40 / 77
過去③
しおりを挟む
それから、希望くんや、ゆういちくんに、集多さん達が関わることは少なくなったの。
でも、それがきっかけで、そんなに多くは2人に関われなくなった。
その事について、希望くんが私に言ったの
「最近、れんかちゃん、よく集多と関わってるね!
あいつもいいやつだ。だけど、ゆういちのこと嫌いにならないでやって。」
彼の一言が、私の心の中に残った。
それから何事もなく、時は過ぎていったの。
でも、高校生の時のことだった。
私はその時、絶望したの…。
大切な人を失ってしまったから。
私は彼が倒れてるところを発見したの。
「何があったの…?」
私は冷静さを失って、彼の頭を抱えあげた。
すると、小さな声で言ったの…。
「ゆういちをたのむ…」って。
こんな時まで、彼のことを気にかけるなんて…って思った。
その後、彼は救急車で運ばれたけれど、助からなかった。
誰かにナイフで刺されてしまったみたい…。
結局、犯人は分からなかったけど、集多教で1人捕まった人がでたから、その人だと思った。
けれども、集多さんは、私に何度も言ったの。
彼を襲ったのは、ゆういちくんだって。
最初は信じていなかったけれど、段々、集多さんの言ってることが本当に感じられて、いつの間にか、私の中では、彼が犯人のように…。
その時はいつも、彼の言葉が浮かんできたの。ゆういちを頼む…と、嫌いにならないでって。
もしかしたら、ゆういちを頼むって言うのは、犯人だからって思ったこともあった。
だけど、彼は優しいから…。
そう思って、分からずじまいだった。
それから少しずつ、彼のことを本に書いたり、情報を集多さんに渡したの。
─────────
私と加木くん2人だけの空間になった。
「本多ちゃんの方からって珍しい。」
加木くんは、そう言って、私に何の用かとたずねてきた。
「さぁ、分からないわ。もしかしたら、昔の話をしたくなったのかもね。」
私はそう言って、窓の外をみる。
空は雲で覆われていた。
「今まで沢山勝負したな。」
「そうね。あの頃はまさか、200回も勝負するとは思わなかった。あなたの執念凄いわよね。」
そう言って私はクスッと笑った。
私たちは、あの事件があってから、下の名前で呼ばなくなったのよね…。
ふとそれが浮かんだ。
「あの時の事件、あなたが犯人?」
私は思わずそう聞くと、彼は何も言わなかった。
「なんで何も言わないの…?」
「俺は、本多ちゃんの考えに任せる。そう考えているから…。」
「そう…あなたっていつもそう…。」
私はそう言って、話すのを辞めた。
沈黙が流れて、今度は、勝負の話をする。
「次は200勝になるのね。
きっと、そこまでになったのは、あなたの考えが足を引っ張ってると思うの。」
「間違いなんてない世界なんて、考えるの辞めたらどうなの…?あなたのことだから、テストで悪い点をとったから…それで…」
自分で破ったあのページが何度も何度も頭に浮かんだ。
あの日、悲しさのあまり、日記を消してしまおうと思った。けれども、上手く行かず、あのページだけ…。
何が書いてあったのか、もう覚えてなかったけれど、彼に負けたあの時の勝負が、ふと蘇ってきたの。
思い出す度に、何故かズキズキと頭が傷んで阻まれていたそれが
────────
最近、ゆういちくんとの勝負で勝ちが増えてきてます。
私はとても嬉しかったです。
「着ぐるみじゃない羊人間は居るよ~」とゆういちくんは言いますが、結局見つかりません。
「私の勝ちね!」
そう言って、鼻を高くして喜びます。
そして、ある日、彼は、「川で宝石をみた」と言いました。
けれども、そんなことある訳がないと言うとまた勝負がはじまります。
ゆういちくんが行く方に、ついて行く途中、日が暮れました。
「どこへ行くの…?遅くなると、お母さんが心配するよ」
しかし彼は、「日が暮れてるからこそいいんだ」と言って、帰ろうとする気配はありません。
「もし、宝石があったなら、とって帰ってくれば良かったじゃない」と言うと、
「とって帰れないんだ。」
彼はそう言って笑います。
「それって宝石なの…?」
私が疑問を浮かべると、「着いた!」とゆういちくんは言いました。
────────
でも、それがきっかけで、そんなに多くは2人に関われなくなった。
その事について、希望くんが私に言ったの
「最近、れんかちゃん、よく集多と関わってるね!
あいつもいいやつだ。だけど、ゆういちのこと嫌いにならないでやって。」
彼の一言が、私の心の中に残った。
それから何事もなく、時は過ぎていったの。
でも、高校生の時のことだった。
私はその時、絶望したの…。
大切な人を失ってしまったから。
私は彼が倒れてるところを発見したの。
「何があったの…?」
私は冷静さを失って、彼の頭を抱えあげた。
すると、小さな声で言ったの…。
「ゆういちをたのむ…」って。
こんな時まで、彼のことを気にかけるなんて…って思った。
その後、彼は救急車で運ばれたけれど、助からなかった。
誰かにナイフで刺されてしまったみたい…。
結局、犯人は分からなかったけど、集多教で1人捕まった人がでたから、その人だと思った。
けれども、集多さんは、私に何度も言ったの。
彼を襲ったのは、ゆういちくんだって。
最初は信じていなかったけれど、段々、集多さんの言ってることが本当に感じられて、いつの間にか、私の中では、彼が犯人のように…。
その時はいつも、彼の言葉が浮かんできたの。ゆういちを頼む…と、嫌いにならないでって。
もしかしたら、ゆういちを頼むって言うのは、犯人だからって思ったこともあった。
だけど、彼は優しいから…。
そう思って、分からずじまいだった。
それから少しずつ、彼のことを本に書いたり、情報を集多さんに渡したの。
─────────
私と加木くん2人だけの空間になった。
「本多ちゃんの方からって珍しい。」
加木くんは、そう言って、私に何の用かとたずねてきた。
「さぁ、分からないわ。もしかしたら、昔の話をしたくなったのかもね。」
私はそう言って、窓の外をみる。
空は雲で覆われていた。
「今まで沢山勝負したな。」
「そうね。あの頃はまさか、200回も勝負するとは思わなかった。あなたの執念凄いわよね。」
そう言って私はクスッと笑った。
私たちは、あの事件があってから、下の名前で呼ばなくなったのよね…。
ふとそれが浮かんだ。
「あの時の事件、あなたが犯人?」
私は思わずそう聞くと、彼は何も言わなかった。
「なんで何も言わないの…?」
「俺は、本多ちゃんの考えに任せる。そう考えているから…。」
「そう…あなたっていつもそう…。」
私はそう言って、話すのを辞めた。
沈黙が流れて、今度は、勝負の話をする。
「次は200勝になるのね。
きっと、そこまでになったのは、あなたの考えが足を引っ張ってると思うの。」
「間違いなんてない世界なんて、考えるの辞めたらどうなの…?あなたのことだから、テストで悪い点をとったから…それで…」
自分で破ったあのページが何度も何度も頭に浮かんだ。
あの日、悲しさのあまり、日記を消してしまおうと思った。けれども、上手く行かず、あのページだけ…。
何が書いてあったのか、もう覚えてなかったけれど、彼に負けたあの時の勝負が、ふと蘇ってきたの。
思い出す度に、何故かズキズキと頭が傷んで阻まれていたそれが
────────
最近、ゆういちくんとの勝負で勝ちが増えてきてます。
私はとても嬉しかったです。
「着ぐるみじゃない羊人間は居るよ~」とゆういちくんは言いますが、結局見つかりません。
「私の勝ちね!」
そう言って、鼻を高くして喜びます。
そして、ある日、彼は、「川で宝石をみた」と言いました。
けれども、そんなことある訳がないと言うとまた勝負がはじまります。
ゆういちくんが行く方に、ついて行く途中、日が暮れました。
「どこへ行くの…?遅くなると、お母さんが心配するよ」
しかし彼は、「日が暮れてるからこそいいんだ」と言って、帰ろうとする気配はありません。
「もし、宝石があったなら、とって帰ってくれば良かったじゃない」と言うと、
「とって帰れないんだ。」
彼はそう言って笑います。
「それって宝石なの…?」
私が疑問を浮かべると、「着いた!」とゆういちくんは言いました。
────────
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。
ずっと女の子になりたかった 男の娘の私
ムーワ
BL
幼少期からどことなく男の服装をして学校に通っているのに違和感を感じていた主人公のヒデキ。
ヒデキは同級生の女の子が履いているスカートが自分でも履きたくて仕方がなかったが、母親はいつもズボンばかりでスカートは買ってくれなかった。
そんなヒデキの幼少期から大人になるまでの成長を描いたLGBT(ジェンダーレス作品)です。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
異世界楽々通販サバイバル
shinko
ファンタジー
最近ハマりだしたソロキャンプ。
近くの山にあるキャンプ場で泊っていたはずの伊田和司 51歳はテントから出た瞬間にとてつもない違和感を感じた。
そう、見上げた空には大きく輝く2つの月。
そして山に居たはずの自分の前に広がっているのはなぜか海。
しばらくボーゼンとしていた和司だったが、軽くストレッチした後にこうつぶやいた。
「ついに俺の番が来たか、ステータスオープン!」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる