上 下
27 / 77
第三章 借金漬けにされるとは、情けない!

27

しおりを挟む

「僕がお二人と勝負するんですか?」
「うむ。そうだ」
「今から、ですか?」
「ははは。そう申したぞ」

 いまいち状況を把握できていない僕の様子を見て、ハロルド様は愉快そうに笑っている。
 しかし、急に戦えと言われても…僕はドロシーさんとサラさんをチラリと見た。

「私たちが美女なのかは分かりませんが、ギャンブルでは名を馳せていますのよ?」

 ドロシーさんが自信満々に言った。ということは、僕と年齢が同じぐらいのサラさんもその世界では有名のようだ。
 …いやいや、そんな人たちといきなり対戦したって勝てるわけないじゃないか。僕の考えは間違っていないよね?僕は心の中で思わず自分自身に問いかけていた。

「案ずるなかれ、エルド殿」
「私たち親子が賭け事のイロハを教えますの。勝負をするのは、その後のちょっとした余興…遊びみたいなものですわ」

 ハロルド様とドロシーさんが、すぐに僕の不安に答えてくれた。まるで僕の心を読み取っているようだ。

「エルド殿は顔に出やすいのでな」
「そ、そうですか?」
「ははは。なかなか自分では気が付かぬものよ。しかし、自分の癖を知り、相手の仕草を観察する技術は磨いておいて損はない」
「ハロルド様の仰る通りですわ。その技術は戦いでも役立ちますわ」

 そうか。ハロルド様とドロシーさんも、洞察力に長けているんだ。だから僕の心をこんな簡単に読み当てるんだ。確かにその洞察力を盗み、戦いで活かすことができたら…僕はもっと強くなれるだろう。
 ハロルド様に連れられてきた時は半信半疑だったけど、ここまできたら腹を括ろう。僕はハロルド様を信じて、ギャンブルについて学ぶことにした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

君と僕の一周年記念日に君がラブホテルで寝取らていた件について~ドロドロの日々~

ねんごろ
恋愛
一周年記念は地獄へと変わった。 僕はどうしていけばいいんだろう。 どうやってこの日々を生きていけばいいんだろう。

大好きな彼女を学校一のイケメンに寝取られた。そしたら陰キャの僕が突然モテ始めた件について

ねんごろ
恋愛
僕の大好きな彼女が寝取られた。学校一のイケメンに…… しかし、それはまだ始まりに過ぎなかったのだ。 NTRは始まりでしか、なかったのだ……

冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい

一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。 しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。 家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。 そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。 そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。 ……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──

【R18】僕の筆おろし日記(高校生の僕は親友の家で彼の母親と倫ならぬ禁断の行為を…初体験の相手は美しい人妻だった)

幻田恋人
恋愛
 夏休みも終盤に入って、僕は親友の家で一緒に宿題をする事になった。  でも、その家には僕が以前から大人の女性として憧れていた親友の母親で、とても魅力的な人妻の小百合がいた。  親友のいない家の中で僕と小百合の二人だけの時間が始まる。  童貞の僕は小百合の美しさに圧倒され、次第に彼女との濃厚な大人の関係に陥っていく。  許されるはずのない、男子高校生の僕と親友の母親との倫を外れた禁断の愛欲の行為が親友の家で展開されていく…  僕はもう我慢の限界を超えてしまった… 早く小百合さんの中に…

彼女は処女じゃなかった

かめのこたろう
現代文学
ああああ

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

寝取られた義妹がグラドルになって俺の所へ帰って来て色々と仕掛けて来るのだが?(♡N≠T⇔R♡)

小鳥遊凛音
恋愛
寝取られた義妹がグラドルになって俺の所へ帰って来て色々と仕掛けて来るのだが?(♡N≠T⇔R♡) あらすじ 七条鷹矢と七条菜々子は義理の兄妹。 幼少期、七条家に来た母娘は平穏な生活を送っていた。 一方、厳格ある七条家は鷹矢の母親が若くして亡くなった後 勢力を弱め、鷹矢の父親は落ち着きを取り戻すと、 生前、鷹矢の母親が残した意志を汲み取り再婚。 相手は菜々子の母親である。 どちらも子持ちで、年齢が同じ鷹矢と菜々子は仲も良く 自他共に認めていた。 二人が中学生だったある日、菜々子は鷹矢へ告白した。 菜々子は仲の良さが恋心である事を自覚していた。 一方、鷹矢は義理とは言え、妹に告白を受け戸惑いつつも本心は菜々子に 恋心を寄せており無事、付き合う事になった。 両親に悟られない淡い恋の行方・・・ ずっと二人一緒に・・・そう考えていた鷹矢が絶望の淵へと立たされてしまう事態に。 寮生活をする事になった菜々子は、自宅を出ると戻って来ない事を告げる。 高校生になり、別々の道を歩む事となった二人だが心は繋がっていると信じていた。 だが、その後連絡が取れなくなってしまい鷹矢は菜々子が通う学園へ向かった。 しかし、そこで見た光景は・・・ そして、菜々子からメールで一方的に別れを告げられてしまう。 絶望する鷹矢を懸命に慰め続けた幼馴染の莉子が彼女となり順風満帆になったのだが・・・ 2年後、鷹矢のクラスに転入生が来た。 グラビアアイドルの一之瀬美亜である。 鷹矢は直ぐに一之瀬美亜が菜々子であると気付いた。 その日以降、菜々子は自宅へ戻り鷹矢に様々な淫らな悪戯を仕掛けて来る様になった。 時には妖しく夜這いを、また学校内でも・・・ 菜々子が仕掛ける性的悪戯は留まる事を知らない。 ようやく失恋の傷が癒え、莉子という幼馴染と恋人同士になったはずなのに。 古傷を抉って来る菜々子の振る舞いに鷹矢は再び境地へ・・・ そして彼女はそれだけではなく、淫らな振る舞いや性格といった以前の菜々子からは想像を絶する豹変ぶりを見せた。 菜々子の異変に違和感をだらけの鷹矢、そして周囲にいる信頼出来る人物達の助言や推測・・・ 鷹矢自身も菜々子の異変をただ寝取られてしまった事が原因だとは思えず、隠された菜々子の秘密を暴く事を決意する。 変わり果ててしまった菜々子だが、時折見せる切なくも悲しげな様子。 一体どちらが本当の菜々子なのか? 鷹矢は、菜々子の秘密を知る事が出来るのだろうか?

NTR(エヌ・ティー・アール)

かめのこたろう
現代文学
……。

処理中です...