11 / 22
11.ミネルヴァの囁き②
しおりを挟む
※
「まさか、貴様が魔王だったとはな」
「ほう。私の正体までも探りあてたのか。やはり君は優秀だ」
「ふふふ。まさか魔王に誉められる日が来るとはな…♪とても光栄だ」
お前に既に話したように、ヤーザムの格好をした得体の知れぬ男の正体は魔王だった。もちろん、私たちが倒した魔王は偽物だ。正確に言うと魔王の魔力の残滓のようなものらしいがな。
「それにしても、暗黒魔法は凄いな。拘束に洗脳…それに人格転移まで可能なのか」
「ああ。この身体には、私の性格、知性、そしてあらゆる能力が引き継がれている。もちろん、他にも沢山の暗黒魔法があるぞ」
「ふふふ。非常に興味深いな♪」
私の心は踊っていた。世界にはまだまだ私が知らない魔法が沢山あるんだと、ワクワクしていた。
もっともっと暗黒魔法について学びたい。初めて魔法を学んだ幼少のころのように、純粋な知的好奇心が湧いてくるんだ。
「それに、この洗脳魔法も興味深い。あれほど毛嫌いしていたヤーザムの外見が…先ほどから魅力的に見えて仕方がないぞ…♪」
「これは驚きだ。洗脳術にかかってなお、洗脳状態にあることを自覚しているというのか。さすが天才魔道士だ」
「ふふふ♪おまけに強力な催淫効果付きのようだな。お前と話しているだけなのに、身体が芯から火照っている…」
分かるか?会話をしているだけだというのに、身体がゾクゾクと震えて仕方がないんだ♪
この男はそれだけ魅力的なのだ。この世界中のどの男よりもな。声も外見も性格も能力も…その全てが私の本能を刺激するんだ♪
そしてこの時に私は直感した。お前とは手を切り、この男と行動を共にするべきだとな。
「それにしても、なぜヤーザムの身体を乗っ取ったんだ?」
「私が見たところ、この男の肉体の強さは人間の中で屈指のものだ。元の持ち主がうまく扱えていなかっただけでな」
「ふふふ。お前がその身体を扱えば…誰も歯が立たないだろうな」
見てみろ。この男の肉体は非の打ち所がない。飛び抜けて大きな体躯。ゴツゴツとした太い骨格に、分厚い筋肉の鎧。雄々しくて力強くて…とても魅力的だ♪
それに比べると、お前の肉体は随分と貧弱だな。背も高くなければ…身体の厚みも横幅も物足りないな。
それでもかなり鍛え込んでいるのは知っているが、男としての魅力を一切感じないな。だいたい何だ、この薄っぺらい胸板は。
ん、どうした?私がお前の胸に触れた瞬間、身体がぴくっと反応したぞ?まさかこんな状況で、胸をなぞられて感じたなんてことはないだろうな。
ふふふ。まあいい、話を続けるぞ。
「それにこの男は勇者たちと因縁がある。しかも都合がいいことに弱者だと見下されている。隙をつくにはもってこいというわけだ」
「なるほど。私たちを罠にはめるには打ってつけというわけか。現に私は捕らえらてしまったのだからな。優れた慧眼だ」
「ふふふ。光栄だよ」
魔王は用意周到に私たちのことを調べていたんだ。そして大変嬉しいことに…最初の仲間は私と決めてくれていたんだ。
「それで…アレンを生き地獄に叩き落とすということが計画の目的というわけか」
「ふふふ。君のように聡明な者がいると会話がスムーズに進む。助かるよ」
魔王の計画はシンプルだ。それはお前を生き地獄に叩き落とすこと。
どうしてそんなことをするかって?慌てるな。まだまだ、ゆっくりと説明をしてやるからな…
「まさか、貴様が魔王だったとはな」
「ほう。私の正体までも探りあてたのか。やはり君は優秀だ」
「ふふふ。まさか魔王に誉められる日が来るとはな…♪とても光栄だ」
お前に既に話したように、ヤーザムの格好をした得体の知れぬ男の正体は魔王だった。もちろん、私たちが倒した魔王は偽物だ。正確に言うと魔王の魔力の残滓のようなものらしいがな。
「それにしても、暗黒魔法は凄いな。拘束に洗脳…それに人格転移まで可能なのか」
「ああ。この身体には、私の性格、知性、そしてあらゆる能力が引き継がれている。もちろん、他にも沢山の暗黒魔法があるぞ」
「ふふふ。非常に興味深いな♪」
私の心は踊っていた。世界にはまだまだ私が知らない魔法が沢山あるんだと、ワクワクしていた。
もっともっと暗黒魔法について学びたい。初めて魔法を学んだ幼少のころのように、純粋な知的好奇心が湧いてくるんだ。
「それに、この洗脳魔法も興味深い。あれほど毛嫌いしていたヤーザムの外見が…先ほどから魅力的に見えて仕方がないぞ…♪」
「これは驚きだ。洗脳術にかかってなお、洗脳状態にあることを自覚しているというのか。さすが天才魔道士だ」
「ふふふ♪おまけに強力な催淫効果付きのようだな。お前と話しているだけなのに、身体が芯から火照っている…」
分かるか?会話をしているだけだというのに、身体がゾクゾクと震えて仕方がないんだ♪
この男はそれだけ魅力的なのだ。この世界中のどの男よりもな。声も外見も性格も能力も…その全てが私の本能を刺激するんだ♪
そしてこの時に私は直感した。お前とは手を切り、この男と行動を共にするべきだとな。
「それにしても、なぜヤーザムの身体を乗っ取ったんだ?」
「私が見たところ、この男の肉体の強さは人間の中で屈指のものだ。元の持ち主がうまく扱えていなかっただけでな」
「ふふふ。お前がその身体を扱えば…誰も歯が立たないだろうな」
見てみろ。この男の肉体は非の打ち所がない。飛び抜けて大きな体躯。ゴツゴツとした太い骨格に、分厚い筋肉の鎧。雄々しくて力強くて…とても魅力的だ♪
それに比べると、お前の肉体は随分と貧弱だな。背も高くなければ…身体の厚みも横幅も物足りないな。
それでもかなり鍛え込んでいるのは知っているが、男としての魅力を一切感じないな。だいたい何だ、この薄っぺらい胸板は。
ん、どうした?私がお前の胸に触れた瞬間、身体がぴくっと反応したぞ?まさかこんな状況で、胸をなぞられて感じたなんてことはないだろうな。
ふふふ。まあいい、話を続けるぞ。
「それにこの男は勇者たちと因縁がある。しかも都合がいいことに弱者だと見下されている。隙をつくにはもってこいというわけだ」
「なるほど。私たちを罠にはめるには打ってつけというわけか。現に私は捕らえらてしまったのだからな。優れた慧眼だ」
「ふふふ。光栄だよ」
魔王は用意周到に私たちのことを調べていたんだ。そして大変嬉しいことに…最初の仲間は私と決めてくれていたんだ。
「それで…アレンを生き地獄に叩き落とすということが計画の目的というわけか」
「ふふふ。君のように聡明な者がいると会話がスムーズに進む。助かるよ」
魔王の計画はシンプルだ。それはお前を生き地獄に叩き落とすこと。
どうしてそんなことをするかって?慌てるな。まだまだ、ゆっくりと説明をしてやるからな…
0
お気に入りに追加
117
あなたにおすすめの小説
僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた
楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。
この作品はハーメルン様でも掲載しています。
美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました
市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。
私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?!
しかも婚約者達との関係も最悪で……
まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!
貞操観念逆転世界におけるニートの日常
猫丸
恋愛
男女比1:100。
女性の価値が著しく低下した世界へやってきた【大鳥奏】という一人の少年。
夢のような世界で彼が望んだのは、ラブコメでも、ハーレムでもなく、男の希少性を利用した引き籠り生活だった。
ネトゲは楽しいし、一人は気楽だし、学校行かなくてもいいとか最高だし。
しかし、男女の比率が大きく偏った逆転世界は、そんな彼を放っておくはずもなく……
『カナデさんってもしかして男なんじゃ……?』
『ないでしょw』
『ないと思うけど……え、マジ?』
これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。
貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハー異世界ラブコメ〜
ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉
転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!?
のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました……
イケメン山盛りの逆ハーです
前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります
小説家になろう、カクヨムに転載しています
催眠術師は眠りたい ~洗脳されなかった俺は、クラスメイトを見捨ててまったりします~
山田 武
ファンタジー
テンプレのように異世界にクラスごと召喚された主人公──イム。
与えられた力は面倒臭がりな彼に合った能力──睡眠に関するもの……そして催眠魔法。
そんな力を使いこなし、のらりくらりと異世界を生きていく。
「──誰か、養ってくれない?」
この物語は催眠の力をR18指定……ではなく自身の自堕落ライフのために使う、一人の少年の引き籠もり譚。
目が覚めたら男女比がおかしくなっていた
いつき
恋愛
主人公である宮坂葵は、ある日階段から落ちて暫く昏睡状態になってしまう。
一週間後、葵が目を覚ますとそこは男女比が約50:1の世界に!?自分の父も何故かイケメンになっていて、不安の中高校へ進学するも、わがままな女性だらけのこの世界では葵のような優しい女性は珍しく、沢山のイケメン達から迫られる事に!?
「私はただ普通の高校生活を送りたいんです!!」
#####
r15は保険です。
2024年12月12日
私生活に余裕が出たため、投稿再開します。
それにあたって一部を再編集します。
設定や話の流れに変更はありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる