55 / 77
第五章 母親で好き放題遊ばれるとは、情けない!
55
しおりを挟む
※
「ああ、お待ちしておりましたわ。ハロルド様…そして、アンナさん」
「ドロシー、待ち焦がれていたようだな」
強引に連れられてきた寝室には、サラちゃんのお母さんのドロシーさんが待っていた。歳は私と同じぐらいで、上品でとても綺麗な女性だ。どこかおっとりとした雰囲気があって、それが彼女の色気や美しさを倍増させている気がする。それにとても上品な振る舞いをする。きっと、私と違って高い身分の家柄なのだとわかる。
こう言っては失礼なのは百も承知だが、生意気なサラちゃんと本当に親子なのかと思う。けど、ドロシーさんも鬼畜男の妾なのだ。母娘揃って同じ男の妾になるなんて…私には理解できない。
そんな私の怪訝そうな顔つきを気にすることなく、ドロシーさんは私の顔を見てにこやかに微笑んだ。
「ふふふ。アンナさん、今日はよろしくお願いします。一緒にハロルド様にたくさんご奉仕をして、満足するまで気持ち良くなってもらいましょう」
「あ、はい…」
私は思わずあっけに取られてしまい、相槌のような返答をするのが精一杯だった。すると鬼畜男が得意げな顔をして、私に向かって話しかけてきた。
「ふふふ。ドロシーとサラはな。私に忠誠を誓う素晴らしい部下の妻と娘だ」
「あら、私たちとの馴れ初め話ですか?恥ずかしいですわ」
「私はこの美しい母娘を非常に気に入ったものでな。その部下は特別に大出世させたよ。今では最前線の砦で、防衛の指揮を取ってもらっている。過酷な環境で年に数回、家に帰れるかも分からないが…それでも彼は使命感を持ち、5年近く任務に当たってくれている」
「うふふ。それで私、寂しくなって…そこをハロルド様に狙われてしまいましたの。もう私、ハロルド様なしでは生きていけませんわ♪」
そんな…なんて卑劣なことを考えるのだ。権力を用いて仲睦まじい夫婦を引き裂いて、強引に奪い取るなんて。しかも、それだけのことをされたのに…ドロシーさんはどうして幸せそうに語るのだろう。まるで恋人との馴れ初めを語る時のように…恥じらいながらも幸せそうなのだ。
「ドロシーを落とせばサラも簡単だった。娘も捧げなければ捨てると言ったら、ドロシーはすぐに娘との『密会』をセッティングしてくれたよ」
「サラも初めは戸惑っていましたけど…今では狂信的にハロルド様のことを愛しておりますわ」
「うむ。この通りドロシーとサラは肝が座ってあるのでな。ギャンブルのイロハを叩き込んだよ。おかげで気に入らぬ多くの政敵達が美しき母娘の罠に嵌り、失脚をしたよ」
「うふふ。アンナさんのご子息もその1人ですわ。まんまと罠に嵌り、多額の借金を背負うことになりましたわ」
狂っている。ただただ狂っている。その言葉しか見つからない。嬉々として娘を差し出したことを語る母親。でも、確かにサラちゃんは異常と形容できるほどに鬼畜男を崇拝していた。ドロシーさんもサラちゃんも、この鬼畜男に卑劣な所業の数々によって洗脳されてしまったのだろう。
「どうやら長話が過ぎたようだな。アンナが不機嫌そうな顔をしている」
「うふふ。ハロルド様に早くご奉仕がしたくてたまらないのですね。妾として素晴らしいですわ」
「なっ!?そんなわけないでしょ!」
異常者2名による曲解に私は思わず言葉を荒げて否定する。しかし2人は私のことなど気にも留めず、話を続ける。
「ふふふ。この反抗的な態度がまたそそるのだ」
「あら、まだ堕ちきっていないのですね。それはそれで…ハロルド様はそそられるのでしょうね」
「くっ…!」
この異常者達には何を言っても無駄なのかもしれない。私は返す言葉が思いつかなくなる。
「さあアンナ、これからドロシーと協力して私にたっぷりとご奉仕をしてくれ。繰り返すが、断るならば息子は多額の借金を背負うことになる。そうなれば、想像を絶する生き地獄が待っているだろう」
「くっ…!ひどい、酷すぎるわ…」
「うふふ。アンナさん、私と一緒に宴を楽しみましょう♪」
ドロシーさんがエスコートするように私の手を引き、大きなベッドへと誘導する。私はなすすべなく、鬼畜男へのご奉仕をすることにした。
「ああ、お待ちしておりましたわ。ハロルド様…そして、アンナさん」
「ドロシー、待ち焦がれていたようだな」
