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第三章 借金漬けにされるとは、情けない!
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しおりを挟む「こ、ここって…」
「ふふふ。簡単に言うなら、大人の見世物小屋ですわ」
「アンタには今からここで稼いで返済してもらうわよ」
ドロシーさんとサラに連れられてやってきたのは、見るからに怪しいお店だ。カジノからすぐの場所にあって、異様な雰囲気を醸し出していた。
僕たちは関係者入り口を進んで、舞台袖にやってきた。ドロシーさんは僕たちと離れたところで、関係者に話をつけている。そして数分後、ドロシーさんは満面の笑みを浮かべて戻ってきた。
「早速許可が降りましたわ。さあ勇者様、今からステージに上がりましょう」
「流石ママね。さあ童貞君、行くわよ」
舞台に上がる。絶対にロクな目に会わない。でも僕にはもう目の前の階段を上がり、舞台へ姿を現すしかなかった。
「なっ!?…」
僕が舞台から見た光景は異様極まりなかった。30名ほどの観客たちが仮面を装着して、こちらを興味津々に眺めていた。仮面でよく分からないけど、老若男女様々な観客がいるようだ。その観客たちが皆、僕の方を興味津々に眺めているのだ。僕の背筋に思わず寒気が走る。
「これより青年Aによる公開オナニーショーを始めます。青年Aの容姿は、話題の勇者エルド様にそっくりでございます。皆様、是非とも楽しんでご覧くださいませ」
僕にとって不吉なアナウンスが流れる。青年Aって僕のことだよね…?僕はこれからこの不気味な観客たちの前で…しないといけないの?
「見て…鎧や剣まで持っているわ」
「ふうむ、随分と凝った余興だ。これは楽しみだ」
仮面をつけた観客たちの声が聞こえる。そんなものが楽しみなんて、悪趣味で下品極まりない。
僕が舞台上で固まっているのに見かねたのか、サラが僕の背中を小突いた。
「さあ、さっさと脱ぎなよ」
「そ、そんな…急に言われても無理だよ!」
「借金を返すためでしょ?それともママにここに来てもらって、同じことをしてもらおうかしら?」
くそっ!すぐに母さんの名前を出しやがって。でもこれは僕の問題だ。母さんを巻き込むわけにはいかない。
「どうしたー!早く始めろ!」
「まあまあ。本番で緊張しているんだ。それも純朴な青年らしくて素晴らしいではないか」
観客の野次や会話が途切れ途切れに聞こえて来る。くそ!くそ!今日は良い1日になるはずだったのに、僕はなんでこんな目に…
「分かったよ…やるよ」
「最初からそうすれば良いのよ」
「くっ!覚えておけ!」
僕はサラを睨みつけながら、剣を置く。次に鎧を外して、衣服を脱ぎ始めた。観客からは歓喜の声が上がった。
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