、自分を偽るよりも、順応してみせる。
───────
学校がはじまってある時のことだった。
先生が僕の前にやってくる。
「最近は言わなくなったようだが、ルールはルールだ。守らなくてはいけない。」
そう言って、僕に条件を出した。
「留学するらしいな。だが、それには条件がある。」
「条件?」
その言葉に驚いた。4月になれば行けると思っていたから。
「次のテストで全部80点以上とること。それができなければ、私がかわりに行く。」
僕のテストの点、それは平均点に近かったり、80点にはおよばない。
だが、不思議と落ち着いていた。
「分かりました」
僕は真剣な顔で、先生の目を見る。
その様子に戸惑いながらも「自由に見れるあの場所で、創作にうつつをぬかすとも分からないからな。」
「もし、その点数が取れたら認めよう。」と言った。
「ありがとうございます。」
僕のすることは変わらない。創作は僕にとってたいせつなもの。
その時、沢山創作に触れていたあの頃の純粋な自分の姿が頭の中に浮かんでいた──────
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
ずっと女の子になりたかった 男の娘の私
ムーワ
BL
幼少期からどことなく男の服装をして学校に通っているのに違和感を感じていた主人公のヒデキ。
ヒデキは同級生の女の子が履いているスカートが自分でも履きたくて仕方がなかったが、母親はいつもズボンばかりでスカートは買ってくれなかった。
そんなヒデキの幼少期から大人になるまでの成長を描いたLGBT(ジェンダーレス作品)です。
エラーから始まる異世界生活
KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。
本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。
高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。
冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。
その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。
某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。
実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。
勇者として活躍するのかしないのか?
能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。
多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。
初めての作品にお付き合い下さい。
女神から貰えるはずのチート能力をクラスメートに奪われ、原生林みたいなところに飛ばされたけどゲームキャラの能力が使えるので問題ありません
青山 有
ファンタジー
強引に言い寄る男から片思いの幼馴染を守ろうとした瞬間、教室に魔法陣が突如現れクラスごと異世界へ。
だが主人公と幼馴染、友人の三人は、女神から貰えるはずの希少スキルを他の生徒に奪われてしまう。さらに、一緒に召喚されたはずの生徒とは別の場所に弾かれてしまった。
女神から貰えるはずのチート能力は奪われ、弾かれた先は未開の原生林。
途方に暮れる主人公たち。
だが、たった一つの救いがあった。
三人は開発中のファンタジーRPGのキャラクターの能力を引き継いでいたのだ。
右も左も分からない異世界で途方に暮れる主人公たちが出会ったのは悩める大司教。
圧倒的な能力を持ちながら寄る辺なき主人公と、教会内部の勢力争いに勝利するためにも優秀な部下を必要としている大司教。
双方の利害が一致した。
※他サイトで投稿した作品を加筆修正して投稿しております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる