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数字ヒーロー①
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今日もこの世界のどこかで差別が行われている。
そんな時、決まってあらわれる男が居た。
人は彼のことを「ナンバーマン」と呼ぶ。
───────
二人の男が、マンションの前で話をしていた。
「そういえば、こんな話知ってますか?」
「なんですか?」
「マンションって、04号室がないとこ多いんですよ。」
「へぇ。そうなんですね。」
「4は死ってとても悪い意味があって。」
「とても嫌われている数字なんです。この数字には気を付けた方がいいですよ」
「分かりました。気をつけます」
すると、「まてー」という声が、頭上高くから聞こえてきた。
男達はその声に驚いて口をあんぐりとあける。
「き、君はなんなんですか?」
すると、彼は答えた
「数字界の平和は俺が守る!ナンバーマンだ!」
男達はハテナで1杯になる。
「テトラフォビアにはさせないぞ!」
そう言って、ナンバーマンは語りだした。
「4は悪い数字ではない。差別を止めに来たんだ。」
自分達は差別なんてしていないと言うなか、ナンバーマンは、
「数字を差別している。 4と言う数字が嫌いなんだろう?」と。
すると、男は「4は死を連想させる悪い数字だから仕方ない」と言う。
「俺がいい意味を教える。」
「4番バッター、これは期待されるもの。」
しかし、男は「味方側にとっては、いいものだが、相手側にとっては嫌なものだ!」
「しかも、やられる側とやる側の立場、やる側の方が確実に悪いのだ」と聞く耳を持たない。
しかし、ナンバーマンは終わらなかった
「それ以外にも沢山ある。四神、四天王、スートに書かれたマークの数、1以外の素数ではない最初の数など数えればきりがない程に。」
すると、男は「うぅぅっ…」と、弱々しい声を出して、4を悪い数字だと言ったことをあやまった。
「この世に、数字差別がある限り、それに立ち向かう!」
そして小さな声で「大丈夫だ。これからしなければ…」と呟くとどこかへ飛んでいく。
──────
この世には、トリスカイデカフォビアや、ヘクサコシオイヘクセコンタヘクサフォビアと言った恐怖症が存在する。
しかし、その数字達が悪いものではないと皆に知って欲しい。
一つ一つの数字はとても貴重で、なくてはならないもの。そこには多くの意味が込められており、どれ1つとってもいけない。
だからこそ、差別をなくして、数字界に平和を取り戻すんだ─────
4、13、666など、これらの数字は差別されるべき数字。しかし、これらの数字だけではない。
他にも多く存在する、差別されるべき数字は。
そう考えた男は、人が集まる広間で、主張を繰り広げた。
「4、13、666は悪い数字、これは言わずもがなだが、それ以外にも悪いものは存在する」
足を止める人達にえくぼを作った。
「それは、4が含まれる数字、4になる数字だ。」
分からないような顔をしていたので、例をあげて説明する。
「前者は、1の位、10の位…に含まれれば、それらは全て悪い数字、つまり、156409という数字があったら、100の位の4のせいで、これが悪い数字になる。と言うことだ。」
止まった人達は歩き出した。
残った人がいるので、また彼は続ける。
「次に4になる数字、これは13もそうだが、22が簡単な例だろう。2×2で4、2+2で4になる。この2つの数字で差別される数字になるんだ!」
それを聞いて、止まっていた人達は全員歩き出す。「気にしすぎでは…?」と言う人も居た。
だが、歯止めが効かなくなったのか、まだその主張を続ける。
──────
そこへ、ナンバーマンがやってきた。降り立つと、近くに居た人に取り押さえられた。
「来たなナンバーマン!噂は聞いていた!」
リーダーの男は笑いながら近付いてくる。
「毎日の訴えで、人を集めて、私は数字差別許容組織を設立したのだ!」
「うっ…」
ナンバーマンがそう言うと、更に笑いが込み上げてくる。
「ナンバーマン、君の噂はかねがね聞いていた。数字差別は許さないんだってね。」
動けない様子をみて、はは。と笑いながら続ける。
「これから我々は、4、6、13、そしてこれらに関係するものを全て廃止し、もし、それらを口に出せば罰則する。そんな世界を創造するのだ!」
「そんなことはさせないぞ!」
バタバタと動き回るが、手がほどかれない。
すると、数字差別許容組織の人達が何やら分厚い書物を持って、ナンバーマンを囲んだ。
ページを開いて読み始めた。
「4は悪い数字であり…」
そこには多くの数字差別が綴られていたのだ
──────
それを読み終える頃に、ナンバーマンはボロボロになって下に崩れる。
「ナンバーマン、お前はもう私たちの崇高な数字差別を止められない。」
ナンバーマンは小さい口を開けて、4は悪い数字と呟いた。
それをみて、リーダーの男は大きく笑って、ナンバーマンをそのままに、帰っていった。
残された彼はまだ数字の差別をブツブツと言っている。
この世界は数字差別許容組織に支配されてしまうのか?
どうなる?ナンバーマン!
そんな時、決まってあらわれる男が居た。
人は彼のことを「ナンバーマン」と呼ぶ。
───────
二人の男が、マンションの前で話をしていた。
「そういえば、こんな話知ってますか?」
「なんですか?」
「マンションって、04号室がないとこ多いんですよ。」
「へぇ。そうなんですね。」
「4は死ってとても悪い意味があって。」
「とても嫌われている数字なんです。この数字には気を付けた方がいいですよ」
「分かりました。気をつけます」
すると、「まてー」という声が、頭上高くから聞こえてきた。
男達はその声に驚いて口をあんぐりとあける。
「き、君はなんなんですか?」
すると、彼は答えた
「数字界の平和は俺が守る!ナンバーマンだ!」
男達はハテナで1杯になる。
「テトラフォビアにはさせないぞ!」
そう言って、ナンバーマンは語りだした。
「4は悪い数字ではない。差別を止めに来たんだ。」
自分達は差別なんてしていないと言うなか、ナンバーマンは、
「数字を差別している。 4と言う数字が嫌いなんだろう?」と。
すると、男は「4は死を連想させる悪い数字だから仕方ない」と言う。
「俺がいい意味を教える。」
「4番バッター、これは期待されるもの。」
しかし、男は「味方側にとっては、いいものだが、相手側にとっては嫌なものだ!」
「しかも、やられる側とやる側の立場、やる側の方が確実に悪いのだ」と聞く耳を持たない。
しかし、ナンバーマンは終わらなかった
「それ以外にも沢山ある。四神、四天王、スートに書かれたマークの数、1以外の素数ではない最初の数など数えればきりがない程に。」
すると、男は「うぅぅっ…」と、弱々しい声を出して、4を悪い数字だと言ったことをあやまった。
「この世に、数字差別がある限り、それに立ち向かう!」
そして小さな声で「大丈夫だ。これからしなければ…」と呟くとどこかへ飛んでいく。
──────
この世には、トリスカイデカフォビアや、ヘクサコシオイヘクセコンタヘクサフォビアと言った恐怖症が存在する。
しかし、その数字達が悪いものではないと皆に知って欲しい。
一つ一つの数字はとても貴重で、なくてはならないもの。そこには多くの意味が込められており、どれ1つとってもいけない。
だからこそ、差別をなくして、数字界に平和を取り戻すんだ─────
4、13、666など、これらの数字は差別されるべき数字。しかし、これらの数字だけではない。
他にも多く存在する、差別されるべき数字は。
そう考えた男は、人が集まる広間で、主張を繰り広げた。
「4、13、666は悪い数字、これは言わずもがなだが、それ以外にも悪いものは存在する」
足を止める人達にえくぼを作った。
「それは、4が含まれる数字、4になる数字だ。」
分からないような顔をしていたので、例をあげて説明する。
「前者は、1の位、10の位…に含まれれば、それらは全て悪い数字、つまり、156409という数字があったら、100の位の4のせいで、これが悪い数字になる。と言うことだ。」
止まった人達は歩き出した。
残った人がいるので、また彼は続ける。
「次に4になる数字、これは13もそうだが、22が簡単な例だろう。2×2で4、2+2で4になる。この2つの数字で差別される数字になるんだ!」
それを聞いて、止まっていた人達は全員歩き出す。「気にしすぎでは…?」と言う人も居た。
だが、歯止めが効かなくなったのか、まだその主張を続ける。
──────
そこへ、ナンバーマンがやってきた。降り立つと、近くに居た人に取り押さえられた。
「来たなナンバーマン!噂は聞いていた!」
リーダーの男は笑いながら近付いてくる。
「毎日の訴えで、人を集めて、私は数字差別許容組織を設立したのだ!」
「うっ…」
ナンバーマンがそう言うと、更に笑いが込み上げてくる。
「ナンバーマン、君の噂はかねがね聞いていた。数字差別は許さないんだってね。」
動けない様子をみて、はは。と笑いながら続ける。
「これから我々は、4、6、13、そしてこれらに関係するものを全て廃止し、もし、それらを口に出せば罰則する。そんな世界を創造するのだ!」
「そんなことはさせないぞ!」
バタバタと動き回るが、手がほどかれない。
すると、数字差別許容組織の人達が何やら分厚い書物を持って、ナンバーマンを囲んだ。
ページを開いて読み始めた。
「4は悪い数字であり…」
そこには多くの数字差別が綴られていたのだ
──────
それを読み終える頃に、ナンバーマンはボロボロになって下に崩れる。
「ナンバーマン、お前はもう私たちの崇高な数字差別を止められない。」
ナンバーマンは小さい口を開けて、4は悪い数字と呟いた。
それをみて、リーダーの男は大きく笑って、ナンバーマンをそのままに、帰っていった。
残された彼はまだ数字の差別をブツブツと言っている。
この世界は数字差別許容組織に支配されてしまうのか?
どうなる?ナンバーマン!
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