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12.ミネルヴァの囁き③
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お前も分かるように、人間たちにとって、勇者は希望の象徴だ。希望の象徴が存在する限り、人間たちは魔王に屈しない。
魔王はこの何百年もの間、多くの勇者を葬ってた。しかしその度に新しい勇者がすぐに現れてしまう。そして勇者が新たに出現してしまう以上、人間の希望は消えない。
だから、魔王はこの連鎖を断ち切ることを決めた。つまり、勇者が二度と現れないようにすること決意したんだ。
ふふふ。こうやって話をすると、勇者はまるでタチの悪い害虫に思えてくるな。害虫駆除にあたって、根本的な発生源から壊滅させるというのも全く同じだ
「しかし、具体的な作戦はまだ何も決まってないようだな。魔王にしては、随分と杜撰な計画を立てたものだな」
「確かに、我ながら随分と大雑把な計画を立ててしまったものだ。しかし私にはこの計画を必ず成功させるという自信…いや、確信がある。私の力と、君の力を持ってすればね」
「んうぅ♪お前のような優秀な男に必要とされるとは…悪い気はしないな」
大胆な計画を立てる豪胆さ。そしてそれを実行する行動力。計画を絶対に成功させると言い切る圧倒的な自信と実力。その全てが男として魅力的だった。何一つお前が勝るものはない。
そして、そんな男に私は必要とされていたのだ。これ以上の幸せがあるだろうか。
「だが、私もただで手を貸すというわけにはいかないな」
「確かに、これは取引でもある。いずれにせよ、我々には他にもじっくりと話すべきことがあるな」
「ああ、そのようだ。だから…この拘束具を外してくれ」
「もちろんだ。取引は公平に行われないとな」
魔王は拘束魔法を解除すると、私を紳士的に抱き寄せた。それだけで私の身体はビクビクと震えてしまったんだ。
「あんぅ…♪と、取引の話にはふさわしい場所を用意しているのだろう?」
「ああ、その通りだ。そちらに場所を移してじっくり話をするとしようか」
「ふふふ…楽しみだ。お前も人間の身体を手にして、溜まっているものがあるようだからな」
こうして私たちは場所を移して、「取引」の話をすることにした。
ふふふ。貴様のように初心で鈍い男でも、ここまで言えば、察しがついたようだな。
それにしても…どうしたんだ?
随分と息が荒くなっているぞ。心臓の鼓動もとても早くなっているな。
まさかとは思うが…私が堕ちる話を耳元で囁かれて、興奮しているなんてことはないだろうな。
もしそうなら、お前は救いようのない変態マゾだな♪
まあいい。お前が変態マゾかどうかは、話を続ければ分かることだからな。
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