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第三章 借金漬けにされるとは、情けない!

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「あら、見事な皮の被りようですわね」
「あんたって勇者にしては身体の線も細いし、アソコもちっちゃいのね」

 観衆の前で全裸になった僕を待ち受けていたのは、ドロシーさんとサラの嘲笑だ。人を無理やり裸にしておいて、何でそんなバカにするようなことを平気で言うんだ。酷い、酷すぎるよ。
 僕の中では、面と向かって馬鹿にされたショックと、この母娘に対する怒りの感情が渦巻いていていた。だけど2人はそんな僕の様子を気にも留めない。

「はいはい。そんな情けない格好で睨みつけていても説得力ないわ」
「さあ勇者様、早くそのお身体でお客様を楽しませてくださいませ」

 本当に憎たらしい母娘だ。でも僕は借金を背負わされていて、この人たちの言う通りにしないといけないんだ。そうは言っても、観衆に囲まれながらするなんて、あまりにも異様だ。できるわけがないじゃないか。

「きゅ、急にこんな状況で、できるわけないだろ!」
「やっぱりそう言うわよね」
「うふふ。そんな勇者様のために、私たちはこんな物を用意していますわ」

 ドロシーさんは、僕だけでなく観衆にも伝えるように声を張っているようだ。そんなドロシーさんの言葉に、観客たちは少しどよめいた。

「おお!アレを使うのか!」
「ふふふ、大金を払った甲斐があるというものじゃ」
「あの坊やも気の毒だわぁ…」

 ドロシーさんがカバンから取り出した物は、手袋と小さな容器だ。その瞬間、観客の歓声が一際大きくなった。一体何を用意したっていうんだ。思わず冷や汗が流れてしまう。

「気にすることはありませんわ。ちょっと感度を上げるクリームですわ」
「動いちゃダメだからね」
「なっ!?」

 いつの間にかサラさんは僕の背後に回って、羽交い締めをして僕を押さえつけていた。

「は、離せよ!」
「何よ。アンタにそんなことを言う権利ないでしょ」
「くっ!!」
「暴れちゃダメですわ、勇者様」

 僕が背後のサラに気を取られていると、今度はドロシーさんが僕の目の前に近づいていた。分厚い手袋の上から、容器の中にある少し濁った白色のクリームを付けて、僕の胸板に塗り始めた。
 次の瞬間、すーっとした清涼感が僕の身体を走り抜けた。そして胸が心地よく…いや心地よすぎる…心地良すぎて、全身の力が抜けるような不思議な感覚に襲われているのだ。

「な、なにぃ、これぇ…」
「あはは!さっきまでの威勢はどうしたの!?」
「サキュバスの分泌液を凝縮して作り出した最上級の媚薬ですわ」
「サキュバスの体液は極上の媚薬って言われてるの。それを濃縮させた禁断の媚薬ってわけ」

 ダメだ。頭がぼうっとしてきて、話が全部聞き取れない。でも「禁断の媚薬」だって?そんな物、どうしてこの人たちが持っているんだろう。

「ただし、欠点もあってね。修行や経験を積んで、精神力の高い者に対しては効果はないわ」
「うふふ。つまり勇者様はまだまだ未熟者というわけですわね」

 そう言い終えるとドロシーさんは、僕の身体に再びクリームを塗り始めた。しかも乳首とアソコに重点的に…こんなのたくさん塗られたらおかしくなる。逃げないと。振り払ってでも逃げないと。
 分かっているのに、クリームを塗られているだけなのに、凄く気持ちよくて、身体に力が入らない。後ろから羽交い締めしているサラが、僕の身体を支えているみたいだ。
 いつの間にか僕の足は子鹿のようにプルプルと震えている。そして、頭がぼうっとするくらい身体は火照っている。乳首とアソコに全身の神経が集まっているくらい、敏感になっている。それに、ジンジンと甘く痺れてきて、どうにかなってしまいそうだ。
 僕の視界の隅で観客の様子が映った。今まで反抗的な態度を示していた僕の変わり身が気に入ったのだろうか。固唾を飲んで僕の様子を見ている。
 いやだ…やめて…そんな目で僕を見るな…
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