強引に連れられてきた寝室には、サラちゃんのお母さんのドロシーさんが待っていた。歳は私と同じぐらいで、上品でとても綺麗な女性だ。どこかおっとりとした雰囲気があって、それが彼女の色気や美しさを倍増させている気がする。それにとても上品な振る舞いをする。きっと、私と違って高い身分の家柄なのだとわかる。
こう言っては失礼なのは百も承知だが、生意気なサラちゃんと本当に親子なのかと思う。けど、ドロシーさんも鬼畜男の妾なのだ。母娘揃って同じ男の妾になるなんて…私には理解できない。
そんな私の怪訝そうな顔つきを気にすることなく、ドロシーさんは私の顔を見てにこやかに微笑んだ。
「ふふふ。アンナさん、今日はよろしくお願いします。一緒にハロルド様にたくさんご奉仕をして、満足するまで気持ち良くなってもらいましょう」
「あ、はい…」
私は思わずあっけに取られてしまい、相槌のような返答をするのが精一杯だった。すると鬼畜男が得意げな顔をして、私に向かって話しかけてきた。
「ふふふ。ドロシーとサラはな。私に忠誠を誓う素晴らしい部下の妻と娘だ」
「あら、私たちとの馴れ初め話ですか?恥ずかしいですわ」
「私はこの美しい母娘を非常に気に入ったものでな。その部下は特別に大出世させたよ。今では最前線の砦で、防衛の指揮を取ってもらっている。過酷な環境で年に数回、家に帰れるかも分からないが…それでも彼は使命感を持ち、5年近く任務に当たってくれている」
「うふふ。それで私、寂しくなって…そこをハロルド様に狙われてしまいましたの。もう私、ハロルド様なしでは生きていけませんわ♪」
そんな…なんて卑劣なことを考えるのだ。権力を用いて仲睦まじい夫婦を引き裂いて、強引に奪い取るなんて。しかも、それだけのことをされたのに…ドロシーさんはどうして幸せそうに語るのだろう。まるで恋人との馴れ初めを語る時のように…恥じらいながらも幸せそうなのだ。
「ドロシーを落とせばサラも簡単だった。娘も捧げなければ捨てると言ったら、ドロシーはすぐに娘との『密会』をセッティングしてくれたよ」
「サラも初めは戸惑っていましたけど…今では狂信的にハロルド様のことを愛しておりますわ」
「うむ。この通りドロシーとサラは肝が座ってあるのでな。ギャンブルのイロハを叩き込んだよ。おかげで気に入らぬ多くの政敵達が美しき母娘の罠に嵌り、失脚をしたよ」
「うふふ。アンナさんのご子息もその1人ですわ。まんまと罠に嵌り、多額の借金を背負うことになりましたわ」
狂っている。ただただ狂っている。その言葉しか見つからない。嬉々として娘を差し出したことを語る母親。でも、確かにサラちゃんは異常と形容できるほどに鬼畜男を崇拝していた。ドロシーさんもサラちゃんも、この鬼畜男に卑劣な所業の数々によって洗脳されてしまったのだろう。
「どうやら長話が過ぎたようだな。アンナが不機嫌そうな顔をしている」
「うふふ。ハロルド様に早くご奉仕がしたくてたまらないのですね。妾として素晴らしいですわ」
「なっ!?そんなわけないでしょ!」
異常者2名による曲解に私は思わず言葉を荒げて否定する。しかし2人は私のことなど気にも留めず、話を続ける。
「ふふふ。この反抗的な態度がまたそそるのだ」
「あら、まだ堕ちきっていないのですね。それはそれで…ハロルド様はそそられるのでしょうね」
「くっ…!」
この異常者達には何を言っても無駄なのかもしれない。私は返す言葉が思いつかなくなる。
「さあアンナ、これからドロシーと協力して私にたっぷりとご奉仕をしてくれ。繰り返すが、断るならば息子は多額の借金を背負うことになる。そうなれば、想像を絶する生き地獄が待っているだろう」
「くっ…!ひどい、酷すぎるわ…」
「うふふ。アンナさん、私と一緒に宴を楽しみましょう♪」
ドロシーさんがエスコートするように私の手を引き、大きなベッドへと誘導する。私はなすすべなく、鬼畜男へのご奉仕をすることにした。
0
お気に入りに追加
198
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
継母の心得 〜 番外編 〜
トール
恋愛
継母の心得の番外編のみを投稿しています。
【本編第一部完結済、2023/10/1〜第二部スタート☆書籍化 2024/11/22ノベル5巻、コミックス1巻同時刊行予定】
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる