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B 美乃梨鎮圧2
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※
「ママー、パパは元気だった?」
「ええ、元気だったわ。家事も意外とちゃんとやってたわ」
「えー!パパって意外と家事できるんだ。それならいつもかもママの手伝いしてあげてもいいのにね」
「パパは仕事で忙しかったら仕方ないの。それに今は職場のすぐ近くに住んでいるから、そういう時間もあるのよ」
昼下がりのカフェ。俺の目の前では母と娘の何気ない会話が繰り広げられている。しかし俺にはよくわかる。母親の方、つまり美乃梨は必死で平静を装っているということを。
美乃梨から関係快勝の申し出があってから数時間、俺と楓は2人で旦那の単身赴任先から帰ってきた美乃梨を迎えに行った。楓からせっかくなら駅でお茶しようと美乃梨に連絡しててもらったのだ。もちろん、俺の存在は伏せてもらって。
改札口から出てきた美乃梨は、楓の隣にいる俺を見て明らかに動揺していた。いやあ、あの表情は傑作だったな。まあ、関係を断とうとした男が、愛する娘と一緒に現れたのだ。あんな表情になるのも納得だ。
※
「…急に何しにきたの」
楓がトイレに行ったタイミングで、美乃梨が警戒した面持ちで俺に話しかけてきた。
「いやあ、美乃梨さんの決意が固そうだったからさ、ちょっと強硬手段をね」
「ほんと、信じられない。早く帰って。それができないっていうなら私と楓は今すぐ帰るから」
美乃梨はいつもの穏やかな様子とは異なり、きっと睨みつけていた。こんな表情もするのか。あんなにアクメ決めてよがり狂っていたくせに。
「連れないなあ。俺たち、あんなに愛し合ったじゃん」
「そういう言い方はやめて」
美乃梨は毅然とした態度で俺の軽口を跳ね除ける。まあ、それはそれで俺のS心を刺激してくれるわけなんだが。
「そっちがそういう態度なら、俺たちが愛し合っていたこと、楓に教えてもいいけど?」
「…っ!最低…!」
美乃梨の動揺が隠せなくなった。おそらくだが、美乃梨も俺がそれを切り札に関係を迫ってくることは想定していたと思う。もしメッセージや通話でこの脅し文句を切り出したとしても、美乃梨は相手にしなかっただろう。
だが、この状況だと説得力が違う。俺は美乃梨の前に楓と2人で急に現れるようなヤバい奴なのだ。本当に、美乃梨との関係を楓に暴露しかねないと思うだろう。
「楓に内緒にしたかったら、このあとラブホに行こっか。楓がトイレから出てくるまでに決めて」
「そんな…!」
こういうのは選択に時間を与えてはいけない。俺はここが勝負どころと思い、仕掛けた。
「ほら、早く決めないと帰ってくるよ。どうするのか言ってみ?」
「わ、わかったわ…」
美乃梨が震えるようなか細い声を絞り出した。その言葉とほぼ同時に、楓が帰ってきた。
「今、美乃梨さんとも話していたけどさ、この前さ…」
俺は切り替えるようにして当たり障りのない話を始めた。いやはや、今回は俺にしてはずいぶん危ないことをしてしまった。とはいえ、何とか美乃梨から不倫SEXを快諾する言葉を聞けたのだ。俺も一安心というものだ。
しかし、美乃梨もずいぶん頑なだ。このままだと長続きはしないだろう。いっそ一気に畳み掛けて、倫理観をぶっ壊してやった方がいいかもしれないな。
「ママー、パパは元気だった?」
「ええ、元気だったわ。家事も意外とちゃんとやってたわ」
「えー!パパって意外と家事できるんだ。それならいつもかもママの手伝いしてあげてもいいのにね」
「パパは仕事で忙しかったら仕方ないの。それに今は職場のすぐ近くに住んでいるから、そういう時間もあるのよ」
昼下がりのカフェ。俺の目の前では母と娘の何気ない会話が繰り広げられている。しかし俺にはよくわかる。母親の方、つまり美乃梨は必死で平静を装っているということを。
美乃梨から関係快勝の申し出があってから数時間、俺と楓は2人で旦那の単身赴任先から帰ってきた美乃梨を迎えに行った。楓からせっかくなら駅でお茶しようと美乃梨に連絡しててもらったのだ。もちろん、俺の存在は伏せてもらって。
改札口から出てきた美乃梨は、楓の隣にいる俺を見て明らかに動揺していた。いやあ、あの表情は傑作だったな。まあ、関係を断とうとした男が、愛する娘と一緒に現れたのだ。あんな表情になるのも納得だ。
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「…急に何しにきたの」
楓がトイレに行ったタイミングで、美乃梨が警戒した面持ちで俺に話しかけてきた。
「いやあ、美乃梨さんの決意が固そうだったからさ、ちょっと強硬手段をね」
「ほんと、信じられない。早く帰って。それができないっていうなら私と楓は今すぐ帰るから」
美乃梨はいつもの穏やかな様子とは異なり、きっと睨みつけていた。こんな表情もするのか。あんなにアクメ決めてよがり狂っていたくせに。
「連れないなあ。俺たち、あんなに愛し合ったじゃん」
「そういう言い方はやめて」
美乃梨は毅然とした態度で俺の軽口を跳ね除ける。まあ、それはそれで俺のS心を刺激してくれるわけなんだが。
「そっちがそういう態度なら、俺たちが愛し合っていたこと、楓に教えてもいいけど?」
「…っ!最低…!」
美乃梨の動揺が隠せなくなった。おそらくだが、美乃梨も俺がそれを切り札に関係を迫ってくることは想定していたと思う。もしメッセージや通話でこの脅し文句を切り出したとしても、美乃梨は相手にしなかっただろう。
だが、この状況だと説得力が違う。俺は美乃梨の前に楓と2人で急に現れるようなヤバい奴なのだ。本当に、美乃梨との関係を楓に暴露しかねないと思うだろう。
「楓に内緒にしたかったら、このあとラブホに行こっか。楓がトイレから出てくるまでに決めて」
「そんな…!」
こういうのは選択に時間を与えてはいけない。俺はここが勝負どころと思い、仕掛けた。
「ほら、早く決めないと帰ってくるよ。どうするのか言ってみ?」
「わ、わかったわ…」
美乃梨が震えるようなか細い声を絞り出した。その言葉とほぼ同時に、楓が帰ってきた。
「今、美乃梨さんとも話していたけどさ、この前さ…」
俺は切り替えるようにして当たり障りのない話を始めた。いやはや、今回は俺にしてはずいぶん危ないことをしてしまった。とはいえ、何とか美乃梨から不倫SEXを快諾する言葉を聞けたのだ。俺も一安心というものだ。
しかし、美乃梨もずいぶん頑なだ。このままだと長続きはしないだろう。いっそ一気に畳み掛けて、倫理観をぶっ壊してやった方がいいかもしれないな。
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