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第六章 早漏マゾ男にされるとは、情けない!

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 あの性悪母娘に僕は騙されて一文無しにされ、変な薬を身体に塗られた。そこから、戦闘時になると身体がジンジンと熱くなって、ゾクゾクとした高揚感が駆け巡っていた。とてもじゃないが戦える状態ではなくなって、旅も続けられるかわからなかった。
 でも、そんな苦しい日々も今日で終わりだ。天才神官スカーレット様が僕の身体を治してくれるはずなのだから。

「話はわかりました。サキュバスの呪い…古書で読んだ記憶があります」
「ほ、本当ですか!?」
「はい。非常に珍しく、現在には伝わっていない呪いです」

 スカーレット様が口を開くたびに、どんよりと曇り続けていた僕の心がぱっと明るくなっていく。

「古のサキュバスは快楽を貪るために、媚薬のような分泌液を発していたと言われています」
「はっ、はい」
「進化の過程でそのような機能は低下したと言われていますが…実は現在でもそのような機能を有した希少種がいるのです」
「そうなのですね…」

 全くもって初耳の情報だ。それにしてもあの母娘は、そんな希少なものをどうやって手に入れたというのだ。
 いや…そんなのは考えてもわからないことだ。今はとにかく僕の身体を治してもらわないと。

「スカーレット様、僕の身体を治す方法は存在するのでしょうか?」
「もちろんあります」
「そ、その方法とは!?」

 街に待っていたその答えが聞ける。僕は思わず身を乗り出して質問してしまう。一方のスカーレット様はいたって冷静で、そんな僕を宥めている。

「勇者様、落ち着いてください」
「あ、すみません…」

 僕は慌てて椅子に腰掛けて、再び聞く姿勢を作った。僕が落ち着いたのを確認してから、スカーレット様はゆっくりと口を開いた。

「サキュバスの呪いは深刻です。精魂尽き果て…絶命に至る時まで呪いは続きます」
「そ、そんな…」
「ですが、一つだけ解決策がございます。それは、少し申し上げにくいのですが…」

 今までハキハキと話してきたスカーレット様が口籠っている。僕を気遣っているのだろうか。それとも呪いを解く方法はそんなに過酷なのだろうか。僕の心に緊張が走る。
 いや、それでも僕は前に進むんだ。

「スカーレット様、仰ってください」
「…分かりました。呪いを解く方法は一つ。『精魂尽き果てた』と錯覚させることです。つまり、その…自慰行為を何度も繰り返し…空っぽにするのです」

 言葉を発し終わった後も、スカーレット様は恥ずかしそうにしている。僕は僕で、予想外の答えにどう反応していいか分からず、目をパチクリさせていた。
 自慰をすれば治るなんて、とんでもない話だ。本当にそうなのか?でも、天才神官様がそう仰ってているのだ。

「その…信じられないかもしれませんが、それが唯一の方法なのです」
「は、はあ…」

 僕の頭はまだまだ混乱していた。だけど治す方法がそれしかないのなら、僕はそれをするしかないのだろう。
 どうやら、またとんでもないことになってきたようだ。それでも、僕は身体を治さないとこれ以上強くなれないのだ。結局のところ、やるしかないのだろう…
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