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一年生
部活と先生
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4月が過ぎ、5月がやってきた。
「5月になったね」
僕はクラスの窓から空を見つめて言った。
「そうだね。」
すすむくんは、そっとそれに答える。
「ちょっと待って!」
僕は机を叩いて立ち上がった。
「どうしたの?」
すすむくんは僕の方を見上げる。
「もう5月になったけど、未だに部活として認められてない…!」
すると、すすむくんは「焦る必要はないよ。ゆっくりやろう」と悠然とかまえる。
「でも、今まで結構色々やろうとしてきたけど、上手くいかなかったじゃないか」
それに、すすむくんは立ち上がって言う。
「大丈夫!僕に考えがあるから!」
それに呆れてしまった。
「また根拠のない自信…。」
「うん、そうさ!」僕のそれに、すすむくんは笑っていた。
こうして、休み時間でも活動してるくらい活発なのに、部として認められてない…。
僕はそっと、考えるのをやめて、すすむくんのことを思い出していた
すすむくん、初めてであった頃もそうだった
──────
受験時、僕は勉強よりも、周りに気を配る。
人間関係、それこそが、学校生活を送っていく上で、とても重要なもの。
大体把握した後は、メモにそれを書き連ねていく。
大体の人は、中学校の時の友達を通じて、どんな人か知っていった。
実は、中学の時は、運動部だったのだ。
部活は全く上手くいかなかったが、知り合いは沢山できる。
そこで、彼に突き当たった。
彼は全く周りからの印象が良くなく、どんな人かもつかめない。
しかし、変わった人であることだけは確かに分かった───────
そうして、入学式がやってきた。
大体の人は把握していたため、万全の状態でのぞんだ。
しかし…
入学生代表の言葉の時、驚いたことが起こる。
すすむくんが立ち上がって言った。
「僕の高校生活、それは理想の未来を実現させるための夢!
みんなこれからよろしく」
代表の人が立つ前に、全くそれとは関係の無い彼が言ったのだ。
なんだか、それを見ているこっちも恥ずかしくなってしまった。
他の人も少し驚いた様子を見せ、僕は心の中で強く思う。
彼と関わったら、普通の学校生活が確実に送れない…と。
──────
そうして、今、僕はすすむくんと関わっている。
気がつくと、すすむくんはもう居ず、1時間目が始まる時間になっていた。
今日の1時間目は数学の授業だ。
数学の先生は少し変わっている。
というのも、勉強に対し、全く公式とは違うものを肯定する。
そんな授業を展開するのだった。
今ある公式は、今まで、最善だとされているものに過ぎず、これから新しく見つかっていくかもしれない。
だからこそ、挑戦をしよう。と。
新しい発見をした人には、批評的な見方をしながらも、既存かどうかに囚われず、見つけたことに対し、とても大きな励ましをする。
それが、人を奮い立たせた。
勉強自体も、関わりの深そうなものとあわせたり、とっつきやすくしていた。
──────
授業が終わると、先生は僕の方にやってくる。
「君の部活のすすむくん、とても面白い人ですね。」
「はい!」
先生は、変わった人が好きだ。
すすむくんに目をつけている。
───────
そして、放課後。
いつもの通り、みんなでひとつの場所に集まった。
5月になったものの、今まで何もして来なかった訳では無い。
行動しようとしたが、偏見という制限が邪魔した。
行動に対し、何をするのかと警戒されてしまったのだ。
これがある限り、どうしようもないのか…
そう思っていると、すすむくんが切り出した。
「1人は無理でも、他の部活単位で、交流を持つこと。そうすればきっと、大丈夫。」
彼は明るくそう言った。
希望は全く失っていない。
彼のその様子になんだか救われた。
「どうするの?」
おとねさんが、あごに手をあてて言う。
「部活として困っていること、皆が欲しいと思っているものを見つける」
「友達を増やすってこと?」
「そんな感じかもしれない。」
すすむくんは頷いた。
「相手を知り自分を知ること…」
僕はそう言って立ち上がる。
「知ること、それは僕に任せて欲しいんだ。」
思わず、言ってしまった。
けれども、今、僕は僕のできることをしたい。
心の中でそう落ち着かせる。
「じゃあ、頼めるかな?」
すすむくんは僕の方を見て笑った
「うん。任せて欲しい!」
そうして思った。
もう、自分の目標とした、普通になれないかもしれない。
だけど、少ない間だけど、関わって思った。
彼の考える世界、それを実現してみたい。
僕はそう思った
───────
「5月になったね」
僕はクラスの窓から空を見つめて言った。
「そうだね。」
すすむくんは、そっとそれに答える。
「ちょっと待って!」
僕は机を叩いて立ち上がった。
「どうしたの?」
すすむくんは僕の方を見上げる。
「もう5月になったけど、未だに部活として認められてない…!」
すると、すすむくんは「焦る必要はないよ。ゆっくりやろう」と悠然とかまえる。
「でも、今まで結構色々やろうとしてきたけど、上手くいかなかったじゃないか」
それに、すすむくんは立ち上がって言う。
「大丈夫!僕に考えがあるから!」
それに呆れてしまった。
「また根拠のない自信…。」
「うん、そうさ!」僕のそれに、すすむくんは笑っていた。
こうして、休み時間でも活動してるくらい活発なのに、部として認められてない…。
僕はそっと、考えるのをやめて、すすむくんのことを思い出していた
すすむくん、初めてであった頃もそうだった
──────
受験時、僕は勉強よりも、周りに気を配る。
人間関係、それこそが、学校生活を送っていく上で、とても重要なもの。
大体把握した後は、メモにそれを書き連ねていく。
大体の人は、中学校の時の友達を通じて、どんな人か知っていった。
実は、中学の時は、運動部だったのだ。
部活は全く上手くいかなかったが、知り合いは沢山できる。
そこで、彼に突き当たった。
彼は全く周りからの印象が良くなく、どんな人かもつかめない。
しかし、変わった人であることだけは確かに分かった───────
そうして、入学式がやってきた。
大体の人は把握していたため、万全の状態でのぞんだ。
しかし…
入学生代表の言葉の時、驚いたことが起こる。
すすむくんが立ち上がって言った。
「僕の高校生活、それは理想の未来を実現させるための夢!
みんなこれからよろしく」
代表の人が立つ前に、全くそれとは関係の無い彼が言ったのだ。
なんだか、それを見ているこっちも恥ずかしくなってしまった。
他の人も少し驚いた様子を見せ、僕は心の中で強く思う。
彼と関わったら、普通の学校生活が確実に送れない…と。
──────
そうして、今、僕はすすむくんと関わっている。
気がつくと、すすむくんはもう居ず、1時間目が始まる時間になっていた。
今日の1時間目は数学の授業だ。
数学の先生は少し変わっている。
というのも、勉強に対し、全く公式とは違うものを肯定する。
そんな授業を展開するのだった。
今ある公式は、今まで、最善だとされているものに過ぎず、これから新しく見つかっていくかもしれない。
だからこそ、挑戦をしよう。と。
新しい発見をした人には、批評的な見方をしながらも、既存かどうかに囚われず、見つけたことに対し、とても大きな励ましをする。
それが、人を奮い立たせた。
勉強自体も、関わりの深そうなものとあわせたり、とっつきやすくしていた。
──────
授業が終わると、先生は僕の方にやってくる。
「君の部活のすすむくん、とても面白い人ですね。」
「はい!」
先生は、変わった人が好きだ。
すすむくんに目をつけている。
───────
そして、放課後。
いつもの通り、みんなでひとつの場所に集まった。
5月になったものの、今まで何もして来なかった訳では無い。
行動しようとしたが、偏見という制限が邪魔した。
行動に対し、何をするのかと警戒されてしまったのだ。
これがある限り、どうしようもないのか…
そう思っていると、すすむくんが切り出した。
「1人は無理でも、他の部活単位で、交流を持つこと。そうすればきっと、大丈夫。」
彼は明るくそう言った。
希望は全く失っていない。
彼のその様子になんだか救われた。
「どうするの?」
おとねさんが、あごに手をあてて言う。
「部活として困っていること、皆が欲しいと思っているものを見つける」
「友達を増やすってこと?」
「そんな感じかもしれない。」
すすむくんは頷いた。
「相手を知り自分を知ること…」
僕はそう言って立ち上がる。
「知ること、それは僕に任せて欲しいんだ。」
思わず、言ってしまった。
けれども、今、僕は僕のできることをしたい。
心の中でそう落ち着かせる。
「じゃあ、頼めるかな?」
すすむくんは僕の方を見て笑った
「うん。任せて欲しい!」
そうして思った。
もう、自分の目標とした、普通になれないかもしれない。
だけど、少ない間だけど、関わって思った。
彼の考える世界、それを実現してみたい。
僕はそう思った
───────
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